2017/11/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に天姫さんが現れました。
天姫 >  
「魔物を狩るのいい加減飽いたのう」

ドスン!と大きな音を立てて大鉈を地へと突き立てる

──あれからしばらく、
角隠しも得たことで、魔物を狩ることで人間の街への通貨を手に入れ生活していた鬼は、そろそろ飽きが来ていた

「また闘技場にでも……
 いやいや、あそこはいかん……」

魔物をあっさりと屠るこの鬼も、物理的な力の通用しないものにはめっぽう弱い
とっ捕まりひどい目にあってしまったものである

そんな理由で闘技場を避けるようにもなり、
強い者との闘争を求める鬼はどうにも歯がゆいものがあるのであった

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にノウブルさんが現れました。
ノウブル > (街道も離れれば、治安も悪くなる
魔物の出没や盗賊の闊歩など、整備された道だからど油断出来ぬのがこの地だ。
そんな訳で、何某かの討伐や魔物退治の依頼は常に暇が無い
今宵もまた、そんな依頼の内のひとつを請け負って終わらせて来た其の帰り。)

………?

(ふと視線の先に、見かけた人影。
其の風貌に何処か見覚えが在る様に感じては、ゆっくりと近づいて行くなら
きっと、隠しもしない其の気配は、恐らく相手にも伝わる事だろう
いつだったか、闘技場で出くわした、人ならざる者
其れがこんなところで佇んでいるのなら、無表情の儘声を掛けた。)

――……何してる?

天姫 >  
「む?」

歩み寄る気配…と、かけられた声に鬼は振り返る

視線の先には…見知った顔がいた

「おお…お主はいつぞやの!
 くふふ、あの時は世話になってしまったな」

記憶を探るまでもなく覚えていたその顔へと言葉を返して

ノウブル > (以前に見かけた時よりは、多少なりと布地が増えている様だ。
特徴的だった角を隠せる様になった様子なら
この辺りまで出没出来る事に納得を見せて。)

どうやら、無事だった様だな。
さして心配はしていなかったが、元気な様で何よりだ。

(この鬼の強さであれば、そう易々と野垂れる事も無いだろう。
以前、出会った時に其の強さはこの目で見ているからこそ、そう思う。
ゆっくりと距離を縮めて行きながら、此方を振り返る相手と視線を重ねては。)

……で、こんな所で何をしている?
何かの討伐か、それとも路銀稼ぎに盗賊の真似事か。

(さて、そして最初の問いをもう一度だ。
こんな所に何故居るのだと、別段問い詰める口調でもないが問うて)。

天姫 >  
「両方、といったところじゃな。
 魔物を狩れば金になる、飯にもなる。
 強そうな人間が通りかかれば襲いかかる」

ブンッと風を唸らせ、大鉈を肩へと担ぎ

「お主こそ、街道も外れたこんな場所へ何をしにやってきたのじゃ」

ノウブル > 成る程、為らば目的は同じだった訳か。
……まぁ、後者は俺の目的じゃあないが。

(魔物を狩る、と言う部分のみは同じだが後半は違う
闘技場で括られていた事もあり、何処か闘争を求めている節の在る相手
普通の人間ならば振り回す事も億劫だろう大鉈を、軽々と振るう様子に
少しばかり双眸細めて、肩を竦めて。)

――で、其の話で行くと、俺は襲われるのか。
それとも、闘うには値しないと見逃して貰えるのか。

(果たして、相手としてはどちらだろうか、と。
――後者であったなら話は早く、平和的に済むのだが)。

天姫 >  
「ははは」

男の問いかけに笑いを返す

「魔物ばかりではいささか滾りが足りぬといったところであってのう。
 そこへ、お主の登場じゃ。
 ───御誂え、と思わぬ妾ではないぞ」

男の力を見抜いた…というわけでもないのだろう
おそらく初めて顔を合わせた時から感じていたであろう、野性的な勘か

薄暗さを深めはじめた中で、鬼の赤い瞳が爛と輝く

ノウブル > 王都の周りをうろついている魔物では、相手に為らないだろう。
……不必要な争いは、無いに越した事は無いんだがな…。

(――闘わずにすむのならば、其れに越した事は無い。
戦う為に闘っている訳では無い、己と相手とは、其れが違う
けれど、これもきっと、一種の勘の様なものだろう
時に、不必要だと判っていても、避けて通れぬ場合が在ると言う事を知っている
そして、恐らくは今が――其の時だと言う事も、だ。)

……買い被り過ぎだ、御前の眼鏡に適うとは限らない。

(嗚呼、だが、其れでも
自然と片腕は緩やかに舞い上がり、背負う剣への柄を掴む。
――降りかかる火の粉は払う、そんな単純な理屈ならば、持ち合わせていると示す様に)

天姫 >  
「案ずるな。
 殺し合いではない単なる力比べよ。
 そこに殺気が篭もらぬというわけではないが───な!」

応じる姿勢を見るやいなや、獰猛な笑みを浮かべ鬼が飛びかかる
その小さな身の丈よりも大きな、鉄塊とも呼べる大鉈を振り被り…

「買い被りかどうかは初手でわかろうものぞ!!」

そのまま真一文字に、獲物を振り降ろす

ノウブル > 一歩間違えれば死が見える物を、少なくとも試合とは言わないだろう。
――…やれやれ、勘が外れる事を期待して居たんだがな…!

(跳躍――まるで獣の様な其れは、早い。
一瞬で目の前まで距離を詰め、鉈を奮う其の動きに合わせ、小さく溜息を零した直後
引き抜いた大剣で、相手の振り下ろす切っ先をかち上げる様にして正面から受け止――)

―――……っぐ…!

(――いや、重い。 体重を乗せられた分、僅かに此方が圧された。
其れでも、押し切られる事無く受け止め切って見せれば
逆に単純な重みでは勝る分、相手の懐へと飛び込んで、肩での当身を其の胴体へぶち当てようと)。

天姫 >  
「!」

受け止めた、それも退がりもしない
鬼は一瞬驚いたように眼を見開いて、そのまま当身を受けると後方へ跳ね返るようにしてくるりと着地した
大質量の獲物を持ちつつもまるで猫のように靭やかかつ軽やかな動作を見せる

「好し、好し好し好し!
 妾の一撃を受け止めるとは、実に僥倖!
 並の人間ではないと思っていたが、並以上も並以上ではないか!」

愉しげに言葉を放ちつつも、既に鬼はつぎの攻撃態勢へと入る
先程とは対象的に身を深く屈め、一気に地を駆ける

男が得物の間合いに入れば、大木すら軽々と分断するような一撃が水平に放たれる───

ノウブル > (――否、否、下がらなかったのは最初の一撃だからだ。
或いは此れが相手の――鬼の言う、力比べだから、だ。
相手の剛力は判って居た事、まともにかち合ったのでは分が悪い
だが、分が悪いからこそ、無茶を出来るのは今の内だけなのだ。)

――…突撃するばかりではない、か、厄介だな。
御眼鏡に適った様で何よりだが、此方は割りと必死だぞ。

(――だが、淡々と紡ぐ其の声音に乱れは無い。
何時もの様に、じっと鬼を見据える瞳が、次第に狩人の其れへと変わって行く
再び距離を詰める鬼に、今度は此方からも前へと駆ければ
薙ぎ払いに振るわれる其の切っ先を、相手の背丈を雄に越える跳躍で回避し
逆に此方が、先刻相手がしたように、其の重みを乗せて剣を真っ直ぐに振り下ろそう
単純腕力の差も、跳躍からの落下と体重分で相殺せんと)。

天姫 >  
「むんッ!! ───ぬっ!?」

前方しか見ていなかった鬼はその跳躍に一瞬その姿を見失う
それでも、その後の切り落としへと反応を即座に見せたのは、鬼の反射神経ならではか

「軽やかじゃのう、だが妾の武器は此ればかりではないぞ!」

鬼の隻腕、そして両脚がみるみる内に黒鉄の色へと変わってゆく、そして───

夕闇の丘に激しい金属の衝突音が響き渡る
落下する大剣、その一撃に向け鬼は鋼鉄の蹴りを打ち放った

ノウブル > (大振りに振った剣を、再びかち上げるには間に合わぬだろう剣速
例え間に合ったとて、不十分な体制で受ける剣が何処まで押さえる物か
――けれど、其れはあくまで相手の獲物が其の大鉈であると仮定しての物
剣を振り下ろす視界の端で、鬼の姿を捉えたなら
大鉈を振るおうとしない其の姿に、一寸目を見開いて。)

―――――……剛力と大鉈だけでは無いと言う事か。

(――強烈な衝撃音、其れは生身の肉を斬った物では到底無い。
振り下ろしの一撃が、相手の蹴りで止められるならば
手に伝わる衝撃に、成る程、とひとつ納得して

――其処で動きを止めはしない。)

それなら、まだやりようが在る。

(剣を掴んでいた片腕が、適うならば相手の其の鋼鉄の足を掴み捕え
其の儘大剣を、相手の脚の表面滑らせる様に流しては
今は鋼鉄化しているようには見えぬ其の胴体へと
切っ先を掠めさせる様にして刃を当てようとする、か
元々、鋭利に斬り裂くと言うよりは、重みと圧で断ち切る事に長けた剣
和刀の様に触れれば切れる、と言う程ではないから、致命的ではないだろう、が)。

天姫 >  
「呵々っ、ある意味では剛力だけとも言えるがな!
 この腕も脚も、その爪もいずれ劣らぬ妾の得物よ!!」

衝突の衝撃に地に伝わるもその身は不動
…鬼の考えが浅い故の即決即断による防御成立ではあったものの、
鋼鉄をも断ち割る一撃だったなら逆に勝負アリだったところである

身を捩り、振り切った大鉈を寄り戻して再び振るわんとする───が

「がはッ…!?」

蹴り足を戻すよりも前に、滑り込むようにして鉄塊が己の腹へと叩き込まれる
バキン、と鈍い音を立てて和装の飾りが砕け、鬼の身体が揺らぐ───

ノウブル > (鋼鉄を断ち切るほどの一撃――少なくとも今、其の必要は無かった。
砕くのは、相手の闘志だけで良い、其れだけでも難しいのだから。
恐らくは大鉈など無くとも、其の爪と四肢だけで十分に戦えるのだろう
だからこそ蹴りと言う手段を迷わず繰り出して来たのだろうが
そこで動揺すれば、狩られる側だ。 冷静さを保てば、狩る側で居られる。

剣を握る腕に伝わる感触と共に、揺らぐ鬼の身体
其の儘、地面へと着地を果たせば、支えとなって居る相手の片足を払い上げ――)

―――……勝負の条件を聞いていなかったな。

(剣から、手を離す。 代わりに、握り締めた拳を相手の下胎へと叩き込み
其の儘、地面へと其の身体を叩き伏せてしまおうとすれば
もし、其れが叶うならば、鍛え上げられている其の腹筋をも抉る様にして
拳が、其の奥底へと強烈な衝撃を突き抜けさせる事となる、か)。

天姫 >  
「くっ───」

爪の一振り
人間など紙束のように千切ることができる筈のそれを振るう

しかし脚を払われ、それは空を切る

夕に浮かびはじめた月を仰ぎ見るように視界が急転し、その背に地の感触を覚え───

「ぐぁがッ……」

深々と下腹部に突き刺さる拳に鬼の喉から嗚咽が漏れる
並の人間の拳などなら簡単に跳ね返してしまうほど高い筋密度を持つ鬼の腹が、すんなりと貫かれる
並ではない…という自身の勘が正しかったことを半ば喜びつつ、鬼は地へと横たわる

ノウブル > (――拳から肘へ、肘から肩へ、伝わる衝撃は柔肉を殴った其れでは無い
発達した、鋼鉄めいた硬さの腹筋は、手加減した拳など弾かれてしまっただろう
鈍い悲鳴が響くならば、其処から更に拳を抉り込んだ儘で留め置き
地面へと叩きつけた形の相手の顔を、ゆっくりと覗き見やっては。)

――――……力比べの結果としては、気が済んだか?
短かったかも知れんが、許せ。

(――短期決着でなければ、分が悪かった。
相手の気が晴れたかは判らないが、兎も角
地に付したのは相手で、叩き伏せたのは己だと
きっと、そう主張する頃に、先刻手放した大剣が
地面へと深く突き刺さる音が響く、か)。

天姫 >  
「ぐぐぐ……」

どこか口惜しそうな鬼の貌

「き、気は済まんが、妾の負け、じゃ」

苦しげにそう言葉を紬ぐ

「……が」

紡いだ先で、言葉が止まる
その人間離れした、言ってしまえば化け物じみた力はなんなのか、
姿を見れば単なる平凡な人間にしか見えぬその男の…

「───何者じゃ、己は」

下腹部に生じた鈍痛がじっとりとした汗をかかせる
苦しげな表情のままに、そう問う

ノウブル > ……存外引き際が良くて助かった。

(ほっとしたのが、本音だ。 ――余り顔に出ないが。
気は済まないらしいが、其処は何とか抑えて貰いたい所
ゆっくりと、下腹に減り込ませていた拳の力を緩めれば
恐らくは痛みを与えただろう其の場所へと、労わる様に掌を乗せて。)

……狩人だ。 其れ以上でも、其れ以下でもない。
ただ安寧を脅かす魔性を狩る、其れが俺だ。

(何者か、と問われて、答えるべき言葉は何時も決まっている。
緩やかに、拳の痛みが広がるだろう下腹を撫ぜてやりながら
静かに鬼の…女の瞳を、見下ろして)。

天姫 >  
「引き際が良いか、それはどうかのう。
 …また戦るぞ、次は妾が勝つ」

地に大の字で寝せた身体ではいまいち迫力もないというものだが
鬼の口はそんな言葉を臆面もなく言い放つのだった

「狩人、か。……人間ではあるまい。
 人程度の力で殴られて、この身体が動けぬようになるなど在りえぬからな」

安寧を守るのであればそれは人の世の安寧なのだろうか
人ならざるものがそれを守る、という行動に鬼はよくわからぬ、といった表情を見せる

ノウブル > ―――……負けず嫌いか、厄介だな…。
……態と負けても納得しないだろうな、御前。

(――細かい事を考えていられる余裕も無いのだが。
再び相対したときに、同じ結果になるかは判らない。
再戦の要求に関しては、拒否も受諾もせずに無回答で)

……そうかも知れん、だが人から産まれたのは確かだ。
それに、俺が狩人で在るならば、人か否かは問題ではない。

(言葉で言い表す事は難しい。
ただ、単純明快な理念で行動している訳でもない事は確かだ。
動けない、と言い放った相手に、少しばかり唸っては。)

……割合本気で殴ったが、まだ痛いか?
…何処ぞに宿の当てでも在るのなら、連れて行くが。

(ゆるり、ゆるり、痛いの飛んでけ、とばかりに撫でていた掌。
此の儘此処に捨て置くのも、流石に忍びない故に)。

天姫 >  
「…当然であろ。
 鬼が殴り合いで負けたままなど沽券に関わるというもの」

疑問に思うほどのことか、と鼻息荒く言い放てば
ようやくその身を起こそうとするが、その意思が伝わるのは上半身のみに留まって

「種でなく在り方に拘るか、雄らしいといえば、雄らしいのか…?
 む!そうじゃぞ、まだ身体の芯が痺れておるわ」

言いつつも回復自体は早いのだろう
苦しげな表情などはなりをひそめ、快活に言葉がまわる

「ならば貧民街あたりの安宿で良いぞ。
 金さえ払わばまれ人であるが気にせず泊まれるからのう」

角を隠してもいいがあれはあれで窮屈なのだ、と続けて語り、何かに気づいたように

「妾を倒した者の名を聞いておかねばじゃった。
 はて、以前聞いておったか…?む…?
 まぁ良い、妾は天鐘争城雨月之刀鬼(てんしょうそうじょうあまつきのかたなおに)、
 長ったらしいじゃろう?八卦の山の者はみな天姫と呼んだぞ」

ノウブル > ……そう言うものか。
鬼と言うものは、良くは知らないからな。

(――オーガ、やゴブリンとは意味合いが異なる、東方の魔性。
負けず嫌いなのだろう、と言う事だけは理解して、小さく吐息を零しては
相手の宿に連れて行く、では無く、宿を案内する、の方向に進んだ話に
一寸、肩を落としてから、起き上がろうとする相手へと手を差し伸べ、己はゆっくりと立ち上がり)

……ノウブルと言う、村の古き言葉で『知る者』を意味する。
この大陸では同じ発音で貴族を意味するらしいが、違う。

………………てん…、……判った、天姫だな。

(もし、相手が起き上がるならば、引き起こそう。
名乗られれば、其の長く覚え辛い名前に一瞬言葉がフリーズを引き起こしたが
何とか代わりの名前を名乗って貰えれば、其方で覚えると頷き。
それから、王都へ続く道の、其の先へと視線を向ければ。)

……担がれるのと背負われるの、どちらが好みだ?

天姫 >  
「ぬあ?別段そんなものに好みなどないが…変なことを気にするのじゃな。
 ではせっかくであるから背負ってもらうとしよう、担がれるのはなんだか俵のようじゃ」

よくわからない感想を言いつつ、差し出された手を特に警戒もせず素直にとって
そこで鬼は小さく笑みを浮かべて

「言い忘れたが妾の目方は人間の大人以上じゃからな。
 途中で落っことすでないぞ、ノウブル」

冗談ともとれるような言葉を吐くのだった

ノウブル > -――構わん、ただ担ぐにしても背負うにしても、居心地は悪いぞ。

(――何せ、背中に武器を担いでいるのだ。
或いは、其の武器を持ち手代わりにしがみ付く事も出来たりはするが
其の辺りは女の側で微調整を要求してみよう。
何れにしても、地面に刺さった剣を抜けば、再び背中へと止め直し。
それから、一度しゃがんで女に背へ乗れと促せば。)

……ところで、敗者には何か請求していいのか?

(ひとつ、そんな事を問いながら相手を背負えば
きっと、王都への道筋を歩んで行くだろう
大人分の重みも構いはしない、ただ、相手の言う様に
何処ぞの安い宿の中へと上手い事入り込めば
恐らくは、ぺいっと寝台辺りに相手を放ってやる事だろうか)。

天姫 >  
「そこは其れ、妾は鬼ではあるものの女子であるからして」

気遣え、と言っているのだろうか
無骨な性格かと思えばそんなことも言いはじめる、よくわからない鬼である

そんなこんなで男の背に乗っかると、そのまま王都へと道を進み…

勝者の特権に対して鬼は「何でも言え」と豪気に返す

その結果、安宿で寝台に放り込まれることになったのかもしれないが
───元々が享楽的に生きる鬼である
そんな夜戦もまた望むところだったのかもしれず───

ノウブル > 都合の良い時に都合良く、か。
なら、せめて落ちない努力はしてくれ。

(乗っかっている側にも、其れ位の努力は要求しては
背中へと相手の重みが乗れば、ゆっくりと其の身体を担ぎ上げて
きっと、王都の中で、其れなりの寝床に為るだろう宿を探して入る筈だ
道中、交わした勝者に対しての会話に従い、寝台へと放り投げたのだろうが

何れにしても、意図せず勝ちを拾った身として
「報酬」は、きっと其の夜の内に回収し、存分に得る事と為るのだろう――)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から天姫さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からノウブルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にオルティニアさんが現れました。
オルティニア > 街道から外れた森の奥、小川の畔に張られた白い天幕。
暖かに揺らめくオレンジの光にて周囲を照らす焚き火の炎は、周囲を囲む大きな石組を竈とし、火に掛けられた小鍋の中身をコトコトと煮込んでいた。

煮込まれているのは大きさの不揃いな、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、そして旅の途中で狩り取った兎の肉。
そこにぱらぱら乾燥ハーブを撒き、木製スプーンでくるくる回して一口すくい――。

「―――……ん、こんな物よね。」

呟きながら手にしたチーズの塊をダガーの手つきも危なっかしく細かく削って鍋に落とすのは、白皙の美貌も可憐なエルフの少女。
子供じみて小柄な体躯とそれに見合わぬたわわに実った豊かな双乳、貴族の如く夜会巻きにした黒茶の艶髪に傲慢さの伺い知れる切れ長の翠瞳。
どうみても料理などしなさそうな外見なのに、鍋から漂う香りはそれはもう食欲を煽る美味しそうな物だった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にセイン=ディバンさんが現れました。
オルティニア > 本来、エルフの多くは菜食主義で、獣食いを嫌う傾向がある。
にも関わらず、こちらのエルフ娘は幼い時分、病からの回復のために口にした獣肉を大層気に入り、事あるごとに肉料理をせがむ様になった。
しかし、料理担当である彼女の母はエルフらしい菜食主義者。
父親も同様ともなれば、食卓に並ぶのは野菜やら果物ばかり。
だったら自分で作るからいーもん!
なんてやり取りが、エルフ娘に意外なサバイバル能力を授ける事になろうとは。
そして、その獣食いの嗜好こそが、エルフらしからぬ駄肉を育てたのでは……? というのがエルフ里にてまことしやかに囁かれた噂だったりするのだけれど、オルティニア自身はその事に気付いていない。

「―――にしても遅っいわねぇ。一体どこまで薪拾いに行ってんのかしら。とろくさいったら無いわ。」

ハンッと小憎たらしく鼻を鳴らして漏らした言葉は、今回、旅を共にする冒険者仲間に対する文句である。
決して夜の森に一人だけというシチュエーションにちょっと心細さを感じているだとか、中々帰って来ない相棒を心配しているだとか、そんなわけではない。
あくまでも、エルフたる自分の優秀さに比べて、周りの連中の情けなさをぼやいているだけの事なのだ。
料理をするエルフ娘に、薪拾い&周辺警戒をする相方という役割分担が、先程から一時的な単独行動の時間を作っているのだった。

セイン=ディバン > この国の中において、比較的安全な地帯といわれる喜びヶ原。
その自然地帯を歩く少女は、鼻歌交じりで上機嫌。
この地区に発生した下級モンスター退治を終え、後は報告して報酬ゲットだ、などという状況で。
労力の割りに報酬は良いらしく。その上機嫌ぷりは表情にも出ている。
なにせ満面の笑み。鼻歌はいよいよ盛り上がるフレーズへと。そんな時。

「……? おやおや?」

視界の端に、小さな焚き火。誰か同業者か、キャラバンか。
さもなきゃ消し忘れ? だったらまずい、火事になりかねない。
そう思って少女がとことこと焚き火に近づいていけば。

「……ありゃ。なにしてんのオルティ」

そこに居たのは。見たことのあるエルフ。そう、以前少女が勝負し、打ち負かし。
そして、ベッドの上で見事に身体を貪ってくれた、後輩冒険者であった。

「もしかして仕事中? ……ってか。
 アンタエルフなのに、随分美味しそうな料理作ってること」

招かれもしないのに、近づき、相手の姿を見れば。そこにはくつくつと美味しそうな匂いと音を振りまく鍋。
少女はそのまま、何の断りもなく鍋の近くに座る。

オルティニア > 「遅いっ! 全く、もう少しでせっかくの料理が焦げちゃう所だったじゃな………って、んんぅ?」

ぷりぷりと柔らかそうな頬を膨らませ、相棒が無事に戻った安堵をごまかすように悪態をつこうとしていたエルフ娘だったが、聞こえてきたのは別の声。
きょとんと翠瞳を丸くして、焚き火の作るオレンジの明りの中へと踏み込む相手の姿を目にして

「セ、セインじゃないっ! あ、あんたねぇ、今日まで一体どこにいたのよっ! あんたのおかげでゴブリン退治は一人でするハメになっちゃったし、その帰り道におしr……い、いやっ、それはともかく、こ、今回だってあんたの事誘おうと思ってたのに、どこにいるかわかんなかったから、別の相手と仕事受けたんだからねっ!」

と、以前の出会いで、エルフ娘の冒険のパートナーになると申し出た先輩冒険者に文句を垂れる。
いかにも自分は被害者ですといった論調だが、このエルフ娘、仕事の前に冒険者の宿1階の酒場をウロウロしてセインの姿を探した程度で、マスターに言伝を頼むという事さえせずに諦めて、一人で仕事に出ていたのだ。
怒られるべきはむしろこちらの方かも知れないけれど―――優秀なエルフ様が、知り合ったばかりの先輩冒険者の助力を頼みにしていたなんて思われるのは癪であり、フンッ、一人だって平気なんだからねっ!と勇んで飛び出した結果なのだから色々としょうがない。

が、ともあれ近くに腰を下ろす様子を咎めることはせず、むっつりと不機嫌そうな顔をぷいっとそむけたまま

「――――んっ。」

と木製スプーンで鍋の中身をぐりぐりしつつ、小さな白手を彼女に向かって突き出した。
お椀を出せ、シチュー入れてあげるから、というわかりづらいジェスチャーである。

セイン=ディバン > 気配を遮断することなく近づけば、ある程度の距離になった途端、焚き火の側にいた人物が振り返り。
急に罵倒される羽目になった。が、そこでバッチリと目が合い。
相手の姿を確認できたわけで。

「はい、お久しぶり。……え、うん。聞かないで?
 犯されたり陵辱されてたりしたから。うん。
 ……あらあら。経験積んでるみたいねー。いいこといいこと。
 別の相手、ねぇ。ふ~ん? 組んでくれる物好き、いたんだ~」

勢い良く捲し立てられる言葉には、ヘラヘラと笑いながら答える少女。
だが、相手の言葉から、一人でも仕事をしっかりしてる、と判断し。
少女は少し優しい目つきで相手を見るのだが。ニヤニヤと笑いながら最後の言葉を告げる。
なにせ、この子の気性はなかなかになかなかだ。組んでいる相手も大変だろうな、と内心だけで考えるが。
その実、少女はこのエルフ娘ちゃんのことを高く評価している。
実戦経験こそ乏しいのに、戦闘能力は光るものを持っている。
負けん気が強いのも、冒険者としては一流になれる素質だ。
そういう意味でも、可愛い可愛い後輩、なので。相手の言葉に怒ったりなどしない。

「あら。いいの? ご馳走になっても。相棒さんが怒るんじゃない?
 とはいえ、お腹すいてたからいただくけどね~。
 よいしょっ。はい。お願いします♪」

素直ではない相手の仕草に、少女はくつくつと笑いながらも。
自宅から魔術でお椀を呼び寄せ、相手に差し出す。
その表情は優しい笑顔のままだが。なぜか、わざとらしく、足を組みなおしたりして。
当然、呪いのせいで下着をつけていないままなので。
以前同様、ちらちら、と見えちゃいけないものが見えてしまうかもしれない。

オルティニア > あっけらかんとした様子で伝えられる、彼女の予想外の返答に、エルフ娘はぎょっと翠瞳を丸くして、「だ、大丈夫だったの…っ!?」と思わず心配げな声をあげようとしたところで、続く憎まれ口にビキキッと青筋を浮かべてこわばった笑みを浮かべた。

「へ、へぇ~~……あ、あんたも色々と大変だったのね。わたしの方は、とーぜん、優秀で美人なエルフ様ですもの。引く手あまたで、今回の相棒の選別にそれはもう手間取ったくらいよ。」

弧を描いた口元も、怒りを抑えて瞑った双眸も小刻みにぴくぴくさせつつ、表面上は平静を装って言葉を返す。
まぁ、実際の所はオーク退治なんて一人で平気だわっ!と啖呵を切るエルフに対し、しかし、実績の無い新入りだけに任せるのもなぁ……と困り果てた店の親父。
そこに声を上げたのは、先刻からエルフの豊乳を舐め回すような目で視姦していた飲んだくれ冒険者であり、渋々彼と共に仕事を受ける事になったという流れなのだ。

「いーのよっ、ノロノロしてるあいつが悪いんだからっ。全く、人間ってほんっとトロ臭いわ。使えないったら無いんだからっ。」

まぁ、ちゃんとあいつの分も残しといてあげれば問題無いよね。
大体、薪拾う程度の仕事にこんなに時間掛けるあいつが悪いんだからっ。
なんて思考で先に食事を始める不実を正当化しつつ、差し出された椀にほかほかと立ち上る湯気も香ばしいミルクとチーズと兎肉のシチューをたっぷりと注いで突き返す。
野外の行軍に冷えた体躯に、それはそれは温かな幸せを与えるだろう一品である。
己の木皿にも同様にシチューをよそい、さっそく一口、といったところで組み替えられる彼女の細足、その付け根にまんまと引き寄せられるエルフの翠瞳。
ショートパンツの暗がりの奥、ちらりと見えた肌の色に、ごくり…と生唾を飲み込む。

エルフ娘は想像すらしていない。
よもやこの時、周辺偵察に出ていた相棒が、今回の獲物たるオークの斥候部隊に発見されて嬲り殺しの憂き目にあっているなどと。
そして残忍なるオーク共が、樹上にたなびく焚き火の煙を目指し、足音を殺して近付いている事など。

セイン=ディバン > なんというべきなのか。形容するならば、もう慣れた、の一言なのだが。
思い出せば少女も最近の陵辱の内容に怒りが呼び起こされたか。口の端を一瞬引きつらせたが。

「はいダウト。優秀と美人、は当たってるけど。引く手数多な訳ないでしょ。
 まだまだ駆け出し、見習いなんだから。アンタに声かけてくるバディなんて、それこそ私くらいじゃないの?」

見て判るほどの怒りっぷり。相変わらず判りやすい子だ、と苦笑するが。
それを判った上で鋭く指摘する。経験豊富な冒険者である以上、さすがに相手の嘘くらいはわかる。

「あら薄情ですこと。まぁ、そりゃアンタよりも素早い冒険者なんてそうそういないでしょ。
 ん~、おいしそ~♪ じゃ、いっただきま~す。はむっ。
 ……。…………うわぁ。美味しっ!!」

どうにも、発言の棘と毒が抜けない子だ。と思いつつも。そこもまぁ可愛いポイントかと思って直させようとはしない。
冒険時の癖などは矯正すべきだが、人間性までは変に口出しすることではない、と思ってのことだ。
そうして注いでもらったシチューを食せば。少女は目を見開いて声を上げる。

「これ、うん。美味しい! 凄いわねオルティ!
 私も料理は修業したけど。これはちょっと、見直したわよ!!
 あむっ、ハフッ、あちちっ!」

思わずテンションを上げ、シチューを掻き込む少女だったが。
次の瞬間、少女の表情が険しいものになる。

「……ねぇオルティ? 今回のアンタの仕事。
 ……どんな内容?」

それまでからかうように足を組みなおしたりして座っていた少女は。
腰を浮かせ、ホルスターからリボルバーを取り出す。
目を細め、周囲を見渡すその様子からは、以前勝負したときのような。冒険者としての雰囲気という物が感じ取れるだろうか。

オルティニア > 「――――んにぁッ!? ぬっぐぅ……、ぬぐぐぐぐぅぅうう~~っ!」

あっさりと嘘を看破され、整った容貌を羞恥と怒りで赤く染めるエルフの少女。
とは言え、ここで嘘を重ねた所で、ギルドの親父に問いただせば、あっさりとバレてしまうので意味はない。
結果、悔しげにぎりぎりと歯ぎしりするも、何事かを言うこともなく、ぷいっと憎々しげに顔を背ける程度が関の山。

しかし、突き返したシチューへの素直な感想をピクリと動いたエルフ耳が聞きつけたなら、にまぁ…っとその唇が上機嫌な弧を描く。

「んふっ、にぇふふふふ……そ、そーかしらぁ? わたし的には、このくらい、ふつーだと思うのだけど……そう、お口にあったのなら、まぁ、良かったんじゃなぁい?」

不機嫌面を維持しようとするものの、緩む口元はどうしようもなく、形良い小鼻もぴすぴすと得意げに動いてしまう。
それを隠すようにこちらも一口、シチューを啜り

「―――――ん? 何よ、突然……?」

きょとんとした表情で瞬きを繰り返すエルフ娘はまだ気付いていない。
精霊の警戒網は、それほどの距離をカバーしていないのだ。
闇の色濃い森の中を昼間の如くはっきりとした視界に映すオークの金眼は、足先で枯れ木を踏み抜き折音を鳴らす無様など晒しはしない。
皮鎧にて武装した彼らの慎重なる忍び歩きは、エルフの長耳でも未だ足音を捉える事は出来ていない。
先程一人の冒険者を肉塊に変えた蛮刀や大斧をたっぷりの血糊にぬら付かせ、腰を落として足音殺し、じわりじわりと距離を狭めるオークの群。
目にする獲物は瑞々しい肌も艶めかしい二人の娘。
血に狂う彼らの瞳に、獣欲の色が灯る。
獣皮の鎧と思い思いの武器を備える、その数8体。
その距離は、足音を気にせず駆ければ10秒と立たずに接敵が可能な程に狭まっていた。

セイン=ディバン > 「はいはい、悔しがるのは結構。でもまぁ。
 経験積んでから自信過剰になりなさいな」

怒った表情かと思えば、今度は赤くなる。からかい甲斐がある子だなぁ。と少女は笑うが。
忠告すべきところは忠告をしておく。自信を持つのはいいが、身の丈にあっていない自信は無知や無謀といういらぬ付属品をもたらす。

「……ほん、っと。わっかりやす~……。
 あぁ、でも本当に美味しいわよ。これ。ふふふ」

目の前で表情を緩める相手に、少女は少し呆れ顔。小鼻が可愛らしく動くのを、ついついじっくり見てしまうが。
だが、仕事終わりの胃袋に、このシチューは随分とキく。その味を堪能していると。

「……臭う臭う。血と、臓物。……あぁ、臭いったらありゃしない。
 こちとら極上の食事を堪能しているのに……。
 お前等みたいなドブとゲロ以下の臭いを漂わせられたら。せっかくの夕食が台無しじゃないか。
 ……フン。1、2、3……。2人相手に8匹か。まったく。コレだから低級妖魔は嫌いなんだ。
 数に頼るしかない上に、数に頼っても弱いままだからな」

相手とは正反対に、少女はすっかりと臨戦態勢を整える。
少女自身は、そこまで索敵が得意だったりするわけでもない。
だが、少女の持つ生存本能スキルは、僅かな気配、僅かな臭い、僅かな呼吸音を見逃さない。
すっかり近づかれてしまっている事実に、少女は舌打ちし、響く声で挑発をする。
これで敵が怒り、隊列を乱してくれればいいが。流石に、8体相手に、後輩エルフを守りながら戦う、というのは少し厳しい。
最悪、逃げの一手しかないか、と。少女は腹部に意識を込め、魔力をも練っておく。

「つ~ことで。残業だ、オルティ。敵は……ゴブリン、オーク、あるいはホブゴブか。
 まさかオーガとかトロルってことは無いと思うけどな」

男モードの喋りのまま、少女はパートナーに小声で言う。
即ち。戦闘になるぞ、と。

オルティニア > 「え……ぇ……え、ぇえ? な、何よいきなり、な、何言ってるの? シ、シチューが美味しすぎておかしくなっちゃった……?」

事態に気付いていないエルフでも、眼前の冒険者の雰囲気がガラリと変わった事くらいは分かる。
その艶やかな唇が奏でる不穏な呟きにゾクリと背筋を震わせつつ、引き気味な声音を彼女に向ける。

ゆっくりと迫っていた気配がピタリと止まる。
人の言葉を解すことの無い低能なるオークではあったが、それでも、先刻の脳天気な獲物とは一線を画した鋭い声音と、そこに含まれる侮蔑の匂いには気付いたのだろう。

「――――へぁ……? って、何っ!? なんか近付いて来てるってことっ!!?」

取り落としそうになったシチュー皿を慌てて掴み直し、わたわたとした所作でそれを地面において立ち上がる。
あからさまにサイズの合わないブレストプレートを無理矢理ベルトで調整した豊乳が、逼迫した空気も読まずにたゆゆんっと揺れる。
緊張に強張る細身が、鞘走りの音も鋭く装飾剣を引き抜いて、その銀光を閃かせたその瞬間―――。

『ヴォォォオォオォオォオォォオ―――ッッ!!』

獰悪たる雄叫びを轟かせて、血と獣欲に滾った金眼をギラつかせ、森の暗がりからオークの1団が飛び出してきた。

セイン=ディバン > 「アッハッハッハ。だったら良かったなぁ。正直、オレもただ働きは嫌いだし」

うろたえ気味な後輩を笑いながら見つつ、少女はリボルバーの弾丸を確認する。きっかり6発装填済み。
しかし、包囲されている状態では、小口径の銃はいささか頼りない。

「そういうこと。切り替えろ。死にたくなきゃあな。
 あるいは、死なない代わりに、ヤツらに捕まって孕み袋にされるか、だが」

ようやっと状況を理解した相棒が立ち上がるのを見れば、少女は盛大な溜息を吐く。明らかに無謀なそのブレストプレートの着方に呆れたのだ。
何か言おうとしたその瞬間。

「……チッ!!」

雄たけびが聞こえ。少女は、咄嗟の判断が遅れることになる。
残念ながら挑発の効果はあったのかなかったのか。ともかく。
オークたちは見事、一斉に襲い掛かってくる。
少女はその軍団に向かって発砲するが、決定打にはなりえず。

「オルティ!! どうする! 逃げるか、それとも敵を全滅させるかだ!!」

ダガーやダークを投げ、オークたちを牽制しながら弾丸を装填する少女。
もしもここで相棒が逃げたいというのなら、そうするつもりだ。
少なくとも、意地になって戦う場面ではない。
だが、もしも戦うことを決めたのなら。この相棒の良い経験になる。
少女は、どちらにせよ、相棒の選択を全力でサポートするつもりだった。

オルティニア > セインの警告が無かろうと、もう数歩近づけば精霊達の警戒網がオークの接近を盟友へと伝えただろう。
しかし、新米冒険者たるエルフ娘が連中の奇襲に取り乱す事なく対応出来たかと言えば疑問が残る。
恐らくは無様に慌てて先手を奪われ、どうにかそこを乗り切った所ですっかり囲まれ泥仕合を余儀なくされた事だろう。
とは言え、此度は気構えが間に合った。
滾る戦意と緊張に、細肩が若干力んでは居るものの、駆け寄る蛮人の群を前にしてもエルフは恐れを見せずに腰を落として前のめりの構えを取る。

小口径の砲声に逞しい肩を貫かれつつも、速度を落とさず迫るオーク達。
急所を的確に撃ち抜かぬのなら、少なくとも3,4発は撃ち込まねばならぬだろう耐久力。
投擲されたダガーの1本が運良く一匹の眼球を貫いて動きを止めるも、その程度で逃げ出すほど上品な相手ではない。
逃げ腰で放つ攻撃で、止められる様な勢いではないのだ。

そんな相手を眼前に、華奢なエルフは切れ長の翠瞳を猛禽の如くギラリと光らせ地を蹴った。

小柄な体躯を地に沈めるかのような疾駆が、興奮に狭まったオークの視界からエルフ娘の白を消す。
困惑に緩んだ突撃が、三度続けての刺突に刺し貫かれ、直後、盛大に血煙を拭き上げて地に伏した。

「―――逃げる? 高貴なるエルフのこのわたしが? ハ、冗談ッ♪ 当然、一匹残らず殲滅して、今宵で仕事を終わらせてやるわッ!」

武者震いに掠れつつも、その声音に怯えは無い。
ケープの白を、ミスリルの蒼銀をその場に残して細身が翻り、数拍遅れて振り下ろされた棍棒が地面を抉る間に、セインの居る位置とは反対側へと回り込む。
派手に動いて敵の目を引き、オーク共が相棒の銃口に無防備な背を見せる位置取り。

セイン=ディバン > あるいは。少女の言葉に怯え、隅で縮こまってもらっていてもよかった。
それならそれで、守りやすくなる。だが、このエルフの娘。いや、エルフの冒険者は。
それまでの様子と打って変わって、戦闘への気構えを見せた。

速射6発。だが、それらは致命傷にならない。オークたちはなおも叫び、接近してくる。
ダガーが一体の目を抉ったが、それでも止まらない。
少女は舌打ちしながら、装填を終えたリボルバーを手首のスナップだけで銃身に収める。
その瞬間。相棒の姿が掻き消え。一体のオークが倒されていた。

「……ハッハァ! よく言った! それでこそオレの弟子だ!
 ……っ! ナイス、オルティ!! 伏せろ!!」

雄雄しく、凛々しく、そして、気高く叫ぶ相棒。少女は笑い。
戦闘続行の決意をする。比べてやや小柄、そして目立つ動き。
さらには……恐らくその豊満なバストに釣られたか。オークたちは、見事に狙い通り。エルフに意識を奪われる。
瞬間、少女は合図をし。雷光の如き早撃ちでもって、オークの背後から、その頭を打ち抜く。

だが、如何せんやはり小口径の銃。かつ、弾丸は残る敵に対して一発足りない。
7匹のオークの内、完全に沈黙したのは4体。残りの3体は、しぶとく生存していた。
だが、オークたちは、背後からの攻撃に激昂したのだろう。今度は愚かにも……風の如き速度を持つ、相棒に背を向けてしまったのだ。

オルティニア > 奇襲を仕掛けてきたのは奴らの方。
しかして、先達によって敵の接近を知らされて、相手の予想外の反撃にて先手を取ったのはエルフである。
こうなれば、小柄な体躯はすばしっこさを活かして戦場を駆け回り、ヒットアンドアウェイの刺突にてじわじわと敵の戦列を削る事も出来るのだ。

さすがに、初手の如く一度のすれ違いにて屠るなどという離れ業を続ける事は出来ぬまでも、膂力はあろうと鈍重な蛮人相手に有利を取る事は出来る。
闇視を持つオーク同様、精霊の目を持つエルフ娘にとっても森の暗闇は恐れる事のない物である。
後は華奢なエルフのスタミナが続く間に、何匹のオークを屠れるかの問題だ。

自分ひとりでオーク8匹。
さすがにそれは手に余るけど、今は、このエルフ様をあっさりと返り討ちにした銃使いのベテラン冒険者が共に居る。
だったら勝てないわけが無い。
そんな、どこか盲目的な信頼が、エルフ娘にオーバーペースな突貫を選択させたのである。

「―――どさくさに紛れて弟子にしてんじゃないわよっ、エロ狐っ!」

やけくそ気味の笑みを浮かべて悪態を返し、言われた通り、素直にその場にしゃがみ込む。
そして続けざまの轟音が、オーク共の醜悪な頭部にドス黒い血華を咲かせるのを目にすれば、こちらも負けじとチャンスを活かす。

唐突なる仲間の死に狼狽し、砲声の主へと視線を向けたオークの首筋、ゾギョンッと不気味な銀音を響かせて頚椎もろとも刺し貫く。
これで残数は2。
相手が屈強なる男の戦士であれば、生き残ったオークも算を乱して逃げ出していた事だろう。
しかし、相手は見るからに非力な小娘二人。
怒りの雄叫びで戦意を奮い起こした2匹は、1匹がセインに、1匹がオルティニアへと踏み込んだ。

セイン=ディバン > 正直。見くびっていた。才能こそ有れど、まだまだ未熟な冒険者見習いだと。
だが、ことこの状況において、相棒たるエルフは、驚くほど素晴らしい動きを見せていた。

少女とて、速度には自信がある。だが、その少女ですら、時折相棒の動きを見失う。
暗闇の中を、縦横無尽に駆ける。こうなればまさにエルフの独壇場である。
そして。少女もまた、相棒の実力を認め、その支援に全力を出せた。

「似たようなもんだろ! おっぱいエルフ!!」

少女も大きく笑いながら、再度リボルバーを装填。目の前で、うろたえるオークの1匹を見事に打ち倒すオルティニアの姿に、少女は口笛を吹き。
一瞬の間の後、お互いに向かうオークの姿を認め、少女は溜め込んでいた魔力を放つ。
少女の姿はオークの眼前から掻き消え。一瞬のうちに背後に。
空間転送呪文でオークの背後に回りこんだ少女は、その両足を2発で打ち抜き。
残り四発を、崩れ落ちるオークの頭に叩き込んだ。

「ラストだ! 決めちまえオルティ!!」

オルティニア > 「お、おぉぉぉおおおっぱいエルフとか言うなぁああっ!!」

1対1ならオーク程度に遅れなど取るはずもない。
その余裕が、彼女の憎まれ口に緊張感に欠ける叫びを返させた。
迫る残敵を見事に屠る狐娘の勇姿にニッと笑みを浮かべ、引き抜くレイピアにてこちらも同様に―――。

「―――ちょ、こらっ、大人しく死んでおきなさいよぉッ、あっ、やだ、待……ッ!?」

ここに来て、新米冒険者の詰めの甘さが露呈する。
銀剣に太首を貫かれた豚戦士が、脂ぎった不潔な骸をぐったりとエルフ娘に倒れ込ませてくる。
あまり深く差し込んだため、刺突を引き抜けなくなったエルフは、その重みにあっさりと押し倒された。
そんなタイミングで、破れかぶれの突貫を試みたオークが迫る。

高々と振り上げた斧、夥しい量の血液でぬめ光り、切れ味の悪そうな刃先の欠けすらはっきりと見えるそれが狙うのは己の細首。
血と獣欲の狂乱に渦巻く金眼が、首を失った己の骸を嬉々として犯すオークの未来を幻視させる。
深々と突き刺さ待ったままのレイピアを手に、驚愕に見開いた翠瞳が為す術もなく振り下ろされる斧の行方を追いかける。

セイン=ディバン > 「あ、コンプレックスだったのね……」

しまった、からかいすぎた、と少女は反省し。自身に向かうオークを無事始末し終える。
だが、装填しながら、視界の端で信じられないことが起きた。
致命の一撃を受けたはずのオーク。その亡骸が、相棒の身体を押しつぶしてしまったのだ。
そこに運悪く、迫っていたオークが近づき、斧を振り上げ……。

「──ッ!!」

瞬間、少女は駆け出していた。十分に練ってもいない魔力をムリヤリ発動し、身体強化を唱え。
ほんの一瞬で、地を蹴り。空を舞う。風どころか。雷どころか。
死神の鎌の如き速度でオークに肉薄し、横からその顔を蹴り飛ばす。
きりもみ回転しながら地に倒れるオーク。少女はすぐさま、その頭蓋に6発全ての弾丸を叩き込む。

「このッ! クソがっ! オルティニアにっ!
 なにしてやがんだっ! ボケがっ!!」

溢れる怒り。6発全てを撃ったというのに、怒りに任せ引き金を引き、空しくガキッ、ガキッ、という空撃ちの音が響き。

少女は、オークが全滅したのを確認し、急いで相棒へと駆け寄る。

「大丈夫かオルティ! 怪我は!? あぁ、スマン!
 オレの落ち度だ、詰めが甘かった……!!」

相棒を押しつぶすオークを引き剥がし、倒れたままのエルフを抱きしめ、謝罪する少女。
もしも少女がいつも通り冷静に行動していたのならば。相棒のレイピアが、深く刺さりすぎていることに気付いていただろう。
そう。あまりにも。あまりにも、このパートナーとの共闘が。心躍るものだったから。
少女は、つい冷静さを失ってしまっていたのだ。そのまま、少女は相手の身体に治癒魔法をかける。

……なお。抱きしめた際にあたったバストの感触により。
少女のフタナリペニスは見事勃起を果たしていた。
無論、少女自身はそれに気付いていない。

オルティニア > 「―――――…………ッッ!!?」

避けられぬ死は、横合いからの衝撃によって回避された。
カタパルトの一撃でも食らったかのように吹き飛ばされたオークの頭部を、一体どうやって移動したのか見下ろしている狐娘が、憎々しげな砲声と共に破砕した。

オークの死骸に潰されたまま、見開いたままの翠瞳がベテランらしからぬ空撃ちをする彼女の様子を数度の瞬きを交えて見続けている。
そんな身体が意外な程の力強さで骸の下から引きずり出され、力強く抱きしめられた。
旅の最中で薄汚れているはずなのに、彼女の身体からは抱き合った寝台の上で嗅いだのと同じいい匂いがする。
密着して拉げ合う乳肉の柔らかさと、そこから伝わる温かな体温。
じんわりと実感する。
自分が今死にかけていた事と、未だに生き続けている事を。
泣きたくなる程の安心感と、おもらししてしまいそうなくらいの脱力感、そして、きっちり助けてくれたのに酷く申し訳なさそうに謝る彼女に対する妙な気持ちに、ひねくれエルフはどのように反応していいのか分からなくなっていた。

だから、なのだろう。
逃げ道を探してそわそわしていた身体が、太腿にぎゅーっと押し付けられる硬い熱に気付いたのは。

「ふっ、ふふふっ、あんたって、ホントに見境のないチンポ狐よね。こんな時でもがっちがちにおっ勃てちゃうなんて………なぁにぃ? 戦闘の興奮ってやつなのかしらぁ?」

憎たらしい笑みを浮かべ、死の恐怖に震える声音が意地の悪い指摘を彼女に向ける。
嘲る様に細めたエメラルドの瞳の端にも、じんわりと滲む涙の粒。

セイン=ディバン > 恐らく。自分の人生で最高の速度が出た。
もう一度やってみせろ、と言われたら絶対ムリな位の。
思考から、行動まで。もう本当にムダの一つも無くて。
だからこそ。その行動は見事に成功して。

目の前のエルフが。無事に生きていて。瞬きをしていて。呼吸をしていて。
そして……笑顔を浮かべて、指摘をした言葉を聞き。少女は、安堵すると同時に。自身の股間を見ることになり。

「……~~っっ!? やっ、違っ!? その……。
 そんな、戦闘くらいで私が興奮するわけないでしょ!?
 これは……その。アナタが。無事でよかったっていう安心と。
 その……お、おっぱいが。当たったから、かな?」

慌てて手を振り、言い訳的なことを口にするが。少女は、自身の股間を隠しきれぬと悟り。
そのまま、相手の瞳に浮かんだ涙を指で拭う。
あぁ、よかった。そう安堵しながら。少女は、バツの悪そうに笑いながら。

「……そういえば、前約束した。
 今度は、私が攻める番だ、って……」

そうして。少女は、ゆっくりと目を細め。大切な相棒の唇へと。自身の唇を近づけていく。
周囲に敵の気配が無いのは確認済みだ。というか、少なくとも敵意のある者は、周りにはいない。

オルティニア > 「――――っぷ、あっは、あははははっ、あははははははははははっ!」

こちらの指摘にあっさりと狼狽し、言い訳にもなっていない言葉で言い繕おうとする彼女の様子に、今度こそ演技ではない笑い声が漏れた。
お腹がよじれるくらいの笑いは、死を回避した直後のハイテンション故なのだろう。
ともあれ、おかげで目尻に滲む涙も誤魔化せるのはありがたかった。

「ぷ、くく……っ、言うに事かいておっぱいが…って、あんたってば本当に………ん?」

涙を拭ってくれた彼女の手を、なんとなくキュッと握りしめつつ聞くセリフ。
一瞬、なんのこと? とばかりに小首を傾げるも、そのきょとんとしたエルフの美貌が、かぁぁぁああ……っと赤く染まっていく。

「―――そ、そう、ね……ぅ、うん、た、確かに、そ、そんな約束、した、けど……ぁ……で、でも、い、いいいい今なのっ、こ、ここでなの……っ!?」

近付いてくる狐娘の顔立ちは、正体は30代のおっさんだなんて言われてもとても信じられない可愛らしさ。
豊乳の内側が早鐘の如く激しい鼓動を刻むのは、戦闘の余韻が残っているのだろうけど、近付いてくる唇に思わず背筋を反らして距離を取ってしまう。

「ほ、ほら……こ、ここってオークの死体だらけで、え、ええっと、臭い、し……その……わ、わたし、血だらけだし、そ、それに……その……あ、ち、違うからねっ、別に嫌とかそういうんじゃなくって、い、いいのよっ? さ、さっきの、その……た、助けてくれたお礼もその……したいし……っ。」

真っ赤な顔でそわそわと翠瞳を彷徨わせ、落ち着きの欠片も無い声音でどうにかこうにか回避を試みるのは、吊橋効果という物の危険性を今強く感じているエルフ娘の生存本能的なそれ。
少し時間を置かないとやばいと思うのだ。

とはいえ、二人の距離は抱擁の密着のまま。
極限まで背を反らせていても、互いの唇は今にも触れ合いそうな至近にあるし、そもそも、もう少し身体を寄せれば姿勢の関係上彼女に押し倒されて逃げ道などなくなってしまうのだけれど。

セイン=ディバン > 「……くっ、くははははっ。アハハハハハハハハハッ!!」

少女もまた、釣られ、笑う。何せ散々先輩風を吹かせてきたのに。
狼狽するところや、うろたえ、言い訳するところまで見せてしまったのだ。
格好がつかないにも程があるという物であった。

「それは、だって、ねぇ?
 オルティの身体は魅力的に過ぎるもの。
 男共が放っておかない美貌、ってやつよね」

握られる手。少し照れがこみ上げ、視線を外しつつも頬を掻き。

「……そりゃあ。私もムードないなぁ、って思うけど。
 ほら。私たちの職業的に。できる時にしとかないと。次に生きて会えるか判らないし?」

優しく口付けようとすれば、見事に相手のほうがうろたえなおし。
距離を取られてしまったので、もっともなことを口にして、もう一回距離を詰めようとする。

「……わかってる。けど、ね。ちょ~っと理解して欲しいかなー。
 さっきので気付いたけど。私、オルティのこと大切に思ってる。
 今までは、どこか……妹分、とか。後輩、って思ってたけど。
 アナタは十分強いし、その。可愛らしいから。……ね?」

決して拒絶されているわけではない。だが、少女としては、ムリヤリ行為に及ぶのはイヤだった。
だから。優しく語りかけ、更に距離を、詰めていく。
その間にも、少女の股間は硬くなり、更に肥大化の一途をたどっていく。
ビクビクと跳ねるそれは、相手の腹部を布越しにぺちぺちと叩くことだろう。

オルティニア > 「―――う゛、またそうやってもっともらしい先輩風を吹かすのね……。」

更にずずいっと近寄る彼女に押され、枯れ葉の絨毯の上にエルフ娘の華奢な背が落ちる。
無理矢理に薄板金を装着された豊乳がふにゃんと揺れて、困ったように見上げる長耳少女を弱々しい獲物めいて見せた。
確かに彼女の言うとおりなのだ。
今回襲ってきたオーク達の獲物に付着していた夥しい血痕と肉の破片は、周辺の偵察を行っていた相棒の物なのだろう。
未だ死体は確認していないけれど、ほぼ間違いなく彼は死んでいる。
そして己も、彼女の助けが間に合わなければ、首を落とされ果てていた事だろう。
改めて死を身近に感じ、エルフ娘の細身がカタカタと小さく震え始める。

そんなやけに心細い状態で、密着の体温をたっぷりと沁み込ませながら『可愛い』だの『大切に思っている』だの言われれば、さしものオルティニアと言えど普段の高慢ちきなエルフ様ではいられなくなってしまう。
この狐娘、男だったころはかなりの数の女を泣かせてきた悪名高いジゴロか何かなのではないか……なんて思ったりもして、思わず見上げる瞳がジトっとする。

「うぁ、ぁ……セインの、すごく大きくなって……。う、うぅぅ……わ、わたしも、その……こんなに大きくなったら辛いって分かる、し……。」

脇に逸らせていた翠瞳を、高慢なエルフらしからぬ弱々しい上目遣いで彼女に向けて、小さな桜唇で内緒話の如く呟く。

「それじゃあ……その、ぅ……せ、せめて、テントで……ね……?」

一度こうなってしまっては、ふたなりペニスを鎮めるためにそれなりの刺激を与えて満足させるしかない。
命の恩人に対する返礼でもあるのだし、前に約束した事なのだし、うん、だから仕方ないのだ。
そんな言い訳で揺れる心を納得させて、吊橋効果という不穏な単語からは目を背ける事にした。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からオルティニアさんが去りました。
セイン=ディバン > 【継続予定です】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からセイン=ディバンさんが去りました。