2021/12/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレフェーリアさんが現れました。
レフェーリア > 本格的な冬の訪れを前にして、街道沿いの往来はよりその数を増している。
降り積もる雪の中では馬車や運び屋においても特別料金を指定される場合が殆どで、割高にならない瀬戸際の時期が今であるのだから。

勿論雇っている護衛にしても、或いは何処かへ移動しようとしている流れの冒険者にしても、動き辛くなる前に何処かへと移動をするのが大半だった。
道中の護衛と引き換えに、若しくは金銭や物品を差し出す者も居れば、腕に自信があるのか堂々と一人歩いて街道を走破しようとする者も稀ながら存在している。

「……うぅ」

その手慰みにと、そんな相手に持っていた治療薬を売り捌いていた彼女にしても、一時の休憩所の寒さが身に染みる今時、どうしようかと一人考える。
路銀の調達は出来たもののどこかしらの街に辿り着いても纏まった金額は必要であり、身一つで街に過ごすのは難しい。
かといってこの場でずっと過ごすのは不可能に近い。次に通り掛かってきた馬車に話を持ち掛けてみようか、或いはもう少し待ってからなのか。
簡易の休憩用の小屋の中の焚き火の側で薄着を纏った肢体を震わせながら、日が落ちる前に誰かが来るだろうかと思いを寄せながらも、

「…………」

下の話に持ち掛けてくれる相手が拾ってくれやしないか、森林地帯から何者かが訪れて来やしないだろうか。
そんな淫蕩な気分はじわじわと湧き上がって止まらず、ハプニングへの期待を宿しながら身を丸めていて…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にファーンさんが現れました。
ファーン > 冷たく乾いた風の吹きすさぶ平原の中、街道をカッポカッポと歩いてくる1匹の馬。
その毛並みは墨のように濃い黒で、まるで闇が馬の形を取って動いているかのよう。
背には鞍と荷袋をつけられ、長身痩躯のローブ姿の人影がその上にて手綱を握っている。
フードを目深に被り、昼間であってもその人影の人相は遠目にはなかなか伺い知ることが難しい。

次の宿場町まではまだ距離があるものの、馬の脚であればまだ慌てる時間ではない。
常歩にて街道を歩いてくる馬は、しかし騎乗する男の手綱の合図を受けてその歩みを止めた。
街道沿いに設置された簡易の休憩小屋、そのすぐそばで心細く焚き火を炊く女性の姿を認めたからだ。

「――もしもし、お嬢さん。そんなところで1人で焚き火をたいて、何をしているのかね?」

ローブの男は器用に手綱を操り、馬の鼻を小屋の方へと向けて街道から逸れつつ、声をかける。
中年の男の声だ。一応は女の身を案じているような、優しげな声色だ。

「もうじき日が暮れる。まさかそんな頼りない小屋で一晩を過ごす気かね?」

痩せたシルエットの男が、ローブのフードの奥から鋭い視線を投げかける。
女の身なりや身の上を値踏みするように、ねっとりと頭から足先までを何度も観察する。

レフェーリア > 時々に薪を足して過ごしている内に、馬の蹄の足音が小さく聞こえて来た。
足音からするに一人に一頭、自分と同じ様な流れの冒険者か何かの類かと思ったが、風邪に流れて伝わる感覚は明らかに人のそれではないもの。
休憩小屋を通り過ぎようとして足を止めた黒毛の馬に合わせて、ローブを纏った姿と視線が合う。
まだ日が完全に落ち切っておらず、休憩を行なうよりはずっと馬を歩かせ他方が最寄りの街に間に合うかもしれない。
そんな予感を抱きながらも、掛けられた声に対して小さく身構える。

「……朝方にこの場に辿り着いたので、どうしようかと……迷っていた、所です……」

掛けられて来た声と視線の中に人ならざる者の怪し気な気配を鮮明に感じ取りながら、素直な問いへの答えを返す。
自分をこの休憩所まで運んでくれた何処だかの商団は既に去っていったらしく、こうして誰かがすれ違ったのもこの日初めての事だった。
火を絶やさずにいれば夜の内に凍えてしまう事は無いだろうが、その内に誰かが通りかかるとも知れない、と。

「……他に行く当ても特には無いのですが……運んで頂けるのならば、ありがたい所です」

何度も此方を舐め回すように視線が往復しているのを感じ、薄着のローブ越しにも立派に実った肉付きを、
合わせて人間以外を相手取っていたのが一度や二度ではない気配までも感じ取る事が出来るだろうか。

ファーン > 普通の旅人であれば、馬は小屋のすぐそばに止めて手綱を杭などに結び、下馬するであろう。
だがローブの男は騎乗のまま小屋の入り口を馬の鼻面で開けさせ、身を屈めながら小屋へと入ってきた。
この黒い馬は、ファーンの《使い魔》である。
服従の魔術をかけられ、手綱などなくともファーンの意のままに動く。馬本来の生態から外れる行動すらも可能だ。
ゆえに、人間用の扉をくぐるなんて真似も容易にやってのけて。

「なんと。迷って立ち往生とな……まだ冬本番でないとはいえ、冷え込みをナメてかかるのはいけないな」

馬上の男は呆れたように声を上ずらせながら、首を傾げてみせる。やや芝居がかった仕草だ。
そんな男を乗せたまま、黒い雄馬は焚き火の熱や薪の爆ぜる音を一切意に介することなく女へと近寄ってくる。
季節にまったく見合わない薄着姿に大きな鼻を寄せて、ふんすふんす、と匂いを嗅いでくる。

「ふむ。運んでやりたいところではあるが、私の馬の鞍は1人用だし、旅の荷物も積んである。
 普通に2人乗りするのは厳しいな……」

口をヘの字に曲げて困った表情を見せる男。
馬はそんな男の困惑など馬耳東風に、ぶるる、と首を震わせながら嘶いた。
黒馬の後ろ脚の間には巨大な《肉棒》がその硬さを増しながらぶら下がり、猟銃のごとく砲口を揺らしている。
――女に対して欲情しているのか? 馬が人間に対して? 然り。
ファーンの使い魔となった動物は、本来の動物から離れた生態を見せることがある。基本的にはより邪悪な方向に。

「………どのような形でも構わないというのなら、運んであげる方法はあるがね?」

にわかに興奮の色を見せる馬をたしなめるように鬣を撫でながら、男は口角を上げつつ宣った。

レフェーリア > 何故か馬の身体がそのまま小屋の中へと押し入って来た事に驚きながらも、そこまで気にならない様に驚かないままその場にとどまり続けている。
馬から漂って来る独特の獣臭も嗅ぎ慣れたもので、その奥底に根付いている気配も既に理解しているものだった。
小屋に比べると当然ながら手狭に感じ、相手が騎乗したままの馬にぐっと顔を寄せられるのを感じて。

「……そう、ですけど……あっ…ぅ……」

巨大な顔が迫って来ていて、相手への返答にも少しだけ弊害を見せ始めている。
此方に向かって遠慮なく鼻先を寄せられ、匂いを嗅がれると同じく身体の奥に根付いた匂いも分かるかもしれない。
相手が居なければこのまま凍える夜を過ごしていたかもしれない以上は、話を如何にしても聞き入れたいというのも分かっている。
それ以上に溢れる気分と背徳感、馬から溢れ始めた熱はそれ以上に興味と、僅かずつの興奮とを頭の中に燃え上がらせてしまっていた。

「……そう、ですね……そう、なのです、けど……」

真摯な忠告の言葉と合わせて興奮の色を見せている馬の股間から、それこそ巨大な存在が反り立っているのが四つ足の隙間越しに見る事が出来ている。
小さな嘶きと合わせての興奮は馬と人間という種族の差すらも通り越して、一足飛びに彼女の中でも耐え難い熱気を宿すに至る。
人間相手に馬が欲情している様子と合わせて、人間側までもが何の手が加えられずとも馬を相手にして欲情し始めているという都合の良さ。

「……そ、そんな風に言われてしまうと、運ばれた方が、良いみたいではない、ですか…っ……」

強気になって言葉を発しても、既に焚き火の側に居たとは別の理由で頬肉は紅潮し、声色にも惚けた調子が混ざっている。
まだ相手に対して仔細は聞いても居ないのに。

「……分かり、ました……私を、運んでください……」

結局少しの抵抗も掻き消える様に、立ち上がりながら馬の顔に手を寄せて撫で上げつつ、不穏な相手の話を受け入れようと――

ファーン > 【部屋移動となります】
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からファーンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からレフェーリアさんが去りました。