2015/12/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > (木々の合間、降りた闇の帳。
パチパチと燃え盛るたき火の傍らで、腰を降ろす男が一人)

やっと遠出の仕事も終わって、街に戻れば金が手に入る。
――がっ
(炙った干し肉を歯で齧り取ると、唾液と混ぜて咀嚼して)

帰るのも一苦労だな。
(瓶に入った琥珀色の液体を、一口含む。
強いアルコールの匂いが鼻を抜け、喉に焼け付くような感覚が残る)

アシュトン > (酒をたしなむ間にコートの内側から取り出すのは、一冊の古びた手帳。
ペラペラと捲るれば描かれているのは、手書きの地図。
王都周辺に始まり、これまで行ったことのある場所の地理情報が事細かに書き込まれている)

普通に移動して、後2、3日って所か。
乗り合いの馬車でも見つかれば、もう少し楽が出来るんだがな。
(確認の終えた手帳を仕舞うと、人差し指を微かに動かす。
繋がるのは、ごくごくと細い糸。
周囲一帯に張り巡らされており、何者かが接触すれば感知できる仕組みとなっている。
野営の為の安全策、と言った所だ)

アシュトン > さて、それじゃ少し寝るとするか。
(コートの前を強めに重ねあわせると、木の幹に体重を預け。
ゆっくりと両目を閉じると、体を脱力させてゆく。
寝息も立てない、極々と浅い睡眠。
覚醒と睡眠を繰り返し、やがて朝が訪れる)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/鬱蒼とした森」に魔王サタンさんが現れました。
魔王サタン > 既に日は沈み夜天に浮かぶ月の明かりも、この森の中には届かない。
時折、草木の揺れる音や小鳥の囀りの音も奏でられるが
辺りは闇。
そんな中を、礼装を纏った男が、自らの眷属である黒毛を持つ狼を2匹連れ、木々の間をゆったりと
ポケットへと両手を突っ込み歩みゆく。
連れた狼達はそんな男の左右で一歩引いた距離で追従しており。

「散歩というには聊か地味な場所だな…まったく。」

そも狼を連れての散歩もどうかと思うが
今宵この森へと訪れたのは、王都の通りにてこの森を根城とし、街道を襲う賊の存在を聞き及んだから。
別段その賊の行いに対し抱く感情など何も無い男なのだが
ここ最近、自らの眷属である若い狼達が戦いたい、暴れたいとの衝動が日に日に強くなっており、そんな衝動のガス抜きも兼ねた狩り――否、散歩であった。

魔王サタン > 森の奥深くへと向えば向うほど、届く明かりは少なく
そして森の中には幾つか魔の気配が潜んでいる事も察知できる。
されど、その気配の全てが襲い掛かってこない
否、襲い掛かることを恐怖する程に、男の纏う魔力の気配は強大かつ、濃密な破壊と暴力の色を持つ。
構えもせず自然体に力を発しながら、更に奥深くへと進んでゆく中、優れた嗅覚を持つ狼達が小さく一度、二度と吼え、主へと何かを伝えた。

「…この先に塒があるか…。数は……ふむ。」

この森に潜む賊の存在と数を的確に嗅ぎ取り、伝えられた情報を吟味するが、所詮相手は人間の賊。
こちらは2匹と少数であったとしても
彼らの持つ俊敏さと、容易く肉を引き裂く爪と食いちぎる牙を有する狼達の敵ではあるまいと判断し。

「――…往け。好きなだけ殺し、喰いちぎるが良い。」

一言そう自らの眷属に命じ、2匹は暗闇の森の中一目散に駆け抜けて闇に消えてゆく。
――暫くして森の奥で微かな悲鳴のようなものが鳴り広がるも、気にした風も無く、片手をポケットより抜き出し上着の中へと潜ませれば、其処に入れていたシガリロケースより1本、細葉巻を取り出し咥え、指先で発現さてた火を灯し燻らせ始めた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/鬱蒼とした森」に魔王アスタルテさんが現れました。
魔王アスタルテ > (アスタルテは一人、この森を散歩していた。
 先程まで魔王のお仕事としてこの辺り一帯の大きな魔物集団を宥めていたのだ。
 わりと近くで、大きな悲鳴が聞こえる。
 大方、この近くにいる“魔王”の眷属がやったのだろう)

『なんだ……今の悲鳴は?』
『さ、さぁ……』
『そんな事より、この魔族の少女……さっさと犯しちまおうぜ』
(そんな会話をするのは、今アスタルテを囲んでいる数十名の賊である。
 今にも、アスタルテに襲いかからんとしているところだ。
 当のアスタルテは大木に凭れながら、周囲の賊の男なんぞに微塵の興味を示さないかのような態度をとっている。
 いや、実際に彼等のような三下に微塵の興味もない。
 もはや、魔王の力を持って返り討ちにする気すらない程に、無関心であった)

魔王サタン > 2匹の眷属が、しなやかな、されどバネのような四肢で瞬発力を生み出し、地を駆け抜け
自らが見つけた賊の数名をその爪と牙で切り裂き食い千切ってゆく。
時に単独で、かと思えば1匹は囮となって注意を逸らし、背後からもう一匹が襲う。
高い知性を持つ彼らは獣ではなく、今この場においては狩猟者。
そうして、一団は為す術も無く薄汚れた血を撒き散らし、物言わぬ肉の塊へと姿を変えた。

そして彼らの鼻は、この惨状に近い場所で少女を囲む数十名の賊の存在を嗅ぎ取り、赤い瞳に凶暴な色を宿し、一匹は一際大きく、森の中木霊する咆哮を上げて、自らの主へと次の獲物を狩りに行くと告げ伝え、森の中を駆け抜けてゆく。

少女を囲む数十名の男の賊へと、彼らは一陣の風のように
深い森の中駆け抜けて、少女の眼前で、下衆な言葉を交わす彼らへ、その牙を突き立てる事となるだろうか。
二匹の狼の持つ魔力は、少女も知っているであろう男の魔力の色と同じ物を宿していた。

――そして、木霊した遠吠えを男は耳で聞き取れば、その遠吠えに込められた言葉を理解し、咥えていた細葉巻を僅かに灰に返しながら香りを燻らせていた男は、口腔を満たしていた美味な煙を吐き出し、口端僅かに開き

「――…意外と数は多いか。
もう少し連れてくれば、幾分か彼らの気も紛れたかも知れんな…。」

ぽつり、そう呟き再度葉巻を燻らせて、彼らが満足するまで暴れさせる事にした。
今宵、自らは彼らの引率であり、主役は彼らだとでも言うように、森の中一人、森の奥で起こる惨状に無関心なように葉巻を味わっていた。