2022/12/13 のログ
ご案内:「自然地帯/王国地帯の草原」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 王国そばにある自然地帯草原
冬でも青々とした低く柔らかい草が一面に茂る草原だが当然風通しも抜群で冷たい寒風が遮るものなく吹きすさぶ場所でもある

そんな草原の街道のそば
一人の少年が右手に剣をぶら下げている――というかその剣が巨大すぎて引きずっている状態だが。
子供っぽい幼い顔立ち、薄い絹のようなひらひらした貫頭衣は膝ぐらいまで。冬を知らないいかにも子供!といった風貌だ。
しかしその右手にはグレートソード、というにも巨大すぎる大剣を引きずっている。 長さは3Mをゆうに超える。刃の広さも大人の顔より幅広で、おおよそ人間が振り回せるものではない、それが屈強な冒険者の大男だとしても、だ。

「よっと♪ 今日もくんれん!がんばるっ!」

あろうことか――少年はその剣を右手でぶんっと持ち上げる。
まるで棒きれか調理場のおたまでも振るように右手だけでぶんぶんと振ってから両手で持ちなおす
もちろんこれがおもちゃだったとしても木でも王国では希少な竹でも子供に持てそうなサイズではないのだが――重量という概念似不安になる光景だ。
明らかに持ち上げてるものが持っている子供の倍は巨大に見えるものを棒切のようにぶんぶんと両手で振り直して

「とー!やー!」

と掛け声はいっちょまえに振り回す。
振り回しているだけにしか見えないが――実際振り回してるだけだし特訓でも訓練にもなっていないのだが――"がんばった"という気持ちにはなれる訓練なのだ。

「とおー!」

縦に剣を振り下ろす。
切っ先のすべてが硬い土にめり込む辺り――その剣は本物で重量も見たままらしい。少年は軽々とそれを持ち上げ、ぶんぶん振り回す
なんというかトゥーンホラーのような光景に見えるか微笑ましい子供のごっこ遊びにみえるかは見た人次第だ。
少年は至って真面目にぶんぶんと剣をふりまわしている。とはいえ振り回しているだけなのだが

シャルティア > 「よっはっとおー!」

たんたんたんっ
空中に大きく跳躍すると"空中"をけって階段のように駆け上がる。
元々天使だ。空を飛べるしこのように空中をかけあがる事もできる。
とはいえこの大剣をかるがると振り回す理不尽なまでの怪力は早々無いが

空中でくるっと前回りに一回転
両手の剣を回し唐竹割りのように地面に向けて一直線に落下して――
――どがぁん!
と岩が砕けるような音が草原に響く。草原とはいえ吹きさらしの地面の土はそれなりに硬い。
しかしその地面が砕ける――斬る、割れるではなく砕ける
間欠泉のように地面の土が大量に宙に舞い上がり周辺に降るように散らばる。

「必殺技きまったー!!」

少年はえっへん!と胸を貼るがあんな空中に駆け上がって剣を叩き落とすだけのものが早々当たるわけもなく――やはりごっこ遊びの域を出ない。

――とはいえ、この質量の大剣を振り回しただけでもし当たれば大体の冒険者も魔族もノックアウトではあるだろうが

シャルティア > 「よーし、今日の訓練おしまい!」

大剣をぽいっと投げ捨ててしまう――すると大剣は虚空にするっと掻き消えるように消えてしまって。
少年は『別のとこ』にあれこれしまっている。難しい理屈は少年にも理解してないようだが衣服も大剣も宝石の入った袋なども大体は『そこ』にしまっているらしい

そんな少年は胸を張り自分で『今日も頑張った!』と自分をほめ、とたたたっと王国への街道へ駆け出していく

ご案内:「自然地帯/王国地帯の草原」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に影時さんが現れました。
影時 > 日が落ちた後は――無理に行動しないほうがいい。

慣れているものならいざ知らず、慣れていないものが多ければ多いほど、留意しないといけない事柄だ。
種族によっては夜目が利くだろう。闇夜の方がより動けるといった傾向のものも居る。確かに居る。
とはいえ、駆け出しという卵の殻をかぶって外せないようなものが多いければ、無理はしないに限る。

魔物が出ると最近話が出る王国の自然地帯、その森の一つ。
その森の只中で、開けた場所にテントが張られ、近くに掘られた穴には焚火が点る。
焚火の火の光を受けつつ、薪として拾ってきた枯れ枝を投じる姿が一つある。

「……寝ずの番というのは別段慣れちゃいねぇコトじゃあない、が」

神経を遣う、気を遣うというのは、覚悟はしていても慣れないことである、と。内心で思う。
事の起こりは、学生、並びに駆け出しで寄り集まったパーティの引率、保護の依頼を受けたことだ。
目的は魔物の群れの討伐、掃討。
あれやこれやと試行錯誤を凝らし、きゃあきゃあと愚痴も悲鳴も姦しくも倒すべき目的を果たす――までは上々。
問題はその帰り道だ。浴びた返り血の始末やら何やらで手間取り、漸く天幕を張れたのは夜半過ぎ。

水浴びと携行食で小腹を満たせば、思い出したように眠気が襲ってきたらしい。
年若い彼ら、あるいは彼女らが天幕の下で横になったのを見届ければ、独り火の番をする。
空を仰げば落ちる星が一つ。さらに二つ。敷物替わりに敷いた毛布の上で胡坐を掻き、沸かした湯で淹れた茶を啜る。