2016/08/04 のログ
ご案内:「ドレイクの墓場」にファルコさんが現れました。
ファルコ > かつて無数のドレイクが暴威を誇っていた場所は、閑散として人気もない。
殲滅したという怪物どころか、死体漁りの姿すら見当たらないのは、既にこの地には価値なしと判断した故か。

「とはいえ、まだ残骸や痕跡はわずかに残っているな。……少々臭うが。
やれやれ、完全な更地になる前に来られてよかった。
竜種としてはそれほど強くないとはいえ、残骸であっても素材は貴重だからな」

日雇いだろうか、統一感もないまちまちな身なりの人間を複数引き連れ、現場に到着した。
黒フードの男が、墓場と呼称される一帯を見渡し、すん、と鼻を鳴らす。
既に大まかな打ち合わせは済んでいるのか、さっそく幾人かが汚れた地面とそうでないところの境界に、杭を打ち付け始めた。

ファルコ > 「しかし。この砕かれた石群、それにこのクレーターは、まだ新しいようだな。
中央に獣が踏ん張ったような足跡がめり込んでいる。ドレイクの生き残りが居たわけではなさそうだが、一体誰が……」

仮面の奥から視線を飛ばしてみれば、長距離にわたって抉られた地面、真っ二つに絶たれた巨石、さらにはその向こうに巨大な倒木。
何者かは分からないが、滅茶苦茶に荒らされたおかげでこっちは探索するにも一苦労である。

と。首を下に傾げて、注意深く地面を見回していた者が、甲高い声を上げて知らせる。
男はふわりと浮き上がり、その近くまで軽快に宙を跳んでいくと、地面を汚さないよう着地した。
指差されるまでもなく、瓦礫に埋もれつつもわずかに突き出た、白い物体を発見する。

「ふむ、よく見つけたな。
君、これがドレイクの骨だ。バラバラに砕かれて一見それとはわからんだろうがな。
周囲の地面も変色している、骨だけ掘り出さずに地面ごと持ち帰ったほうがいいだろう。
その調子で周囲を散策してくれ、皮や内臓はさすがに日数たっているから無理だろうが、角や爪は見つかろう」

ご案内:「ドレイクの墓場」にハナビさんが現れました。
ファルコ > 確認のために、杭で囲われた一帯をひょいひょいと飛び回る、黒フードの男。
ドレイクの骨はクリーム色に変色していてわかりやすいが、時々、ただの白石だったりすることもあり、
そのたびに、機嫌を良くして飛び上がったり、気分を害して落ち込んだり、忙しそうにしていた。

「何、少々汚れてもかまわん。
うっかり浄化術を使わんようにしてくれよ、折角の素材が消滅してしまう恐れがあるからな」

集めたドレイクの骨片は、土塊ごと掘り起こして木箱に詰め込ませる。
広範囲に散らばっているせいで大量の箱数になってしまった。運ぶには少々骨が折れそうだ。人族の荷担ぎであればの話だが。

ハナビ > グリフォンの男がドレイクの残骸を漁っているすぐ近く。
100mくらい離れた地点の地面が突然ドゴォンッ!と爆発したかのように土煙が上がる。
鋭い眼光でそちらを見たならば、何かが空から叩きつけられたかのように地面に衝突した瞬間がわかるだろうか。

土煙が晴れ、地面には隕石でも落ちたかのようなクレーターが出現し、その中心には傷つきながらも空を見上げる少女がひとり。

そしてその頭上にはここらではドレイクとの縄張り争いがあったため姿を見ることがあまりなかった空の番人と呼ばれる魔竜、リンドヴルムが雲を裂いて出現した。

5,6mはある雄々しい体。光沢のある翡翠の鱗。前足はなくワイバーンに近いシルエット。角はねじり曲がり、激しい眼光が地面を這いつくばるような地上の種を一瞥する。
少女は戦ってるようだが・・・。
理由なき戦いにかかわらずこのまま逃げるもよし、無視するもよし、戦うもよし・・・それとも別の選択肢があるか。
鳥人の学者へ回答が求められた。

ファルコ > 採掘の現場から離れたところで、突如発生する衝撃、爆音。
何事かと目をむいてそちらを見れば、何かが空を割って地面に墜落するのが見えた。

「何事だ!……吾輩ちょっと様子を見てこよう」

土煙を手で払いのけながら宙を跳ねていく。向かう先は、勿論先ほど空いたクレーターへ。
上空に目を向ければ、5~6mはあろう身体の飛竜を発見。
ふむ、あれはリンドヴルムか。競争相手が居なくなったので調子に乗っているのだろうか。
後ろを振り返ると、大空を舞う影にある者は恐れをなし、ある者は震えながら弓や剣を抜こうとしている。
彼らを手で制し、引き続き採掘を続けるように促すと、仮面に手をかけながら、足早に歩きだした。
あれだけの衝撃にもかかわらず意識を保っていそうな少女?に呼び掛けるが聞こえるだろうか。

「娘よ、何故戦う。そのような体では空中戦に対応できんぞ」

ハナビ > 「あいたたた・・・全くもう、好き勝手してくれるなぁ」

立ち上がった少女はまるで透明なボールに入っているように、周囲に障壁のようなオーラが張られていた。武器どころか防具もつけず、ほぼ裸のような格好。レオタードのように獣毛が体を覆ってる程度の頼りない格好だ。しかし、その体から感じる戦闘力はそこらの魔物よりも数弾上に感じるかもしれず。
力を抜いて障壁を一度消し去ると、近くに来た仮面のローブに気づいたのか視線を飛龍から離さないようにしつつ意識だけを向けて。

「この飛竜が来たのはボクが原因だから・・・近くに発掘隊の人がいるのが見えたから、そっちに行かないように戦ってたんだよ。でも、さすがにドレイクと違って、空を飛ぶ飛竜は結構苦労するなぁ・・・」

羽を持たず、利便的な魔法が使えない少女は、姿勢を低くして頭上からくる猛毒の爪を体捌きで躱しつつ、上段の回し蹴りを放って迎撃する。
しかし上空のために相手はいくらでも後方へ逃れるため、これといった決め手にならずジリ貧が続いていく。
攻撃のたびに、ファルコが先ほど発見したような獣のような足跡がクレーターの中にできていくだろう。

ファルコ > 透明な球体のような力場に入った少女が、立ち上がったのが見えた。
ぼやく程度には、まだ戦意はあるようだ。

「原因とな。ひょっとすると一月ほど前にここらでドレイクを討伐していたという者達と何か関係があるのか?
確かにあれならばあまり飛ばんが」

改めて、少女の身なりを眺める。半人半獣、ミレーらしき姿のようでもあるがそれにしては獣性が強く発現しているように見えた。
それに、防具という防具をつけず露出の多い恰好ではあるがそれでも立ち回っているあたり、並の戦士ではなさそうだ。

「なるほど、球状の高度な障壁か……防護の力はあるようだな。道理で、衝突しても肉塊にならんわけだ。
だが遠距離攻撃を持たぬとみえる。このままやり合ってもリーチの差は容易に埋められぬだろう」

そういう男が片手で仮面を外して放ると、顔面中央付近から鋭いくちばしが伸びてくる。
黒いフードを後ろへ払いのけると、猛禽類のような頭が見えて。

「仮にだが、距離さえ詰めれば勝算はあるか?
あるならば吾輩が連れていってやろう」

左右で色の違う、赤と青の眼。
さらに額部分に見える黄色の眼で空の魔竜を睨み返しながら、大きな黒い鷲の首が喋った。
袖から鉤爪の生えた腕が伸びてきて、果敢に戦う少女の前方に差し出される。

ハナビ > 「・・・う、うん。それは後で話すよっ!」

やや冷や汗を流しつつ、眼前を掠める爪を避け、ファルコの方へ飛び跳ねながら着地する。
狐の尾を揺るがし、このような状況でも落ち着き払っているローブの男性の素性を探るべく、岩を蹴り飛ばして牽制しながら会話を続けていく。

「うん、ギリギリ作るのが間に合ったよ・・・ただ、見ての通りボクは円居地が苦手でさ、対抗手段はあるんだけどまだ使いこなせないんだ・・・っ!」

こちらへ向けて大きく開かれる口。そこから吐き出される緑色の吐息。
リンドヴルムの持つ強酸性のアシッドブレス。
わずかに触れるだけで肌が焼けるそれを横っ飛びで回避し、間合いを計りつつファルコの側へと向かう。

「ふっ、ぅ・・・うん、ボクの爪が届く距離・・・1mまで近づければ勝てる。お願い、手を貸して」

ローブをはだければ、自分と同じく二色の眸を持つ鳥人が見えるのだろう。伸ばされた鈎爪をつかみ、自分の体の制御を相手に預ける。
同じ獣人に分類される種族同士だからか、それとも相手の紳士的な態度か、不思議と疑うことなく預けることができた。

ファルコ > 「確かに、今は悠長に話している場合ではないな。まずは脅威を取り除かねば」

緑色の吐息から逃れるように、こちらへ向かって駆けてくる獣人の少女。
当て損ねた飛沫が地面を焼き草を溶かせば、ひゅう、と口笛を鳴らす。
ローブを脱ぎ去ると、もふもふとした羽毛が飛び出し、いよいよ鳥人めいてくる。
そうしてファルコは、共闘を求められれば、上機嫌で応えた。

「よかろう!
射程に入ったら迷わず撃ちこめ、空振っても拾い上げて足場になってやる」

言うが早いか、鳥頭の男は鉤爪を手で取った少女を軽く投げ上げると身をゆすり、竜にも劣らぬ巨体を現した。
それは嘴から翼から、すべてが漆黒のグリフォン。宙に浮く少女を獅子の背中で受け止めれば、翼をばさりと鳴らして空を駆けあがり、魔竜と対峙する。
グリフォンの背中は、分厚い毛皮で覆われており、思ったより広い。
立って構えをとるくらいの幅はあるだろう。

「征くぞ、奴の死角に回り込んで接近する!」

ハナビ > 「わわっ!?」
不意にポンッと頭上に放りあげられれば流石に驚いたのか、驚愕の表情を浮かべる。飛竜もそれをチャンスと見たのか、襲いかかろうと翼を叩きつけるように振り回すが、その一撃は漆黒の魔鳥によって阻まれることになるだろう。

受け止められた背中は大きく、広い。そして力強く空を飛んでいくのを肌で感じる。グリフォンの背に立って、息を整えてから飛龍と対峙する。

「凄い・・・こんなに早く飛べるんだ。それに、とても強い力を感じるよ」
流れるように変わっていく景色。先程までは足元からしか見えなかった飛竜が、目線と同じ高さにいる。
ファルコが相手の死角をつくように回り込もうとすれば、飛竜も負けじとブレスに爪、そして猛毒の針を持つ尾で迎撃を試みるだろう。
それに対抗するスピードに耐えるように、姿勢を落として背中に捕まり、チャンスを待つ。

「オッケー・・・・・・・・・よしっ!」
死闘の末、ゼロ距離まで肉薄すれば、ファルコの背を蹴ってさらに飛竜の頭上へ。そして右足に落雷をイメージした魔力を宿し、具現化させる。
魔法とは異なる異質の力を宿したそれは、バチバチとスパークを放ち稲光を纏っていく。そして、体を回転させながらその右足を思い切り飛竜の額へと落とし、落雷のように轟音を立てながら飛竜の体が地面めがけて一直線に落下していくだろう。

「五行十二形・・・”崩龍”」

そして攻撃を終えた少女は、着地をしようと体を翻すが・・・

「・・・・・・あれ?」
想像以上に力を込めてしまったハナビは、体を立て直せずそのままひゅーーーっと落下していき・・・。