2018/10/12 のログ
ご案内:「セレネルの海」にヘルマさんが現れました。
ヘルマ > 緩やかな土手の上には、景観を売りにした小さな宿場町が広がっている。
大きな都との中継地点になっている事もあって、滞在者は多く、こんな時間になっても酒場の喧噪が遠く聞こえて来るほど。
いつも持ち歩いてる鞄は宿の部屋に置いて、浜辺の波打ち際を歩いている妖精が一人。
その歩調は緩やかで、傍から見ても特に目的があるようには見えないだろう。

ヘルマ > 潮騒の音に耳を傾け、潮風に流される髪を片手で押えながら歩く様子はあくまでのんびりと。
片手には脱いだサンダルを束ねて持ち、砂を踏む小さな音を立てて人けの失せた浜辺を行く。

「──参ったな。昼寝をし過ぎた。全然眠くない」

一見優雅にも見える風情を漂わせていたが、口から洩れた呟きは何処か気が抜けていた。
完全な肉体を持って活動している状態だと、色々な部分が人間に引き摺られてしまう。
寝過ぎれば眠気も訪れなくなるし、夕方まで寝ていた今日はこんな時間でも目が冴えている。
心を落ち着けて海辺でもうろついていれば眠気がやって来るかと期待したが、そんな事もなく。

ヘルマ > 途中で足を止めると、少し考えて歩みを海側に向けた。
砂浜に刻まれた、散歩の軌跡がカーブする。
やがて、一歩ごとに砂に浅く沈み込んでいた足が、寄せた波に横からくすぐられる。
引いて行く波に引っ張られる独特の感覚に、ほほう、と楽し気な声を漏らす。
近頃は夏の名残が随分と遅くまで残るようになったため、水は夜になってもまだまだ温みを残している。

「おっと……ついついエンジョイしてしまった。一層目が冴えてしまう。
しかし、この海というのは、いつ見ても凄いな。大きさとか、しょっぱさとか」

淡水の妖精としては、水にして水に非ずというイメージだが、このスケール感には正味な話、胸を打たれた。
何より、味がするというのが衝撃的だった。塩が含まれていると聞いたが、何故なのか今でも気になる。

ご案内:「セレネルの海」にリクィスさんが現れました。
リクィス > さく、さく、さく。裸足で浜辺を歩く。もとより夜がこの少女の活動時間。
夜に寝るという概念はあんまりない。眠れないわけではないが。
夜の海を見るのは初めてだ。ここまで暗いというのは、なにかワクワクしてくる。

――と、言う所でなにか異質な気配。というか、初めて感じる気配。

まあ、他人の事情に深く踏み込む必要はない。その気もない。

ヘルマ > 「……」

海を眺める。海をじっと見つめる。
何かが頭の中でカチカチと音を立てて動いているような、沈黙。
ややあって、ぽんと両手を打ち合わせ、妖精は独りごちた。

「いいじゃないか、眠れなくて。昼寝ればいいのだ」

何となく日昇とともに目覚め、日没とともに一日を終える生活が長かったせいで、
そうしなければという思考に囚われていたが……別にそうしなければいいという理由などないのだ。
今は当て所無き旅を続ける、放浪の身。

「よし。泳ぐか。海を知るには海と触れ合うのが一番」

寒さを感じる気候でもないので、マントは部屋に置いてある。
つまり、体に巻き付けた布一枚剥ぎ取れば、準備は完了ということ。
数秒で白い布を脱ぎ、サンダルと一緒に腹の前で抱えて、どこに置こうか悩んでいたところで、

「む? ──や、今晩は。こんな格好で失礼」

 互いの姿が見える距離で、他人の存在に気付く。
 流石に露出狂の気は無いが、相手が女性でしかも子供と見れば、普段通りののりで挨拶をした。

リクィス > 「ああ。夜寝るべきってのはふつー過ぎる考えだ
別にそうじゃなくたっていいさ」

実際自分は、昼に活動するのは必要なときだけだし
それを要求や強要してくるとひどく不機嫌になるものだ。
眼の前の女性がその辺りでなやんでいるというのなら、と、おせっかいな言葉をついつい。

「んや。往来でなきゃどんなかっこでもいいだろ」

こんな格好、と言われれば、自分はこの布を剥げばそれはもう大変だ。
好きでそういるわけでもないのに。

「泳ぐのか。暗ぇけど迷わねえのか?」

まっくらといっていい海を見て。

ご案内:「セレネルの海」からヘルマさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」からリクィスさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にルーナさんが現れました。
ルーナ > ぼんやりとしながら幾日か歩き続けていたら、いつの間にか海にまで歩いて来てしまっていたようだった。

落ちる夕日を眺めながら綺麗だと思ったりして
風に吹かれれば心地よいと思ったりして
ふと気がつけば空には満天の星々が輝いているのを眺めたりして
そんな事をしながら一日を過ごしていたが、さてどうしたものか今日の寝床を探さないといけなくなった。
少し歩け手頃な洞窟があったのでそこで暖を取りながら身体を休める事にした。

「今日も....たのしかった....あしたは...なにを...しようかな.....」

ぼんやりと起こした焚火の火を眺めながら明日、何をするか考えながら小さく欠伸を1つ零した。