王都の北西は諸外国との戦争の場となっている。
ハテグという丘陵地帯であり、ここに王国群が陣を構えている。
以前のような大規模な戦闘はめったに起こることはなく、互いに勝ち負けを延々と繰り返している。
中には敵に捕らわれてしまい、辱めを受ける兵士や騎士も少なくない。
女性であれば、同軍の兵士にすら狙われることもあるだろう。
また、兵士向けの娼館などもいくつか存在する。
※戦場やその周辺が舞台になります。
戦闘ロールや敗北ロールなど、ご自由にどうぞ。
戦闘は頻繁に起こっているような設定です。
必ずしも王国軍側の兵士である必要はありません。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:04:35:30 更新
ご案内:「ハテグの主戦場」からバティスタさんが去りました。
■バティスタ >
とりあえずこれを機に王国の方にももっともっと布教と…神の塩粒の流通を図る
そのいい足がかりになるかもね、と
帰路の道を馬車に揺られ、くすくすと人知れず笑みを零していた
■バティスタ >
「(…まぁ、王国軍に恩を着せるにはこれで十分だけど)」
せっかく自ら寄り道をしてきたのだ
どうせならこの場にいる兵士や戦士達に聖女の奇跡をもっと見せておこう
なんなら入信者が増えるかもしれないし
「(禁呪の力を借りて大規模化してるだけただの魔法なんだけどね)」
治癒、快復、増強、増幅、瞬鋭──あらゆる効果を次々と戦士達に与えてゆく
「戦士達に、神のご加護のあらんことを」
そう言って、ぱたりと本を閉じる
そして紅蒼の眼の前に広がってゆく光景は、大幅な強化魔法を受けた兵達が相手の軍を食い潰す勢いで駆逐してゆく光景
‥ちょっと効きすぎて狂戦士化してる人もいるみたいだけど…細かいことは置いておこう
「──大勢は決しましたね。
では、我々聖堂騎士団は新生都市へと帰還しますので、これで…」
■バティスタ >
救援を受け気勢を取り戻した軍の部隊と
聖女の為であれば恐怖など微塵も感じぬ狂信者の集団でもあるゾハル聖堂騎士団
形勢を立て直せば本軍の増援も見込める状況となったのだから、勝利を目前にしていた相手の軍からすればたまったものではない
「…それで、お相手はどちら様なのですか?」
近くにいた軍の兵士に静静とそう尋ねる
こんな場所でも嫋やかさと淑やかさの雰囲気は崩さない、聖女の鑑
そしてその兵の口からは諸外国の中で小競り合いを続けている国の名前が出て来るのだが
「(そんな国あったっけ……ま、どうでもいっか……)」
お教え頂いてありがとうございます、と笑みで返しながら、内心はそんなものである
■バティスタ >
少女自身戦えぬわけではない
しかしこんな戦場で十字剣を構え突撃していくような、そんなイメージを持たれるのはお断りである
あくまでもイメージは『聖女様』であらねばならない
それでいて、戦場での役割が皆無というわけでもはない
そう…聖女は奇跡を起こす者
「我らが主神ヤルダバオートよ…」
欺きの神の名を口にし
「剣携えし戦士達に…困難を打ち払う力をお与えください」
意味のない祈りの言葉を口にする
ふわりと少女の手の甲に刻まれた聖刻が光を帯び、手にした本から戦場の風に乗って夥しい枚数の頁が舞い上がる
それらは虚空に溶けるように消え、そして……
『『『オォォォォ───ッッ!!!』』』
聖堂騎士団、そして敗残となりかけた軍の部隊からすらも、怒号と雄叫びがあがる
「(仕組みは簡単な魔法なのよね、鼓舞化<ウォークライ>って)」
内心で単純な戦士達を小馬鹿にするような笑みを浮かべて───、一気呵成、反転攻勢が始まった
■バティスタ >
「…さて」
足を止めた馬車から地に降り立つ
吹く風が運ぶ、戦場の匂い
本来ならば聖堂騎士団にはそうそう縁のない場所だ
しかし今回は、王国軍に恩を売るという大義名分がある
「──では、指揮は任せますよ」
聖女モード・オン
穏やかな表情と声色を作り、その手に一冊の本を携える
■バティスタ >
───聖堂騎士団の一陣は、本来進む予定ではないルートを進行していた
大規模な巡礼の一団を守護し、新生都市へと帰還する…その最中
そう遠くないハテグの戦場より王都に伝令に向かう途中であった兵士と擦れ違うことっとなる
曰く、手筈通りの作戦が上手く行かず手詰まりである、と
曰く、このままでは敗走は必至である、と
曰く、王都から本隊が到着するまで保つかは賭けである、と
「(──まぁ、王国軍に恩を売っとくのもいいでしょ)」
双頭の竜の紋が幌に掲げられた馬車
その中で揺られながら、バティスタは目を細める
目的の場所、敗走中の王国軍の部隊の一つが展開するエリアを遠目に見据えて
ご案内:「ハテグの主戦場」にバティスタさんが現れました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からあやめさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からアスリーンさんが去りました。
■アスリーン > 【移動します】
■アスリーン > 「▮▮▮────あやめ。そう、素敵な名前だわ。
わたくしはアスリーン。貴女に幸福を与えるモノ」
貴女の聴覚から脳へ、幾重も重なって反響するような声で、天使は告げる。
貴女の頭の中で、幸福を遮るものがないように、見えない何かが侵蝕していっている。
真正面に立ち、答える貴女の頬を天使が両手で包み込む。
熱すぎず、冷たすぎず、人肌の温もりと呼ぶにふさわしい温度。
産まれたばかりの赤子を愛おしむように、貴女という存在を無条件で愛する御手。
頬を撫で、首筋を撫で、背中まで伸びてもっと近くへと貴女を抱き寄せるだろう。
そうして至近距離にまで身を委ねれば、天使から貴女が安心するような、好む香りがするはずだ。
貴女の触覚を。
貴女の嗅覚を。
同時に侵蝕し、心地よく波に揺蕩うような幸福を、貴女に注ぐ。
「さあ、あやめ────すべてをわたくしに"委ねて"。
貴女に、快楽(こうふく)を与えましょう」
月を背に翼を広げ、荘厳な宣告が貴女に託される。
警鐘を鳴らすものがいなくなり、貴女が受け入れ委ねる姿勢が整ったなら──貴女のその唇へ、天使は顔を寄せて口付けよう。
唇を開いて、舌を差し込んで、甘くも瑞々しい、貴女の好む幸せの味がする唾液を注いで。
味覚から脳へ────完全なる"幸福付与"を行おう。
■あやめ > 「──はっ──」
女の場合は、正常な思考力がそのまま狂う、という形で幸福の波動の影響が出ていた。
本人は平常心を保っているつもりなのだが、確実におかしくなっている。
自分の精神にそんな影響力を及ぼす効果にさらされていたら、
本来ならとっくに相手を敵として認識している。
しかし、そもそも相手を敵として認識するという発想自体がぽっかりと抜け落ちてしまっているのだった。
しかし一瞬、近付いたことで目に入った光景に、ぼうっとしていた頭がはっきりする。
が。
ほとんど同時、天使が直接女に語り掛ける。
その内容に答えることが優先事項になり、はっとさせた光景について考えるのは後回しにされ。
「ええ、とても……素敵な歌です」
何を平然と会話しているんだ、ともう一人の自分が頭の中で言っている気がしたが、
平然と会話をしてはいけない理由がよくわからない。
眼を見るな、きっとその視線にも何か力が──
もう一人の自分の鳴らす警鐘がそこで聴こえなくなった。
「私は──あやめ──」
突っ立ったまま、そう、問いかけに答えるのだった。
■アスリーン > ────まさしく、天使に見えるだろう。
玲瓏な歌声は、貴女の耳に好ましい音に聞こえる筈だ。
貴女が歩み寄ってくるならば、それを阻む者は誰もいない。
天使の足元、天使の背丈に及ばぬ敵兵たちは、皆夢うつつに天使を見上げ、幸福に浸っている。
中には、多少なり正常な意識を持つ者もいたが、天使が撫でれば喘ぐように叫び、とろりと双眸が蕩けていく。
天使のコンサートを観賞していた者たちは足元から生える無数の羽に侵蝕され、呑まれ、月のように光り輝く繭となっていった。
「────まぁ、初めて出逢う愛しい貴女、こんばんは。
貴女もわたくしの歌を聴きに来てくれたのね」
嬉しいわ、と天使がはにかんで、貴女を見下ろす。
音もなく近づいて、1mほどは身長差によって上から覗き込むように、天使の蒼い瞳が貴女の紅緋の瞳を見つめる。
視線を反らせと警鐘を鳴らすかもしれない。
反らさなければ貴女の視界を侵蝕するモノがある。
見るだけで幸せな心地になる、そんな幸福感が、聴覚に続き視覚を犯していくだろう。
天使は微笑んでいる。
貴女に害意も敵意も悪意もなく、純粋な好意と愛情を込めた眼差しで、貴女を見つめている。
貴女の頭すら片手で掴んでしまえそうな大きな掌が、貴女の頬へと伸びていく。
「美しくて愛しい貴女。貴女の名前を教えて頂戴?」
優しく、愛しさを込めて、天使が問うた。
■あやめ > 正規兵でもなければ魔族の人間の諍いにも興味はない。
しかし、今回は王国側のある人物に受けた借りを返すために参陣の腹を決めた。
その戦場が大局的な意味での勝敗にどの程度の影響を及ぼすかは、
未知数ではあるが、一時的な勝利にしかなるまい。
何にしても、今回は王国側に分があったようだ。
こうして本陣に単身切り込めるということは。
しかし、想像していた迎撃はなく。
内心首を傾げる女の目に映ったのは、いきり立った敵兵たちなどでもなく。
繭。そして、巨大な女。
自分も成人男性の平均より上背があるほうだが、恐らく近くに立ったら見上げるほどになるだろう。
それは何かの本で読んだことがある……
「──天使──?」
まっしく天使という見た目の女。
まったく殺気は感じられないが、周囲には謎の繭がまるではべるように置かれている。
王国軍に与する存在なのだろうか?
女は近付いて行く。勿論得物を手放しはしない。
しかしそんなそなえは、意味をなさなかった。
歌が……聴こえる。未知の言語の。
歌舞音曲を愛でる風流は持ち合わせているが、初めて聴く歌だ、
脚が天使に近づいて行く。
何せ、もっと近くで聴きたいのだから。
どこか胸が軽くなるような、幸せな気持ちを喚起する歌だ。
相手が何者なのかなどと、考える必要は……ないではないか。
女はおかしくなっていた。