2018/09/28 のログ
ご案内:「ゾス村」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 尽きぬ淫気に焼かれ続けているかの如き熱が、ようやっと体の中から出て行った様な感覚。
あの時から紅色に染め上げられていた淫紋の色合いが元通りと言うべきか、黒色に戻っているのを見てほっと一息。
今では母乳に服の胸元が滲み汚されてしまう事もなく、それは少し残念なものか、と頭の中に過る思いを、
軽く頭を振って、どうにか思考の中から追い払おうとしている状態である。
「……ふぅ」
今の内にどうにかしておこうかと考えている。この先にはかの砦に通じる道沿いであり、
負傷した人間側の兵士達から、襲撃に掛かった魔族達と鉢合わせになる位置に彼女は立っている。
もしも傷ついている兵士達が来たのならば、真っ先に手当てに向かう。
魔族達が襲い掛かったのならば、その時は――
「……っ」
未だに身体の方は特有の熱気を帯びている様でもありながら、鎮めるにも可能な状態にあると感じ取る中。
今の内に宿屋へと飛び込むのも考えて、それでも何処かに期待を抱いて道の方を眺めている。
ご案内:「ゾス村」にボルフライさんが現れました。
■ボルフライ > ふと村の入口がざわついた…。
負傷兵が運ばれてきた、というほど慌てたものではなく。
それでいて魔族が襲撃してきたとも違う村人たちの沈んだ雰囲気。
ざわめく村人たちの囁き声に混じり聞こえてきたのは、馬の足音だった。
だがその足音を立てる生き物は、形状こそそれながら大きさは一般的な馬よりも一回り以上大きな体躯を持ち、体毛は漆黒にたなびき、目は瞳の無い淀んだ白…なによりふたつの禍々しい角が頭部に生えており、明らかに魔獣と呼ばれるものの一つ、バイコーンの姿をしていた。
そしてそのバイコーンに跨る存在もまた、大柄かつ筋骨隆々な体躯を持つ褐色の大男。
その男から溢れる魔力は明らかに人ならざる者が発するものだったが、それ以上に男の持つ圧倒的なまでの威圧感は、遠目から様子を眺める村人すら脚を震わせるほど。
酷く冷たく、冷酷な表情を湛えた男はどよめく村人どもを尻目にバイコーンごと村へ王のようにゆっくりと侵入してきたのだ。
ゾス村の村人たちは、この大男の存在、そしてこの男の従える傭兵団の恐ろしさを嫌というほどよく知っていた。
だからこそこの男の怒りを買わぬよう、村はこの男の望むものを全て差し出し見逃されてきた。
今日は誰が犠牲になるのか…そんな沈んだ表情の村人たちは自分達に男の視線が向かないよう、うろたえ、妻や娘を隠し、誰かが犠牲になるのを待っているのだ。
やがて、男の乗るバイコーンの脚が止まる…ボルフライが止めたのではない。
瞳を持たぬ白の目を持つ屈強なバイコーンは道端にいる一人の女、レフェーリアに確かに視線を向けていたのだ。
■レフェーリア > 唐突に騒がしくなった村の気配は当然彼女も感じ取れるものであり。
遠くからであっても取り分け強く鳴り響く蹄が地面を踏みしめる音に、近くの宿屋は扉を頑なに閉めてしまった。
部外者である彼女は当然取り残されてしまったもので、辺りを見回しながら身を隠すべきかと思っている合間に、
外に出ていた村人達は暗い表情を浮かべて道の端へと並び始める。そこに訪れたのは、大柄な男。
「…………」
無言のまま彼女も見据えるしかないが、それ以上に気になった、気にしてしまったのは男が乗っている生き物の姿。
荒々しい相貌にその馬の頭からはねじれた角が堂々と生えているのが見え、何より彼女の身体が魔物であるのだと感じさせてくれている。
「……あ、っ…!」
どうするべきかと、今の内に逃げられも出来ないかと僅かに考えを巡らせている合間に、村人達の視線が此方に集まったのが分かった。
荒々しい足音を立てながら、ちょうど自分の目の前で魔物に跨った大男がその足取りを留めている。
それもこの魔物、バイコーンが意図的に足を止めてくれたのだと、真っ白にも見える魔物の瞳が此方を捉えている様子からも感じ取れた。
即ち、この魔物に選ばれた、ちょうど見初められてしまったのだと。自覚するのが早いか、感じ取ってしまったのが早いのか。
忽ちに一度は収まりかかって居た熱気が身体の奥底で渦巻き始め、ボルフライを見上げる瞳には緩んだ色気が浮かび出す。
■ボルフライ > この村の連中は実に面白い。
周辺の村が傭兵団に襲われ始めたのを契機に村長自らが生贄持参で降伏を申し出てきたのだから。
それからというもの、ゾス村はボルフライとそしてその手下どもの奴隷供給元として生き長らえることになった。
大抵犠牲になるのはわざと長く滞在させた不運な旅人や兵士だが、ボルフライの気まぐれで村娘が選ばれることもある。
抵抗を見せる者どもも多かったが、今の村人どもの状態を見ればその結果は明らかだろう。
だが今宵の村人は安泰だった…この男に選ばれた、正しくは男に従える魔獣に選ばれたのは、不運にもこの村に滞在し、そして宿屋の店主から声を掛けられることも無く見捨てられた旅の女だったのだから。
安堵し笑みを零す村人どもは、レフェーリアに哀れむような視線を送りながら、いつもの日常に戻り始める…それこそ不気味なほどに。
「バロン…この女か」
男はバイコーンに質問じみた言葉を投げかけつつ、佇む女を吟味するよう眺める。
女の瞳は明らかに情欲交じりの色気が浮かび、衣服に包まれた豊満たる肉体は男の情欲を誘うものだし、女もその自覚はあっただろう。
だが見るからに使い込まれた女だと見抜いた男の視線はそれでも熱が帯びることもなく、まるで都合の良いモノが見つかったかのように不敵に笑うのみだった。
『ブルル…』
跨る男の言葉に返事するように唸るけだもの。
その巨躯をじりじりと女に近づけ、鼻先を女の目前へ近づけよう。
決して家畜のような鼻に付く匂いなどせず、寧ろ芳醇な魔力を湛えた体躯からは甘ったるいような香りがしただろう。
「おい女、喜べ…お前はコイツに選ばれたぞ」