2017/05/06 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にマリカさんが現れました。
マリカ > ハイブラゼールの目抜き通り。その圧倒的なダイナミックさにマリカは無表情でただぽかんと
口を開けて見上げていた。右を見、左を見ておずおずと歩くその姿は完全にお上りさんだと丸わかりで。

幸い、ダイラスでは宿ではなく、都市の入り口付近で大規模な施設があり、馬を預けることができた
が、それだけでもマリカにとっては結構な出費で。宿ではどれだけ取られるのかと戦々恐々
としながら町中を歩いていたのだが……地元の大きな街に立ち寄ったときに見たお祭りの時
より人が多い。うっかり宿探しも失念したまま、酒場、カジノ、風俗店などひしめき合う
歓楽街を一人旅装のまま歩き回っていた。

マリカ > もちろんこの年まで全くの世間知らずというわけではない。
ここは酒場、ここは賭場、ここは風俗店だというのはわかる。だがただとにかくその密度と人の量。
思考停止の中で、とにかくスリには気を付けないとという危機意識だけが正常に動き
荷物の入ったずた袋をしっかりと抱きしめながらあるく。自然、じわりじわりと
道を一本それ、次を曲り、と少しずつ喧騒から離れようと動いて。

マリカ > やや寂しくなってきた……いかにも裏通りといった感じの地域に来てようやく落ち着く。
とはいえまだまだ十分人気はあるのだけれど。

「この際お風呂とかなくてもいいから、とにかく宿を見つけなきゃ」

なるべく安く済ませたい。そんな思いで、普段よく利用している酒場の二階が宿になっている
ような簡素な宿泊施設を探して。店を覗けば酒場の中でこれまた内輪の博打に興じている酔客たち
の姿を見かける。カジノには行けなかったり、あるいは余韻を楽しんでいるような感じだろうか。
そこまで身なりはお金がありそうな感じではないがそれはこちらも同じ、あらくれ達におびえるような
性格でもなくむしろちょっと安心したくらいで。

「部屋、あいてませんか?」

店主と目があえば、声をかけてみるが到着が遅かったせいもあり開いていないようだ。

……まぁ、良くあることだ、根気強く探していこう。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にカインさんが現れました。
マリカ > 「わぁ。」

目の前の小規模な店舗。一見して性的なグッズが販売されているお店。
そこから和気あいあいとした……カップルというか、夫婦かもしれない。が出ていくのを見て
思わず声を出す。張型や薬のような軟膏などショーウィンドウに並んでおり、まじまじと
それを眺めて。

「夫婦生活でもこういうの使うんだ……。」

カイン > 「何だ嬢ちゃん、道具を使った情事に興味があるのかい?」

不意に後ろからからかうような声がかかる。
ちょうど通りがかったらしいあまり柄が宜しいとは言い難い大男が、
楽しげに少女の様子をうかがっていた。顎に手を当てたまま、
少女が目で追いかけていたカップルらしき連れ合いに視線を向けて喉を鳴らす。

「この街は大体如何わしいものなら凡そ揃うからな、外から買い付けに来る客も多いらしいぜ?
 夫婦やカップルの長続きの秘訣は確かに夜の生活っていうから無理もないが」

若干セクハラじみた言葉を投げかけながらも言っては何だが場違いと見える少女の様子を軽く観察するように視線が動く。

マリカ > 「っ……え?まぁ、いや、そのほら夫婦でも使うんだなこういうのって。」

ちょっとドキッとしながら振り向いて、愛想笑いを浮かべながらそう答えて。
団体さんについていく娼婦が一人……一人?
カインと会話をしながらも、ぎょっとした顔であっちを見てこっちを見て視線だけ時折そっぽを向いて。

「そうなんだ、こういうのも名物なのね……」

相手の風貌はちょっと胡散臭い感じはするが場所柄には溶け込んで見えるのであまり警戒はしない。
むろん常識的な範囲の警戒はするけれど。相手の視線は何となく想像がつく。自分でも浮いてると思うし。

「暫く長居できそうな宿とか探しているんだけど、もし知ってたら教えてくれませんか?値段第一で」

カイン > 「誰が呼んだか『至福の島』の異名は伊達じゃないみたいでな、
 国内外から人がわんさと集まってくる。この世の楽園だなんて大げさだろう?」

三文芝居のようによく口に出されるこの都市の異名を冗談交えに言って見せれば、
何となしに少女の視線が動いた先を見てああと声を上げる。
確かに、見慣れてないと異常な光景ではあるかもしれない。

「ここの娼婦もわきまえたもので、多人数の相手や道具やクスリの使用もなんでもござれ。
 例えばここの店でも確か娼婦と渡りが付けられたりするんじゃなかったっけな、
 そういう怖い場所だぜココは――しかしその格好、ひょっとして草原の方のかい?ここらじゃ珍しいな」

何か覚えがあると思えば随分と昔に似たような衣装を見た覚えがあるとようやく思い至り、
問いかけながらも続いて聞こえた言葉に少し意地の悪い笑みを浮かべ。

「そういうことなら、俺の常宿を提供してもいいぜ。
 もともとあまりこの場都市に常に居るわけじゃないんでな、
 大して高くもない家賃の幾ばくかを肩代わりしてもらえば後は好きに使ってもらっていい」

すらすらと語る内容は本当であれば随分と破格の条件ではある。
しかし、語る表情が意地悪いものであるのを見ればそれだけでないのは明白だろう。
指を一つ立てながら少女を見据え。

「――とはいえ、それだけだとあんまり面白くないからな。
 俺に博打で勝ったら、賃料はタダでってのはどうだ。
 その代わり、負けたら一晩相手でもしてもらおうか」

ある意味この都市らしい勝負を持ちかけた。最も、このセクハラじみた勝負事が断ったとしても、
その前の話はまた別の話として交渉の余地はあるだろうが。

マリカ > 「至福の島、っていうよりは欲望の島って感じだけど……多人数ってどうするんだろう……忙しそう。雰囲気出るのかな?」

他人事なので野次馬今生丸出しで答えながら、視線を合わせなおしてこちらも肩をすくめて見せる。

「知ってるの?」

故郷を言い当てられれば少し嬉しそうに、服の裾を少しだけあげて。片足だけが露出するスリット
以外は露出の少ない衣装だ。メリハリはついているが、それも大半は旅の装備で隠されていて。

「う、うぅん…その……プロの人じゃないよね?」

さすがに警戒しつつも、金額によっては心が揺らいでしまう。露骨に最悪売春したことだってある。うーんと唸りながら、もう少し詳しい話を聞いて。

「後はその……なんでもない……あ、そうだ、私探し物をしに来たんだけど、滞在費を稼がないといけないの。短期間で稼げる仕事とか、ないかな。ダンジョン探索とかこう……数日でまとまった、みたいな」

身分証明とか身元を確認したかったが、正直何を言われても騙される自信がある。
仕事の紹介もしてもらえるなら、とちょっと勝負に心が傾いて。

カイン > 「そりゃ男は女の体が目の前にあれば興奮するものだからな。前から後ろから、
 使える場所は幾らでもあるんだから欲望のままに赴くには問題無いさ。俺は好みじゃないけどな」

クックと喉を鳴らしながらも好みじゃないというのは本当なのだろう。首を横に振って返し。

「これでも昔世界中を旅したことがあってな。草原やその先の砂漠にも足を運んだことがある。
 草原の民の装束は色々と独特だからな、間違ってると恥ずかしかったが当たってたか」

おかげでこの近辺で草原の民の服は高値で売れる。
悪いことを教え込むかのように告げながらも、プロの人という呼び方に軽く吹き出し。

「プロではあるな。ただし傭兵の、だ。仕事の性質上、拠点を複数置いてるだけさ」

いちいち仕事で訪れる度に宿を探すのは効率が悪い。
だから多少値が張るとしても宿を確保しているのだと説明しながら肩を竦め。

「そうだな、嬢ちゃん何ができる?――と言ってもそれなりに腕は立ちそうだな。
 じゃあ俺の仕事でも手伝ってみるか?適当な魔物が倒せるなら、その手伝いをしてもらえればいい。
 一人でやれるって言うなら口を利いて宿で仕事を受けられるようにもできるだろうな」

何せこんな場所である。年中荒事には事欠かず、かくして荒事師は常に大歓迎であるのだから欲望の島というの間違っては無いと肩を竦め。

マリカ > 「後ろかぁ、後ろかぁ……」

ちらりと再びお店に目を向ければそういう道具もあるようで

「へぇ……交易でもしようかしら」

本当に高値で売れるならそういうのも悪くないかもしれない。現金収入が格段に増えれば
キャラバンももっとこう、野暮ったい伝統的な生活が変わるかもしれない、なんて夢想してしまう。
大事な思い出でもある自分の衣装は売るつもりはない、というかその発想が今のところ出ていないけど。

「剣は結構使うし、馬は自分の足みたいなものよ……そうね、仲介屋さんを紹介してくれればそれでいいわ。とりあえず」

手伝い、というのが一番難しそう。傭兵のプロというわけでもないのだし、とりあえずは一人でも
任されそうな依頼から始めてみよう、そんなことを考えて一泊間をおいて答えて。

「所で勝負って、もしするなら何をするの?あまり詳しくないんだけど」

カイン > 「草原の民の衣装は作るのに手間がかかるのは知ってるし、
 何よりそれほど外との交流に積極的じゃないからこその値段だろうがな。
 何より行商人といえどあんな広大な場所に足を踏み入れたらそのまま遭難しかねんし」

野生の獣に襲われたという話もよく聞くのだから笑い話にもならない。喉を鳴らして言い返し、
垢抜けないと思っていた少女が存外しっかりと物事を考えている様子に目を瞬かせ。

「なるほど、思ってた以上にただのお嬢ちゃんって訳でもなさそうだ――
 カードでもいいんだがこれでどうだ?こっちなら解りやすいだろ」

コインを一枚上機嫌に取り出して、掌の上に乗せてみせる。
コイントスという非常に簡単かつ解りやすい勝負である。

マリカ >
マリカ > 「それなら、わかるかな」

そして、表を選択してイカサマ対策にと目を凝らして手元を凝視する。露骨な仕草は
交易の話とは打って変わって少し実年齢より幼くみえるかもしれない。
まぁ、なんていうか自分でもうかつとは思うけど、いきなり売春するよりは確率は低いわけだし
……うん。

「っ……!!」

そして結果は裏。露骨にむっとした顔で、単に意地になっているだけだ。

「も、もう一回!次は私がやる。えっと……賭けるものは何か希望があれば、それでいいから」

ギャンブルをやってはいけないタイプらしい。よっぽどひどい提案でない限りは条件を受けるだろう。

「裏、表、どっち?」

すでに勝手に始める勢いだ。

カイン > 放り投げたコインが回転し、落ちてくる様子を手早く眺めながら手の甲でそれを受け止めれば、
少女の方へと改めて視線を向ける。わざとらしくゆっくりと手をどけて、コインを見せれば己のかけた裏。

「――俺の勝ちだな、というわけで一晩相手してもらうぜ?
 草原を旅した時一つだけ心残りが、あっちの女を抱けなかったことだったからな」

少女善とした相手の仕草をどこか微笑ましげに眺めながらも言い放つ言葉は下世話なもの。
上機嫌に言い放ち、コインをしまい込もうとした所で相手にコインをひったくられ。

「お、おい…?卓仕方ないな、それじゃあ――そうだな。表だ。
 対価は、その後も気が向いたら相手をして貰える権利ってところかね。そちらは何を求めるんだ?」

随分不透明な条件ではあるが、少女に突きつけるには中々酷な事を言い放つ。
そちらが最も、向こうが勝てばそれを撤回でもさせるだろうという程度の腹積もりから出た言葉ではあるのだが。
そのままじっと、相手の手元に視線が向き。
[3d6→1+1+4=6]