2017/06/22 のログ
■火棘 > 雨降りの森の中、大きな葉っぱの傘らしいものを持ってはいるものの
その葉っぱも体も濡れていない
雨粒は濡れる前に蒸発していってしまってる
わずかに熱を放出しながらなら、このくらいは簡単なこと
ふと…通りかかった鉱山らしい入口のとこに人らしい姿をした者が
気配は人ではなさそうなことは、なんとなく気づきながら
「珍しい、主は鉱夫でもしてるの?」
周囲を見れば坑道であるのは気づくから聞いてみた、葉っぱを避けて
座る相手と逆側のほうに佇み
■ルーフェン > 雨に濡れて疲れたかウトウトしていたのだと思う
近づく気配にも声を掛けられてから気がつくという始末。声を掛けてきた人物の姿を、ちら、と片目を開き見上げる
「そこら中、穴だらけにするのはドワーフとかいう連中だろう?
俺は違う、雨宿りだ…主こそ、こんな所で何しとんじゃ…?
―――珍しい、龍か…なんじゃ、そのナリは…って、人のこと言えんわな…」
意識がハッキリしてくるうちに相手のただならぬ気配…というか、人ならざる気配に気がついたらしい
自分以外のドラゴン…と言っても、異なる種族のようだがドラゴンを見るのは久しく…マジマジと眼を開き
遠慮なしに佇む彼女を見上げてしまった
■火棘 > 「雨宿り…ああ濡れているから?」
声をかけると目を開いた相手。
口元に笑みを浮かべながら見下ろしてるつもりはないのだけど、立っているから…
「私は下界旅?…まあ地上ではヒトの姿でいるほうがいいと聞いたから」
違うけど、似た匂い。ここでの同族というのでは2匹目の遭遇になるか、濡れたままの姿を気の毒に思ってか
小さな篝火のようなものを2人の間にいくつか灯していく
雨に冷えてる空気を暖め、多少なりとも相手をまるごと乾かしてみようと
水の気配の龍ではないようだし、大丈夫だろうと
■ルーフェン > 「ああ、うむ…雨に降られたからな」
マジマジと向けた視線、見下されている事も全く気にならない
と言うより、久しぶりに見た近親種のドラゴンに懐かしいやら驚いたやら様々な感情が内面に渦巻いた
彼女が彼女の姿でなければ、バッ、と立ち上がって匂いくらい、確かめてしまったかもしれない
しかし、どんなに驚いても自制できる程度には年令を重ねている
「…主がどんなドラゴンかは知らんが…流石に、街中にドラゴンが現れたらあっちもこっちも大騒ぎじゃからな」
旅か、そうか、と彼女の言葉に頷く
自分も似たような身の上であったから興味深げでいたが、ぽっ、と小さな篝火が灯ればおおう、と小さく驚きの声を上げた
「…おおう、すまん、助かる」
現れた篝火に上着を脱ぎ、ブーツを脱げば炎の側に寄せて衣服を乾かす
そうしてまた、ちらりと彼女へ視線を向けた
「主ぁ、火竜か…炎の龍の類か…
俺は嵐の竜の末、ルーフェンという…そうかあ、火竜か…人になってしまうと全く判らんわ…そうか、そうか…
…で、旅の途中、何か面白いものでも見たか?旅は楽しいか…?」
久々の同胞に多弁になって怒涛のように質問を彼女に向けて
興味深げに瞳を輝かせながら彼女を見上げる
■火棘 > 「雨降りのまま、こんな場所では湿気ってカビてしまうよ?」
炎をはさみ向き合うような位置にいたけど
火を喜び乾かしてく姿に葉っぱの傘を置いて
相手の隣くらいに移動し座る
「たしかに龍の姿では狩る者もいると聞く…ただ人の姿では足が疲れる
私は火棘、ここより遥か東の空から」
隣に座れば、足を軽く揉むように手を動かしながら
まだ、この地に降りて浅いこと
下界の勝手がイマイチ知識として浅いこと
貴方で2人目の出会いということを
答えていく
■ルーフェン > 「雨宿り程度でカビてしまうなら俺は今頃、カビ竜じゃろうな」
隣にやってきた彼女に外から風に乗って吹き込む雨がかからぬように少し廃坑側へ移動してスペースを開ける
まあ彼女は火竜のようだから、この程度の雨、問題ともしないのだろうけれど気持ちの問題である
「確かに空を飛べんのは俺も不便だな…
そうか、東から…俺はずっと北の方からじゃ…東方へはまだ行ったことがないな」
彼女の話に耳を傾け時折、相槌を打つ
旅を初めて日が浅かったり、まだあまり人との出会いを経験していないらしい
彼女の少し硬い印象はそういう辺りから来ているのか、はたまた元からの性格なのか、そんな事を考えたり
「俺も数百年は寝ていたらしいし、世情に詳しいわけではない…まあ、カビは生えんかったが
それでも、まあ人の世は色々と面白い…主…火棘は、その眼で色々見て回ると良い」
人間は食い物に対する工夫がすごいとか、人間の女は夜の街に立ち春をひさぐとか…
ほんの少しだけ彼女よりも長く旅しているのを良い事に先輩風を吹かせて自分の見聞いた事を話す
…年頃の娘の姿をした彼女に話すような内容ではないのであろうが、愉しげに知り得た知識を語って聞かせ
■火棘 > 「まあ私がいるから大丈夫」
火遊びをするように、篝火は空気を暖め入口のあたりに明かりをさして
外からきたのに一切濡れていないのは、水滴が体に触れる前に蒸発してしまう熱を帯びてたから
体熱もコントロールはできるから、今は触れてもヒトの体温なくらいにさげていて
「北は知らない、まだ行ったことがない
ルーフェンはどうしてここの地に?」
ヒトの多い場所にはまだ、足を踏み入れていないけど
相手から話して聞かせてくれる内容はしらないことも多く
感嘆の声をあげたり、相槌をいれたり
食べ物には興味が…街で人間の女のことには、多少なりとも引いてしまうのだけど
足を揉みつつ居心地の悪くない空気に先ほどよりも、表情は次第にほぐれていくよう感情を乗せて
■ルーフェン > 「便利じゃなあ…」
篝火のお陰か、隣りに座る彼女のお陰か、濡れた衣服を一枚、脱いだがそれ程、寒さを感じることはない
火竜と会うのは初めてであったが、きっと炎の化身のような…そんな姿をしているのではないか、と想像した
「そうか…北は寒いが、空は高いぞ?この辺りよりずっとな
……ん?特に目的があったわけじゃないが、この辺りは人が多いからなあ…
あやつらの営みを知るには良い土地だと思って…良くも、悪くも…であったが…」
遥か北の王国は自分がやらかして辺り一帯、農耕も狩猟も出来ない土地になってしまい、人がおらず
…と言うのを適当に誤魔化しつつ、魔族領辺りでは悪目立ちしそうなのでひょい、と飛び越えやってきたのだ、と語る
あれや、これや、と自分の語る話に耳を傾ける彼女の表情が幾分か解れていけば、彼女の印象が少し変わる
食べ物の話や人間の女の話に口にこそ出さないものの、興味がありそうな彼女の機微を感じ取れば、
そこらの純朴な田舎娘と大差なく思えて此方の表情も緩んでしまった
「火棘、お主、人の多い場所…街に行くのならそうして少し表情を柔らかくしたほうが良い
道を尋ねるにしても、買い物をするにしても、愛想が良いほうが相手の心も解れる」
こうしてみよ、と自分の口角へ両手の人差し指をひょい、と伸ばせば、きゅ、と少し釣り上げ笑顔を作ってみせる
愉しげな声音はどこか少し、彼女を誂うような気配も見え隠れしており、こうだ、と口角を指で上げたまま伝え
■火棘 > 「生き物に炎は必要だから、そう言われたのは初めて」
自分の種の特徴なだけ、便利たしかにそうだけど
そこを良く言われたことはなく
「空が高いのはいい空をいくのは気持ちいいから
…ん?こうか?」
生き物が動くには理由があるもの、相手もまた理由あってのこと
ただ人間の住まう下界の話は、面白くも思う頭の中での想像しながら
真似をするように自らの頬に人差し指を持ち上げるようにして
「…面白い顔で話すのだな」
これが人間の世界ではいいのか、と1つまた覚えながら欠伸を起こす
濡れなくても足元は悪いなか歩いたあとに、出会った同種の龍に気をよくして話弾みいたけど
「すまぬが…眠くなってしまった。アフ…先に眠る……よ」
壁に凭れながら話を途中にさせてしまうかもしれない相手に侘びを口にしながらも眠りへと落ちていく
初対面の雄相手にも無警戒のままー…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から火棘さんが去りました。
■ルーフェン > 「実際、指はいらんからな?」
素直に自分を真似る彼女に笑い声が零れる
買い物する際に、店主が男であったなら、ニコリと1つ笑顔でも浮かべればオマケしてくれる…かもしれない、
とか役に立ちそうなそうでもなさそうな助言を付け加えておく。失敗しても、責任は取れないのだけども
「…まあ、何事も経験…騙されたと思って試してみな
きっと、相手も悪い気はせんだろう…」
もうマシな助言をすれば良いものを、面白がってロクな事は言いやしないドラゴン
彼女が自分と同じように指先で口角を釣り上げた顔を見て、五分五分と言った所だろうな…とか、思っていれば
疲れていたらしい彼女は、無防備にも隣で眠ってしまった
「まあ…ドラゴンであれば、それも良いのだろうが…」
眠っている龍種に襲いかかろう、なんて冒険者が早々いるとは思えない
そんなのは頭のネジが飛んでいる者か、竜殺しを生業にするケッタイな者くらいである
ただ、現在…隣で寝息を立て始めたのは、炎の化身たる火竜ではあっても、その姿は人間の娘であって
そんな無防備を晒せば、山賊に盗賊、街であれば女衒に人攫い、有象無象がわらわらと押し寄せてきそうなもんである
……まあ、結局、それらに彼女をどうこう出来る気もしないのだけど
「火棘よぉ、お主…」
言いたい事はあったが、相手が寝ているんじゃあどうしようもない
初対面の自分の前で無防備を晒す彼女に少々、呆れもするがまあ、それもドラゴンらしいと言えばらしい気がする
何者にも害せぬという強い自負…誇り、そういったものが少なからず竜種にはある、と自分は思っている
「…コイツは安全と思われたか…それはそれで傷つくが、まあ良いか…」
やれやれ、と思いつつも篝火を出してもらった借りもある
今しばらく、寝入ってしまった彼女の傍に座っていようと思う
彼女が寝崩れてきたならば、膝の1つくらい貸してやっても良い…そんな気分で、雨の音と火花の弾ける音に
耳を傾けた――――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からルーフェンさんが去りました。