2017/05/09 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森林」にフォークさんが現れました。
フォーク > 『フォーク・ルースに逢いたければ、彼が仕事をした七日後に森に行け』という戯言が王都にある。

この男、どれだけ大金を手に入れても一週間もすれば浪費して無一文になってしまうのだ。
なので生活のためにメグメールの森で新しい仕事までサヴァイバル生活を行うのである。

「自分でもまったく不思議だぜ。あれだけあったのにどうして簡単に使い切れるんだろうな」

猪肉を焚き火の上で転がしながら、男は太い首をひねった。
焚き火の周囲には串に刺した川魚が置かれている。どれも男が狩ったり釣ったりしたものだ。

「ま、金遣いにも才能ってのがあるからな。俺はきっと金遣いの天才なのだ。むははははは!」

と、無駄に威勢のいい笑い声を森に響かせるのであった。
幸いなことに彼には自給自足の才能もあったようで、森に入れば食には困らないのである。

「川には魚が山ほどに、森には獣が山ほどに、めでたやめでたやな~♪」

どれだけ困窮しても酒だけは手放さないこの男。
酒でご機嫌になりながら、優雅な晩餐を楽しむのである。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森林」にエナーシアさんが現れました。
エナーシア > 「貴様……、フォーク・ルースか?
まさかこんなところで出会うとは……!」

半ば趣味と化した副業、薬草詰みの帰りにとんだ大物に出くわしたものだ。
先程まで採取していた薬草で満載のリュックをかついだまま、いつでも抜剣出来るよう剣の柄に手をかけてその場で睨みつける。
まあ、睨みつけなくても普段からそんな目つきではあるんだが。

「今度は何をやらかした?大自然の中で心の洗濯などというタイプではないだろう?」

そうは言ったものの特別この男について詳しい訳ではない。
だが悪い噂には事欠かない男だ。
まさか都会の喧騒を離れてバカンス、という訳ではあるまい。
要するにこんなところにいるのは怪しいという事だ。
何か不審な物がないか、彼の周囲に目を向ける。
今のところ、特別不審な物は見当たらないが油断できない。
辺りに視線を飛ばしつつも、片時も視線をフォークから逸らす事はしない。

フォーク > 人の気配を感じた。

「むっ!」

咄嗟に拳を構えた。
背後から声をかけられる。完全に読み間違えた。
声の主は、男が副業でしている冒険者の御同業だった。
クールビューティな魅力にあふれるいい女だ、と男は思っていた。

「おやあ、そういうお前さんはエナーシアじゃないの」

知っている顔だ。
男は安心して構えを解く。そして立ち上がり、女の方へと歩いた。

「いや何ね。いつもの慢性金欠病って奴さ。で、ここで自給自足してるってわけ。お前さんも同じ病気かい?」

と、ここで女が背負っているリュックに気づく。薬草が見えていた。
冒険者の仕事には薬草採集もある。もしかしたら彼女はその仕事をしているのかもしれない。

「はは、随分と集めたもんだな。疲れただろ。どうだい少し休憩していけよ」

肉も魚も酒もある。指で女を招いて焚き火の方へと歩いていく。

エナーシア > 警戒したままの私とは対称的に、一瞬身構えただけであっさりと自然体に戻っていた。
しかもそのまま近づいてくる。
本当に何もやましい事などないというのか?
少し探りを入れるか……。

「これはただの……、副業だ。貴様と一緒にするな」

正確には副業を兼ねたただの趣味なのだが、そこまで親切に説明してやる程の仲ではない。
というか普通に受け答えしてどうする!

「自給自足という割には……、いや本当にそれだけなのか?」

尚も注意深く辺りを観察するが、やはり不審なところは見当たらない。
状況的に山の恵みを享受しているだけに見える。

「……お前が、その、女児をさらっては各地の別荘に監禁しているとか、そういう噂があるんだが」

見た限り攫った子供をどこかに隠していたりとか、淫行に及んだ形跡だとかはない。
本当にただ金欠で自給自足していただけだというのか?
柄に添えていた手のやり場はどうすれば……。

フォーク > 薬草収集は仕事ではなく、彼女の副業だという。
薬草には錬金術や魔術に使われるものもあると聞いている。そっち方面の話だろうか。
彼女にはまだそれほど面識がないので、よくはわからない。

(ま、これから知ればいいことだしな!)

女に背を向けて歩いていたら、女がとんでもないことを言い出した。
女児を誘拐して監禁をしているなどと!

男の歩みがピタリと止まる。
巨体が小刻みに震え、ゆっくりと女の方を振り向いて。

「ど……どこからそんなウワサを……」

息を荒げ、眼には微かに涙を浮かべてみる。
……が、すぐに態度を元の呑気なものに戻し、女に詰め寄る。

「あのな。いろんな所に別荘を持っているよーなお方が、森で自給自足なんてするか?」

そして太い指ですぐ側にある巨木に指差す。
巨木の上に、木造の小屋があった。男が造ったものだ。

「俺が持っているのはアレだけ。女児がいるかどうか気になるなら入ってみるか?」

と、誘ってみる。巨木には縄梯子がかけられていた。
先に女を梯子で登らせて、その光景を下から眺めようという深慮遠謀が隠されていた!!

エナーシア > 「ど、どこという訳ではないが……。
一人で飲んでいるだけでもそういう噂が耳に入ってくるもので。
いや、済まない……。だが少なくない稼ぎがあるはずだし、しばしば足跡が消えるせいでそれも有り得るかもと……」

どんな形であれ女を囲っている者の生活、という風ではないな、これは。
確かにこいつはろくでもない奴ではあるが、噂されている程の鬼畜ではなかったようだ。
申し訳ないというよりも噂に踊らされていた私が情けない。
更に疑って小屋の中を確認しようという気は既にない。

「それには及ばない。その言い分を信じよう。
婦女子の弱みにつけ込んだりで何人も食い散らかしているとう噂も日常的に耳にしていたのでな、もう何をしていてもおかしくないなどと噂に踊らされていた……」

フォーク > 「なぁに分かってくれればいいのさ。俺だって悪魔じゃねえ」

男は太い腕を組み、満足げに頷く。

「悪いウワサってのはすぐに広まっちまうからな。それが真実でも嘘でも」

ただ男のバレていない悪行は、この森に生えている木の本数でも足りないくらいある。
もちろん婦女子の弱みにつけこんだことも十度や二十度ではない。

「ただお前さんの一言で俺の心が深く、深く傷ついたのも事実だ」

今もこのエナーシアという女に対しても、つけこもうとヒシヒシと奸計を巡らしている。
策を張るには標的を知ることが必要。ここは軽いジャブから攻めてみようと考えた。

「もしお前さんが悪いと思っているのなら、キスの一つで許してやろうって腹積もりさ!」

えへん、と男は胸を張るのである。

エナーシア > 「本当に、その事については悪かったと思っている……」

正直なところ噂が噂に過ぎずとも、個人的な敵対心や嫌悪感というものは少なからずある。
だがフォークの言うように私の心無い発言で傷つけてしまった事は、それとは別問題として謝罪が必要だ。
とんでもない要求をしてきたらどうしてやろうかと思ったが、キスなんかで良いとは。

「ああ、これで謝罪になるのなら」

要求にすぐ頷くと、早速首に手を回して顔を近づける。
かなりの身長差があるので抱きつくような形になってしまうな。

フォーク > 「俺って誤解されやすいからな。実は意外と……ナイーブなんだぜ」

顔を軽くそむけ、悲しげな表情を作ってみせる。
こうすることで女の罪悪感を煽ろうとして。

すると、女があっさりとキスの申し出を受け入れて首に手を回してきた。

(あれ?)

あまりにも簡単に了承するので、こちらの方がうろたえてしまうのである。
男は自然と腰をかがめて女と水平に視線をあわせる態勢になっていた。

「え。なに。エナーシアちゃん、そういうのアリなの?」

動揺のあまり、なぜか『ちゃん』付けをしてしまう。
相手によっては性行為よりも嫌悪されるキス。それを女はあっさりと許した。
これは千載一遇の好機と見た男は、女の唇を吸うのである。
せっかく許されているのだから、舌をいれて、口内で丹念に転がし、歯の裏側まで舐めてしまおうとする。

エナーシア > そういうのとはどういうのだ。
流石に見え見えの演技に騙される事はないが、本当にナイーブだとしてもいい年して女とのキスで怖気づくような奴がこの稼業をやってられないだろう。
何十年も温室で純粋培養されたお坊ちゃまなら、有り得る事かもしれんが。

「んっ、んぅ……」

案の定、という程の事ではないが唇を合わせれば嫌がるような素振りもしない。
というか、舌を絡めて少ししつこいな!
まあ謝罪なのでこのぐらいは好きにやらせるが、もしかして普段から誰かれ構わずこうしているのかこいつは?

「はむっ、んぁっ……」

キス自体はともかく、長く続けていると少々息が乱れるのは問題だな。
変な声を聞かれるのはやはりいい気はしない。
しかし、いつまで続けるつもりだろうか。

フォーク > (いやー。キスって本当にいいもんだな!)

久しぶりのキスにときめきを隠せない男であった。
濃厚なキスをしていると、肉欲が心中よりムンムン立ち昇ってきた。
もう少し押してみることにする。

「……っぷはっ!」

唾液の糸を引きながら唇を離した。

(それにしても不思議な女だ)

男は煩悩に塗れた脳内の、ほんの片隅で湧いた疑問について考える。
表情や立ち居振る舞いからは、こちらに好意を持っているとは思えなかった。
しかしキスは恋人にするような激しいものを受け入れている。
もう少し、押してみることにした。

「御大層な謝罪をいただいちまって、むしろこっちが申し訳ねえ。どうだい一緒に酒でも」

と、女の腰に手を回そうとする。
どれくらいのボディタッチが許されるかを試しているのだ。

エナーシア > 随分長い口づけだった。
長く感じる、というべきか。
唇を離し解放されると思ったが、こいつやはり調子に乗っているな。
腰に伸びる手からさっと身を引く。

「心無い発言で傷つけた分はもう済んだだろう。そこまでされるいわれはないぞ。
そ、そもそもっ!お前と酒なんぞもう二度と飲む気はない!」

冷静になろうと努めたが、つい語気が荒くなってしまうのも仕方がない事。
というかこいつ、前に飲んだ時の事を忘れたのか?
私にあれだけのことをさせておいて!?
ああ、いや覚えている上ですっとぼけている事も十分有り得るな。

「……一応確認しておくが、以前一緒に飲んだ時の事は、覚えているか?」

覚えている上で誘っているのなら大した度胸だ。
忘れているのなら、それに越したことはないがそれはそれでなんかむかつくぞ!

フォーク > おっとっと。

腰に回した手を、するりとくぐり抜けられる。
そして女が過去に自分と飲んだことがあると言い出した。
女の質問に対し、男はその肩に大きな手を置いて。

「エナーシア。前に俺がお前さんにしたことは謝ろう。
 だがな、過去に囚われてはいけねえよ。こうして久しぶりに会えたんだ。
 全てのしがらみはこのメグメールに流れる川に流してしまった方が幸せってもんだ」

男が彼女に何をシたか。
それを男が覚えているか覚えていないかは不明ではあるが、覚えていないことでも覚えているように思わせる口ぶりだった。

「俺はお前さんを許した。さてお前さんはどうする?」

ここで許さなければ狭量だと思われますよ的な空気を作ってみる。
そういう地味な悪どさがフォーク・ルースの真骨頂だった。

「嫌いな方じゃないだろ。酒が嫌なら肉や魚もある。魚はちょいと手を加えているんだぜ」

魚は一度腹を割いて、腸を出して香草を詰めている。
戦場料理の一種だ。せっかく大漁だったのだ。どうせなら誰かに食べて欲しい。

エナーシア > 「貴様……、もうその手には乗らんぞ!
あの時もそうやってなんやかんやと調子よく飲ませた挙句にっ!」

ええい、冷静に務めるのはもう止めだ!
数歩間合いを取ると剣の柄に手をかけ、今まで発散できなかった怒りをぶちまける。

「泥酔した私を止めもせずに!
確かに脱いだのは私だが、あんなものは私の意志ではない!
お、おかげで酒場の男どもに裸体を……!こ、ころす!やはり貴様はここで!」

本人を目の前にして当時の怒りと羞恥心が蘇ってきた。
当時も殆ど深酒はしないので自覚がなかったのだが、酔っ払うとどうも私は脱ぎたがるらしい。
それもほうっておくと何もかも。
そんな私に調子よく酒を振る舞って皆の前で裸になっても止めなかったのは、この男だ。
不幸中の幸いなのはすぐに周りから静止が入った事だが……。
そしてその事を思い出しつい殺すなどと口走ってしまったものの、柄を掴んだまま抜剣までは至っていなかった。
ううむ、どうする、この手は……。
結局興奮で顔を赤らめたまま、剣に手をかけて睨みつけるだけという構図で止まってしまった。

フォーク > 「あー」

今、思い出したような声を出す。
なるほどあの時のことか。
女はいつも気を張っているので、酒を飲ませて気持ちを和らげようとしたのだ。
まあ、脱ぐように唆したのは個人的な興味と嗜好だが。

「どうやらお前さんの気持ちは収まらないようだな
 よし、一勝負行こう」

男は革鎧と上着を脱ぎ、上半身を顕にする。鍛え上げられた大胸筋だった。

「しかし酒場での一夜で血を見るのはバカらしいぜ。
 ここは一つ……取っ組み合いでケリつけようじゃねえか」

そして女に手招きをして。

「さあ、重たいもんは脱ぎ捨ててかかってきやがれ!」
 
素手の腕っ節に自信があってのこの挑発。
正々堂々のようできちんと保険をかける。フォーク・イズム(主義)炸裂だった。

エナーシア > 「……それはずるくないか?」

完全に頭に血が上っていたのが急激に冷えてくるのを感じる。
言いたいことを言ったせいだろうか。
だがとりあえず、この大男と素手で取っ組み合いが得策ではないと判断出来る程度の思考力は戻っていた。
まあこの体格差では正面勝負は何をやっても分が悪いだろうが。
とりあえず、柄から手を離して構えを解く。

「確かに、落ち着いて考えてみれば血を見る程の事ではないが……。
私の中には貴様に対する怒りや負い目が複雑に混じり合った感情が渦巻いているぞ」

剣を抜く事はなかったが、それはそれとして怒りが全て収まった訳ではない。
かといって、この巨体と取っ組み合いをする気にもなれず怒りはくすぶったままだ。

「今日のところは一時停戦という事で手を打つのでどうだ?
怒りが収まった訳ではないが私も必要以上に波風を立てたい訳ではない。
先程の宴の申し出も今なら受ける気があるぞ」

まあ、酒は抜きだがな。

フォーク > 「俺、本業は傭兵だもん」

白い歯を出し、いたずら坊主のような笑顔を見せた。
傭兵の戦術は生還をなにより重視する。そのためなら汚い方法を使うし、その汚さを隠す技術も心得ている。
多少の目論見とは違うが、相手の怒りを削ぐことはできたようだ。結果よければ全て善し。

「そこはほら、これからゆっくりと解きほぐしていけばいいじゃねえの」

と、女の停戦を受け入れ、焚き火の側へと誘うのである。

「葡萄と砂糖で作ったジュースもある。疲れた時には効果があるぞ」

たまに酒に飽きた時に飲んでいるものだ。強い甘さと果実の風味が気に入っている。
これを女に飲ませ、隙を伺いジュースに酒を少しずつ混ぜようと企むのである。
平穏を打ち破るのも、また傭兵の仕事なのであった。

エナーシア > 「……たまたま発酵した葡萄ジュースじゃないだろうな?」

この男なら色んな意味でやりかねない。
とはいえ流石にそれなら口をつければ香りで気づくだろう。
これだけ言い合った後で本当にアルコールだったら呆れるしかないが。

「私もあんまり人を疑うのは好きじゃないんだから、妙な事は控えてくれよ?
食事に不審なところはないようだが……。とりあえず少しいただこうか」

調子にノリすぎるところがなければこいつもそう嫌いなタイプじゃないと思うんだがなあ。
微妙な警戒を残しつつも、腰を降ろして招待を受ける事にした。
特別味に拘る事はないが、手持ちの非常食よりは遥かにうまそうなのが何故かちょっと悔しいな。

フォーク > 女の軽口にハハハと笑う。
何が恐ろしいって、否定をしていないところだ。とりあえずは普通のジュースである。
そして香ばしく焼けた魚も一串渡そう。薫り高い匂いが感じられるはず。

「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。自慢の野戦料理だ」

これは本当に嬉しい。
戦場は肉体的損傷もさることながら、特に精神がすり減る。
美味しい食事はその精神的摩耗を抑えてくれるのだ。

「肉もな、きちんと塩とスパイスを使って臭みを消してある」

ナイフで肉を削り、薄切りのパンに乗せて渡そう。ソースは猪の血とワインと香辛料を混ぜたものだ。
これがまた肉に合う。

エナーシア > 「こんなところで随分と手の込んだ……。
ふむ……。
あー、うん、美味いと思うんだが」

明らかに毒だったり悶絶するような味でもない限り、割りと気にせず食べてしまうからなあ……。
多分店で出しているような料理にも引けを取らないのだろうが、正直繊細な味の評価を出来るほど豊かな食生活をしてきていない。
よってろくな感想が出てこないのだが、もしかして私はかなりつまらない人間なのではないだろうか?
何だか同じような事をつい最近考えていたような気がするが……。

「……食べやすいな。調理は得意なのか?」

食周りとなると本当に私の語彙と話題は貧困だな……。
いやどんな種類の話題でもそれほど喋り上手という訳でもないんだが。
しかしまあ、こうして一緒に食事というのも悪くはない。
これで必要以上に飲ませるような事がなければ、もう少し好感度も上がるのだろうが。
色々と残念な奴だ。

フォーク > 女にむかってビシっと指つきつけた。

「思う……なんて考えなくていいのさ。
 お前が美味いと思ったなら、美味いと笑えばいいんだ」

戦場で唯一、まともな笑顔を見れる刻。それが食事時だ。
もっとも普段は非常食ばかりなのだが、だからこそたまの野戦料理となると皆の顔が違う。
死地で食べる温かな食事ほど、嬉しいものはない。


「戦ってのは長引くと数ヶ月に及ぶからな……
 台所の料理はともかく、野戦料理は傭兵なら自然と上手になるのさ」

そりゃ料理人が本気で作った料理にはかなわない。
でも焼き魚や焼肉といったシンプルなものならば、新鮮さと香辛料でカバーができるものだ。

「これも喰ってみるか?」

褒められて気をよくしたのか側においていた袋から干したアンズを取り出す。
男が自分で作った干し果実だ。噛み締め続けるとアンズの甘さが口いっぱいに広がる。

エナーシア > そういうものなのか?
今は特に笑う気にならないが、少なくとも不快ではない。
だがこいつの言う事をあんまり真に受けているとまた変な方向に流されそうな……。
言っている内容は実にそれっぽいのがたちが悪いな。
それにしても、こんなところで色々と用意しているものだな。
今度は何だ、干物……、いや果物?

「そう言うなら、とりあえずそれも頂こう」

こういう時は申し出を受けるものだ。
単純に興味もある。

フォーク > 干したアンズは砂糖がまぶしてあって呆れる程に甘い。
甘さは活力を取り戻すので、戦場では常備しているのだ。

「……こんなのもある」

男はまた干した果物を取り出した。
これはとある地方で取れる果物だった。普段は甘いのに干すと飛び上がるほど渋くなる。
気つけ薬の代わりに持ち歩いているのだ。

女がこれを食べて、水を欲しがった所で酒の混じったジュースを渡す算段だった。
流れの中に一つ奇を盛り込む。これもフォーク・ルースの戦術だった。

エナーシア > ……甘い。
甘いというか、甘すぎる。
生の果実よりはるかに濃い甘みというのは、やはり慣れていないせいか食べづらい。
まずい訳ではないのだが、私が食べてしまうのは勿体無いんじゃないのか?
まあ面白い経験ではあったが。

「う、うむ、だがその前に何か飲み物が……」

レモネードで多少慣れたつもりでいたが、甘さの濃度が全然違った。
次に行く前にとりあえず何か飲みたい。
しかし果実をかじってかえって喉が乾くとは……。

フォーク > 「甘いってのは幸せなことなんだぞ、エナーシア」

口の中が常に甘ければ、人生の幸福度は1割増しになるだろう。
そんなことを考えるほど、男は甘党だ。もちろん酒も好物なのだが。
要するに貪欲で食い意地が張っているのである。

「どうした、エナーシア!?」

飲み物を欲しがる女に驚きの声を挙げる。少し、わざとらしいか。
少々目論見は外れたが、女は飲み物を欲しがっていた。
ここは自分が飲んでいる酒を手渡してみよう。
果たして飲んでくれるか、どうか。

エナーシア > 「少々甘すぎただけだ、どうもしていない……」

何かといちいち大げさな奴だ。
ともかく受け取った飲み物を一気に流し込む。
……うん?
酒じゃないのか、これ。
確かに今なら舌は少々麻痺しているが、香りで気づくだろう。
あれほど言ったのにまた性懲りもなく……。

「……この程度で怒りはしないが、飲む気はないと警告したつもりだが」

特別酒に強くはないものの、こんなひとくちで泥酔する程弱くもない。
何を企んでいるのかは大体分かるが。
しかしこうなると、もう少し厳しくいくべきか?

フォーク > (そりゃそうだ!)

女の言葉に頷く男だった。
いくらなんでも一口やそこらで酔っ払うほど弱いはずがない。
決して女は下戸ではないのだ。下戸ならそもそも酒場で一緒に飲む機会があるわけがない。

「参った。いや、俺の負けだ」

男は女の前に出て、すいと頭を下げる。

「卑怯な真似をして悪かった。ただ俺は過去に色々とあり
 何かと俺に対して抱えているお前さんに対してだな。
 こう……胸襟を開いて欲しいというかだな。せっかく森で会えたんだからわかり合いたいわけだ」

うんうん、と小刻みに顔を上下に動かして。

「俺もどちらかというと素直な方じゃないしな。
 その壁を取り払うには、酒しかないと思うわけだ。
 お前さんだって自分がお硬い方と理解してるだろ?」

女は融通が効かないタイプ。
男は変に策を巡らして素直にならないタイプ。

「ま、その垣根を取っ払うというかな」

と、酒を呷った。

エナーシア > 「欲望には素直なように見えるが」

意外とすぐに謝ってきた。
というかすぐに謝るぐらいなら最初からやるんじゃない。
とりあえず、言い分は一応筋が通っているがやはり素行がなあ。
私とて仲良くしたい、という程ではないが無意味に対立したり無用なわだかまりを抱えているのは馬鹿らしいとは思う。
我ながら甘いと思うが、今回は私も少し譲歩するか。
お硬いという指摘は大いに自覚しているところだし、時々問題にもなっているからやはり多少は柔軟にな。

「確かにお前の言う事も尤もだ。
なので必要以上に飲ませないと誓って、私のペースで飲むというのなら付き合おう」

まあこの期に及んで色々と仕掛けてきそうなので最低限の警戒はするが、妥協点はこんなところか。

フォーク > 「だから言っただろ、俺って誤解されやすいんだって……」

ははは、と笑ってから女に酒瓶を渡す。これなら自分のペースで飲めるだろう。
女が自分のカップに酒を入れたなら、乾杯をしよう。
謝るくらいならやるべきではないのだが、引くべき所は引く。これも人生において大切なことなのだ。

「しかしまあ……あの時のお前さんの肌は見事だったぜ。みんなで脱げって叫んだもんな」

男はそっと眼を閉じて、前回一緒に飲んだ時の光景を思い浮かべる。
あれほど酒場の男性客の気持ちが揃ったことは古今東西ないだろう。

「いや、実に良かった!」

すごく感慨深げに己の膝を叩く。

エナーシア > 「次にその話しをしたら、服と言わず貴様の皮を全て剥ぎ取ってやろうか?」

頭に血が上りそうになるのを堪えつつ、苦々しげに脅しを吐き出す。
何割かは本気だ。

「とはいえそれ程楽しくないので、そうならないことを願っているよ……、ふふっ」

あ、今自然と笑みが出た気がする。
そうかルースの皮を剥ぐところを想像すると笑顔になるのか。
想像するにしてもあんまり気分がよくないのだが不思議なものだ。
……何だか妙な思考になっているがもう酔いが回ってきたのか?
とりあえず、ペースには気をつけて飲もう。

フォーク > 皮を剥ぐ話ですごく朗らかな笑顔を見せる女に、男は面白いやら物騒やらな気持ちになる。
しかし男は女を脱がせることを諦めているのではない。
貪欲なるしつこさ。これが男の強みでもある。

「……ま、まあ。そういう剣呑な話題はさておきだな」

男が背負袋から紙と駒を出す。紙には戦場を模した絵が描かれていた。
駒を交互に動かして相手の陣地に先に駒を到着させた方が勝ちというボードゲームだ。
この陣取りゲームは遊びだけではなく、戦術を練るのにも有効なので兵士たちが好んで行っている。

「どうだい一局。お前さんの剣の構え相当なもんだ。多少の心得があるんじゃねえか?」

ないなら教えるよ、と女と向き合うように座りなおすと、紙を広げる。

エナーシア > 「剣はともかく、その手のゲームはたしなむ程度だな。
ルールは分かると思うが勝負にならないと思うぞ」

集団で戦闘する傭兵業と違って、私は単独行動が主だからなあ。
ある程度連動する事はあるとはいえ性質が全然違うだろう。
軽く遊ぶぐらいならいいが、物足りないんじゃないのか?

「まあ、ただ飲み食いするだけよりは面白そうだ。
相手になるか自信はないが、それでいいならやってみようか」

フォーク > 「なに、俺だってそんなもんさ」

勿論、大嘘である。
男はこのゲームが大得意だった。そうでなければ持ち歩いたりはしまい。

「じゃ、俺から打つぜ」

対戦が始まれば、男はある布石を打つ。
それは、まだこの遊戯になれていない女がゲームに熱中すれば打開策が見つかるような打ち方をすることだ。

(まったく昔話も覚えておくもんだねえ)

生と死を司る神がボードゲームに夢中になっている内に酒を勧め、
酒を飲み終えた所で寿命を延ばすように頼んだ男がいる。神はその願いを聞き届け、男は長寿を全うしたという話だ。

その逸話を活かそうという腹積もり。
女がゲームに夢中になっている間にカップに酒を注ぐつもりで。

エナーシア > 「ふむ……。こうか?」

序盤の数手はある程度パターンを習ったのを覚えている。
あとは終盤はともかく、中盤どう動くべきかがよく分からない。
つまり経験が少ない分考えながら打っていくことになりそうなのだが、少し酒の入った頭だと中々の重労働だ。
ゲームなので気負う必要はないのだが、中途半端にできないのは性分だな。

「もう少し待っていろ……。よし」

中々、頭が疲れるが結構面白いものだな。
こういうのもたまになら悪くない。
おっと、集中しすぎて飲みすぎないように気をつけないといけないな……。
ただでさえ頭を使っているんだからな、飲み過ぎたら手も鈍るだろうし……。
あー、どの程度飲んだんだったか。
思ったより酒の回りが早いな……。
体が火照る。

フォーク > 女が駒を一つ前に動かせば、自駒で壁を作り、壁を打ち破れば、達成感を与える。そしてまた新たな壁。
深く思考するタイミングを見計らい、無言で女のカップに酒を注いだ。
飲むだけ飲ませるつもりだ。本当は女も酒が好きだろう。そうでなければ、ああは酔っ払わない。

「なかなかにいい勝負じゃねえか」

女の駒の動かし方は面白い。傭兵ではなく冒険者と言っていたが、なるほど実に勇壮な駒進めだ。
男は本来、相手を取り囲むように動かしていく。うまくハマれば相手は攻めているようで囲まれていたことに気づく。やや陰湿ともいえる動かし方だ。
ただ、今回は女の動かし方に合わせ、楽しめるようにした。

「……どうやら一進一退だな。お前さんやるじゃないの。ま、一杯。これくらいなら大丈夫だろ?」

と、相手を褒めるのも忘れない。そして酒もすすめて……。

エナーシア > 私はまだ冷静だから自己分析ができるが、これは完全に飲みすぎているぞ。
これ以上は控えるべきだ。

「うむ……、そういうことなら、もう一杯」

だがお酌してもらっては断る訳にはいかない。
酒とはそういうものだ。
大丈夫大丈夫まだ酔ってない。
しかしどうにも暑いな。
あー、防具もつけっぱなしだったな。
通りで暑い訳だ。
少し風通しを良くしないとな……。

「……よし、これで涼しくなった」

防具も服も、邪魔な物を全て取っ払う。
下着を新調しておいてよかった。
これならまだ何とか人前に出ても大丈夫だ。
流石に裸はまずいからな、うん。
さて、次の一手はどこに……。

フォーク > …………
………
……

「はっ!」

あまりにも女が堂々とした脱ぎっぷりを魅せたので、思わず見とれてしまっていた。
危うく間違った打ち方をしてしまう所だった。
考えてみれば対戦相手の意表を衝くのに脱衣は有効。使うアテはないが覚えておくことにしよう。

「実力も互角だな。どうだい一つ賭けてみるか。勝った方の指示に従うっていうのは?」

相手の判断力が鈍った所で提案をする。
勿論、相手が了承したら『ギリギリで』勝つつもりだ。

エナーシア > 素肌に当たる風が心地いい。
すっぱり脱いで身軽になったし、これでゲームに集中出来るぞ。

「賭けだと……?私はなぁ、そういうのは好かんタチだ……」

賭けというのは大抵ろくな事にならないものだ。
特に酒が入っている状態でやる事ではない。
うむ多少酔ってはいるがまだまだ私は冷静だぞ。
だがすげなく断ってしまうのも可哀想だ。
一応聞くだけ聞いておいてやるか。

「お前がかったら何をさせるつもりか、一応言ってみるがいい。聞くだけ聞いてやるぞ」

あんまり無茶苦茶な事を言うようなら、何かそこらへんにある硬いものでも投げてやるか。
ああ、私からも指示を出せるんだよな、これって。
そうなると何かやらせるのも面白いか……。
まあまずは聞くだけ聞いてみるか。

フォーク > 「まあまあ、そこは遊びだから、遊び。遊ぶくらいの余裕は人生において必要だぞエナーシア」

あくまで遊戯の上と断っておく。
男もあまり女が賭けの類を好みそうではないと考えていたからだ。
そして勝者の権限を訊ねられたら。

「そうだな。今夜はずっと俺の膝の上にいるってのはどうだい?」

ぽん、と自分の膝を叩く。痩せた女の胴よりも太そうな脚だった。

「それにお前さんが勝ったら俺に命令できるんだぜ。痛快だろ?」

と、射幸心を煽る。

エナーシア > 「そのぐらいなら、まあいいだろう」

負けた時のリスクはそんなところか。
一応負けるつもりではないが、リスクの確認は大事だからな。
よしこのぐらいなら乗ってやるか。

「では、そうだな……。私が勝ったらフェラチオの練習をさせろ。
練習だからな。色々試すからちゃんと感想を言うんだぞ」

ちょうどどこで練習したものか考えていたところだし、都合がいい。
こいつなら多少乱暴に扱っても大丈夫そうだしな、うん。
お互いに出した条件はこのぐらいなら妥当なところだろう。

フォーク > 「フェラチオね、いい……」

ピタリ、と駒を動かす手が止まった。
粗食ですが、と言われて豪勢な宮廷料理を出されたような気分。
すなわち、いままで一度も味わったことのない衝撃!!
でんぐり返りそうになった心臓を気力で戻した。

「……いいでしょう」

キリッとした表情になる男。そしてまた盤面に眼を移すのである。
しかし男は冷静だった。
露骨ではなく、しかしギリギリの所で敗北してみせるのである。
あまりあっさりと負けると逆にイカサマを疑われる。ここが苦しい所だ。

「参りました」

深々と頭を下げる男。
そしていそいそとズボンと下着を脱ぎ始めるのである。
流れるような動作だった。

エナーシア > 「よしよし潔いなさすがは戦士だ」

途中から随分思考力が鈍っていた気がするが、どうやら勝てたようだ。
それほど得意なゲームではなかったがビギナーズラックとったところかな。
だが何であれ勝利は勝利。
向こうから言い出した事だし、勝者の権利を行使するのに躊躇いはない。

「あまり得意ではないのでな。
どうしてほしいか、どこが気持ちいいかちゃんと言うんだぞ」

というか言ってくれないと練習にならないからな。
フェラチオの最中は喋れないしいちいち中断して聞くのも間抜けだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森林」からエナーシアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森林」からフォークさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にフォークさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエナーシアさんが現れました。
フォーク > (世の中ってのは面白い方に転がるもんだねぇ)

男は下半身を露わにしながら考えた。
森林で出くわした冒険者の女。知らない顔ではなかったが深い間柄というわけでもなかった。
しかし今、こうして男は彼女との賭けに負けて、彼女のフェラチオの練習台となっている。
望むところだった。

「どんなことでも鍛錬しようという心がけが気に入った。さあ好きにするがいいぜ!」

でも強く噛んだりしないでね、と付け加える。

男の肉棒はまだ隆起はしていない。酒が入ったからか、ダラリとぶら下がっている。
しかしその長さは顔ほどあり、太さも細長いグラスほどの握りごたえを見せている。
もしこれが勃起すれば、いかほどの剛直さを示すか楽しみというものだ。

エナーシア > 「ふむ……。早速質問なのだが、効率よく勃起させる方法とかはあるのか?」

練習なのだからこれ幸いと、普段しづらい質問をぶつけてみる。
とりあえず先っちょを指でつまんで、しげしげと造りを観察。
この状態だとどことなく愛嬌があるこれが、勃起すると硬くそそり立つというのも面白いな。
そういえば手荒に扱われると結構痛いらしいが、どの程度なら大丈夫なのだろうか。
それも後で試してみるか。
今はとりあえずどうやって勃起させるかを学ぼう。

フォーク > 女の質問に男はある疑問を抱いた。

(この女、どれだけの性体験があるのだろう)

口淫の練習台を要求するくらいなのだから、それなりに経験を積んでいそうではある。
だがこうして興味津々に男根を弄りながら質問する様は、処女のようでもある。
もしかしたら強姦での性体験しかないのかもしれない、と男は考えた。

(ならばなんと哀れな)

男はそっと心の中で涙を流した。
男根は女の指での刺激で先端から露を漏らした。

「そうだな。基本的に優しく弄ってやれば固くなるぜ。効率的なやり方は人それぞれだが……。
 俺の場合は臭いを嗅いでくれたり、頬ずりしたりしてくれるとより興奮して勃起しやすくなるな」

性癖をバラすのは恥ずかしいが、これでなかなか愉しい。
基本的に男は露悪趣味なのだ。

エナーシア > 優しくか……。
どの程度までならいいのか、力加減が難しいな。
まあそのあたりも含めての練習だ。
色々か試してみよう。
あとは……。

「臭いを嗅ぐのか……。すぅ……、すん……、
ふむ……。よく分からないが、こういう感じか?」

感想としては、なんか獣っぽい、といったところ。
豊かな表現が出来る程経験がない以上稚拙になるのは仕方がない。
しかしこれで興奮するというのはいまいちよく分からないな。
まあ人それぞれというものもあるか。
臭いを嗅ぐぐらいは別にいいのだが、頬ずりは少々気が引ける。
口だけなら飲み込んで拭えば済むが、顔が汚れるのはちょっとなあ。
まあこれも練習だ、やってみよう。
臭いを嗅いだ次は言われたように頬をこすりつけてみる。
……柔らかいがそれだけでなく、不思議な感触だな。
少し面白いが、本当にこんなので気持ちいいのだろうか。
軽く男根を揉みながら、頬ずりを暫く続ける。

フォーク > 男根から漂う獣臭。
最近は森での自給自足生活で入浴は川を利用するくらいなので、臭いはやや強めかもしれない。

「そう、そういう感じ」

やや事務的な女の態度が割りと良かった。
さらに女の柔らかな頬が肉竿に触れる。すべ、とした柔肌だった。
男の興奮が高まる。

肉棒が熱を帯びてくる。
女の手の中で、鍋からあげられたばかりのソーセージのような熱を発揮した。
そして肉竿を走る血管が浮き、その強い脈動が女の頬に伝わってくることだろう。
血が男根に注ぎ込まれた証拠である。
男根はむくりと鎌首をもたげ、中央部からやや上向きへと変わった。

「これが第一形態ってところだな。興奮が強くなれば、より強度と熱と角度がパワーアップするんだぜ」

男根を女の顔に擦りつけながら、男が講釈をたれた。

エナーシア > 「なるほど、たしかにこれでも興奮するようだ」

あんな事で勃起するのか半信半疑なところもあったが、肉棒は徐々に硬く持ち上がっていく。
こうなると口にも含みやすそうだ。
今は手の中で弄び頬にこすりつけているが、もう少し続けた方がいいのだろうか?
少し顔を上げ、手で軽くしごきながら尋ねてみる。

「そろそろ咥えた方がいいか?それともこのまま手で続けるのか」

主目的はあくまでもフェラチオの練習だが、手で刺激を加え続けた場合どうなるのかも見てみたいというのはある。
まだまだ経験の乏しい分野だからな。
色々と学んでおかなくては。

フォーク > 「フェラチオの練習だからな。手でする方はまた次の機会にするとして
 そろそろ口を使ってみるか」

さり気なく次の約束も取り次ごうとしている所が抜け目ない。
女がしごき続ければ、男根は薪雑把ほどの太さと硬さへと変貌していった。
さらに男根からはフェロモンに近い雄の匂いが孕み始める。これは体臭とはまた別のものだった。

「咥えるよりも、まずは舌を……舌を出して先端に這わせるんだ。
 舌で亀頭を巻くようにして舐めたりすると、より効果的!」

ただでさえ舌を出す女はエロチックなムードがあるものだ。
口淫で舌を出されたら、少なくともこの男はたまらない。

「それを俺の顔を見ながらすれば、なお善しだ」

エナーシア > 「そうか、視覚的な効果もあるのか。勉強になるな」

性器に刺激を与える事ばかり考えていたが、視覚的なアプローチもあるとは盲点だった。
正直実感としてはよく分からないのだが、男が好むというのであればやってみよう。
咥える前にまず舌を、だな。

「れろ、れろ……、こんな感じか?」

固定のために肉棒を両手で握り、言われた通りそのまま見上げるようにフォークと目を合わせながら亀頭を軽く舐めてみる。
おお、なんか凄くそれっぽい感じになった気がするぞ。
暫く言われたように先端へと重点的に舌を這わせる事にする。

フォーク > 女が視線を合わせながら、舌を使う。
たまらない心地よさだった。

「いい。すごくいい! 立派なフェラチオだ」

変な褒め方をしている気もするが、どこに出しても恥ずかしくない口淫を女は行っている。
滑った舌が敏感な亀頭に絡む。
男根は熱くなっているというのに、女の舌の熱さが駆け上がってきた。
やはり男の出す熱と女の出す熱は別物なのだろう、と男は快楽にむせぶ脳裏で考える。

「で、だな。亀頭の裏側な。筋がとおって窪みがあるだろ。
 そこを重点的に舐めるといいぞ。そこは多分、男ならたまらない部位だ」

他の男のはよくわからないが、人体の構造などそうそう変わっているものではない。
おそらくそこは男子の快楽のツボの一つに違いないと女に教えた。

エナーシア > 「ちろっ……んぅ、世辞などいらん。そういう事はせめて射精してから言うのだな」

褒められはしたがこのぐらいで浮かれていてはいけない。
それにこの男の事だしそこは話半分に聞いておこう。
そもそもまだ始まったばかりだ。
ちゃんと評価を下されるには、やはり射精までいかなくてはな。
しかしこう、具体的なアドバイスをしてもらえるのは実に助かる。
数度頷きながら、言われたように窪みを重点的に……。
重点的にというと、ここを舌先でほじるようにすればいいのだろうか?
とりあえず試してみるか。
違ったら何か言うだろう。
質問する前に思いついた方法でやってみる事にした。

フォーク > 男は褒めて延ばすタイプだった。
適度な自信は向上心をさらに成長させる。やり過ぎは危ういがそこはバランスの問題だ。

「そうか。じゃあまずは射精まで頑張ってみるか!」

確かに性技は絶頂まで導けてこそ成ったと言える。
断続的に快楽を与え続けてはいるが、女の口淫はまだ成功したとは言えない。
女の舌が亀頭の窪みを弄ってきた。
ぶるり、と男の背が震える。快感なのだ。最高なのだ。

「ようし、じゃあ先端の赤黒い所を口に入れろ。そして飴玉を転がすように舌で舐め回すんだ」

ようやく口内に侵入することになる。
やはり一発目は女の口の中に発射したい。そんな男心だった。

エナーシア > 「当たり前だ、射精させずにフェラチオなどといえん」

そして次は飴玉を転がすようにか。
それは結構分かりやすいな。
肉棒が口内に侵入すると、舌先で舐めていたのとは全く違う濃度の臭いが鼻孔に抜ける。
これが快いか不快かはいまいち判断がつかないが、少なくとも不快ではないな。
ともかく口に入ってきた先端を言われたように、転がすように舐める。
こうなるといちいち質問できないので言われた事を聞き逃さないように、更に集中しなくては。

フォーク > 「ん……」

女の口内とはどうしてこうも熱いのだろう。
亀頭を含まれただけで、全身が温かいものに包まれたような感覚になる。

「ここでちょいとしたテクニックな」

大きな掌を、女の頭に置く。

「たまに男に委ねるんだ。男のやりたいように頭を動かさせる。
 その間、自分は人ではなく射精するための肉の穴と思えばいい。
 男は自分の気持ちいいように動かすから、そこで相手の快楽の場所を掴めばいい」

相手におまかせすることで、その相手の好みを探れることもある。
男は女の頭を動かした。
男根が内側から女の頬を突いてふくらませる。そして歯ブラシのように肉竿で女の歯を擦った。

エナーシア > な、なんだか急に難易度が上がった気がするぞ。
今の私には時期尚早ではないのか?
とはいえこれも練習。
戦いでも様子を伺って戦術を組み立てる事はあるし、そういうものと思えば……。
やっぱり上級者向けじゃないのか?

「ふもっ……、んぐぅ」

思わず口から吐き出し聞き直してみようと思ったが、そうこうしている内に口内の肉棒が半ば強引にかき回してくる。
繊細な口の中を乱暴に扱われるのは少々怖いが、繊細な部位という事では男の方も似たようなものだしあんまり無理はしないだろう。
言われたように、暫く好きなように口を使わせてみよう。