2021/05/11 のログ
■ソラム > 「(うわうわ、更に集まってきた....)...はぁ」
弓や武器は意味ないんだけどなぁ、ふとそんなことを思いつつ、肌が露出しない場所、そして心臓を重点的に鱗で固めると、衣服で覆われているところを鎧の如く鱗で武装する事で、見えない壁の完成である。最も、以前受けた大規模な神聖魔法には流石に耐え切れなかったが、強度は高いだろうか。
「______ソラム。それが私の名」
両手を上げるって、意味ある?心で思っても言葉にしないのは成長していると実感できる。肩を竦めつつ、無論投降する気などはサラサラ無い。サッと視線を走らせ、地形を再度確認する。
乱立した木々に岩で凸凹とした地面、そして______集まってきた別部隊の兵士達。
「お勤めご苦労さま.....だったっけ?」
そういった直後、考えていたプランを行動に移すため、動き始める。
地面を踏みつけ軽く跳躍する。
彼女からしての軽いであり、人間からするとかなりの振動が起こるだろうか。
砂埃を舞い上がらせながら空中へ飛び上がった少女はそのまま姿勢を変えて急降下。別の一団のど真ん中へと着地すると、再び砂埃を舞い上がらせながら今度は兵士達の間を走り回り始めるだろうか。
飛んで走って転がり回り、相手を撹乱し混乱させつつ、砂埃を煙幕として使い存在をわからなくすると木々に足をつけ、混乱しているであろう下の状況を確認するだろうか。
■ネメシス > 「「ソラム?」」
「「知らねえぞ。」」
団員達はこちらの指示に従わないソラムと名乗った相手に苛立ちを募らせていた。
元々ゴロツキの多い組織である。
そして、そんなゴロツキの一人が威嚇の為に矢を放ったと同じタイミングでソラムが移動を開始する。
羽を持っているのか、はたまた魔法か。
突如として飛び上がり、辺り一面に砂埃を撒き散らす。
事前に位置取りを決めることなく只単に集まっただけの団員達は同士討ちを恐れ、軽率な行動がとれなくなってしまう。
「あららら、混乱してるわねえ。」
その様子を遠くから観察しつつ、顎に手を宛て思案するネメシス。
ネメシスの位置からだと樹の上に上がった所までは確認できている。
「「副団長、御下がりください。」」
「駄目よ、私以外に相手できそうもないんじゃない?
それより…。」
ネメシスは事態を打開すべく、魔力を持った団員達を招集する。
彼らは樹の上に居るであろうソラム目掛け、電撃による射撃を開始する。
団員達の数は10名。
扇状に展開して状態での一斉攻撃。
全てを躱すことは流石に困難か。
■ソラム > 「......追撃っ!」
仄かな魔力の流れを感じ取ると、そちらへ顔を向ける。
放射状に放出された電撃を見ると、フッと笑みを浮かべると、木から飛び降り、右手には背中に吊っていたバスタードソードを。左手には腰に携帯していた純白のエストックを持つと、両方を地面に突き刺し、敢えて電撃を受けるだろうか。
命中した電撃を自身のエネルギーとして体内に取り込むと同時に、余分なエネルギーは突き刺していた二振りの剣を介してアーク線の如くエネルギーを地面へと逃すだろうか。
電撃を受けきり、無傷の状態を維持した少女の体は紅い電流が時折走り、帯電したまま、フードの中に隠れた瞳はじっと拠点付近で指揮する女性に視線を向けるだろうか。
■ネメシス > 「はぁ~~…。
こんなの初めて見たわ。」
魔法を放った団員達はこの場に連れてきているメンバーの中では手練れ。
そんな彼らの一斉射を容易く受け止め、傷一つない様子にネメシスは嘆息。
最悪の場合、一時的に撤収することも考えないといけない。
なんてことを考え始めていた。
基本的にこの騎士団は血沸き肉躍る強敵との対峙など望まない。
勝てそうにない相手となれば何も考えずに逃げるのだ。
「仕方ない、皆に引き上げの準備を始めさせて頂戴。
あれは私に用があるみたいだし、私が時間を稼ぐわ。」
手にした槍を構え、ソラムに視線を返す。
団員の一人が魔法で火球を空に放ち、破裂させる。
それは緊急時における引き上げの合図であった。
混乱状態の団員達も砂埃が晴れてきたこともあり、隊ごとにこの場から離れ始める。
■ソラム > 「.....ふぅ、一難去って、だね」
離れ始める兵士達を一瞥し、溜め息を漏らすが、槍を持って歩みを進めてくるのは、先程視線を向けていた女性。
「...(また一難、デスヨネー...)」
また戦闘かなと思いつつ、出来れば対話で済ませたいなぁと思考すると、地面に突き刺しっぱなしのエストックとバスタードソードを引き抜くと、エストックを越しの鞘に収め、継続して右手にバスタードソードの切っ先を地面につけてを保持したまま、女性を待つだろうか。
■ネメシス > 「……。」
先ほどの飛翔でこちらに攻撃を仕掛けてくると踏んでいたネメシスであったが、
意外にも攻撃してくる気配は無かった。
槍を構えたまま、ネメシスはじりじりと交代を始める。
どのみち今の装備では対抗できそうにない。
となると、損害が出る前に引き上げるに限る。
■ソラム > 「あー....えっと....戦う気、無いんですが....」
ジリジリと後退していく女性にそう声をかけるだろうか。
出来れば対話で応じたかったのだが、悪戯気分でやったのは流石に申し訳ないと思い、女性とコンタクトを取ろうと思ったのだが、このままだとすたこら逃げてしまいそうだ。
「これで、いいんです、よね?」
右手に保持していたバスタードソードを地面に突き刺し、腰のエストックと太腿のハンドガンをホルスターごと取ると地面に置くだろうか。
■ネメシス > 「え?」
栗色の瞳がパチパチと瞬く。
てっきり騎士団を玩具にしに来たのかと思っていたが、どうやらそういうつもりでは無い様で。
既に引き上げた団員達の背中は小さい。
「あのねえ、そのつもりなら最初から素直に応じてくれる?」
槍を手にしたまま、頬を膨らませて近づくネメシス。
声には怒りと言うよりは呆れが多分に含まれている。
■ソラム > 「いや....突っかかられるのは、苦手で」
あはは、と頭を掻きながら苦笑いをするだろうか。
とりあえずは敵認定されずに済み、ホッと一息つくだろうか。
「あの人達には、申し訳なかった、ですね」
小さくなった背中を見つめ、再び女性へと視線を戻すだろうか。尤も、フードは今も被っているため、目元から上は確認できないが。
■ネメシス > 「まあ、いいけど…。」
なんだか色々と面倒になってきた。
いつもならこの手の相手は捕らえて色々と聞き出すのだが、今はそれをスムーズに行うための部下も居ない。
「そう思うなら次は大人しく従いなさい。
そうすれば少なくとも私が直々に話を聞いたわ。」
体中に魔力を宿していくネメシス。
無論、戦闘の為ではない。
「今日は疲れたし、私も引き上げるわ。
じゃあね、ソラム。」
結局、フードの下の顔は見えなかったが。
ネメシスは蓄えた魔力を足に集中させると、鎧を装着しているとは思えない速さでこの場を離脱する。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からネメシスさんが去りました。
■ソラム > 「あ、行っちゃった....」
人間業とは思えない速さで離脱していく女性を見送り、一人落とした武装を回収し装着し直すと、
「______一旦、帰ろうっと」
決断すると、少女は軽いランニングの感覚で走り始め、女性が走って行った方向とは別の___真逆の方向に走り始め、九頭龍山脈のある方向へと走り去っていくのだった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からソラムさんが去りました。