2021/11/13 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 最近大掛かりな奪還戦がタナール砦で行われる、と言った話は本当であったらしく、馬車の休憩所とも言うべき拠点は取り分け往来が激しくなっているのが見える。
武功を上げようとする兵士に掻き入れ時だと騒ぐ傭兵達、商人もこぞっているらしくある種の祭りの様な雰囲気を漂わせていた。
「…………」
そんな中に一人の女性。彼女からしてみれば、戦があるかどうかも何も関係があるかは分からない。
なるようになれ、といった思いを密かに結びながら、自らが作り上げた薬と合わせて待ち構えるばかりである。
彼女自身が治療師として雇われたとしても。或いは、この集まりを狙った何者かに襲われても。
やがて移動を始めた兵達を大手を振って見送って、夜を迎えるより前に騒ぎも収まっていく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にボルフライさんが現れました。
■ボルフライ > 砦に近い比較的大がかりな街道の中継拠点は、やはり夜ともなれば警備の数も手薄になる。
兵士や傭兵がこぞって砦に向かいしばらくした後、拠点にいるのは商人や旅人、出遅れた少数の傭兵や士気の低い警備兵。
いつもと違う点としては、兵士や傭兵が戦前の散財をしてくれたおかげで、商人たちの懐は潤っているし、売れ残った高価な武具も揃っているというところ。
そんな拠点を嗅覚鋭くタイミングを狙い、襲撃を仕掛けられるのは必然だっだろう。
「野郎ども!得られるものはすべて奪え!抵抗する者には容赦するな!」
祭りのような騒ぎも収まり、人々は寝静まるか娼婦と愉しむかといったところで、影を潜めていたゲーティア傭兵団は拠点へと雄叫びを上げて攻め入り始める。
警備兵は悲鳴を上げて逃げまどい、度胸のある者は反撃するも虚しく散るか捕まるか。
どちらにせよゲーティア傭兵団はその噂通りに、命を奪うことはほとんどせず、拠点にいた者たちを根こそぎ捕らえてしまったろう。
捕らえられた者たちは広場に並べられ、そこで奴隷とする者の吟味が始まる。
そこにいたレフェーリアも捕まったかもしれないが、傭兵団のもはや顔なじみ異常の存在である彼女をすぐに認識した下っ端どもは、ボルフライの元へ丁重に彼女を連れて行ったかもしれない。
■レフェーリア > 眠っている間の護衛と荷物の預かりもも行うが、代わりに宿屋に比べても割高で、荷馬車を改造した快適とは言えない寝床。
ある程度は薬草を買ってくれた兵士達も居るので払える事は払えるのだが、どっちにしても少しの理不尽を感じながら寝入っていると。
一時の静寂を切り裂いて、何が起こっているのかと布団から飛び出せばそこは既に戦場の様相を保っていた。
同時に頼れる護衛兵と称されていた男が武器を放り出して去っていく姿を見届けて、襲撃をされたのだとやっと理解。
武器となり得る物も無く、無茶をすれば逃げる事だって可能だろうが。そんな矢先、自分が眠っていた寝床に向かって手を掛ける存在が。
「…………あ……」
そこで見付けたのは何かと見覚えのある相手であり、思わず声を出してしまった。
相手も相手で此方の事を認知しているらしく、振り翳そうとした武器も止まっているのが目に入る。
「……えっと、その…」
この場でたった一人で薬を売っていた女性なのに、襲撃で狙われない、何処かに消えてしまったというのはあまりに不自然に見えるだろう。
ひょっとしたら裏でこの襲撃を手引きした者等として扱われる知れないと思い、戸惑いながらも口を開き。
やがて広場に並べられた人々の中に、ずた袋を被せられた状態で一人の治療師も混ざってるのだった。
■ボルフライ > この傭兵団の長はともかく、その下っ端たちも悪い意味でそうそう極悪な性格をした者はいない。
レフェーリアの姿を見つけた団員もまた、抵抗も逃走も無駄という意味を込めて武器を振ろうとしたものの、その相手を見てさぞきょとんとした表情をしていただろう。
いずれにせよ彼女も他の捕らえられた哀れな人々に混じって、広場に並べさせられることになったのは、彼女の希望かそれとも団員の気遣いか。
いかにしてもボルフライには報告が行くだろう。
ずた袋をかぶせられていても、ボルフライには誤魔化しなど効かないのだから。
「…ほぉ、面白い偶然だな」
部下から報告を聞いたボルフライはいたく面白そうに笑う。
そんな彼は一人ひとりずた袋を外しては、奴隷として連れていく者と、放置していく者を決めていく。
奴隷の市場のニーズは性別関係なく若く健康な若者を好む、労働奴隷にしても性奴隷にしてもだ。
故に若者や子供が優先して選ばれ、荷馬車の中に次々と押し込まれていく。
やがてレフェーリアの袋も外されボルフライと目が合うが「さて、この女はどうしたものか」などと連れていくか悩むようなことを言って笑う。
彼女がどちらを望んでいるかなどわかっているだろうに。
■レフェーリア > 視界と顔を隠された状態で人の集められている広場へと強制的に連行されて、後に待ち構えているのは残酷な選別のみ。
隙をついて逃げようとした者も強引に引っ立てられるか、兵士によってまた新たな血が流れて次の逃亡者が出ない為の威圧となる。
若々しい男が抵抗する声。選別を経てから女性が泣き叫ぶ声を上げながら何処かへと運ばれていく音。
儲けた分を払うから命だけは、と懇願した商人が結局みぐるみを残さず剥がされた上に、一番大きかったからと荷馬車まで奪われた辺りで、彼女のずた袋が外された。
「…………」
一応は恐怖に言葉も溢れ出さない、といった体で不安気な表情を相手へと、やはり見知った相手だった傭兵団の団長である相手の姿と相対する。
男性ならば労作業に従事する奴隷として、女性ならば当然ながら娼婦。それ以外はそのまま放置される。
とうに分かり切った答えを待ち構えながら、やがて処遇が決まったとなれば、
「…………」
余りの恐怖に従うしかなく、少しも声を放つ気すら起きない、といった体で、大人しく運ばれていこうとして。
■ボルフライ > ボルフライの答えなど誰もがわかりきっていただろう。
襲撃ではなく視察であったとしても、この男の姿を見れば自ら望んで姿を晒すことすらやりかねぬ程、この傭兵団との付き合いは深いのだから。
「ふっ…連れていくことにしよう、どんな楽しみが待っているだろうなぁ?」
レフェーリアに意味深なことを言いながら次の奴隷の選別に移る。
団員は彼女に近づけば、他の奴隷とは異なり丁重に彼女を荷馬車に乗せて。
そうしてやがて冷酷な選別は終わり、残されたのは老人や負傷者、値の付きそうにない者に死体。
拠点も略奪し尽くされ、財になるものは全て持っていかれてしまうのだ。
悲痛に泣き叫ぶ声を尻目に、奴隷と財を載せた荷馬車の隊列は夜明けを前にどこかへと走り去っていくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からボルフライさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からレフェーリアさんが去りました。