2015/10/31 のログ
オルヴァ・フォンローク > 「おや?オーギュスト将軍!お元気ですかー。
見ましたか、火薬と鉛をギチギチに詰め込んだ火薬タルでしたが……要改良ですね。これは」

周囲を旋回しつつ編隊を組み、暢気に会話。

「フォンローク私兵軍、もとい名も無き義勇軍。
これより将軍の指揮下に入りますよ。」

オーギュスト > 「ったく、よく言うぜ……」

あの動きはこちらを見つけ、しかも無視して投下したものだろう。あいつらならやる。
ぶつぶつ言いながらも、オーギュストは空中へ旋回。戦況を見渡す。
まずは艦隊を救わなければならない。

「フォンローク! グリフォンで艦隊後方に風を起こせ!
艦隊は後方に向かい一斉砲撃! 勢いをつけて津波を振り切れ!」

指示を出しながら、クラーケンを探す。
海中に居るならば、まずは位置を把握する事が肝要だ。

オルヴァ・フォンローク > 「ははっ了解しましたー…ですが」

自身はとどまり、4機を指示通りに手信号で動かす。
グリフォンを艦隊後方に並ばせ風を起こさせる。

「古来より挑発はもっとも有効。
イカ野郎を操っている、引篭もりの小便につぐ!
くそ弱い人間様の前に現れる、度胸もないなら家に帰ってイカ野郎と自慰でもしてろ!。
お互い小便どうし気でもあうさ!
くくくっあはははははははーーーっ」

すごく罵る。合図で配下とともに笑いあう。
笑いながら目だけは海上を監視する。

触手のロータス > (船で津波を振り切るのは困難だが、それもやり方次第という事か。
 後方による一斉射撃、そしてグリフォン編隊による風があれば、船のスピードが上がるのは間違いない。
 だがそれでも、津波はかなり広範囲を追いかけるもので、
 下手をすれば、大津波は威力を弱めながらも陸地にすら到達する可能性すらある。

 最も、威力が弱まれば艦隊が津波に飲み込まれるという事態はなくなる)
「はたして……そうなるまでに、逃げ切れるかな?」

(潮の流れが激しくても、眼が良いならクラーケンの巨体の影を見つける事は可能だろう。
 いくら海中に隠れようと、クラーケンは巨大なのだ。

 だがクラーケンを探しているならばオーギュストは同時に気付くかもしれない。
 クラーケンは艦隊の進行方向に回り込もうとしている。
 その目的は想像に難くない。
 津波から逃げる艦隊を足止めしようという意図だ)

(オルヴァがなんと罵倒しようが、イカ野郎にとどく事はない。
 挑発に乗らないのではなく、挑発された事に気付かないという事だ)

オーギュスト > 「行き足を止めるなよ!」

艦隊に命令しながら急降下。
クラーケンの位置に重なるよう騎竜を操る。
そして――

「フォンローク、下だ! タルを海中で爆破して、あいつを無理矢理浮上させろ!」

タルで海面下を制圧し、爆発の力で相手を浮上させる。
そしてたまらず顔を出した所を急降下で狙う!

オルヴァ・フォンローク > 「サー!」

上空にいったん上がり高度かせぐ。ダイラス方面から新たに来た一機からタルを受け取る。
新たに現れたグリフォンは4機の編隊と合流し風を送る。
伝令だった様だ。

「ダイラスの方は気にしなくてもいいようです。貴方の兵と私の部隊が旨くやった様ですね」

そう叫ぶと降下し指示された場所にタルを落とす。

触手のロータス > (クラーケンは、艦隊の進行方向に回り込む。
 オーギュストも、そのクラーケンの真上に陣取った。

 今の潮は先程と違い、むしろ第二波と第三波が来る前触れとも言うべき恐ろしげな静けさがあった。
 だがそれは、今のオルヴァやオーギュストにとっては大変都合の良い事だろう。
 タルは流される事もなく、クラーケンへと到達する)
「敵の援軍はうまく立ち回っているようだな……。
 クラーケンにとっては、まずい状況だ」

(タルは大爆発。
 その衝撃によりクラーケンは一瞬混乱した。
 そしてついに、その全長50mの巨体が海面に姿を現す。
 水しぶきが一気にあがり、海面を大きく揺らす。
 クラーケンの悲鳴が聞こえているかと、錯覚してしまうかもしれない。

 だがイカ野郎クラーケンはそう長く怯む事もない。
 すぐに態勢を立て直そうと、一番前の戦艦に触手を伸ばし、
 そのまま海に引き摺りこもうとしていた。
 同時に、自身もすぐに海へと帰っていこうとする)

(だが、隙は確実に出来ていた!
 イカが海に帰るまで、まだ時間がある!)

オーギュスト > ようやく頭を出した。
まったく、随分とてこずらせてくれたものだ。

「――ったくよぉ、これでおねんねしてな!」

そして、オーギュストは騎竜の上で大剣を掴むと――
クラーケンに向かい、飛び降りる!

狙いはただひとつ。
クラーケンの両目の間――イカの急所中の急所!

オルヴァ・フォンローク > 「将軍、援護しますよ!
飛行獣隊、イカ野郎を逃すな、銛撃ちといこう!」

オーギュストが攻撃を開始すると編隊と合流し、鎖つきの手槍を戦艦に伸ばした触手に放つ。

「引っ張られて沈むなよ、呑まれたら笑ってやる!」

触手のロータス > (浮上した巨大イカの触手に、飛行獣隊による鎖つき手槍が放たれる。
 それにより、むしろクラーケンの方が足止めを食らう事になる。
 海に帰れなくなったクラーケンはしばらく、その巨体を海面に晒し続ける事となった。

 そしてオーギュストにより、イカの急所と言えるべきものを狙われる。
 海中に入れば急所を守れたが、今は違う!
 浮上して、そしてその隙を与えている!)

『────ッ!!!?』
(オーギュストの大剣は、見事にクラーケンの両目の間を斬り裂いた。
 クラーケンは悲鳴にならない悲鳴をあげ、苦しそうにもがいている。
 触手に捲きつかれようとした戦艦も無事に解放された。

 そのまま巨大イカは、海に沈んでいく。
 “潜る”のではなく“沈む”)
「勝負あった……か。
 残念な結果となってしまったな……。
 今回は、人間に勝利の栄光を譲るとしよう。

 しかし、ロザリアのように頭に血がのぼって冷静さを忘れる事もあるまい。
 退き時というのはちゃんと、弁えるべきだ。
 それが戦術というものだからな。
 敵方の被害も、決してゼロというわけではない」

オーギュスト > 沈みゆくクラーケンを蹴り上げ、再び騎竜へと戻る。
何とかこの巨大イカは仕留めたようだ。
が――

「――とても勝利とは呼べねぇか」

こと対クラーケン戦においては、戦艦2隻轟沈、4隻が中破。採算としては赤字も良い所だ。

「まぁ、俺の艦隊じゃねぇし、いいか」

そこは切り替える。
幸い、竜騎士団に損害は無し。あのイカに比べ、海魔の連中は手ごたえがなかったようだ。
また、海上戦力に対する竜騎士団の有効性も証明されただろう。

「――さぁて、ここからだな」

今回の戦果で、業突く張りな商人どもの財布の紐を緩ませるのだ。

『竜騎士団は海上護衛に絶大な効果を発揮する』

その宣伝効果で、第七師団への出資を集める。
それが、この遠征の真の狙いだった。

オルヴァ・フォンローク > 「そのまえに、このデカ物を牽引せねば。
船、借りますよ。のちの査問会で良い言い訳になるでしょう」

騎獣を並べ、隊を指揮する。
では王都からの海上護衛はうち持ちですかねーなんて言う。
商魂ふとましい、騎士だ。

「しかし、ダイラスで待機中の、魔法騎兵まで出さないで良かった。
ああ、そうそう火薬タルいります?お安くしますよ。」

触手のロータス > (瀕死の重傷を負ったクラーケンは、半漁人達により回収される。
 無理にクラーケンを引っ張ろうとするなら、半漁人達との綱引きが始まり、グリフォン編隊を海に引きづり込もうとするだろう。
 クラーケンもまた生存する本能があるので、沈みながらも、その巨体で最後の力を振り絞り、触手に刺さる鎖つき槍ごとグリフォンを引っ張ろうとしている。
 あの傷では、クラーケンはしばらくは、戦線復帰はできまい……。
 下手すれば、このまま死亡なんて事もありえる。

 第七師団が乗っている船に噛みついたはいいが、大きな痛手を負ってしまったものだ。
 こちらの被害は抑えたいところだが、これも戦争……仕方がなかろう)

「我は退くが……。
 さすがに、既に発生した大津波は引かぬぞ」
(そう……。
 別の意味でも、ここからだった。
 クラーケンを倒しても、大津波の第二波、それに続く第三波が止まるわけではなかった。
 津波のスピードは速い。
 その大津波が、もう艦隊の目の前に迫っているのだ)

オーギュスト > 「やれやれ、しつこいな――」

艦隊は行き足を止めてはいないが、このままではダイラス港に到着するまでに追いつかれるだろう。
オーギュストは竜騎兵の一騎にダイラスに待機している魔術師たちに、対自然現象の魔法が使えるものを選んで沖まで来るよう伝言を命じる。

そのまま艦隊が津波に捕まる直前には、津波の威力を分散させ、無事に入港できるよう体勢を整える命が下されるだろう。

「おらフォンローク! 欲出してるんじゃねぇ、目的は達成した、撤収するぞ!」

オルヴァ・フォンローク > 「ちゃんと殺しきってくださいよ。
いやはや……飛行隊、あきらめましょう。やはりというか、操っている者がいますね。
魔物にしては大事にされてるようですし、半漁人にアレは御せ無いでしょう。」

グリフォン編隊は槍に付けられた鎖を手放す。
津波もおそらく、ダイラスにいる者達が予想しオーギュストが考えるより
早く収束できるだろう。
えっちらおっちらと船足を補助する。

触手のロータス > (あれから結構移動していたため、津波の威力はかなり弱まっている。
 艦隊が津波に飲み込まれる直前に、その威力は分散されてしまった。
 これにより、残りの戦艦は無事に港に辿り着く事ができるだろう。

 海底にて、その場から立ち去るロータスは思考する。
 それにしても、対魔族部隊であるはずの第七師団がこんな海域に遠征してきたのはなぜか……。
 敵の目的を知る事は大事だ。
 新戦力を投入していたので、海洋によるその新戦力の重要性をアピールするため……。
 海魔への牽制……。
 あるいは資金稼ぎの護衛任務……。
 思いつく可能性はいくつかあるが、もちろん正確に絞っていけるものではない。
 幼い外見に反して聡明なアスタルテ様なら、どのようにお考えになるだろうか)

オーギュスト > こうして第七師団の海洋遠征は終了した。
師団としては竜騎士団の練度向上、対海魔作戦の経験、貿易商人たちからの資金投入などの実りが多かった。

もっとも王立艦隊をボロボロにしたせいで、オーギュストの評判は王城で更に悪くなる。もっとも、それを気にする男でもなかったが。

ご案内:「王都南の海上 / 旗艦セドナ」からオーギュストさんが去りました。
ご案内:「王都南の海上 / 旗艦セドナ」から触手のロータスさんが去りました。
ご案内:「王都南の海上 / 旗艦セドナ」からオルヴァ・フォンロークさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海/浜辺」にイルミさんが現れました。
イルミ > 日が沈んですっかり暗くなった浜辺を、三角帽子を被った特徴的なシルエットがあっちこっちへうろうろしている。灯りも何も持たず一人でいるのはいかにも不用心に見えるが、夜目が利く自分なら問題はないと思っていた。その証拠に、懐から取り出した小さな本を読むのも簡単だ。しかし、

「はぁ……タソガレアカシマガイ……普段は目に付きにくいが夕日に照らされた浜辺ではその殻が特有の輝きを見せるため容易に見つかる……はずなんだけど」

その記述を信じてずっとこの辺りを探していたのだが、目当ての貝は結局見つからずじまいだった。夕日はその姿を隠して久しく、本当ならさっさと帰るべきなのだが、せっかくの遠出で手ぶらのまま帰るわけにはいかない。どこまでも不用心に、せめて他に何か収穫はないかと浜辺をうろつき続ける。