2022/03/12 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・宗教施設」にバティスタさんが現れました。
バティスタ >  
──神聖都市、その大教会の一つ

礼拝の時間は終わり、夜も更ける頃

「──お邪魔するわね」

鈴のなるような声が聖堂に響き、間もなく
重厚な足音を立てる数人の聖堂騎士と共に、少女は姿を現した

バティスタ >  
神父は少女の登場に恭しく一礼をし、迎え入れる
そこに畏怖や畏れといった感情はなく、純粋な敬意と信仰のみが、そうさせていた

「今日も迷える子羊達を導くお役目、ご苦労さま」

労いの言葉は当然、建前
此処に訪れた理由はそう多くない

「"神の塩粒"、貯えが落ちているわね。
 …働き手が足りない? もしそうなら…ダイラスで奴隷を幾人か確保してきましょうか」

──この教会の地下には、"神の塩粒"と呼ばれる
ゾハル聖堂騎士団の振り撒く麻薬のプラントが隠されていた
高精製の麻薬であるそれは聖堂騎士団の重要な収入源であると共に、信者を増やす重要な種の一つでもある

バティスタ >  
「王国の貧民地区にも少しずつ、信者が増えているわ。
 …神の塩粒を与えれば、より敬虔な信徒となってくれることでしょう」

食料の無償提供、そして聖女の力・神の恵みであると偽った治癒の術で少しずつ人心を掌握する
そうやって信心を深めさせた子供達は貴重な労働力として聖都へと連れ帰られ、
神の塩粒によって疑うことすらも忘れ、労働を神への奉仕と信じ続ける
聖堂騎士団の裏の顔はどこまでも打算的で、人を人と思わぬ集団でもあった

神父が人足が必要である、と訴えれば少女は無言で小さく頷く

「──それじゃあ、近いうちに用意しておくわね。
 …従順なる神の僕に、祝福を」

バティスタ >  
「──近いうち、また王都に出向く予定をしているの。
 そうね、それまでにしっかりとした納品を…宜しくね」

最後にそれだけを伝え、少女は踵を返す
付き従う重装の騎士達も倣うように、少女の後について教会を後にする

………

……



「これで生産量が上がらないようなら、此処はもうダメね。
 異端者の烙印をつけて、本教会の奴隷に身を窶してもらいましょう」

教会の外、少女が零す小さな声に騎士たちはただ頷くのみだった

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・宗教施設」からバティスタさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 目貫通り」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 神聖都市 ヤルダバオート
街中や村は通常 教会と呼ばれる類は一つきりが相場だろうか
其処だけは木造や石積の場所に比べ、一か所に集まるための広さがあり、堅牢であり
故に避難所としても機能している場所で そして神に最後は縋りつく そのための場所

しかしヤルダバオートではいくつも似たようなものがあり
宗教の中で宗派が別れ、裏側では邪教なども存在するだろう
男女かかわらず敬虔な 徳信を重ねた裏で 神以外の何かを愛し
ゴルドと力以外 何もかも信じられなくなった荒んだものが重なる

ここはきっと 普通の世界よりも ひっくり返った場合の感情の落差が激しいと
メイラはそんな風に感じている。


メイラは現在、外に出かける場合の黒の衣装
鎧ではなく生地が主であり、しかし全体の在り方は金を持つ者の身なりに近い
贅沢な刺繍も豪奢な意匠でもない ただ黒く良質

腰に下げた大小姿のまま、四肢に黒鉄を帯びて目貫を散策すると
宗教上 禁じられた行いや食物を除くものがそこには売られている
酒を置いている場所は少なくなっており 空気は正常
路上には浮浪者やゴミ 汚れた樽の残骸などはなく、きれいなものだろう
苔むしたままの道を守る祠などもない

肌を見せずに歩く者が多く、衣をまとう姿
冒険者の身なりや、一人で出歩くメイラが逆に浮いているといえる。
もっとも、目をぐるりと向ければ少なくとも同じようなものが見えるは見える
比率が段違いなだけである。

「表は随分と、欲が薄いこと。」

瞳一つとってもそうだ
濁った、欲深い目 王都でよく見るあれはなく
獣臭い脂汗の臭い一人一人薄い

裏側の具合などあまり興味もないメイラながら
その差の大きさ、どれほどのものかとギザ歯を覗かせる笑み
そもそもの目的は、治療師 技術的な 魔術的な者の勧誘や
ポーション 毒消しの類の大きな一括仕入れの輸入護衛にいる為であり
一人鎧を纏わず出歩くのは、街の感覚を知りたかったこと
有望な者がいればメイラ自身招くつもりでもいる為だろうか。