2020/11/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にコカさんが現れました。
コカ > 夜も深くなっているメグメールの自然地帯。水源が多く湿地帯として湿度の高い環境ながら
長い事其処にそびえたつ木々が並んでいる。その複雑な木々の作る進路は非常に高低差があり
複雑だが、ヒールの高いブーツを履いているにも関わらず、苦も無く歩を進めている娘がいる。
娘の姿はほぼ裸の扇情的な姿で、辺りを見回しては、しゃがみ込み植物を採取すると
手に持っていたずだ袋の中に静かに収める。

「……」

中にはずだ袋に入れた状態では良質に保存できないものもある、苔やキノコなどの一種が
それにあたる。娘はそれらの保存にずだ袋にまとめて入れていた陶器の小瓶に入れると
大切そうにまた袋に詰めていた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエイガー・クロードさんが現れました。
エイガー・クロード > 湿地帯には、気が付けば妙な生き物が住み着いていることもある
害がなければいいが、あるものも偶にいて、それが放置された結果ひどいことが起きる
そんなことにならないように昼も夜も、時々見に来るのも騎士の仕事の一つ……
とはいえ、やりたがるものはそうそういないため、矢面に立たされたのが彼だったが

馬の蹄が地面を踏みしめ、こちらに来る音が娘には聞こえるだろう
そしてその、馬に乗っている人物も……既にその音だけで誰かわかったのかもしれない
「あら……こんな時間で会うと本当に色々絵面が危ないわね……。こんばんは、コカ」
と、男性の声で女性の言葉を使う騎士は……少なくとも娘の記憶の中ではそういないだろう。

コカ > 遠くから蹄の音が聞こえる。誰かが存在するというのをかなり遠くから察知していた娘は
ずだ袋の口を閉じて、静かに立ち上がる。馬の蹄の音、その他の金具の音、武装をしている
それらを考えると、その場を離れようかと思ったが、蹄の音が近づいてくるのと同時に
感じたのはついこの前感じた匂いだった。

「裸の者がこうして歩いているとすぐその発想になるという事は、私の恰好というのは
相当変わっているんですね。まず性欲ありきで見るのは致し方のない事なんでしょうか王国の人は」
「といっても私は…それに応える事も出来るんですけども…こんばんはエイガーさん。」

慣れ親しんだように笑いかける娘。顔の半分はアイマスクで殆ど見えないが
肉体と同じく整った、自然に耽美な容貌を男性に向けた。

「大家の騎士の方もこういう場所は訪れる物なのですか?

エイガー・クロード > ほとんど裸で、裸でない部分もベルトを着けてるに過ぎない娘。
その娘を目の間に、しかし男は朗らかな笑みを浮かべる。決してこの子が悪い子じゃないと信じているから
それにまぁ……自分より幼いと感じれば、甘くなってしまうのも仕方ないのかもしれない

「最近は特に、ね。性欲ばかりが膨れ上がってそれしかしない者もいるぐらいだしね」
自嘲するように肩をすくめて、馬から降りる
「応えてくれるのは少々興味があるけど、場所が場所だからね。さすがにこんな場所じゃできないでしょう?」
笑いかけられて、こちらもそれに少しうれしく思う

「誰もやらないから私がやってるだけ、よ。まぁ偶に不思議な光景も見れるから悪くはないんだけれどね?」
クスリと笑って、娘の近くに歩み寄る

コカ > 「やはりこの光景は不思議に映るものなんですね」
娘はゆっくりと男性に向かって近づいていく。月明かりがあるとはいえランタンか松明が無ければ殆ど
見える事が無い暗い場所の複雑な地形も躓くことなく歩いていた。

「命の危険がある、という観点から見ると自衛手段はあっても確かに私は危害を受けやすい…」
「…そう見えるでしょう」
「しかし性欲で見るのであれば私にとってそれはさしたる脅威ではありません。」
「それはこちらの常識、そして…育ちの違いから現れる庇護欲と取れます。」

相変わらず見た目に反して王国の学芸員のような物言いをする娘。

「こちらに来てから、私が深く深く感じる事と言えば。強い性欲と、それ以外ならば」
「必要以上の庇護欲ですね。」
「エイガーさんも誰かを守りたいんですか?」

エイガー・クロード > 「えぇ、王国ではまず見れないからね。こういう植物のみで構成された空間っていうのは」
見渡す限り、植物……木々が生い茂り、その木にキノコや蔓が伸びて絡み合い、別の花が咲いている
一部は夜になると発光する虫が蜜を求めてやってくる

「確かに、そういう観点で見れば問題はないのかもしれない。
けれどお腹を空かせた獣や、魔物がいたらどう?それはあなたにとって危険なことじゃないの?
まぁ……魔術が使えるなら、問題はないだろうけれどね」
本当に知的な話し方をする娘だなと思う。同時にそんな話し方をするに連れて、その格好であることにちぐはぐさを感じるのは自分だけなのだろうか

「強い性欲と庇護欲……フム……。私は…そうね、誰かを守りたいんだと思う」
頷きながら納得したように
「みんなを守りたいけど、守り切れないこともある。けれども…泣いている誰かの涙は止めてあげたいかな」
「あなたは、何を求めてこの国に?」

コカ > 「この辺は気候が故郷に近いので、代用できる植物性資源が生育するんです。」
「もう少し気温が低ければ尚良いですね。」

ずだ袋を開くと先ほど取ったキノコや苔、蔓の一部などを見せた。
獣や魔物に関して問われると、自分の胸をポンと叩くようにふるまう。
そのはずみで露になっている乳尻がふるふると揺れた。

「実は文明のある人よりも、知性の無い獣を相手にする方が得意です。ただなぎ倒せばいいだけですから」
「その為の能力も持っています。」
「ただ悪目立ちするので、町などでは使えません。怪獣のように体が大きくなるので」

一族より受け継いだ娘の自衛手段は触手化、家屋5件は余裕で覆い尽くすほど大きくなる。
それを剣を向ける相手一人に使う事は出来ないのが、町では命の危険に敏感な理由だった。

エイガー・クロード > 「そうなのね…気候が近いなら、あなたのところもこっちと変わらないのね」
そう思いながら、暖かい地域だと思っていたことが見当違いだったとわかる
そして娘が胸をたたいた時に揺れる乳棒に、つい目が行った

「なるほどね…自営の手段が、周りを破壊しかねないのなら仕方ないわね。
となると、やっぱり説得するぐらいしかない、か。
…うーん、私の権限でどうにかしたいけど無理かな…」
そう思いながら……ふと一つ思いつく

「それなりに名のある貴族のお抱え娼婦みたいなのになれば噂になってそういうこともなくなるんじゃない?
……っていうのは、さすがに駄目よね」

コカ > 「妾になればよいというお話ですか?」

男性から出た意外な言葉に、僅かに頷きながら、話が込んできたので静かに近くの岩に腰掛けた。

「今となっては村に私が付き買ってきた文化も無いので…それも悪くないと言えばそうなのですが」
「必要資源が好きなタイミングで手に入らないというのがネックですね。」
「身の安全は確かに確保されます…」

考え込むようにして控えめに腕を組むと、ふと気になって頭を上げる

「そういえば、私が気になるとしてもこれ等は世話を焼きすぎでは?」
「私もつい話し込んでしまいましたが…昨日会ったばかりだというのに」

エイガー・クロード > 「まぁ、言ってしまえばそうなるわね」
腰掛ける娘を見て、自身の顎に手を当てる
気が付けば深く考えすぎていたかもしれない

「安全と実のある話なら、私としては前者を優先してほしくはある。
けれどもさすがに、そこまでは私は決定権はないし、どうするかコカに考えてもらうしかないからね」
そこまで言葉を吐いたところで、娘が自身のことを見上げるのを見て言葉を止める

「……そういえば、そうね……ごめんなさい」
考えなくてもわかる話だ、あまりにもこの娘に深く足を踏み入れすぎている

「なんだかあなたのことが気になっちゃってね……。不快にさせたのなら今一度謝るわ」

コカ > 「いいえ?…私は気にしません。」
「そうなると今度は私の方がエイガーさんを心配してみたくなりました。」
娘は、ずだ袋から取り出した木の根を手でよく揉むと、奥歯の方で少し噛みつつ
歩み寄る男性を見上げる。

「王国には私よりも儚い容姿で驚異的な魔物も存在しますよ?」
「エイガーさんも、身を案じる相手を少し慎重に見極めなさった方がよろしいかと思われます。」
「実際に私の内に眠るモノは分からなかったでしょう?」

淡々と、恰好以外なら洞窟の識者のような振る舞いで述べる娘。
気になったと言っても、出てくるのはくみ取ってみれば最終的に【裸だから可哀そう】
という意味に繋がる話ばかりで、それ以上の込み入った文化については話してこないように
感じたのだった。

「危険が恐ろしいのは当然の事です。誰の身にも降りかかる物ですから」
「私を心配するエイガーさんが私より先に貶められるかもしれない」
「エイガーさんも良ければ今安全な瞬間をお話しなさっては如何ですか?」
「大家の騎士であれば、脅威が訪れた時に対処すれば十二分に間に合う事でしょう」

エイガー・クロード > 「あら、私を?」
意外そうな顔をしつつ、こちらを見上げる娘の言葉を待つ

「……確かにね。そういう怪物はたくさんいるわ。
私の手が届かないほど上にいながら、この国の中を牛耳る者」
「そういう爪を隠すのが上手い存在は、どこにだって存在する」

この娘がしゃべりだすと、どうしてこうも胸にスッと入っていくのか。
それは、この知性を感じさせる喋り方と言葉の選び方が自身より上だと思わせるのだろう。
…もしかしたら、自分は自然とこの娘を、見下していたのかもしれない。
そう思うと、自分の事を一瞬殺したくなった。

「……今安全な瞬間…」
そうして話された言葉を反復し、思考を行う。
……自分の安全を守る……。
「……ダメね。思いつかない。というよりも……自分よりも他人のことを気にしちゃうわ」
諦めたようにそう言うと申し訳なさそうに頭を右手で抱えるようにして
「確かに対策は必要なのでしょうね。私と、私の領土の民を守るためにも」
同時に、今後を見据えて、自身の足場を整えることを始めた方がいいとも思わされた
「まさか、昨日会ったばかりなのに、心配させちゃうなんて……私も騎士失格ね」

コカ > 「実はこれでも半年近くは王国で過ごしてきましたが…」
「成る程、王国が良くならない理由が少し分かりました。」

娘は自分が噛んでいた木の根をそっと男性に差し出す。差し出した木の根は
きちんと洗浄され、適切な処置によって乾燥させてありその見た目に反してハッカに似た
清涼感のある香りを漂わせていた。

「何故、この国が汚染に溢れているのか」
「きっと国の穢れた存在よりも、エイガーさんのような清くあろうとする者が自分で自分を追い詰めているからでしょう」
「もしくは、自分の中の穢れを抑えるべく、品行方正を務めているか」
「そういった方はご自身のその在り方に疲れているのです。」
「寄り添う場所が無いその生き方に」

木の根は差し出したままである、受け取り噛んで見るよう勧めている。
「清濁全てを自分として上手く付き合う事、人に良くあろうとするなら自分を理解する事が肝要です」

エイガー・クロード > 「理由が……?」
興味深そうにその言葉の続きを待つ。

そして、差し出された木の根を、そっと受け取る。
触ってみれば、しっかりと処置がなされているのを感じてかなり深い知識があることを伺わせる
そうでなくともこの目の前の娘は、相当に知識を持っているのはわかっていたが……

そうして娘が語られた言葉に、息が詰まった。
どの言葉も、自分に当てはまるように感じられた。
確かに、と思いつつどうして……と。なぜ出会ったばかりの自分をここまでわかっているのか
いや……自分がわかりやすすぎるだけなのだろうか

「……自分を理解……ね。……私は、自分が嫌いなのかしら……」
そう呟きながら……勧められるままに、その木の根を噛んでみた

コカ > 娘は岩の上に即席でこしらえた苔を干したものを敷くと、その傍で火を焚く。
日常的にこういった野外での生活をしていた娘は、いとも簡単にあっという間に焚火を灯した

「お掛けになっては如何ですか?」

娘が苔を干した岩の上に座るように男性を促した。娘が渡した根は生薬として完璧に処理されており
噛んでいる間に喉から器官にかけて空気の通りが非常にスムーズになるのを感じるかもしれない。

「正確には嫌いな所がありそれを認められないのです。よほど世に出すには失うものが大きい事なのだと存じます」
「私はそういった事に寄り添う為の術を本当に小さい時から先代に教わってきました」
「非常に時間のかかる問題だと存じます。でも分かって欲しいのは」
「認めていくのにかかる時間は、きちんと人生の中で用意されているのです。」
「今はエイガーさんが自分の抱く事が良くない事だと分かる事。」
「それだけで良いんです。それが世の中で生きるのに本当に清い人です。」

話に対して正確性を感じさせるように話していく娘。
男性が思考する余裕があるなら、娘は故郷でもこういった療法士的な役職に付いていた事を
気付かせるかもしれない

エイガー・クロード > 焚火を見つめながら、根をかじる。ガジガジとかじっていると、空気を吸う感覚がだいぶシャープになった。

「あ……えぇ。ありがとう」

促されるままに、その岩の上に座る。少し呆けているようにも見える

「……時間は人生の中で用意されてる……か」
聞けば聞くほど、その言葉は体の中に入り、そして同時に、自身の心がかき乱されていく
この娘はおそらくカウンセラーなのだろう、とあまり冴え渡っていないが、それを理解することはできた
そう考えたら納得もできる部分もこの娘には多いのだから

「…………もし私があなたを今すぐ抱きたいって思って、それを行動に移すのはよくないことでしょ?」
だから、どうして自分がこんな言葉を吐いたのがよくわからなかった
「…………そう考える私は、清い人なんかじゃ……」
もしかしたら自分は、誰かに拒絶して欲しいのかもしれない。またはその逆か……
そんな思考すら、今の自分にはできないほど、心の中がぐちゃぐちゃになっていた
自分を認めることができない……そう自分で自分を思い込んでいるのだろう

コカ > 「抱きたいのであれば私に限っては問題ありません。それも含めた術ですから」
娘は驚く様子も、戸惑う様子も見せずに真っすぐ男性に向かって言い放った。

「ただし今のところソレは例え話でしたね。」
「とはいえ抱えている欲望が其れであれば、問題なく私であれば受け止める事が出来ます。」
「エイガーさんの為だけ、という訳にはいきませんが。少なくともよく理解しています」
「きちんと理性が働いているという事はこの短い間でもよく分かりますので」

心に乱れが出ている事を娘は正確に察知している。
火を焚いた所に湯を沸かして、生薬などを煮出している。

「一度整理する必要があるでしょう…しばらくお待ちください。」

娘はゆっくりとその為の湯を用意しながら、それを男性に渡しつつ
少しの間こういった話を続けていくかもしれない。

エイガー・クロード > 「…………」
まっすぐにその目を向けられ、そう断言させられると、もう黙る事しかできなかった。

続けられる言葉を聞き、まだ心の乱れは収まっていない。
しかし、その乱れをぶつけるような真似は全くしなかった。
「…………欲望を受け止める皿に、あなたをさせたくはないわ」
そう呟きながら、生薬を受け取る。

「…………ごめんなさい、いろいろ……なんだか、すごく失礼なことも言っちゃって……」
そう言いながら、恥ずかしそうに自身の額に手を当てて……

そのまま、自身の心が落ち着くまで話し……もしかしたら、その続きもしたのかもしれない。
だが、それはここまで……。
そのまま夜は深く、深く過ぎ去っていったのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からコカさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエイガー・クロードさんが去りました。