2015/10/26 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にアノーさんが現れました。
■アノー > ああ、それでたのむ ( そう言って男は葡萄の依頼での瓶を詰めた木箱を船員に渡した。男がとった方法は『郵送』。自分で手荷物で運ぶより運送業者に任せてしまったほうが壊れにくいと思ったからだ。そして、 ) 帰る前に――依頼か ( 先日、というよりも退役していくらかした頃に退役軍人たちで作り上げた『ナナシ部隊』に連絡が入った。さる人物から依頼の話があるのだと。 ) 軍にいる時は特殊作戦群、という扱いだったが ( 言い方を帰れば間諜やゲリラ戦。敵の補給線を破壊したり妨害したりを主な任務としていた者たちの集まりである。何を隠そう、己はその『ナナシ部隊』の設立メンバーの一人なのだ。 ) ―― ( つまり、トップに近い者を呼び出しての依頼となればそこそこ大きいか。大手からの? 国からの? ともあれ、接触予定地域に一番近いのも自分なのも事実。 そして、偶然にもこの湾岸都市で落ち合う手はずになっていた。 )
■アノー > ―――― ( そして、港の裏路地に入れば、そこが約束の場所か。 ) 狼の爪は? ( そっと、しかし通るような声で男は呟いた。 )
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にオルヴァ・フォンロークさんが現れました。
■オルヴァ・フォンローク > 「――金獅子の棲家」
男の呟きに答えるように話しかける。
堂々とそれでいて暗い印象の声
「時間通りとは優秀ですね」
温和な笑みを浮かべそう言った
■アノー > 「――・・・・ナナシ部隊のアノー・ニュクスだ」
暗い路地の中、ランタンの明かりもつけずに月明かりだけの会合というのはそれだけで怪しい。 否、裏路地を選んでいる時点ですでに怪しいだろう。
もっとも、このアノーという名前自体がすでに「名無し」なのだが。
「それで、ナナシ部隊に依頼があると聞いたが?」
温和な笑みを浮かべて声を掛ける相手に軽く肩を竦めてみせて男は苦笑いらしきものを浮かべた。
そう、これはビジネスであり商売だ。このような場所を選ぶということは裏の仕事であるだろうし、表立っての仕事ではないだろう。とは踏んでいた。
■オルヴァ・フォンローク > 「ふむ、依頼ね、そんな建前もありましたね
私がこれから金獅子の口になります。オルヴァ・フォンローク 」
金獅子の口つまるところはフォンローク伯爵の窓
という意味合いだろう。
オルヴァは月を見ながら自身の顔がわかる様に話す。
「依頼はいつもどおりに王侯貴族達の動きの監視ですね
何かあれば知らせるようにと。
これは契約金と貴族や王城勤務の紹介状です」
どっさり金貨がはいった小袋といくつか封筒を渡す。
■アノー > 「そうか。噛み付かれないように注意しないとな」
懐から煙草を取り出し、火を点けながらそう返した。
アノー・ニュクス。傭兵家業にはいる前は軍にて隠密、斥候、諜報活動に従事していた。主に敵国や魔物軍に対してだが。
「王侯貴族連中の監視か。俺に城内部の潜入をしろと?」
別段珍しい依頼ではない。情報を得ようと思うならそれこそ情報通を気取る酒場のマスターにでも聞けば出てきそうだが。
重たそうな金貨袋を受け取り、封筒を月に透かせてみせる。中身は見ていいものかどうか。さて、今回の自分の身分はどうなるのか。
「随分と大盤振る舞いだな。監視対象は本家か? 監視期間と対象、それに俺の肩書きはどうなる?」
■オルヴァ・フォンローク > 「ははは、私はまだおとなしいほうですよ。知ってますか?
ウチのご頭首はいまだにハテグ戦場で子作りしてますからねえ」
肩をすくめてやれやれといい、月明かりから一歩引く。
指を顎にあて考えながら
「その中に貴族の従者の仕事と王城の従事者の仕事の紹介状があります。内容までは知りませんよ。
監視は浅く広く、いつでも即応が可能な状態の維持。
これですかね」
王族の護衛の紹介状もあるかもしれない。
身分証も一緒に入っている
■アノー > 「知ってるか? 戦場での出産率は高いそうだ。 命の危険が伴ってるほうが出産しやすいそうだ」
ともあれ、英雄色を好むとも言う。
まあ、この世界で色を好まないほうが逆に怪しいぐらいに腐っているが。戦場は腐臭以外に匂いはしないだろうが。
「どちらにしても従者か。いくつか紹介状があるほうが怪しいか」
となれば、王城の従事者。王城警備などで入ればいいか。
さて、獅子の男の言葉にアノーは腕を組んで唸った。いつでも即応が可能な状態の維持、ということは。
「・・・・ま、王族の政権争いは今に始まったことではないなが。曖昧な依頼は困るな」
そこから得られるのは恐らく――王族へのコネクション?
フォンローク家といえば狂人、鬼人、阿修羅とかまあまあ物騒な噂を聞く家だ。
戦場において薪に落とす油のごとく燃え上がるとか。だとすればあまり政権政策にたいして有利に立っているイメージは無い。そこを補填する意味合いか? などと思索を続けるがそれが思考遊びであるとほどほどで切り上げ煙草を消しつつ溜息を吐いた。
「話は分かった。王城にて情報収集と厄介ごとが起きれば首を突っ込めばいいんだな?」
■オルヴァ・フォンローク > 「そんなところですかね。ウチは武門でして中央の政争に置いてかれる、これは良くない。
いわば身を守る為の情報収集です」
お恥ずかしいと大げさに手を額に当て天を仰ぐ。
王城にめったに現れない狂人貴族、しかも王位継承戦には中立を表明している。
「なにかアレば私に連絡を。首を突っ込んだ先が崖だったでは笑えませんから。
私、こうみえても王都勤務の王立騎士でして、詰め所にだいたいいます」
■アノー > 「時代に求められず消されるか、それとも時代に必要とされて重宝されるか。戦士はいつだって時代と言う名の戦争に流されていくしかない」
男は軽く頭を振ってそう言う。
いつの世の平和こそが戦士の存在価値を奪うのだ。
そして、戦闘に特化すれば特化するほど平和な世からは必要とされず、時代の歯車に噛み合わず異音を立てる。
「了解した。ナナシ部隊のアノー・ニュクスがその依頼請け負った」
封書と金貨袋を懐にしまい、男は深く頷いた。
「なに。旨みがあればフォンローク家が後ろ盾になるんだ。気は楽さ」
だが、不味い場所に突っ込めば知らぬ存ぜぬで斬られるがな、とは流石に言わない。
恐らく、王立騎士で詰め所に居るぞ、というのはそういう意味だろうと男は深読みした。
いつだって監視して此方も噛み付ける。気をつけろ。お前の後ろに居るのはお前ごと食らう獅子だぞ、と。
「それでは、そろそろ行く。夜間船が出る頃合だな」
仕事の依頼の話も済んだ。
今後の展開も、依頼主が望む成果も確認した。
ならば、あと自分がやることは王都に戻り葡萄の報告後王城にて手柄を立てることだ。つ、と一歩後ろに下がりそのまま軽く手を上げてから表通りへと歩いていこうとしようか。
■オルヴァ・フォンローク > 「死ぬこと知らぬ命に価値などない
……まあ、この分だと当分先でしょうね。
ああ、早々。」
そういって歩き出すアノーを呼び止め
懐から銘の無いダガーをとりだし、アノーへ刃を向けて
放ち、ピーと口笛をふく
「割符がわりです、詰め所の騎士に見せれば話が通る用になってます。
では王都で!」
手を上げると上空から大きな影がオルヴァを浚う
金髪の騎士はグリフォンに乗って去っていった。
■アノー > 「・・・?」
呼び止められ、怪訝そうに振り返った。瞬間、月光を反射して銀線が走った。それを――、
アノーは指先で掴んだ。
「そうか」
元より戦闘狂として名高い家だ。一手二手ぐらいは仕込んでくるだろうとは思ったが、
ずいぶんと優しい攻撃じゃないか。一撃だけとは。
「・・・・」
夜空を天高く舞いあがっていくグリフォンを見送り、アノーは手元で弄んだナイフをしまいこみ、溜息を吐いて見送った。 [3d6+10→2+2+4+(+10)=18]
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からオルヴァ・フォンロークさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」からアノーさんが去りました。