2015/11/10 のログ
■エレイ > 焼けてパリッとした食感の皮と、中のあっさり目の肉のコントラストに一人舌鼓を打っていた所。
唐突にそこに出現した気配にぴく、と小さく身じろぎした。
もしゃもしゃと口元を動かしながらそちらを見れば、樹の影から顔を出しているのは幼女だった。
思わず目を丸くしながら、投げかけられた言葉に一瞬遅れて反応する。
「……なんだ急に顔出してきた幼女。ってゆーか坊ってお前…まあ別にいいぞ俺は優しいからな。何者かはわからにいがそんな寒そうな格好をしていてはもつわけもない」
男は訝しげな目を向けるも、露骨に警戒するような気配も発してはいない。
とりあえず、申し出には妙な自賛を交えながら承諾した。
ちょいちょいと片手で手招きし、こちらに来るよう促して。
■アイ > 「ほうかね、ありがたいのぅ。では遠慮せずに使わせてもらおうまいかね」
ニコニコと微笑みながら焚き火へと近づき、それを挟んでエレイの対面へとしゃがみ込む。
携えていた白い包みから何かの根を取り出すと、足元に落ちていた細い枯れ枝の股に挟み込み火にかざす。
「じきに冬じゃで、なかなか火の使いも捕まらんで難儀しておったよ。
ほんに、優しい若いもんがおって助かったのぅ。坊は、宿無しかえ?」
怪しげな童女はさも楽しげに、ニコニコと笑みを浮かべたままそんな事を言ってきた。
■エレイ > 「それほどでもない。謙虚だから褒められても自慢はしない」
優しいと肯定されればドヤ顔でそうのたまい。それから対面に座った幼女が何やら火にかざし始めるのを眺めながら、問いにはふむ、と思案して。
「……まああ宿無しといえばそうかな? このままそのへんで野営すんのも、街までひとっ走りするのも気分次第といったところかな」
なんて答えを返す。
それから、また彼女の手元に視線を落とし。
「…でそれ、何焼いてんの? ああちなみに俺は謙虚な旅人で冒険者のエレイというのだが呼ぶときは気軽にさん付けで良い。いつまでも幼女じゃアレなのでそっちの名前も教えてくれると嬉しいんだが?」
問いかけてから、ふと思い出したようにけったいな口調で名を名乗る。
そして相手の名も問うてみて。
■アイ > エレイの言葉を、うんうんと頷きながら聞く。
その表情はどこかしら、楽しそうというより嬉しそうでもあり。
「ほうかね、ほうかね。気の向くままに暮らすのも楽しゅうてええの。
ん、坊はエレイさんちゅうのじゃな。ばばはの、アイじゃよ。」
くるりと手を返し、根の焼け具合を見る。
もう少し焼いた方が良いと判断したのか、それをまた火にかざす。
「これはのぅ、毒草の根やよ。そのまま口にすりゃ、こっぴどく腹を下すけれども、
ホレこうやって程良く焼いてすり潰すとな、ええ傷薬になりよるんよ。
えれいさんも、一本持っていくかね?ばばめに火を貸してくれた礼やよ。」
丁度良く焼けたらしく、枝を焚き火からはなしてフー、フーと息を吹きかける。
話し言葉はおばあさんのようであるが、その表情は確かに幼児のそれだ。なんとも奇妙である。
■エレイ > 「アイちゃんだな。ヨロシクだぜ」
さん付けしてもらって気を良くし、ビシ、とサムズアップ。
彼女の様子を眺めつつ、ヘビを食べ終えると次は魚に手を付け始め。
焼きたてなのでアチチ、とか熱がったりしつつ
「ほう……そうなのかと感心顔になる。ではお言葉に甘えて後で頂くとしよう俺は年寄りの好意は無為にはしない。おばあちゃんの知恵袋という名セリフもあるしな」
と、笑顔で頷く。
明らかに只の人間でないのは確かめなくても解るが、それでも見た目はロリなのに口調と雰囲気がおばあちゃんというのはなんとも不思議なものであることだなあ、なんて考えつつ。
「……しかし晩飯のお供がロリおばあちゃんになるとはちょっと意外な展開だった感。いや、むさくるしい男が湧くよりは900倍マシなのだが」
ハッハッハ、と笑いながらそんなことをのたまって。
■アイ > 「ほれ、慌てて喰むと火傷をするえ。フーフーしてから口に運ぶとええよ。」
熱がるエレイの姿を、やはりニコニコと眺めつつ。
「ほうじゃな、色々抜けていく知恵も多いが。」
冷ました焼き根をまた白い布で包み、手頃な石を拾って、片方を台にもう片方でゴリゴリと潰していく。
むさ苦しい男よりもマシと言われれば可笑しそうにクックと笑い、言葉を続ける。
「なんの、もうちとうら若い乙女でも来りゃ尚良かったろうに、の?
ほれ、でけたでけた。」
布を開き、一本分を別の布に包むと焚き火を回り込んで近づいてその膝の上にちょんと包みを乗せる。
「ちょっと染みるがの、少々手酷い傷でもそこに塗りこんでやると治りが早くなるでな。
必要になったら思い出すとええよ。」
■エレイ > 「そうだなもしアイちゃんが俺好みのボインちゃんだったりしたらナンパしてただろうな」
言葉を否定せず、ヒヒ、とスケベそうな笑みを漏らしてそんな冗談交じりの台詞を返し。
出来上がった傷薬が包まれた布を膝の上に置かれると、サンキューだぜ、と言って受け取り。
「了解だべ。俺は生半可な奴には真似できない自然回復力を持ち手だから傷を負っても少しすれば治るが、薬とか回復魔術とかあればより早く治るからな回復アイテムは有り難い感。てか、コレはそのへんで採れるモノなのかな?」
おばあちゃんと認識しながらも、見た目は幼女なので思わずよしよしと片手を伸ばし頭を撫でていた。
それからなんとなく、じっと顔を見遣って
「……しかしアレだな。なんと言ったらいーのか…アイちゃんはひょっとして……こう、しぼんでいっているのか? だからそんな幼女なのか?」
その口調だけで生きた年月を感じさせるほどの彼女だが、触れて感じたその存在規模のあまりのか細さに首を傾げ。
その理由をなんとなく推測し、口にして問うてみた。
■アイ > 助兵衛な笑みを浮かべるエレイに合わせるように、アイもクックと笑う。
「そうじゃな、この辺りで取れはするが、薬に使えるのを見極めるのはちぃと骨かいね。
季節もそろそろおしまいじゃでな、同じものを採ろうとするならまた来年の秋かいね」
頭を撫でられれば目を細め、されるに任せていたが。
「んむ、萎んでいっておるな。若い頃はそれこそ、歳を取りゃしわくちゃになるものだとばかり思うとったが、こんなになってしもうたよ。
力が有り余っておりゃ、豊満なおなごにでも化けてやれたが、今のばばめにゃそうにもならんえ」
さて、とひと呼吸置き。
「そろそろ、ばばめは行くとするよ。火をかしてくれてありがとうな、えれいさんや。
空気が乾燥しておるえ、後始末にゃくれぐれも気をやっておくれな。」
■エレイ > 「──そうか…そいつは残念です」
眉下げて笑うと、数度わしゃわしゃとしてから手を離す。
そろそろ行く、という彼女に頷いて。
「わかってる森火事とか起こしたら非常にまずいことになるからな火の始末は大事。じゃあ……縁があったらまた会おうず、アイちゃん」
そう言って笑顔で、またぐっと親指を立てて見せた。
彼女が去るのを、見えなくなるまで見送る心算で。
■アイ > 親指を立て見送るエレイに、まるで乳母が子供にするかのように手を振って、アイはひょこりと顏を出した樹の影へと戻っていく。
そこを通って何処かへと行くのであれば、幹の反対側からまた姿が見える筈だったが、結局その童女の姿はそれっきり見えなくなってしまった。
しんしんと冷える冬も間近な夜に、焚き火にくべられた枝が静かにパチパチと音を立て続けていた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアイさんが去りました。
■エレイ > 木の影に姿を消し、それっきり気配すら消えてしまったのを感じれば、眉下げた笑みのまま軽く肩をすくめて。
それから魚をもしゃもしゃとゆっくり食べ、食事を済ませれば少ししてから火の後始末をし、どっこいせとか言いながら剣を担ぎ。
何処へ向かうのか──ともかく森の木々の中へとその姿を消して。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にエレミヤさんが現れました。
■エレミヤ > 「あ、ああああーーー!わーーー!」
仄暗く、狭い洞窟の中に反響する少女の声。声、と言うには些か甲高く、悲痛な色が滲むそれを上げながら、バタバタと慌ただしく駆ける足音を付随させる。
ぜえはあと荒い呼吸を繰り返し、漸く立ち止まった少女は周囲を見渡し――
「……ここ何処ぉッ!?!!?」
再び絶叫した。共に来ていた冒険者仲間の姿は何処にも見当たらない。それ所か、生き物の気配すら感じない。
呆然としていた表情が見る見る内に絶望へと塗り替えられ、がくりとその場に頽れた。
(迷子だ…っ!)
迷子であった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にグラフィーナさんが現れました。
■グラフィーナ > かつーん、かつーんーー。どこからか、岩をピッケルで穿つ音が響く。音が聞こえてくるのは、洞窟のある壁面だった。
壁の裏から、どがっ、と鈍い音がたって、細かい装飾の為されたピッケルの切っ先が飛び出してくる。
壁をがらがらと突き崩して少し広い空間に歩き出てきたのは、筋肉質のがっしりした身体をした革鎧を着た大柄な女だった。
女は、鏡で周囲を囲って指向性を持たせた照明器具であたりをざっと照らして確認してーー
「ここは…ああ、なるほど、此処に出たんだな。」
手にした地図に、ざっくりと印をつけてから、記憶にある出口の方へ、鉱石がどっさり入ったずた袋を抱え直して向かっていこう。その途中で息を荒げる少女の姿をみかければ…
「ーーこんなところで、どうしたよ。」
(相手の、あまりにも「慣れていない」様子に、おもわず苦笑しながら、少し離れたその少女に声をかけた…)
■エレミヤ > がらん…と哀れな音を発てて持ち手部分がぼんやりと明るく灯る杖が転がる。
これのお蔭で如何にか真っ暗闇に一人きり、だなんて悲惨な状況になってはいないが、少女の陥っている状態が好転するはずもない。心細さに鼻の奥がつーんと痺れを持ち、目頭が熱くなってきた。
「うっ…うっ…こんな所で迷子になって孤独死なんてしたら母様にも父様にも顔向けできないよう…っ」
今にも泣きそうになっていた矢先、耳が捉えた微かな足音。如何やら近付いてきているらしいそれに希望を抱くも、それも一瞬。仲間が探しに来てくれたのなら最高だが、ここには魔物もいるし良くない人達だっているのだ。そこまで考えが至って、ひええ、と情けの無い声が小さく零れ――
「ひっ―――ひえええ食べないでくださいごめんなさい命だけはお助けをーーーー!……あれ…?」
声をかけられた瞬間、みっともなく命乞いをした。
然し、数秒と経たずに冷静になって声の主を見返し、不思議そうに首を傾げる少女。
■グラフィーナ > すすり泣くような様子に、わしわし、と後ろで詰めた灰色の混じった茶色い髪を掻いて。
動転して命乞いをする様子を見て取れば、溜息を一つついて、歩みをそちらに向けよう。
「喰わねぇよ。命だってとらねぇし、迷ったんなら街まで連れて帰ってやるから、ぴーぴーなくんじゃねぇよ」
近くの岩に、がちゃりと重い音を立てて袋を下ろせば、その隣に腰を下ろし、背負った袋から、艶やかな林檎を一つ、取り出してそれを少女の方へ放り投げよう。
「迷ったか?まー、それでも喰っておちつけ。いいな?あんまり騒ぐと、あまり良くないもの、を呼ぶことになるぜ?」
自分の名前はグラフィーナ。街で鍛冶屋をやっているものだ、と簡単に自己紹介をすれば、今度は相手の番だ、とばかりに視線をむけて…。
■エレミヤ > 思っていた恐怖とは違って続けられた声は荒っぽいながらも優しい種類のそれ。
放られた林檎に気付けば、わたわたと杖から手を離し、両手で受け取ろうと試みる。悲しいかな、掌の上で二度三度と跳ねた後、ごろりと膝の上に落ちてしまったが。
「あ、ありがとうございます…っ―――ひえ…っ」
深く頭を下げてお礼を告げる少女へと重ねられた言葉は、一度は落ち着きかけた動悸を再び激しくさせるには十分な物。
情けない声を上げながら、袖口で林檎を磨き。
「グラフィーナさん、ですね。…先程は取り乱してしまい、すみませんでした。魔導士をやっています、エレミヤと言います。」
見習いですけど、と元より下がりがちな眉尻を下げて彼女に倣って自己紹介をした。
■グラフィーナ > 慌てた様子で林檎をお手玉する様子を苦笑しながら女は見守って。
「おちつけって。大丈夫だ、もう何も怖いことなんざねえからよ。」
少女にとっては魔境でも、女にとっては慣れ親しんだ場所。心配はいらない、と態度で示し
脅かして悪かったな、と、くつくつと笑いながら、水筒からハーブティをカップに注ぎ、それも飲め、とばかりに突きだして
「魔導師、つーことは、一人じゃねぇんだろ?仲間はどうしたよ。」
はぐれたときの集合方法とか決めてねぇのか?と少し首をかしげて問いかけながら、通路の橋にちらりと視線をやって。その視線の先では、怯えた様子のコボルトが這うようにして逃げていくのが見えて…。
「あんまり長居はしねぇ方がいいな。落ち着いたら歩きながら話そうぜ」
などと、仲間を呼ばれる前に移動した方がいいのではないか、と提案して…