2020/02/02 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「Zzzz……」
昼下がり。
街道脇の草原で、草に埋もれるようにして仰向けに寝そべっている金髪の男が一人。
両手を組んで枕にしながら、晴天の空の下でマヌケな寝顔を晒して絶賛爆睡中だった。
時々吹き抜けてさわさわと草を揺らす風に擽られたように、ムニャムニャと寝言めいた
声を漏らしたりしつつ。
なお男の寝るその近くでは、男が連れたものらしき、馬具を装備した平均的な印象の鹿毛の馬が一匹佇んでいる。
時折草を食んだり、ゆったりと歩いたりするものの男から大きく離れることなく一定の距離を保ち続けていて。
のんきに眠る男と合わせて、ごくごく平和な光景を形成していた。
■エレイ > その後、男は陽が落ち始めた頃に馬に起こされ、寝ぼけ眼のまま馬に乗って王都に帰っていったとか……
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 「そいやっ」
さく、っと街道傍の崖に鍬を突き刺す修道服。
土を掘っては人力車の上に乗せて、また掘って。
ふー、ふー、っとこの寒さにも関わらず、汗をぽたり、ぽたりと落とす修道女。
闘技場で勝つという依頼は実行できなかった処罰は予想通り。
元々、無茶を言うなという話なのではあるけれど。
怪我をした指はそのままに、包帯と手袋で隠しての土木作業。
粘土を焼いて皿を作るための土集め。
「休憩、ですっ………」
突き刺した鍬を抜こうとしてズキリと指が痛んで、あー、っと思わず声が出て手を離す。
街道の木陰によろめきながら腰を下ろして、はー、はー、っと息を整える。
「………あとちょっと、なんですけどねー。」
苦笑を一つ浮かべてフードを取れば、艶やかな金色がさらりと流れ落ちる。
■シスター・マルレーン > 「これが終わったらリフレッシュできる場所にでも、って思ってはいるんですが。」
教会側が用意してくれる施設が、どうにもその、信用できないわけで。
とても気分がよくなるお香が炊いてある酒場やら、とても気分がよくなるマッサージなど。
何処からどう見ても怪しげな言葉が並んでいる宣伝文句を眺めて、思わず言った言葉。
「今日もお仕事がんばります。」
それしか言えなかったわけで。
「………夢の世界にご招待とか言われても。」
頬をぽりぽり。最近は夢もそんなに見ていない。
疲れ切って泥のように眠る毎日だ。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 今日は、剣闘士ではなく、冒険者としての仕事であった。
王都近辺の森での薬草取り。
まあ、貰いは少ないが、命の危険は少ない仕事であり、『ピクニックついでとしちゃ上々だなー』などと思いながら、街道を歩いていたら、
「……いや、流石にドン引きですぜ、旦那」
旦那ってこの場合誰だよ、いや単に何となく口をついて出ただけだよと現実逃避の一人ツッコミをしてしまった。
というのも、何か、前に知り合ったシスターが、土仕事していたのである。ソロで。
前も何か似たような事をしていたが、今回は一応魔物も盗賊も出るであろう街の外である。
神様七難八苦与える対象偏りすぎじゃねー?と思いつつ、取り敢えず声をかけてみることに。
「おーい、シスター。大凡の事情は承知の上で会話の枕として聞くけど、何やってるんだい?」
いや、ある意味何やってるのと聞きたいのは本当なんだけども。
■シスター・マルレーン > 「おや。お久しぶりです。今日は闘技場帰り……ってわけでもなさそうですね?」
やってきた男を見れば、やあ、と掌を向けて挨拶を一つ。以前、がっちり闘技場でやりあった経験のある相手だ。
だからか、闘技場の名前を出しながら、よっこいしょ、と立ち上がって。
「ここの粘土を捏ねて焼けば、お皿になるらしいんですよね。
またちょっと失敗しちゃいまして、ペナルティとしていろいろ頼まれてるんですよねー。」
とほほ、と肩を落としながらもいつも通りの明るい笑顔。
見た目はいつもと変わらぬ女。手袋の指の部分が普段よりちょっと膨らんでいることくらいか。
んー、っと背伸びをすれば、修道服ごしに女性らしい体のラインも変わらぬまま。
■クレス・ローベルク > 「ああ、副業が冒険者でね、その仕事帰り。
まあ、生きる為なら闘技場の収入でも十分なんだけど、遊び回るのにはお金が必要なわけですよ」
お、背伸びするとおっぱいが強調されてエロいな!と思う男。
まあ、流石にガン見はしない程度の慎ましさ(或いは紳士偽装度)は持っているので、そこは軽く流すとして、
「いや、どんな失敗をしたらそんな重労働をさせられる事になるのさ……いや、まあ、試運転用のゴーレムを5mも吹っ飛ばしたともなれば、そういう罰が来るのかもしれないけどさ」
と、ちょっとからかい気味に言う男。
男はリアルタイムでは見ていないが、剣闘士との飲み会で聞いていたのだ。
ちなみに、正確に伝わっているのは『傭兵が助太刀に入った結果ゴーレムがぶっとんだ』という所で、素材や飛距離は語る人物に依ってまちまちで、中には鉄製のゴーレムがふっとばされたという噂まであったりするが、敢えてそれは言わなかった。
「でもまあ、そういう事なら暫く暇つぶしに見てていい?
手伝うとなると、またちょっと面倒だろうからさ。流石に此処から王都まで古着屋を探しに走るのは辛いし」
と苦笑いしつつ、近くに座ることにする。
実際、歩き疲れたというのも合って、少しばかり腰を降ろしたかったのである。
■シスター・マルレーン > なーるほど? なんて、軽く微笑みながら相手の言葉を受け。
遊びまわる、と言われても説教などせず、それはそれ、と笑って流せる女。
「………あー、そいつは間違いというか。………
いや、一人で勝てなくて負けたんですよ。
5m吹っ飛ばしたんじゃなくて、私が飛ばされまして。」
話が交錯してるなー、なんて思いながらも、それはそれ。噂話に目くじらは立てずとも、目の前の男性には訂正をしておく。
ウッドゴーレムには勝てたけど、アイアンゴーレムには大怪我させられたこと。
ある程度の怪我は覚悟して負けようと思ったが、助けられたこと。
その上で「なぜ勝てなかったのか」と失敗を指摘され、更なる仕事が命じられたこと。
最後だけはとほほー、っと遠い目をした。
「あ、もうすぐ終わりますから、一緒に帰ると致しましょう。
ま、頼まれごとが荒事じゃないだけマシなんですけどね。」
そいやっ、と鍬を振るう女。元気に振舞っているが、ざっくりと鍬が突き刺さると動きが少し止まる。
見られながら、せっせと働く女。この寒いのに変わらず汗だくになりながら、人力車に土を積んでいって。
■クレス・ローベルク > 「あー、よくあるよね、そういうの。話に尾ひれが付くの。
っていうか、え?ふっとば"された"の?君が?」
それはそれでとんでもねえなと思う男。
この辺の情報の錯綜は、割と良くあることではあるが。
しかし、それはそれで恐ろしい話である。
主に、そんなものをか弱き女性にぶつけようとする上司の性根が。
「君割とマジでその内タナール辺りに飛ばされて兵士兼慰安官とかやらされてそうだしな……確かにそれに比べるとマシか。
解った。んじゃ、それまで待ってる」
しかし、本当に権力ってヤツは面倒なことと心の中で思いつつ、座ってぼんやりシスターを見ている。
動きを見れば、手の傷も何となく察せられるが……しかし。
だからといって、手伝う理由も、名目も浮かばないのが、少しばかり心苦しくはあった。
■シスター・マルレーン > 「はい。ひどいもんでした。
全力でガードはしたんですけど、重みが足りないというか。
物理的に身体が浮いたのは久々でしたよ。」
全くもう、と言いながら首を横に振る。
アイアンゴーレムを倒すために無茶をしたので、手もちょっと不調ですし、と説明を付け加え。
「あっはっは、まあ、上は"目立ちたい"ってだけですから。
私が元気に動いている間は、そんなことはきっと無いんじゃないですか。
………正直、最近は自信が無いんですけどね。」
ふー、っと吐息をつきながら、鍬を置く。
「そうだ、ちょっと見てもらえませんか?
休みにどうだ、と言われた場所なんですけど………どーも。」
チラシを見せることにする。
とても気分がよくなるお香が炊いてある酒場。
とても気分がよくなるマッサージ施設。
夢の世界を味わえる魔法施設。
様々な如何わしい文句が並ぶそれを見せつつ、ははは、と遠い目をして。
「………正直、最近は自信が無いんですけどね。」
改めて繰り返した。彼女の味方は身内にいないらしい。