2017/07/15 のログ
ルーフェン > 「えぇ…なんじゃ、その斬新な呼び方…」

当然、彼女が驚くようなことはなかった
しかし、彼女が聞き慣れぬ自分に対する呼び方をすれば、一瞬、ぽかん、としてから自分の事だと気がつくと、
呆れ半分、驚き半分という感じの表情を浮かべてしまう…表情の起伏の乏しい彼女の口から「ルールー」と
聞こえたから終いにはへらり、と力なく笑ってしまったけれども

「おう、悪いな…狩りの最中じゃ…
 この羽根が工芸品に使えて高く売れるらしいからな」

臭い、と彼女が言えば臭いか?と首を傾げてすんすん、と自分の肩の辺りに鼻先を寄せて匂ってみる
しかし、それ程気にならないのか、そうかの?とでも言いたげに小首を傾げながら、
彼女が作り出した炎を眺めていた…焼き清められていく様子に便利じゃなあ…とか、小さく零し

「……しかし、火棘はなかなか世俗に染まらぬな
 人のなりをしておるのだから、街で寝床をとっても良かろうに…」

自分がすっかり人の世で暮らすのに慣れてしまったのは、かつては人と相争い、戦いという形ではあったが、
人と付き合ったなのかもしれない…その点、彼女は未だに森の中へ寝床を探しに来る辺り、
故郷でも人間との繋がりが薄かったのだろうか?そんな事を考えた

火棘 > 「このほうが、可愛いじゃろ?ルールー」

少し口調を真似るように、ニッと笑う先ほど自分に向けてた笑みのように

「狩りか…邪魔をしたか?」

羽は…死骸にはついてなかったから、いいかと
焦げた地面を見下ろし、その代わり体液のついた相手の姿には眉を寄せて嫌そうに…

「臭う、なんでこんな時にこそ川でいないのか…」

さすがに服も肌も燃やすわけにいかないからプィッとそっぽを向いて

「人の姿でいろといったのは主だろうに…街は…ううん、なんだかあんまり…」

人と人らしいものが、うじょうじょいるのが落ち着かなかったと正直なとこ
森の中のほうが静かで落ち着くから自然と脚は探す寝床は、森が多くて

ルーフェン > 「親しみは感じるがもう少し威厳を…」

ニッと笑う彼女に呼び慣れない呼ばれ方に何やらムズムズするような感覚があった

「…いや、もう少し狩ってやろうと思ったが無理じゃろうな
 流石に火龍が歩いてくれば虫どもも逃げていくじゃろ…飛ばれてしまってはこの姿では敵わん」

金に困っているという訳でなく、十分に収穫は得ていたから気にするな、と彼女に伝える
樹に立てかけた羽はキラキラとしていておぞましい羽虫の姿からは少し想像がつかない

「…ハッキリいう娘じゃな、そんなに匂わんじゃろ?ほれ、ほれ」

くいくい、とショートマントの端を摘んで彼女に近づけようとすればプイ、とそっぽを向かれてしまった
仕方ない、と湖か泉でも探そうと羽虫の羽を脇に抱えて、ぽてぽてと歩きだす

「…ならばいっそ、全て滅ぼそうか?
 人も、魔物も、一切合切全て。竜の誼じゃ、手伝うのもやぶさかでないぞ?」

何やらモノ言いたげな彼女の様子、気配にクスクスと笑いを零しながら森の中をずんずん進んでいく
当然、口から出たのは冗談であったが、彼女がなんと答えるか、少し興味があった

火棘 > 「気に入らんか?…じゃあ、ルー?」

呼び方はどうでもいいのだけど、気にしてるようなので1文字短くしてみた

「私はそんな悪霊まがいではないわ」

たしかに自分にむかってくる獣も虫もいなかったと、深い森の中なのにと…思い出して
きつい匂いはたしかにしないけど、いい匂いでもない

「少しは、におう…」

歩き出す後ろを、2・3歩分後ろをついて歩くけど、その目の前を照らす篝火を相手の視線の先に浮かべて

「ふん…それもいいな…でも、ルーは街を気に入ってるのであろう?」

少し考えながら、自分には街に思いれもないし、長い歴史の中で滅んだ国も街も数え切れないはず
でもヒトの食事について感心してたはずなのに、そんなことを言い出すとは意外だった

ルーフェン > 「そちらの方がまだしっくり来るな…続くと何か…間抜けに聞こえる」

『ルールー』よりはしっくり来た、というよりはそちらの方がマシ、という感じに頷いてみせる

「何も悪霊とは言っとらんじゃろ?
 しかし、お主、森の中にドラゴンと爪牙でもってして争える種など、そうはおらんよ?」

彼女が暗い森の中を気配を消して歩いてきたならまだしも
何気にすること無く、普段通り歩いてくれば感の鋭い野生動物や魔物は一目散に逃げることと思う
中には弁えずに飛びかかってくるような者もいるであろうが、この森はそこまで強力な魔物はいない…と思われる

「少し我慢せよ…水場があれば清める…
 ……気に入っておる、というよりは感心しておるな
 しかし、所詮は脆く弱い、賢しいだけの生き物じゃ…同族のお主が、ぜひ滅ぼそう、力を貸してくれと
 言うのならわしは、無論の事、同族の肩を持つさなあ」

かかっ、と笑いながら返せばさわさわ、と水の流れる音がする
そちらの方へ向かえば野生の動物が水場にするような小さな泉が湧いていて抱えた羽を置けば、
じゃぶじゃぶ、とそのまま水の中へ入っていき、虫の体液を洗って流していく

「…脆く賢しいとは言ったが、弱い者同士、肩を寄せ合いひしめき合って知恵を絞って
 生きていく姿は愛らしいとは思わんか?街で主を見て、鼻の下を伸ばす男もおったろうが、
 それだって物を知らん子供のようで何だか憎むに憎めんではないか」

ぱしゃぱしゃ、と顔を洗い、汚れを落とせば水辺から上がっていき、
さも当然、という風に彼女に炎を出して衣服を乾かしてくれ、とでも言いたげに手を広げてみせた

火棘 > 「ま、気が向いたときにな、ルーフェン」

今更ながらのフルネームで返事を…

「そういえばそう…だな、気配もない」

遠くで獣の声、虫の声はあるものの、遭遇することはほぼない
サクサクと森の中をいくと水の音が届いた
やがて開けた泉が出てくると、そのまま入っていくのを後ろから眺めてたけど
話はそのまま続けて

「その時は頼もうかな…でも、私が言い出すまで自分は手を出さないとかずるい」

今のとこそんな理由もないし、自ら無意味な滅ぼしをして悪者になることもないしと
そんな誘いを言い出すこともないのだろうけど

「私をみて?そんな者はいないし…街には娼婦並に軽い女も多いのであろう?
 私である必要はない」

水から出てきて濡れた衣類、両手を広げる様子に少し我慢するようにと告げれば
炎で周囲をくるくる回していく
少し熱いかもしれない、火加減はしているけど、と

ルーフェン > 「結局、そこに戻ってくるんじゃな…」

やれやれ、と肩を竦ませて苦笑する
竜が二匹、話をしながら森の暗い獣道を歩けば当然、周囲に気配はなく…
どこか遠くで獣が吠える声が聞こえるくらいなもので…どうやら気がついていなかった様子の彼女に
意外と抜けた娘じゃなあ…とか、内心思ったりする

「人間との殺し合いなんぞその昔、散々やったからな…しばらくはもう、うんざりじゃ」

笑いながら彼女の出してくれた炎に身を委ねる
少し我慢するように、と彼女はしっかり伝えてくれたけれど熱いものは熱く、時折、熱っ、と声を漏らしては
ぱたぱた、と服を叩いたりして

「…ん?そうか?わしは結構、主の見た目は好ましいがなあ
 龍の時も美しいと思っとったが、人のなりでも見た目は良いほうじゃろ?
 炎を思わせる髪色に白い肌が栄え、赤い瞳は長い睫毛に縁取られて宝石のようじゃし…
 よもや、街に出た際には別の姿…というんでも無いんじゃろ?前にあった時はー……
 わしが傍におったせいかもしれんな、これは貴重な経験をする邪魔をしたかもしれん」

以前、彼女を街で見かけた時はついつい声を掛けてしまったけれど、あのままでいたら、
誰ぞ男が声を掛けたに違いない、そう続ければ少しわざとらしくぺちり、と己の額を叩き、
すまないことをしたな、と笑ってみせた

火棘 > 「悪くなかったであろう?」

どの呼び方でも、相手への認識はかわらない、自分の気分次第なのだけど

「ルーフェンは、そんなこともしたのか…」

いろんな歴史のなかでは自衛の破壊もあったのかもしれない、
ヒトが集まり種族の多様さの中では、知らぬ理由も多いのだろうと
深くは聞かず留めて

「な、なにを馬鹿なことをいうか…燃やすぞ」

熱いというので、少し遠くしてみた炎の渦、そんな時に褒め言葉のようなものが聞こえては
慌てて動揺しながら顔を赤くして否定していく
腕を軽く組んだまま、ふざけたようにして返す、からかわれてる感じに
わかりやすいくらいに

ルーフェン > 「まあ、長く生きておると色々とな…」

彼女がそれ以上追求してくることは無かったから此方も語ることはしない
聞かれたら隠し立てする必要もないから簡単に喋るだろうけれど、今は動揺した彼女の様子が
自分の昔話よりも余程、面白い

「くくく、優しい火棘が果たしてそんな事するものかのう?
 ……ま、そうして判りやすく動揺する様も主の愛らしい所ではあるが、これは恐らくお主と話をし、
 付き合ってみなければ判らぬ部分であろうなあ」

服が乾けば、彼女の炎を避けるように彼女に歩み寄っていき
腕を組み、顔を赤くしている彼女の頭に触れようと腕を伸ばす

「大丈夫、火棘なら時間は掛かろうが人の中でもそれなりに楽しくやっていけるじゃろ…」

彼女の頭に触れることが叶えばぽん、と優しく撫でる
思いの外、さらりとした彼女の髪の感触が心地よく何だか名残惜しい気もしたがそっと手を引っ込める
そうして、彼女の脇を抜けて羽虫の羽を拾い上げれば、寝床になりそうな場所を一緒に探そうと思う

火棘 > 「いろいろな…」

いつか昔話のように聞いてみたくもある、過ごした時が長いほど話もあるのだろうから

乾いた様子に炎も収めて消えると近づいてくる…
伸びてきた手を避けるでもないけど、頭に乗せられて撫でられたら
驚いたようにびくっと肩を震わせて

「ルーフェンもヒトの世に慣れてるのであろう?私をからかうな…」

相手の言葉を間に受けて動揺してるのを
収めようと、隠そう否定をしながら

「そんなの……楽しくなくてもいい」

素直に聞かず否定で返す、動揺隠しの声は、少しだけ口調が拗ねたような幼さの残る感じで
今夜の寝床そういえば…もう、そのへんの木陰の下でもココでもいいかと
寝床探しを忘れてたことを思い出し、周囲を見回して

ルーフェン > 彼女の頭に触れるとびく、と肩を揺らすからあまり触れてやらないほうが良いのか、とも思ったが
彼女がこの先、見聞の旅を進めていく過程で触れたり触れられたりすることもあるだろうし、
これもまあ良い経験だ、と勝手に思うことにした

「火棘よりはな?
 しかし、からっているわけではないぞ?主は美しいよ、龍の姿は勿論、人の姿でもあってもじゃ
 そこは自信を持って良いぞ?わしが言うんじゃからな、審美眼には自信がある」

なんせ生まれて二百年以上はこの世界を見てきたのだ、と笑って続ける
彼女をあまり困らせるのも本意ではないから、この話はそれきり、本当に燃やされても困る

「バカを言え、楽しい方が良いに決まっとろうが」

長寿なだけに期薄な一生になりがちな竜であるが当然、生きていく以上、楽しい方が良いに決まっている
拗ねたような彼女の声音に相変わらず愉しげにしながら、彼女がキョロキョロと、周囲を見渡せば
ひょいひょい、と傍にあった大樹の根本まで歩み寄っていき上を見る
葉もよく茂り、これなら雨に濡れることもなさそうであった…最も、彼女が雨に濡れることなど無いのだろうが

「この辺りなら地面も平らで柔らかく風通しも良いぞ?」

そうして、その場所を彼女に譲り、自分は大樹の反対側へ
流石に竜種2人であれば、夜討ちを掛けられても平気であろう、と自分もその場に座り、こてん、と大樹に身体を預けた

火棘 > 「もう、へんなことを言うな…、そんなことは好いた者に言えばいいであろう」

顔を赤くしたまま、プンプンして返す
ヒトに慣れてるはずの相手からの言葉、嫌な気はしないものの
あからさまな社交辞令で向けられてた里の頃とは違う
今の状況からの褒め言葉には慣れていないから
動揺するしなかくて

周囲を見てる様子に大きな木の根元
自分をそこに、相手は離れて行くことに疑問を抱いて

「どうして逆にいくのだ?…こっちでよかろう?」

地面の状態の良さそうなとこを譲る、というか別れて休む理由がわからず
同じとこでいいと促された場所に座り、反対座る相手の上着を掴んで引っ張ろうとして

ルーフェン > 「好いてもない相手にこんな事は言わんじゃろ?」

彼女が赤くなっている様子が面白くて笑いながらそう返した
人も竜もなく好ましいと思える相手にはとことん正直なドラゴンであった
ケロリ、とそんな事を言ってのけ自分の寝床へ向かおうとすればくい、と服を引っ張られる
彼女の事は同族であるという事を抜かしても好ましいと思っているが、これだけは感化できないのである

「火棘は…やはり、もう少し慎みを持つべきじゃな…」

とは言っても、彼女の抱枕役というのも北国生まれで体温がそれ程高くない自分には暖かくありがたいのだけど
であれば、彼女の成すがままに、引っ張られてぺたり、と座り大樹に身を寄せる
こうなると、身体を洗ったものの、未だに羽虫の匂いが残ってはいないか、少し気になってしまい落ち着かない

火棘 > 「……」

頭の中はいろいろごちゃごちゃしてきた、顔ばかり熱く感じて何か言えば、
妙なことを口走りそうで黙ってる

服を引っ張ってると、近くで座ることになったのでその膝に自分の頭を載せようと
膝枕のかたちで

「……誰にでもしておらぬわ」

誰にでもしてると思われたのか、それは心外とばかりに
そこだけは否定して、匂いは気にならないくらいだったから
これ以上なにか言われても言い返せないと、無理やり目を閉じてしまおうと

眠気がくるのを待ってるつもりだったけど
ヒトの足で歩き疲れたか…同族の竜の感覚を近くに感じられる相手だから
気を遣うことも、気を張ることもないから、あっというまに睡魔に吸い込まれるように寝息を立てていた

ルーフェン > 何か言いたげに見える彼女の表情を首を傾げながら眺める
何やら考えているようだが、うまく考えがまとまらないのか、顔を赤くしたまま黙っている様子の彼女

「……」

そんな様子を眺めているうちにくわり、と欠伸が溢れた
ぽすん、と膝の上に頭を載せる彼女に、まだまだ甘えたりぬ年頃なのだろうか?と思えば、
ぽすん、とその頭を優しく撫でてみたりする

「…それじゃったら、別にどうこう言うつもりもないがな…」

彼女の体温が伝わればじんわりと夜風と泉の水に冷えた身体が暖かい
うつらうつらとし始めれば先んじて彼女が寝息を立て始めるから、その寝顔を眺めて

「寝ておる様は、童のようじゃなあ…
 これは、父御も母御も火棘が故郷を出る時はさぞ、寂しかったろうよ…」

そんな事を口走ってはふにり、と彼女が目覚めない程度に頬などを軽く摘んでみたりする
そうこうしているうちに、自分も本格的に眠くなってきてそのまま、睡魔に身を委ねるのであった―――

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から火棘さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からルーフェンさんが去りました。