2022/08/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖の洞窟 鏡面水湖」に銀華さんが現れました。
銀華 > 湖の洞窟

外から眺めれば湖は透明とはいいがたく、生物が住んでいるのかすらわからない。
湖の大きさは雨季以外ではその大きさを変えるかもしれないものの、今の時期 特に湖ははっきりと姿を映し出す。
湖を眺めればわかる 空は青く 雲は白く 星は満天 月は輪郭を映す姿。
まるでもう一つの空のようだと。

それだけでも、少し腰を下ろして眺めたくなるかもしれない。
水場故に様々な者が訪れるだけに、長居するかどうかを決めるのは、本人次第。

しかし、その湖の神髄は地下だという。
近くで暮らす民族がいれば神聖化させ、立ち入りすら禁じる場所だったかもしれない。
下手に掘り進めることも危険だろう道のり
水が時折染み出す壁 水の匂い ここに住まう者は水気を好む者が多く
目に移す全てが、塵氷の銀世界とは違う光景は銀華を楽しませている。


「水の洞窟か……、御方の出かけた宝探しとやらも、こんな雰囲気の場所があったのだろうか。」


戦場でこそ映えるような 主槍や蜻蛉飾りのように魅せる長烏帽子形兜
時折擦れてしまうようなら首から後ろへ下げる形をとりながらも、脅威度は低い中を進む。
魔王の配下であり友であり、しかし制御できているかといえば千切れ手綱と呼ばれる銀華。
幻想というものを全て味わい尽くすまで、その足は止めるつもりもないかのよう。
未知を探求する冒険者 今の気分はまさにそれだ。 秘境とやらは、冒険者の心をこうもくすぐりつづけるのかと。

銀華 > 段々と香るのは、草華の匂い。
清涼な水と土 時折苔の匂いの中で、急くこともない
水が染み出ている壁を眺めるだけでも楽しんでいた銀華は、鼻に引くりと感じる暖かい匂いに顔色を変える。


「花の匂い…、…?」


地下の、とある場所のことを指しているのだろうかと。
銀華は道のりがだんだんと空気が暖かくなることに気づく。
この洞窟自体が、なにかしらの手を加えてできたもの。
怪物や何かとは違う 天井の高さも見ても、おおよそ銀華よりも少し高め。
一本道ではない場所 一度開けてから埋め直した積み上げる 石が埋んだ土壁。
そこを通り過ぎると、一気に草華の匂いが濃くなる。
時間は正午 天候は晴れ 水鏡のような湖は、広くその姿で空をもう一つ作り出していたものだけれど
この地下の世界もまた、冒険をしているのだと 文字通り 眼で目の前の光景 険しい場所を乗り越えて見ている。


「―――、すごい。」


銀華はため息のように目の前の姿に言葉を漏らす。
妖艶な姿は子供のような笑みでもなくうっとりというものでもない。
目の前の現実を視界一杯に溶かし込んで、接種する呆けた表情。
其処に広がる姿は、金魚鉢型のボウル状空間 大きな姿は湖ほどだろうか。
上はそれなりに高い位置にあり、水がまるで浮いているか、石鹸を溶かした水のように表面張力のよう。
故に、大きな一枚の水と言える姿で天井を作り出している。
そこから、光がいくつも拡散している光景がある。

草華は水を吸い、光を受けて、周りに膝下の高さでいくつもあって。
そしてなによりも 表 とは違うもう一つの姿はだんだんとその姿を現す。

正午の時間 日がずれていく。
そうすると、湖のレンズは拡散させていた光がだんだんと焦点を合わせていく。
そうすると、日の光が柱となって中央 おそらくは熱と乾きのせいか
何もない台座のような場所を作り上げている場所を 目にいたくない光の柱 一種の光線?
でもそれが、そう、それが絞られていないからこそ、輪郭の線はぼやけながら太く広がっている。
真上から真下へと降りてきている姿は一種の人為的なものなんだろうけれど。

銀華は竜 通ってきた道のり、雷でもこんな光景はない。
ずっと光の柱が一本、目の前に降っている。
銀華の濃紺の瞳にすらくっきりと、その光の柱
まるで猫の瞳や真珠眼のように、映りこんでいる。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖の洞窟 鏡面水湖」にソラムさんが現れました。
ソラム > 「〜〜〜♬」

 穏やかな光に包まれる中、一人の人影が腰を下ろしていた。
 黒色のコンバットスーツに、同色のブーツ。そしてその上から群青色のロングコートを羽織った、小柄な体格の少女だ。

 手元では黒いファイルを開いており、その上で手を動かしている姿は、さながらスケッチに訪れた人のようだ。

「初めて来たのは、記録しておかなきゃ、だっけ?」

 一度手を止めた少女は、誰に話しかけるでもなく、ポツリと言葉をこぼした。
 少女は一人ここを訪れたのだが、地下の存在を知ったのはかなり最近の話だ。故にここを訪れた少女が最初に始めた事__それは記録だった。

「さて…、もう少し書いておこうかな」

 気分を改めた少女は、再びファルスの上へペンを走らせる。長い旅、その思い出として残すために。

銀華 > 幻想的な光景
一面の銀世界 氷の空間  それらは間違いなくこの国からしてみれば最高にファンタジーをしているのだろう。
でも銀華にとってみれば、雪と氷以外の国
地下に広がる不思議な空間 暖かい まだ太ましい、細まらない光の柱。
それを見ながら、ひとりで独占している光景 だからこそここは観光というよりも誰もいない秘境のよう。
秘密の境という意味なら、そうなのだろうと 入口から少し 草木は育ち切っておらず、柔らかい。
一度も踏まれていない 風もないからこそ強く硬く育つ必要がないのだろう草華原。
サクリサクリと踏むと、簡単に足跡が付くのはその証拠か。

少し、腰を下ろす。
和装の軽鎧と立派な烏帽子兜を身に着けているのに、腰を下ろして胡坐を掻く。
両手を間の空間にいれるように腕を腿に置いた姿は、まだ夢から覚めないように視界一杯に光の柱 草腹の景を取り込んでいる。


「は…、…―――。」


―――己(わたし) 今冒険しているんだな と思った。
―――こんな場所が、あといくつもあるんだろうなと。


氷華は、今最高に冒険をしているという気分に浸れている。
風もないから草腹が撫でる音も聞こえない中で無音に近いと思っていた。
けれども、金魚鉢のような土壁を見ながら蔓根が意外と伸びているのか
支えになっていて崩れないのかと思っていると聞こえる 鼻歌。
先客の冒険者でもいるのかと、ふっと草原に目を向ける。

光の柱にばかり、目をやっていたせいか
他の異物に目が行かなかったらしい。
氷華がその濃紺の瞳から光の縦筋が外れるようになると見える。

異国の姿?
氷華も鎧と兜は、案外珍しい部類のものながら。
この幻想の中ではスリップしたような姿。
映えている角 魔か何かだろうか 3本うかがえる。
同じく光の柱を見ながら、見える書き込む姿。
きっと、冒険記でも書いているんだな、と。

海は航行録
冒険は冒険記

みんな何かしら形に残す。
氷華と言えば、死友であり御方の、魔王エルビーに時折戻ってはそうした旅の話を交える。
二人で共有することが、主だ。


―――他者の冒険記か、と己(わたし)は少し興味を引く
―――座り込んで眺めていた腰は軽く、起き上がるようにして己(わたし)は動く。


さくっさくっと足跡の付く草華原。
近づく際、今だ兜は首から下げたままで頭部にない。
長い濃紺髪を下ろした和装軽鎧の姿で傍までいくと、会釈をしながら。


「己(わたし)以外にもいるんだな、ここまで来たがる冒険者が。」

ソラム > 「〜〜〜♬っと…、私としたことが、気づかなかった…」

 突然声をかけられると、一度ピクリと身体を止めたが、ペンを置いてそちらの方へ顔を向けると、少女は会釈を返す。
 濃紺色の髪を伸ばした女性に深く赤い瞳で視線を向けながら、少女はぼんやりと考える。

 ___かなりの時間、没頭して書いていたのだろうか___と。

「ごめんなさい、だったかな。久々にきれいな場所を見て、記録してたんだ」

 女性へとそう語りつつ、懐かしむようにぺらりぺらりとファイルのページを捲る。

銀華 > やはり冒険記だったか、と氷華は隣で立ったまま ペラペラと捲るいろいろな場所の記録とやらを眺める。
竜だと書物に読みふける奇特な者もいると聞く。
しかし多くは頭の中で蓄えた覚書を語るようなものだろう。
ひょっとしたら、王都にはいくつもの冒険記などがあるのではないだろうかと少し思案する。

噂話 酒場での実体験
そこから始まる冒険もいいものの、宝探しというわけではないけれど、書物から辿る
それも、また冒険だと思える。
氷華は、顎を撫でながら行動の指針が一つ増えたこと
御方(おんかた)にも話してみようと一人答えを出す。


「王都も港湾も、冒険者は稼ぎ口というばかりだ
 そういう冒険記を持つのがいるというのは、失念していた。」


そう言って、未知を探検する金になるかわからない
徒労になるかもしれない 事柄は自己満足。
だからだろう、珍しそうに録を眺めながら、ふと光の柱に目を向ける。
輪郭がぼやけた、太い光の柱。
それがゆっくり、ゆっくりと細くなっていく。
色は濃くなり、しかし眩すぎず 熱くはない。
あの中央 中心 そこに光が刺さるかのようになる。


「―――収束しているのか。」


どんな意味が、ここにはあったんだろう。
氷華は科学者でもなければ探究者でもない。
見て充分に満足してしまっているものの、御方の元へ帰る際のいい語り草ができたと。
黙ってそれを見つめていると、光はだんだんとぼやけていく。
収束の濃さ 細さは消え、湖の天井の向こうでは雲の合間から幾つも差し込むかのように
光の柱ができあがる前の光景へと再び戻っていくだろうか。
正しく秘境と言える場所だったと、名前も知らない相手と
この出来事も記録するのかと少ししゃべりながらも、満足したように戻っていく。

この空間には斬り伏せる何かもおらず ただ眺めているだけで最高に冒険していると思える幻想があった。
御方にはどうやって話そうか、そう思いながら同じ傾向の角を持つ同性
深く聞かなかったもののあれもまた人外だろう。
人外の冒険 それもまた、いくつも違う例があるのだなと思いながらきっと氷華は御方にこう呟くに違いなくて。


―――「御方、あれはすごかった。 湖の天井 光の柱 きっとなにかの儀式とかでもしていたんだろうな。
     表の湖は空を二つにするんだ。 綺麗だった。 氷の世界よりもずっと。」―――

と。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湖の洞窟 鏡面水湖」から銀華さんが去りました。
ご案内:「」にソラムさんが現れました。