2019/04/26 のログ
■カイン > 「……明かりに反応するかと思ったがそうでもない、と」
暫く手を上にあげていたものの動くのは逃げていく気配ばかり。
人に襲い掛かってくる手合いの気配が此方に動いては来ない様子に、
残念そうに手を下ろす。見た目は間抜けだがちゃんと考えはあったらしい。
「かといってこのまま帰るのも癪だし、もう少しは見て回るか。
今度はそういうのを得意な奴でも雇うかねえ…。
戦うのは見てるだけでいいならだれか捕まる、と思いたいが」
生憎と傭兵に知り合いは多くとも冒険者に対して顔が広いわけではない。
馴染みの宿でもあたってみるかと考えながら手を下ろして歩き始め。
■カイン > 「…よし、諦める。今日は切り上げるか。
単独で動く宿命とはいえ、もう少し真面目にやったほうがいいのが身に染みる。
回復とかは何とかなるだけ、他の事に気を配るかね」
何せ余程の事がない限り死なない体はしている。
センスがないなら時間で補うしかないなと渋面で漏らして、
踵を返してその場を後にしていくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からカインさんが去りました。
ご案内:「自然地帯 森の奥」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > ――仕事を暫く休むついでに、本格的な修行をしよう。
そんな軽い気持ちで、此処暫く、人里に帰らず森の中で生活している。
幸い、此処は魔物や動物も多く、食える木の実や野草も多い。食料には困らないし、服や布、それに身体を洗うための石鹸なんかは持参している。
しかし、
「……キッツイな……」
木に身体を預けて座り、溜息をつく。
肉体的には、特に異常はない――飢えている訳でも、渇いている訳でもない。
しかし、精神的にはキツイ。何せ、四六時中魔物の気配を警戒しているのだ。
眠りは常に浅く、その眠りさえ些細な獣の声に目覚める始末だ。
「後二日……持つかな……」
のろのろと持ってきた服に着替え、腰の剣を抜く。
生きるのに必要な時以外は、常に剣を振るのがこの修業なので、目が覚めたら素振りをしなければならない。
比較的平らな場所に立つと、男は剣を振り始めた。
その剣筋自体は、普段と変わらないが、しかし顔は疲労に彩られていた。
「いち……にっ……さん……」
■クレス・ローベルク > 「……そろそろ、ヤバイか……」
あれから一時間ほど。視界がくらみ始める。
だが、素振りはやめない。その剣筋も乱れない。
まるで、生きることよりも、剣を振ることの方が、大事だと言わんばかりに。
つまり、この修業はそういう事だ。尤も根源的な、生存という本能から、自分の身体を遮断する。
生まれついての反射という、"獣"の動作を徹底的に否定し、それを"人間"の動作に置き換える。
「……!……!」
五時間後。掛け声はもう、忘れた。ただ、剣を振り続ける。
意識が朦朧とする。
剣と自分以外の、全てが曖昧になり始める。
この域まで来ると、最早男の自律した意識などというものはない。
剣を振り、五感で何かを感じればそれを切る。
それが人であろうと何であろうと、委細構わずに……
■クレス・ローベルク > 修行は続く――
ご案内:「自然地帯 森の奥」からクレス・ローベルクさんが去りました。