2022/12/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にレナードさんが現れました。
■レナード > 王都近郊の森林地帯において、魔物増加による王都への危険性を解消せよとのギルドの依頼を受注した男は、件の森林地帯へと足を赴き周囲を探索しながら、襲撃してくる魔物をバタバタと斬り倒して仕事をこなしていく。
時折、ポーションの原料となる薬草の質の良い物や、薬の原料になる菌糸類など収入増のための採取も忘れずにこなしながら、森の奥へと向かい、大分な数の魔物を排除したところで、森林地帯でも一際大きな木の縁で休憩と腰を下ろし。
「――ひい、ふう、みい……結構狩ったか…。
まーだ奥の方にゃそれなりいるみたいだけど、どうすっかねぇ…。」
討伐対象はオークやゴブリンなどの魔物や原生植・動物の魔物花や狼や黒熊といった経験のある冒険者ならば難は無いだろうし、新人冒険者でもパーティを組んでいれば危険性はそれほど無いはずだ。
狩りつくしてしまえば報酬自体は美味いが、若手の経験の事を考えると、これ以上出しゃばるのは気も引ける。
今回持ってきた直剣の状態を鞘から抜いて確認をすれば、簡単な手入れでまだ継続戦闘は可能なだけに、報酬を選ぶか若手のサポートを選ぶか、悩みどころな男は、一先ず持参した携帯食料を頬張りつつ、この後について考えることにした。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にリアさんが現れました。
■リア > 学院の授業の一環で赴いた森林地帯。道らしい道の無い中で馬を連れての道中は歩くのと変わらないくらいの速度。
クラスメイトやそれをまとめる教師の声が遠のく中、ざくざくと枝葉を踏みしだいて戦闘の痕跡を辿る娘。
「また落ちてる……何体目……?」
栗毛の馬の手綱を引いて、魔物の死骸を乗り越える。
「そんなに危険は無いって話じゃなかった?……フィールドワークという名目で、私たち先生の仕事の手伝いでもさせられてる説が……あ、でも確かに授業で習ったキノコとか生えてる。こら、食べちゃだめだよ」
馬をいなしながらくさむらに屈んで採取する。
■レナード > 簡素な携帯食料の味気なさを嘆きつつも、腹ごしらえは終えて改めて周囲へと気配を配り魔物の存在を探る。
敵意や悪意といった気配は感じ取れないが、代わりに幾人かの人の気配を感じ取る。
冒険者のパーティにしてはやや多く、この辺を根城にしている賊の類かとも考えるが、連中も危険には敏感であれば、魔物増加中のこの森を根城にするには考えにくく。
木の陰から立ち上がれば一先ずは気配のする方向へとゆるり歩み出してゆく。
――手綱を往なしながら草むらで採取作業にかかった少女の姿を確認した男は、一先ずの警戒は解き剣の握り手を離し、その姿が王都の学院の制服を纏っているのを確認し。
「――よう嬢ちゃん、一人か?
学院の生徒がなーんでこんなところに居るんだ?
ギルドがこの森危険度上がったから、民間人の森への出入りは控えるように確か各所に連絡したとか言ってたと思うんだが…。」
依頼の発出自体はつい最近の事であった手前、各所への連絡のラグでもあったのだろうかと思いつつも、学院の生徒も相応に実力があればこの森を訪れる事自体は可能なだけに、パっと見たところ短杖を装備しているのなら、術師だろうかとは思いつつも、問いを掛けた。
■リア > 「ううん泥だらけ……」
見るからに毒々しい紫色と青の斑点模様のきのこを革袋にしまい、口紐をきゅっと締めたところで男の声。
ぱっと顔を上げて、クラスメイトではなく見覚えの無い人間であることに一瞬驚いて息を飲んだけれど、身なりを見て冒険者の類と推測する。
「――このへんの魔物はあなたが?」
と反射的に浮かんだ考えを口に出してしまってから、立ち上がってブーツの踵を揃え姿勢を正す。
制服の胸元に手をあて、視線を伏せて軽く会釈する。
「――あ、いえ、ごめんなさい。コクマー・ラジエル学院の生徒です。リアと申します。
ここへは生物学の植物と魔物の生態系調査の授業の一環で、学年混合フィールドワークです」
グループの姿が見えないくらい離れたところにいるのに気づいて、今更あたりをきょろきょろ見回す。
「一人ではなくて、先生と……冒険者デビュー済みの先輩方もいるので、遠足みたいなものを想像していたら、大分……間違えました。
先輩方の恰好を見て、おかしいなとは思ったんですけど」
さすがに軽装すぎる自覚はあって、若干顔が赤らむ。
■レナード > 「あー入り口辺りからの奴か?
魔物の繁殖が~って依頼だったから一先ず目についたのはパパっとな。」
討伐の証になる素材類は回収しているが、死骸についてはいずれ森に還るか他の生物の餌になるかと考えて放置してきた。
軽い掃除程度な物言いをしつつも、相手の素性を明かすのなら男もまた軽く身なりを整え
「冒険者ギルド所属のレナードだ。
――生態系調査か。だとしたら、ちょいと今は間が悪いところだな。
さっきもチラッと言ったが、魔物が増加傾向にあるらしくてなー。
ま、教師と後輩諸君も居るってのならまぁ、大丈夫だとは思うんだが……。」
魔物の存在する森に向かうにあたって、軽装であった事を恥じたのか赤らんだ少女には、「ま、それも経験の一つってやつだ。」と先輩面した事を言いながらも、彼女が言う教師と先輩の一団は少女の存在が無い事に気が付いているのかという疑問と、現状一人きりな状態の少女は恐らくはぐれたのかとの仮定を抱きながら、辺りに意識を広げゆく。
そして案の定、学院の一団は彼女の不在に気が付いている気配もなく、いつもとは雰囲気の違う森の空気感を警戒しながら奥へと向かっている様子。
「――どうにも、リアがはぐれたっての……気が付いて無いんじゃねぇかな…。その先輩ってのはそれなりの手練れかい?」
パーティメンバー不在を気が付かないなど恐らくは新人なのだろうとは思いつつも、これは護衛しつつ合流させてやるべきかなと、この後の予定を変更しつつ、少女に問うてみた。
■リア > 「ぱぱっと……?」
見て来た魔物の死骸を思い出して首を傾げる……絶対に単身で挑んだりするなと口酸っぱく教師が言っていたのは学生向けの話だったのだろうか。
街中で見世物として売られている以外の、野生の魔物を見るのさえ初めてのようなものなので、その強さの基準がよく分からない。
「ふふ、よしなにお願いいたします。レナードさんこそお一人なんですか?」
もしかしてとっても強いのかしらとのんびり考えながら、訊いたところでどのくらい強いのかなどわからないので、口にはしないでおく。
「私は一般の学校から編入したばかりで先輩方とはあまり絡みが無いので、どのくらい強いかは、どうなんでしょう。自慢話とかはちらちら聞こえていましたけど、そういうのは鵜呑みにしちゃいけないのかなあって……え、私、置いて行かれてます? 休憩が終わってしまった……?」
そういえば皆の声が聞こえない。
「そんな……手を洗いたいのに……。レナードさん、水場をご存知ないですか。この子にも水を飲ませてやりたかったのに」
キノコの採集で泥のついた手を浮かせ、馬の腹あたりに頭をくっつける。
■レナード > 「そ、パパっと。」
学生や初級の冒険者なら確かに単独での戦闘などリスクが在り過ぎるが、この男こんな軽さでも一応剣聖の位持ちなので造作もない。
とは言え、別に公式の肩書でも無い以上明かす必要もないと、単純な表現を重ねて応じる。
「あいよ、よろしく。ん?あぁ基本は一人だな。
(心の声:報酬分ける必要が無いしなー。と)
――んー…残念ながら気がついてないかも知れんな。
その心持は良いと思うぞ。噂とか自慢なんて大抵尾ひれ付いてるもんだし、自分で見聞きして感じたことを信じるといいな。ってか、実際点呼もせず行っちまってるし…。」
教職としてはあるまじき怠慢にため息しか出ない。
その先輩冒険者とやらも、しっかりと探索の心得を再度教える様ギルドには報告しておく必要もあるかと心に留めつつ、水場と言われて頭の中にあるこの森の大まかな地図を広げて場所を思い出し。
「――あるにゃあるんだが…リアの仲間の向かう先と別方向なんだが、どうするよ?
俺の水袋なら手洗い位は問題ないだろうが、馬にやるとなると…足りんよなぁ…。」
探索用の装備袋の中に入った革製の水袋をごそごそと出しては見るが、男も先ほどの休憩で少量を消費しているし、馬にやるには圧倒的に足りないだろう。
とりあえずこのまま一人にするわけにもいかないので、護衛には着くが、どちらに向かうかの選択は、経験も兼ねて委ねてみようかとの心算。
■リア > 「羨ましい。私は剣技の授業は、まず剣が重たくてろくについていけないので」
レナードの持つ剣の大きさから重さを推し量って、計算結果に得心が行かないような不思議そうな顔で首を傾げる。
「植物学の先生は自己責任タイプなんです……あと小グループのリーダーが、何というか、…………その、自分に自信のある方で、突き進むタイプなので、点呼はたぶんまあ……男の子は見栄を張るものらしいですし」
陰口にならないように言葉を選ぶのに苦労しながら、途方に暮れたように森の奥の方を見やり。
「ん――……」
目を瞑り。森の空気を吸い込んで。すりっと馬の腹に頭をすり寄せる。
ぱちっと目を開けた時には、何もかも決まったように微笑んで。
「水場、それから予定の経路へ合流、にします。レナードさん、お仕事中申し訳ないのですが、ご一緒いただけませんか。お礼は(たぶん先生が)いたしますので」
■レナード > 「向き不向きあるだろうし、魔術が使えるんならそっち伸ばしたほうがいいかもな。俺は逆に魔術はまったくカラッきしだし。」
腰に佩いた剣から何か考えているようにも見えるが、答えはもしかしたらこの先見る機会もあるだろうしと何も言わず。
「――まぁ、若手冒険者は経験不足なのは仕方ないとして…
百歩譲ってもだ。自己責任も度が過ぎれば無責任だろうに。よくそんなので教職やってやがるな…。」
呆れたのか肩を透かしてため息一つ零し。
今後の方針を馬とでも相談したのか、結論を聞けば
討伐依頼から護衛依頼へと思考を切り替え、改めて周囲へと気配を探り、魔物の存在を探り。
「――ん、了解。ま、ギルドの伝達の不手際もあるし、報酬については後日相談だな。
一応魔物はこっちでぶっ倒していくし、俺の眼を搔い潜るようなのは居ないとは思うが、念のため自分の身と馬は守れるように注意はしとけよ。」
一先ず水場のある場所へと行くという依頼に従って、歩み出すまえに注意だけは伝え。
鞘に収まった直剣を抜いて辺りを警戒しつつ、歩みを進めて行こうか。
男の手にする剣は、彼女の先輩の冒険者達も持っているような類の数打ちの剣だけに、信頼に足るかは怪しい所だろうが。
一先ずは水場を目指し、護衛の依頼を受けた男は文字通り害意の悉くを斬り伏せて、目的地へと少女と共に進んでいくのであった――。
■リア > 「……魔術も実技は全然なので。なぜだか占術の授業はよく褒められます。
私は目だけで世を渡っていくんだって」
一般の学校からの編入のため、座学はともかく実技が追い付かないのは魔術も同じこと。
水辺に着いて手を洗ったら、実力に不相応な高価な杖の先から火の粉程度のものを出してレナードを更に呆れさせるのかもしれない。
「レナードさんが先生だったら面倒見が良さそう。
学院の先生は変わった方が多くて面白いです。
占術の先生も人間というより……何だろう……人間を辞めた感じの恰好をしてらっしゃるし。
……先生が言うには、どれだけ力をつけても見誤れば死に、どれほど力が無くても見誤らなければ生きる、だそうだけど……」
手綱を引いてレナードの背を見ながら進み始める。
群れからはぐれて、ある意味素性の知れぬ男性と二人、危機を感じても良いはずだけれど、安心している自分がいることに首を傾げる。
「あなたを今手放さなければ、大丈夫みたい」
と言った通りになって、森の奥で増えすぎた魔物に囲まれている一行と合流し、まったく自分の実力と無関係に窮地を救うことになるのは、暫く先のこと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からリアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からレナードさんが去りました。