2018/09/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > そんな訳で、闘技場である。今日は、挑戦者側が勝ったら奴隷を一人貰える隷属の会。
流石にそろそろ飽きられたというか、目新しさは無くなって客足も落ち着いては居るが、闘技場側からすれば『採算が取れないほど飽きられたらやめればいい』ぐらいにしか考えてないのだろう。
相も変わらず隅っこで震えている檻の中の奴隷たちにしてはいい迷惑であるが、しかし大体にして奴隷の扱いなどそんなものである。
「このイベントに出る度に何か酷い目に遭ってる気がするんだけど……」
前回は結構良いかもと思っていた女の子に凄まじいやり方で拒絶されたし、
前々回はふたなり少女に全力で搾取された。
流石に今回は大丈夫だと信じたいが、今の所そう信じるだけの根拠はない。
『おーっとクレス選手!今日は何やら不調のようだ――!っていうか前々回結構搾取されてたしもしかしてその分の疲れが』
「おっとそれ以上言うと場外乱闘だぞ☆」
笑ってない笑みで余計な事を言う実況を牽制する。
「良いからさっさと今日の選手出してよ」と言うと、実況娘も心得た様に
『それでは、今日の挑戦者は――こちら!』
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にヴィンセントさんが現れました。
■ヴィンセント > 喧騒賑わう闘技場に、一人の男が現れる。
鎖帷子をカジュアルな服で包み、ミレー族の特徴でもある耳と尻尾を隠すこともなく露出させた風変わりな男が観客のどよめきを気にする素振りもなくスポットライトを浴びる。
『なんだよ男じゃねーか』
そう聞こえそうなほどの視線をたっぷりと身に浴びながら男は
ショウマンのように腕を広げ、芝居がかった風に口上を述べる。
「さぁさぁ皆さんお立会いってね。ここに出でたるは元奴隷、今や傭兵“不死身のヴィン”ことヴィンセント・ガディス。
今宵は甘さだけでない、シビれるような戦いをご覧に入れましょうかね――!」
やや低め、それでいてマイクなしでよく通るハスキーボイスが観客を、
待ち構える番人へと響き渡る。
「とまぁ、軽く自己紹介だ。
俺はヴィンセント・ガディス。単なる傭兵さ。
お前さんに勝てばひとり貰って帰れるんだよな、色男。」
背中に差した長柄のメイスを構え、不敵に笑う。
■クレス・ローベルク > 『おーっと、今回の挑戦者はむくつけき筋肉質の男性……ミレー族!?それも尻尾も耳も隠さない、堂々とした出で立ちで登場だ――!』
驚いた様な表情で紹介する実況娘。
男も、かなり驚いていた。普通、ミレー族と言えば、もう少しこそこそしているのが多いが、彼は全く動じていない。
そうこうしている内に、目の前の男は自己紹介まで済ませて、不敵に笑いかけてきた。
「"不死身"、か。中々凄い二つ名だね。実際どうなのかはこれから見せてもらうとして」
と前置きをすませてから、ルールの確認に答える。
「俺に勝てば奴隷一人。うん、その通りだよ。但し、チラシにも書いてあったと思うけど、負けた場合は相応の処遇が……って本来は脅しをかけるんだけど、君には通じなさそうだなあ。元奴隷っていうなら、自分の身分を買い直すだけの金は持ってそうだし、かといって俺、男を陵辱する趣味、ないしなあ」
と困り顔でそう言って、
「まあ良いや。それじゃあ、負けた場合は精々、君の負けた様子を録画して晒し者にしよう。それぐらいは許してくれるかい、挑戦者さん」
とこちらも腰に差した二本の内、バスタードソードを構えて笑う。
■ヴィンセント > 「ハ、戦士としてそれ以上の恥辱もあるまいに。
まぁ、そっちの気があると言われても困るがな――ほう、それがお前さんの得物か。
いいぜ面白え、血の滾るような戦いにしてくれよな。」
顔は笑えど、その瞳は鋭く。
戦い慣れしている男の構えにどこから攻めようか、どう崩そうかと戦術を組む。
「んで、ゴングは鳴るのか?」
腹の探りあいは続く。
笑顔で睨みあうまま、切欠を待つ。次の瞬間にも戦いは始まるのだろうから――
■クレス・ローベルク > 「あはは。まあ、俺は恥辱よりお金だからね。でもまあ、十分なペナルティになるようで、良かったよ」
そう笑いながら言う男。
構えはスタンダードな両手持ち。剣先をヴィンセントの額に向けて、振り下ろしも突きも即座に放てる構えだ。
ヴィンセントが合図を欲せば、クレスは「ああ」とうっかりしていた風に呟いて
「ごめんごめん。女性相手だと初撃を撃たせるからそれが合図なんだけど、男相手にハンデをくれてやるつもりはないから……それじゃあ実況さん、悪いけどゴング、鳴らしてくれるかい?」
『了解しました!それじゃあ、試合開始でーす!』
カァン!と軽くも良く響く金属音が会場に鳴り響くと同時、最初にクレスがヴィンセントに突っかかる。走りながら振り被り、勢いよくヴィンセントの脳天から股間までを両断する姿勢だ。
「まずはやや重めの小手調べ、だ!」
■ヴィンセント > 合図と共に男が突撃する。
大上段から来る一撃は脳天からの唐竹か。
「上等だ、小手だけで終わるなよ!」
軽く後ろへステップし、目の前を走る剣閃。
叩き付けられた剛剣が地面を殴ると同時に体を一転、横殴りの一撃を見舞う。
下手な防御ならそのまま殴り飛ばし、モロに入れば骨が纏めて砕ける――重鎚の一撃。
水平に迫り来る鉄塊が、クレスの心臓目掛けて迫り来る。
「そらよ、お返しだッ!」
■クレス・ローベルク > 「はは、努力はするけどねっ!」
初撃を軽く躱され、剣を引き戻す前に襲い来る一撃。
腕や剣では防御しても砕かれる。
「(くそ、パワーが有るってのは厄介だな……!)」
ならば、回避。長柄武器に対してバックステップは愚策と判断し、素早くしゃがむ。頭上を重い物が通過する独特の風圧を感じた瞬間に、クレスは動く。しゃがんだ状態で、ヴィンセントの膝に剣の柄を思い切り叩きつける。
膝を破壊できればよし、出来なくとも当たればバランスは大きく崩れる事になる。そこから幾らでも体制の立て直しが出来るという、そういう読みの攻撃だ。
■ヴィンセント > 「チ、思い切りがいいな――!」
一瞬にも満たない時間の内に、大きくしゃがみ込みなぎ払いをやり過ごすと同時に軸足目掛けての打撃。
貰えば膝など硝子の様に砕ける様が脳裏に浮かぶ。
「ついでに度胸もあるな・・・!」
姿勢の要を狙う一撃、あえて軸足を浮かし柳のように受け流す。
響く衝撃は完全には相殺できず、うつ伏せに倒れるところを身を捻って転がり受身を取れば、詰まった距離はお互いの得物よりやや遠く。
素早く立ち上がるヴィンセントの視界には立ち上がり大剣を構えなおす
クレスの姿。
「もちっとニブかったら今ので殺ってたところだが、そうでなくちゃあ面白くない。
次は俺の番だな――行くぞ!」
言い切ると同時に跳躍、一息で飛び込めば担いだ長鎚の柄を中心めがけて突き出し、更に1回転からのカチ上げの連撃。
一拍遅れて放つ2撃目は、反射だけの甘い回避ならば隙に刺さるだろう。