2017/07/09 のログ
火棘 > 「深いわけ?でも…濡れてるし、くしゃみしてるし…火が必要でしょ?」

ふふん、と鼻息に返すように笑って返す、川から出ては手で撫でるように水気を飛ばし靴をはく
そのまま近づきながら脱いでいく様子を見つめながら

「…ルーフェンだからだ」

篝火は普段は明かりだけのために浮かばせているけど
今夜は熱もある炎

数個を宙に浮かせ、1つを足元にと散らしていると
腰に手をかけて、コチラにいう言葉に
なに事かと不思議がっていたけど

「私は脱いでないし、恥ずかしくないけど?
 もう、ルーフェンは、恥ずかしがりなのだな…」

自分の前で裸になるのを恥じらう言葉と気づけば
くるっと後ろを向いて

これならどうだ、とばかりに手を振って見てないと合図を

ルーフェン > 彼女が言うことも最もであった
ともかく、彼女に従って衣服も脱いでいくのだけど、彼女が眺めているので割りと脱ぎにくい
恥ずかしい、と言うよりはなんというか、良い所の生れらしい彼女の前で果たして裸になって良いものか…
そんな事を考えているうちに、彼女はくるり、と背を向けたので結局、ズボンも下ろしてしまった
これだと、自分が本当に恥ずかしがっていたようで、少し不服であったけれど濡れたズボンの感触は
正直、心地よいものではなかった

「…仕方ないなあ、みたいに言っとるがな…」

身にまとっていた服を全て脱ぎ、彼女の作り出した炎のそばに並べていく
何となく、彼女の言うとおりにしてしまって面白くはないのだが、炎は暖かくありがたい
衣服を炎の傍へ並べて乾かすようにし終えれば、そのあたりに適当に腰を下ろして

「…もうよい、気にするのも何やら面倒じゃ
 こっちを向いて良いぞ、どうせ、仮初の身体じゃ
 恥ずかしい、ということもないわ」

彼女の背中に向かってそう伝えると、炎に手をかざして身体を温める

火棘 > 背中で聞こえる濡れた布が動く音
それから相手の声

背中をむけてるから表情は見えてないけど
ニコニコしてのご機嫌な様子

「暑いからって、こんな時期に風邪をひくのも珍しくなってしまうでしょう?」

水浴びでもしてたと思い込んでるから
もういいという意外な言葉に肩ごし振り返りながら

「いいの?」

肩にかけてた白いファーを取り外せば
相手へと放り投げてみる
恥ずかしがってたのだから、このくらいしか自分が持ってるものはないのだけど

近くの石に自分も座るようにすれば軽く足を組んで
指先で遊ぶように小さい炎を、濡れたままの衣を温め乾かしていく

ルーフェン > 「人の身は脆いからな…とは言え、風邪をひくかは怪しい所じゃが」

人の姿を取っているけれど、中身は竜種…で、あれば病に掛かるかどうか、怪しいところであった
少なくとも自分は、目覚めて人の姿を取ってから人間のように病に掛かったことはなかった

「…構わん、主が気にせんものをわしが気にしても仕方ない」

ふわり、と飛んできた白いファーをキャッチする
手触りがよくふわふわとしているそれを…全裸の自分が一体どうしたものか、と考えてしまう
むむっ、と困り顔でそれを眺めてから結局、折りたたんで膝の上辺りに置いておく
ほんのりと、彼女の匂いがするのが…何とも…こう、よろしくない。何より自分は全裸である

「…主、あれから街におりたか?」

誤魔化すように腰を下ろした彼女に問いかけ尋ねる
炎に照らされる相変わらず何を考えているのだかよく判らない彼女の顔に視線を向ける

火棘 > 「そういえば…たしかに、この体、病はかかるものだろうか…」

自分も人の形はとれると、自らの体を見ても、かかったことのない病の話は自分も経験がなかった
ファーを膝の上に置いてるのに、内心ホッとしてた
本当に振り向かせると思ってなかったから、自分のほうが少し気にしたことを隠して

「炎でも温めきれないでしょう?それならお腹なら冷やさない」

組んだ脚の膝のとこに、自らの肘で頬杖をつくようにして

「街へは、あれっきり降りてない」

顔をプイッと背けるようにしながら、川の流れのほうに視線を向けて

ルーフェン > 「そうであろう?」

彼女もどうやら知識として人間の掛かる病を知っていても自分が罹患したことはない様子であった
判らんなあ、と自分も経験のないことは話して伝えることは出来ず、首を傾げる

「腹に巻くわけにはいかんがな…
 全裸にこのふわふわを腹に巻いとったら、街では良い笑いものじゃろう」

街へおりてない、と聞けば何となくそんな予感はしていたからそうか、と短く答えるのみで
彼女がふい、と顔を背けてしまえば、余程、人の街で気に入らぬことでもあったのか?と首を傾げる
王都で出会った時は、自分は簪を買わされ彼女は上機嫌に見えたけれど何かあったのだろうか?
あるいは、自分が何かやらかしたのか…とも思ったが、思い当たるフシはない

「…火棘、やっぱりあれか?裸の雄がそばにおると落ち着かぬか?」

街で何かあった、という線はない
そう思えば思い当たるのはやっぱり、自分が素っ裸で直視できないという辺りであった
一族の長の娘、そりゃあもう、大切に育てられたことと思えば尚の事…
そう思えば、顔を背けてしまう彼女の仕草は歳相応で可愛らしく思えた
歳相応、といっても、ドラゴン換算で、の話なのだが

「意外と初い所もあるのだな、可愛らしいヤツめ」

そう思えば此方は少し強気に出ることが出来る
彼女の様子にくすくす、と小さく笑い声が溢れた

火棘 > たしかに、と相手の言葉には同意し頷くばかり

「ふふ、巻いてもかまわんよ?一番に私が笑うだけだから」

ちらっと目線だけ向けて
頬杖をついたまま手で口元を隠し笑ってる風

「…な、に?そんなわけないっ」

少しムキになって返すようにプイっとしたまま顔は真っ赤になって

「ルーフェンが悪いんだ、水濡れでいるから」

顔が熱くなってるのは赤くなってる想像はついたから
その原因は目の前の相手が川から出てきてるとこを見たからで
そんな姿でいたからで…と原因をいろいろ浮かべては笑う相手にムキになって返す

ルーフェン > 「そんな間抜けを一番に火棘に晒すのは嫌じゃわ!」

笑う彼女にふんす、と鼻を鳴らして返す
以前に王都で見た娼婦、というのも中々露出したドレスを身にまとっていたが、
流石に腰にファー一枚、というような者はいなかった

「おうおう、今にも炎を滾らせそうじゃな…
 なに、気にすることはないぞ、火棘よ…どうせ、服一枚、布切れ一枚の事じゃろうが
 主はこの身体に抱きついて、眠ったこともあろうが…それを今更、布切れ一枚無いくらいで…」

これまで彼女に振り回されてきた仕返しでもするかのように
犬歯を覗かせ楽しげな様子で顔を赤くしてムキになる彼女を眺める
初めてあった時は随分と表情に起伏のない娘だとも思ったが、よもやこういう表情も見せるのか
そんな事を思いながら彼女に視線を向けている

火棘 > 「そんな間抜けを一番にみるのが私なのっ」

同じ言葉に強気に返す
鼻を鳴らすのに、負けじと同じ言葉をかえて

「それは、ルーフェンが背中向けてたからいいのっ、向き合ってないし
顔もみてないし、いっつも背中でしょ」

洞窟の中も宿も顔を合わせていないからこその余裕
至近距離で雄と向き合うことなどなかったし、口やかましい感じが爺と被せていたからで

楽しげに笑う様子が面白くない、とばかりに
顔を合わさないように川を見たまま、眉間にはシワが寄ってて

ルーフェン > 向き合っていなければ良いのか、そこが問題なのか
雌と言うのはよく判らない、と思ったりする…彼女は大胆なのか、初心なのか…
竜種という点においては同族なのだが、雌雄が異なるだけで複雑怪奇な生き物に思える

「…だが、すこし安心したわ
 火棘もそうして顔を赤くしたり、ここにシワを寄せたりするのだな」

こつこつ、と自分の眉間のあたりを指差しながら言葉を続ける

「初めて出会った時は、硬い表情で人の世に溶け込めるか不安じゃったが
 …今しておるように笑ったり泣いたり出来る娘であったらば、なに容易く溶け込むことができよう」

彼女の表情の変わる様を眼の前で見れたからドラゴンは満足であった
これまで振り回されたのもそれはそれで楽しかったがまた、別種の楽しさというか、安堵があった
す、と立ち上がれば、炎越しに彼女に腕を伸ばして頭をぽん、とそう、ヘソを曲げるな、と
柔らかく笑みを浮かべながら軽く撫でようとした―――

全裸であったけれども。

火棘 > 「なんだ、珍しくもない…普通だ」

ちらっと視線だけを向けると、眉間のシワを指さしてるのに
ムカムカとしたように睨んで

「なれなくていい、溶け込まなくていいっ」

ついつい、言葉に否定的
受け入れると、どんどん恥ずかしくなってしまいそうだったから
近づいてくる全裸の雄の手が伸びてくると
頭に触れる時にびくっと体が跳ねて

「触るなぁー、もぉぉ、ほら服くらいもう乾いたであろう」

ルーフェン > 「そうかのう…?ちぃと、主は表情が硬いと思っとったが?」

彼女が此方を睨んでくるが、ちっとも凄みが無くて、恐ろしくはない
ほれほれ、こうして笑え、と彼女にいつだか教えたように自分の口角を指でくい、と持ち上げて見せる

「人の中で揉まれ、様々な経験をせねば人の世に降りた意味が無かろうが…」

しょうのないことを言う娘じゃなあ、とか内心思いながら彼女の頭に触れれば優しい手付きで
ぽん、ぽんと軽く撫でるようにしてから、冗談交じりに、燃やされては敵わん、と手を引っ込めた

「おっ、そうじゃな…すまん、助かったぞ
 薪を集めて火を起こす手間が省けたからな」

火の傍に置いた服を手に取れば腕を通していく
未だに少し湿っぽい感じがしないではないが、身に付けていても嫌な感じはしない
ショートマントを羽織り、結び目をきゅっ、と止めれば彼女のファーを差し出して

「助かったぞ?腹を冷やさず済んだ」

にぃ、と犬歯を覗かせる表情を彼女に向けた

火棘 > 「そうだ、普通!」

何度か親しみも深まれば砕けるものの、最初はどうしても
硬く取っ付きにくさが全面に出るのかもしれないけど、悪気もないことで

売り言葉に買い言葉と
ついつい返せるものが浮かばず反発してたけど
本気の言葉でもなく、そのような機会があればこそだけど

頭を撫でる手つき、小馬鹿にされるようなものかと思えば
優しく撫でる動きに調子が狂うように大人しく黙って受けてた

「燃やされる前にさっさと服を着てしまえ」

プンとばかりに、本気で燃やしたら
まだ全裸でいられると、困るのだけどファーを受け取り
視線を向けるとようやく安堵できる姿になってたから

ルーフェン > 「普通かのう…?」

今の彼女と出会ったばかりの彼女は随分と雰囲気が違う気がする
確かに人の世に降りたばかりであれば警戒するのも当然な気がするが、少しずつ経験を積んで、
或いは人の世に慣れていけばそれも変わっていくことと思う

「そうさせてもらう…」

彼女の言い分に笑いながら頷いてしっかりと着衣を整えてから彼女にファーを渡したから、
雌雄の差がハッキリと知れる部分を彼女が眼にすることはなかったと思う
ようやく、川面を眺めていた彼女の視線が此方を向けば、まじまじ、と炎に照らされる彼女の表情を眺めた

「……っくし、ええい。そうじゃ、火棘、今夜はこの辺りで寝床を探すのか?
 そうであれば、わしにも寝床を間借りさせよ…今から王都まで戻るのは面倒じゃし」

此方は王都に借りている安宿にまで彼女を招待したのだから、嫌とは言うまい、と
軽い調子でそんな提案をする…未だに少し身体は冷えるし、また彼女に少し体温をわけてもらうのも
良いかもしれない、そんな事を内心思っていて

火棘 > 「そうだ…普通がこれ」

自分の中には自分のものさししかない、見知らぬ者に慣れなれしく話すことはできないし
面識あり、親しくなれば砕けた物言いもできるのだろうけど
自己防衛のように降りたものの、種の違い習慣には戸惑うばかり
まだ慣れていないせいで…

「ジロジロ見なくていい…」

明かりに照らされ、まだ頬は赤いけど

「そう、このへんで寝床探し…人のままでいると、どこにでも入れるから便利だ」

天井の落ちた空家で寝た時は
この狭いとこに竜の姿では隠れきれないと想って
人の姿の便利さを感じたこと

「いいけど、探すの手伝って、それで…うんまあ、いい」

言いかけてやめる
炎の自分の性質より、相手の質は違うもの背中越しで抱きついていれば涼しくも感じるから
座ってた岩から立ち上がり、探しにいこうと体を伸ばして

ルーフェン > 「凛としているのも良いさ、先程の狼狽しているお主を見たから余計にな」

未だに少し頬は赤いようにも見えるが視線を川辺に向けていた時ほどではないように思える
その落差をこれから先、誰かが知っていく事を思うと嬉しいような独り占めしたいような少し複雑な気分だった
なんにしろ、彼女が見聞を進めで人と関わっていく上で誰かが彼女を知る、という事は
自分の意志とは関係なく必要なことなのだろうが

「――……そうか、それなら森は避けたほうが良いな
 ここいらは魔物が多いらしいからな、寝ている所を邪魔されるの嫌いじゃろ、お主」

寝惚けた彼女に魔物と一緒に火達磨にされては敵わない
探すのを手伝って欲しい、と言われればこっくり、と頷き立ち上がって
人家の外れ辺り、人の住んでいない家のあたりを指差してみせた

「あの辺り、人間が住んでおった家があると聞いた
 なんでも魔物や戦火から逃れて村を出て王都に行く者もおるらしい…」

村の子供にちらっと聞いた、とそんな風に説明すると彼女を促し、住む者のいなくなった家を目指して歩いて行く―――

ご案内:「ゾス村」から火棘さんが去りました。
ご案内:「ゾス村」からルーフェンさんが去りました。