2017/01/08 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にパトリックさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からパトリックさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にパトリックさんが現れました。
パトリック > お客さん可愛いですねー、どうですか今晩辺り! えー、そうなんですかー?
ご安心ご安心、こうみえてもぼく男子なんですよー。 触ります? いや、胸じゃなくて…
お金がない? うーん、じゃあじゃあ、一発当てたらぜひ呼んでくださいよ。いっぱいしますんで!ね!
(今日も今日とてハイブラゼールでの諜報活動である。決してナンパとかえっちが目当てではない。
 今声をかけたお客さんは、シェンヤンの重鎮の娘だ。 この場所には様々な人間が集まる…諜報には最適である。
 雌らしい体つきにウィッグをあわせて上げれば、暗い背景の中では自分の性別も正体もわからないだろうし、
 やりやすいというのはよいことだ。 もちろんバニーの仕事を疎かにはしていないけれど。)

はあーい、お客様、飲み物ですか? ワインはこちら…どうぞどうぞ。飲み物は無料となっておりますので。
それにしてもお客様、素敵なお召し物ですね…胸板も厚くて男らしくて…すっごくいいかも。
あ、勝負に集中している…左様ですか。 ごゆっくりしてくださいねー♡
(ホールを回っていろいろと仕事をするのは楽しい。 様々な国の人間が、様々な会話をしている。
 中には普通なら聞けないような話をしている連中だっている。 もちろん、普段なら閉じられた場所で行うべき会話だが、
 それを表で…誰も聞いていないと思ってやってしまう輩は、どこにでもいるのだし。)

パトリック > …お…。なんか聞こえた気がする…。
(ウィッグの下で、獣耳がぴくぴく動く。 きな臭い話が聞こえた気がする。
 カジノの端…休憩所にあるテーブルに近づき、素知らぬ振りで飲み物を配り始める。
 大事なのはこのあと…休憩所の隅にいる連中の会話を聞き取ることだ。)

……ふむふむ。あっ、こりゃあいかん…。
(二人の男がしていたのは、どうやら武器の横流しの話みたいだ。
 たしか片方は…王都で商売をしていたやつのはず。
 懐におさめてあったメモにそっと書き記し、休憩所をあとにしてホールに戻る。
 今日の業務がおわったら、上に報告すべきことだろう。)

パトリック > よし、それじゃあ撤収撤収…お疲れ様でしたー!
(元気よく周りのバニーさんたちに挨拶してこっそり引き上げる。
 今は長居するよりも得た情報を上に回す方が重要だ。
 ハイヒールの足音を残して、ホールから立ち去るのでした。)

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」からパトリックさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (先日の、魔術騒ぎが在ってからと言う物、付近では自警団と思しき面子が歩いて居るのを時折見かける
自警団といっても有志と言う訳じゃない、ただ付近の店舗が、其々用心棒を回らせて居るだけであり
だからと言って治安が良くなったとか、そう言う訳では無い、何せ彼らは自分の店の被害以外は如何でも良いのだから
己もまた、暫しの用事が終わり、館へと帰る途中の事。 ふと、路地に建てられた掲示板の一つを眼にしては、僅かに双眸を細めた
其処に、板面を埋め尽くす程目一杯に張られているのは、所謂探し人…行方不明者の捜索願

こんな街だ、何処かで誘かされた者が、奴隷や娼婦として働いていても確かに不思議では無い
一通り、其の顔に目を通すのは、己が館で働いている娘達の顔が、其処に記されて居ないかを確認する為
己もまた、然程彼女達の身の上を考えずに働かせている節も在る、もし探し人であるのならば
其のあたり、一度当人と喋ってみるのも、館の主としての役割でも在る。 ……まぁ、実際は暇潰しのタネに近いのだが。)

…………ふむ、うちの娘は居ない、か。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にスゥルさんが現れました。
スゥル > ハイブラゼールの街路をゆっくりとした足取りで歩いてくる女性がひとり。
栗色の長い髪、膝下丈の紺色のローブを海風にはためかせながら。物珍しそうに左右の街並みをキョロキョロと眺めながら。
そして、掲示板の前まで来ると、その内容に興味を惹かれたのか、歩みをそちらに向け、先客(ルヴィエラ)のすぐ隣で立ち止まる。

「………………」

女性は口を真一文字に結び、水色の瞳を大きく見開きながら、掲示板に張られた無数の掲示へと視線を走らせている。
襟口の広いローブから覗く首筋から、ムスクの香りがほのかに立ち上る。

ある程度目を通したところで、ようやく隣りにいた長身男性の気配に気付いたのか。
そちらの方を振り向くと、はにかみの笑顔を作りながら軽く会釈をする。
その後も掲示板の全掲示に目を通そうと、視線を戻そうとする。

ルヴィエラ > (掲示板には、女のみならず男の探し人も多く張られている
例えば誘拐された息子、又は冒険や旅の途中で姿を消した旦那、はたまた借金を背負って逃げ出した男
張られている紙の数だけ、様々な理由が在る。 生憎、己が男側に見覚えが在るとは余り思えなかったが
――ふと、隣に立ち止まる気配が在る。 軽く其方へと視線を向ければ、女の姿
掲示に目を通す姿を見れば、彼女もまた探し人に関係の在る類だろうか
ただ――何か、違和感を覚えたのは、何故か。 思わず向けていた視線に、女の視線が絡んだなら
此方もまた、穏やかに笑みを向けて。)

――――誰か、人探しかな?

(――僅かな間を置いて、問い掛ける。 食い入る様に見詰める様子は、何処か真剣さを感じられた
ただ、矢張り気に為ったのは、人探しの方ではなく、彼女自身
それは、何故か其の姿に――微かな、同族の気配を感じ取ったが、故に)

スゥル > 「えっ…? あ、は、ハイ。人探しです……」

男性に声を掛けられると、その声にびくりと肩をすくませながらも、再びそちらの方へ振り向く。
驚いた拍子に、薄手のローブの中で頭ほどもある大きさの乳房がふよふよと上下左右に揺れている。
暴れる乳房を締め付けるように腕を上げ、右手を乳下に回し、左手の甲を隣の男性へと向ける。

「その……夫なんですけど。1年以上前に冒険に出たっきり、帰ってこなくて。ずっと探しているのです。
 こういう人探しの掲示板があれば必ず目を通してるんですけど……フフッ。やっぱりここにも手がかりはなさそうです」

きらきらと妖しげに光るルビーの結婚指輪を見せつけながら、スゥルは自嘲の混じった笑みを浮かべ、目を伏せた。

「貴方も人探しをされていらっしゃるのでしょうか? たぶん……力になれないこともない、とは思いますけれど。
 私、王都のほうで冒険者……の真似事をしてる、スゥルと申します」

目の前にいる男性が魔族、しかも男の淫魔であることなど知るよしもなく。
女性は恭しく会釈をし、柔和な笑みをたたえながら名を名乗った。

ルヴィエラ > (成る程、と、大方予想通りの反応に、一度頷いて見せた。
両腕で、其の乳房を隠す様に身を抱くも、其の熟れた女の肢体は隠し様も無い
恐らくは人間なのだろう、其れは間違い無い。 けれど、如何しても感じられる同族の気配に
一寸、双眸を細めた、其の刹那。 ふと、相手の左手、薬指に嵌められた指輪に気付き――瞳を瞬かせた
掲げられた其の指輪は、一見すれば豪奢な宝石の様にしか見えぬだろう
けれど、その実、其処から感じられるのは魔力――マジックアイテムの類
探し人であるらしき夫、薬指に嵌められたそれが、もし男の嵌めた物だとすれば

――ふむ、と、僅か腕組みして見せたなら、スゥルと名乗った其の女へと、僅か首を傾けて。)

いや、仕事柄多少顔が広くてね、見た顔が居ないか流し見て居たのさ。
……だから、逆に貴女のご主人について話してくれれば、私が何か力になれるかも知れないね。

(――彼女へと興味を抱いたが故の、きまぐれ。 
掲示板から少し離れ、彼女を導く様に路地の角へと向かおうとしながら
少しばかり、彼女の話を聞いて見ようと。)

――――……因みに…貴女の夫は、魔術師か何かかな?

スゥル > 「仕事柄……。もしかして酒場とか、冒険者の斡旋とかされてるのでしょうか?」

均整の取れた身なりと顔立ち。優しく甘い口調。いま話している相手がよもや娼館のオーナーだとはつゆも気付くことなく。
相手が自分の助けになってくれそうな雰囲気を見せれば、スゥルの水色の瞳は掲示板から男の方へと視線の向く先を変え、まっすぐに見つめている。

「ああそんな……今会ったばかりだというのに、そこまで親身にされてしまっても……その、困ります。
 彼がどこかで生きているということだけは、なぜか確信に近い形で分かるのですが。
 それでも、やっきになって探して、1年以上見つからなかった夫なのです。
 どうか与太話程度に聞いておいてくだされば、それで私は十分ですので……」

社交辞令を多分に含んだ言葉で、男性の誘いに乗るか否か戸惑う素振りを見せるスゥル。
しかし、ルヴィエラが掲示板の前から離れ、路地のほうへと向かおうとすれば、スゥルはその影を何の躊躇もなく追っていく。

「ええと、夫の名はトゥーマ……トゥーマ・ヴァルヒネンと言って、190cmに届くくらいの筋肉質の人間の男です。
 魔術師ではありません。というか、私が魔術師でした。たしなむ程度でしたけれど。
 彼とは冒険者仲間だったのです。引退と同時に結婚して……その、王都で暮らして、子供も授かったのですが。
 ……どうして、夫のことを魔術師と思われたのです?」

ルヴィエラの後に付き従いながら、質問されれば、スゥルは夫の身の上をペラペラと喋る。
「結婚して……」の後にはほのかに頬を染め、目を伏せる仕草まで見せる始末だ。

ルヴィエラ > ―――ふふ、まぁ、似たような物だ。 この辺りに店を持っていてね、良く人が出入りするのさ。

(何の、とは逢えて言わずに置こう。 何れにしても、多少也とも顔が広いのは決して出任せでは無い
真っ直ぐに、己を見詰める其の水色の瞳が、如何に自らの夫を真摯に探し続けているかを物語るなら
本来女が持っているのだろう、其の一途で献身的な精神性を垣間見て、ふ、と笑みを返すだろう)

―――……何、気紛れで立ち寄った場所に、同じく居合わせたのも何かの縁だろう、気にしなくて良い。
……成る程、冒険者、か。 ……其の口ぶりでは、それなりに長く共に居た様だね?

(――彼女の唇から語られる、夫についての話。 体格の良い冒険者は数多く思い浮かぶ物の
生憎ながら、そのトゥーマと言う名前には思い当たる節が無い
冒険者仲間として、引退、結婚、そして出産までを経ているのなら
少なくとも数年単位で共に居たと言う事だろう、が――

横で、顔を紅く染めている女が、疑問に思った事を問い掛けて来るなら
其の薬指に嵌められた指輪を、指先で示して、掲げる様に促し)

――……其の指輪。 唯の宝石ではないね? ……何か、魔力を感じられる。
だから、魔術師から与えられたと思ったんだが…、……冒険者なら、不思議ではないね。

(くすり、相変わらず柔和な笑みを見せながら、先刻の言葉の意味を説明しよう
ただ、其の刹那に、少しだけ彼女へと密やかに――己が足首の辺りから、伸ばす細い、影
見目では気付かない程度の、細い細い其れを、女の影へと繋いだなら
湧き上がる、小さな黒き蛇を一匹、其の足首からローブの中へと潜り込ませようとする、か
感触は、きっと一瞬だけ。 影のように脚を上り行き、其の下胎辺りへと滑り込めば
とぷん、と、其の胎の中へと、埋め込む為に)。

スゥル > 「店を持たれてるのですね。この道は貴方のお店に通じてるのでしょうか?
 ダイラスは現役時代に何度か来たっきりで、まったく不案内で。すぐ迷ってしまいそうです。フフッ」

男が見せる笑みに、熟女もまた屈託のない素直な笑みを返す。自らの人探しに付き合ってくれてることから、完全に警戒心を解いているようだ。
見知らぬ街の見知らぬ暗がりに連れ込まれても、その歩みに戸惑いはなく、スタスタと男の後を追っていく。

「……ああ、この指輪ですか。そうです。魔法の指輪なんです。夫とおそろいの結婚指輪。王都の魔法道具の店で買ってくれました。
 対になる指輪が近くにあると綺麗に光るんです。それと、着けた相手が死ぬと砕けてしまうとも……。
 砕けるかどうかはさすがに試しようもないのですが、それを信じるなら……夫はまだどこかで生きているはずです。
 正直、この指輪だけが頼りなんです……夫と私をいまでも繋いでいる、たったひとつの絆……」

左手薬指に嵌めた大きなルビーの指輪。スクウェアカットされたその表面を愛おしげに撫でながら、スゥルは物憂げな声で呟く。
……ルヴィエラには見えるだろう。宝石が、鈍く赤黒く、まるで地獄の炎が揺れるように不気味に明滅している様子が。
宝石が光る瞬間を心待ちにしているはずのスゥルだが、指輪のその様子に気付く素振りは見せない。なおもペラペラと喋っている。

「夫は引退後もたまに冒険にでかけて、いろんな魔法のアイテムをプレゼントしてくれたんです。
 モノがいっぱい入るポーチとか。そう、このローブも魔法のローブなんですよ♪
 寒い冬も暑い夏も、これ一枚でまるで春の日差しの中にいるように快適に過ごせる……ひゃっ!?」

紺色のローブを軽くたくし上げ、自慢するように生地を見せつけるスゥル……その太腿を一瞬、何かが駆け上がる感触を覚えた。
口を止め、きょろきょろと周囲を確認するが、生物の気配は無し。やがてすぐ、驚きの表情をまた微笑みに変え、

「……ご、ごめんなさい。やっぱりこういう暗がりだと少し寒いですね。スカートの中に風が入っただけです。
 着心地のいいローブなのでつい、下は薄着にしちゃって……フフッ」

太腿から違和感を除くようにローブの中で脚をすり合わせながら、スゥルは申し訳なさそうに笑う。
ローブの中に侵入した影の蛇には全く気付いていないようだ。そしてノーパンなので、蛇は一切の抵抗なく、スゥルの中へと潜り込めるだろう。

ルヴィエラ > (――違う。 其の指輪は彼女が説明するような、夫婦の絆を示す代物とは程遠い。
煌々と明滅する宝石の明かりに気付く素振りも無い彼女は、きっと指輪に囚われているのだろう
其れこそが、己の感じた違和感――己と同じ、同属である淫魔が彼女へと刻んだ、所有の証、か
けれど、其れは独占する為の物では無い、明確に、「彼女を眺めて愉しむ為のモノ」だ
ならば夫のことに付いては、とても幸せそうに語る彼女へと、恐らく真実を告げた所で無意味だろう
一年以上も、自らの脚で愛する夫を探し続ける様な女に、絶望など受け入れられる筈も無いのだから

――彼女の纏うローブに違和感を持たなかったのは、恐らく其れが、己にとって割と見慣れた代物だったから
ひらひらと、揺れる布地は娼館の娘達にも人気の物。 薄着ながら寒暖を凌げる便利な一品だが
正直、一般の人間が好んで着る様な代物とも言い難いのは確か、何せ、薄着過ぎる
労せずして、其の裾から潜り込んだ影の蛇が、女の胎の中へと姿を消したなら
――ずるり、影の蛇は、女の子宮、其の表面へ浮き上がり。)

―――……冒険をしていると、そう言ったアイテムが在るのは便利だろうね。
……ふふ、冒険者と言うから余り心配はしないが…余り無防備では、男に迫られてしまうよ?
私だって、夫の話を聞いた上でも、魅力的だと思う位だから、ね。

(女の顔を、不意に軽く覗き込む。
少しばかり、悪戯っぽく声音を響かせては、其の瞳に、己が瞳を重ねて
――其の、刹那に。 女の子宮へと撒き付いた黒蛇が、二匹に分かれて其の鎌首を擡げ、卵巣へと喰らいつく
痛みは与えない、ただ、深々と穿つ其の魔力の牙が、女の奥底を、雌の証を雁字搦めに縛り上げたなら
程なくして、どくりと、其の胎奥に熱が灯るだろう

もし、其の身体が淫魔の占有を受けているのならば、きっと己が魔力は弾かれる筈
けれど、もし其の身体が占有ではなく、想像したとおり、ただ眺め、愉しまれる為に在るのだとしたら
散々に、夫によって仕込まれただろう其の熟れた身体に、刹那、発情の引き鉄が、引かれる筈
――子宮が、卵巣が――突然、目覚めて行く、か)。

スゥル > 「ええ。便利なアイテムは冒険中はもちろん、普通に街で生活する間も役に立ちますから。
 それに、他ならぬトゥーマが……夫がプレゼントしてくれたモノですから。
 ちょっと布地が薄すぎるのは最初は気になりましたけれど、慣れればどうってことないです」

ルヴィエラの思うとおり、さして希少でもない彼女の《安らぎのローブ》。
そのゆったりとした袖をスゥルは愛おしげに愛撫しながら語る。よほどに愛着があるようだ。
……しかし、同伴していた男性の態度がにわかに怪しさを帯び、顔をまじまじと覗き込まれると、さすがのスゥルも警戒心を抱き始める。
男の紅い瞳をまっすぐ見つめ返すスゥルの空色の瞳は、にわかに鋭さを帯びる。

「……み、魅力的だなんて、そんな。お言葉はありがたいですが、でもダメです。
 わかってらっしゃるとは思いますが、私には大事な夫がいるんです。それに王都には子供だって。
 迫るのでしたらまだ手付かずの若い女性をお選び……に……っ!? はひっ!?」

確固たる意志を持って男性の誘惑を跳ね除けんと、今まで何度口にしたか知れない拒否の文句を紡ぐスゥルの唇。
しかし突如、その舌は引きつり、目はまんまるに見開かれ、全身をびくりとわななかせながら絶句してしまった。
髪が跳ね上がるほどの衝撃が上体まで伝わり、その後もローブの中で肉付きの良い太腿がガタガタと震え続けている。
雪のように白かったスゥルの頬は、まるでほおずきのように一瞬にして朱に染まった。

「……だ、ダメ……違う、の。これは……ああ……ああああ……。
 そんな、おかしい……会ったばかりの、男の人に、こんな、こんな気持ちに、なる、なんて……っ。
 …み、見ないで……気にしないで……大丈夫、ちょっと、気分が……変なだけで………」

突如スゥルの身体を襲った劇的な変化。
この感覚には覚えがある。……夫の体に身を委ね、その体臭を思いっきり吸い込んだ時の、極限まで発情しきる瞬間の感覚。
ある程度警戒心を解いてはいたものの、会ったばかりで名前も知らない男性に、ここまでの感情を抱いたことは今までない。
スゥルの思考は混乱しきり、男を見つめていた空色の瞳はカタカタと乱雑に揺らめいて焦点が定まらなくなる。
両脚から力が抜け、スゥルはどさりとお尻を路地についてしまう。薄いローブの裾がめくれ上がり、膝頭が見えるほどにはだけられてしまう。
……地に付いた左手の甲で、指輪がひときわ禍々しい光を一つ放つと、それっきり指輪は元の姿に戻ってしまった。
ルヴィエラの想像どおり、彼の魔術は拒絶されていないどころか、歓迎されている。どこか遠くで彼女の痴態を眺めている誰かによって。

「……ああ、嫌っ……見ないで……」

地にへたりこみ四肢を震わせながら、スゥルはローブにその肢体をまざまざと浮かび上がらせ、男に見せつけている。
震える乳房も、乳首が膨れ上がる様も、柔らかな下腹部も。脚の間に落ち込んだ生地には、早くも染みが浮かび上がり始めている。
これも指輪の魔力なのか、ことここに及んでも未だ、スゥルはルヴィエラのことを疑ってはいないようだ。