2019/12/12 のログ
■カレス > 街道を離れ、決して近いとは言えない距離の岩陰へと隠れてしまうカレス。
岩に手を付くと、カレスも数秒の間だけ息を潜め、周辺の物音に耳を澄ます。
一人になった瞬間を野盗や野獣に襲われる可能性だってなくはない。そういった怪しい気配に神経を向けつつ……。
(……なぁんだ、ガルル君来ないのですね。
「夜の野原で一人になっちゃ危ない!」とか言ってくれるのを期待してたんですけど……)
街道の方から近づいてくる気配もない。さらに感覚を研ぎ澄ませば、荷台の位置でじっと番をしている少年の存在がわかる。
……ふっ、と自嘲気味に笑う。その笑みは今までの笑みとは少し異なる、艶っぽさと悪戯が入り混じった生々しい笑みである。
(なんて……何を期待してたんでしょうね、私は)
自嘲に自嘲を重ねると、引きつった笑みを解き、ココに来た本来の目的を果たそうとする。
……月明かりの下、おもむろにワンピースの裾をたくし上げる。白く細長い脚を露わにする。
否、それどころか下着を纏っていない下腹部までも惜しげなく。柔肌に穿たれた細いスリットを露出し、岩の根本へと向ける。
スカートを支えたまま、女性の秘部へと手を運び……そして、2本の指でそっと拡げる。くぱぁ…。
「………んっ」
――距離はあるが、ガルルが獣の耳を澄ませていたのならば聞こえるかも……聞こえてしまうかもしれない。
しとしとと雨音のように、水が地へと降り注ぐ音が。
もしかすれば、服をたくし上げる衣擦れの音、あるいはか細く漏れた嬌声すらも?
…………。
カレスが岩陰に隠れてから2分ほど。やや長い『お花摘み』を終え、女性は何食わぬ顔で街道へと戻ってくる。
しかし、その手には行く時には持ってなかった何かが握られている。花である。
荷台の傍まで来たカレスは、ワンピの裾の埃を払いつつ、手にした赤い花を差し出した。
「おまたせ、ガルル君。見張ってくれてありがとね。……ねぇ、これ見て?
マロウ……正確にはウスベニアオイ。食べられる花ですよ♪
半月前にそこの岩陰で見つけて、それから毎日ここを通る度に『育てて』たんです」
荷車の引き手を背負い直しながら、カレスは手にした花について説明する。
だが、少しでも野草の知識があるなら違和感に気付くだろう。冬を越せる草花ではあるが、さすがにこの季節には開花しない。
そして、本来は紫であるはずの花弁は怪しい赤に染まっている――。
「食べます?」
■ガルル > そわそわ。
荷馬車を背にしてそわそわ。
耳は警戒するためにキャップの中で、ピコピコと忙しなく動く。
もし危なそうだったらすぐに行かなければと考えながら…。
風の音、木の枝の揺れる音。
遠くから聞こえる獣の声。
そんな聞きなれた音に混じった、裾をたくし上げる衣擦れの音と、水音。
覗くのとはまた違った背徳的な感覚に胸の鼓動が強くなる。
盗み聞きに入るけど安全上仕方がないんだと…
自分を納得させるも脳裏に浮かび上がるのは、岩の奥は、秘部を露わにした女性。
か細い吐息に混じる嬌声に、あられもないおしっこをする姿。
やはり相手の女を意識して胸が高鳴ってしまう。
見に行きたい、でも我慢と頭の中はグルグルソワソワ。
相手のおしっこをするところを想像して興奮していたなんて、言えるわけもなく、ぎこちないながらも平然とした様子になるように努めてのお出迎え。
相手の顔を見れば、やっぱり行けばよかった?
などとちらりと頭をよぎるも、
フルフルと首を振って邪念を頭から追い出した。
そして、相手が手に持つ花に意識を向けたところで、告げられる花の名前。
「ん。ばっちり守ってたよ?
わ、すごい。 ウスベニアオイって、この時期には咲かないはずなのに…、
咲かせてしかも普通と違うなんて、やっぱりカレスお姉ちゃんってすごいんだね。」
と、本来は紫のそれが妖しい赤に染まっていても、相手が愛情いっぱいに育てたからであろうと、単純な少年は納得してしまう。
そして、不可能をなした相手にキラキラとした感動の表情を浮かべ。
そして、そんな大事に育てられた花を食べるかと問われれば…。
その赤い花と何食わぬ表情を浮かべる相手をちらちらと見比べて…。
「カレスお姉ちゃんの愛情いっぱいのお花?
食べてみたい。」
どんな味がするのだろう、また匂いは?もっと近くで確かめたいと、こくりとつばを飲み込むと細い喉を上下に動かし、誘われるようにゆっくりと歩み寄っていく…。
どうせなら、受け取って自分で食べるよりも、相手に食べさせて欲しい等と、ちらちら頭をよぎり。
視線は相手の顔と差し出された赤い花。
意を決して、相手を自然と下から見上げ…。
「えっとね? きちんと、荷車の番をしてたから…ご褒美にカレスお姉ちゃんに食べさせて欲しいな… だめ?」
等と、少し甘える様に見上げ、もし相手が受け入れれば、顎を少し傾け目を閉じて、口を薄く開ける。
中には少年の小さな赤い舌、軟らかい唇が無警戒に相手に晒された…。
■カレス > ――カレスの本性は淫魔である。
見た目はほぼ9割9分人間だけれど。性格にも生態にも、淫魔の性質は色濃く付いてはいないけれど。それでも淫魔である。
だから、束の間離れていた間に起こったガルルの心境の変化にも聡く気付くことができる。
……まぁ、たとえ彼が20m先の放尿音を聞く聴力を有してなかったとしても。
道中で突然女性が1人になろうとしたのだ、状況的に『お花摘み』であることは余程の坊ちゃんでもなければ察することだろう。
そして年頃の男子であれば、女性のはしたないトイレシーンを否応なく想像してしまうであろうことも。
――そして、カレスの本性は純血の淫魔ではないので。
この萌え始めた新芽を遠慮なく頂いてしまうような貪欲さも有してはいなかった。
ただ、悶々とする少年の素振り、一挙手一投足、荒く火照る呼吸を間近で感じているだけで、熟れた総身に充実感が走る。
「……ふふ、詳しいんですね、ガルル君は。
そうですね、普通この花は夏頃にしか咲きません。せっかく花を咲かせても、受粉を手伝う虫さんが居ませんからね。
でも、虫さんの代わりになる人がいれば花も開きます。私がしてるのは、そういうこと……フフッ♪」
季節外れの花の違和感をずばりと見抜かれ、内心では少しうろたえるカレス。
それでも柔和な笑みは崩さず、『花を育てる』行為についての自分なりの説明を連ねる。
――この花が寒い中で開いているのは別の要因によるものだけど、まぁ『虫の代わり』をすることだってあるから、強ち嘘でもない。
「……あらあら。食べさせて欲しい? ふふっ、意外と積極的にアプローチしてくるんですね、ガルル君。
ええ、でも。私の大事なお花たちを守ってくれてたんですから、そのくらいのおねだりは聞いて差し上げませんと」
食べさせて欲しい、という明け透けな要求にはカレスも一瞬どきりとする。ときめきという奴。
すぐに年長者としての余裕を取り戻すように愛らしい笑い声を奏でると、細く白い手指でマロウの大きな花弁を1つちぎった。
そして……。
「……私も食べたいですから。はんぶんこしましょう?」
花弁を桜色の唇に浅く挟むと、ぐっと腰をかがめ、ガルルの顔に己の顔を寄せた。
うっとりと目を細め、妖しい赤の瞳が間近に迫る。
鼻先がふれあいそうな距離だが、それよりも先に咥えた花弁が少年の唇にふわふわと触れるだろう。
甘酸っぱい花の香りに入り混じり、大人の雌の吐息や汗の香りがガルルの鼻孔をくすぐるだろう。
カレスから距離を詰めるのはそこまで。ガルルがどう反応するかを伺うように、カレスはじっと静止する。
■ガルル > あまり深い事を考えず人を疑うこともあまりしない少年。
商売であり理が絡めば別だが今は別。
目の前の相手、ワンピースの下の体を、そして尿をする所を生々しい音で想像していた少年。
悶々としながら息を懸命に整える姿を楽しまれている等と言うことは想像の外。
「えへへ。 うん。 やっぱりカレスお姉ちゃんは凄いね。」
お花を愛してお花に愛されてる? とか呟きながら素直に感動していて…。
虫の代わりに人が受粉させることも知っているし、人が管理している所でわざと虫を使うことも知っている。
なので不思議なお花位の認識。
そして、おねだりに相手御少し驚かせてしまったが受け入れられれば、照れながらも嬉しそうに微笑み。
相手が花弁を一つちぎり、続く言葉に今度は少年がドキリとする。
細く白い指の先に大きな花弁。
その指ごと食べてしまいたいと思っていたらその花弁はまさか相手の唇に、目を閉じて、唇を開け。
「ん… 半分こに。」
花弁と桜色の唇、鼻にうっとりと潤む赤い瞳。
目を閉じ、待っていれば近づくのは甘酸っぱい花の香りに女の香り。
薄く開いた唇の中、ちろりと舌が動き、待つが、焦らす様にお預けする様に、鼻先で止まってしまう。
「うぅぅ…」
恥ずかしい。
でも、目の前の花弁も相手の唇も、汗の香りも、もっと直接味わいたい。
我慢できるわけもなく小さな手、相手の腰に添えると服をきゅっと握りしめ、距離を詰める。
赤い舌を突き出すと顎をちろりと舐め、下唇へと滑らせ、花弁の表面を舐める。
近づく顔、少年の熱い吐息が花弁を揺らし相手の肌を擽る。
「カレスお姉ちゃん…我慢できないょ…」
ぽつりとつぶやくと、唇を薄く開け、花弁事相手の唇を啄み、先ほど肌を滑らせた舌で花弁を舐り、それを舌にのせたまま少年の舌を相手の口内に。
「んっ… ちゅ… っ…」
リップノイズに混じりながら、相手の口内に舌が入ることができれば互いの舌で花を搾る様に舌を絡ませ押しつぶし、ぬるりと舌を絡ませあいながらキスを深くしていこうとする。
二人の距離感もそれに合わせて近くなり、腰のあたりの裾を握っていた手は相手の腰に巻き付け小さく、火照った体を相手の身体にぐいぐいと押し付けていく。
花弁から味が無くなれば唾液ごと花弁をこくんと飲み込み、口の中が空っぽになったのを見せる様に唇を少し離して小さく口を開け、
濡れる金色の瞳で相手を見詰め視線を間近で絡ませながら、「もっと食べたい」と囁くようにおねだりをするだろう。
■カレス > 口移し、いや口づけと言っても過言ではない情熱的な「はんぶんこ」の姿勢。
ガルル少年はこの花弁をどう食べるだろうか?
器用に前歯を使って半分に噛みちぎる? うっかり唇が触れてしまう? 照れすぎて離れられてしまうかも?
少し悪戯が過ぎたかな……という軽い後悔の気持ちを圧し殺しつつ、まずは予想通り戸惑うガルルの仕草を伺う。
「………んふっ♥」
しかし、ガルルが次に取った行動には、さすがのカレスも一瞬どきりと硬直してしまう。
我慢ならないといった様子の少年が、己の唇に貪り付いてきたのだ。
小さな舌が顎を、花弁を、唇を舐める。色めき立った声色でカレスの母性本能が粟立つ。
そうして、されるがままに唇を強く合わせるディープキスへと持ち込まれてしまった。
繋がった口腔の中、2枚の舌の上で厚ぼったいマロウの花びらが弄ばれ、唾液で濡れていく。
「ん、んっ、ん………」
情熱的に押し入ってくる少年の舌を受け止めるように、カレスも濡れそぼった舌を絡ませる。
屈めた上体を切なげによじり、喉の先から色っぽい嬌声を漏らす。ワンピースの襟元から1日分の汗の香りが立ち上る。
少年の唾液の味、大人の雌の味、カレスの養分をたっぷり孕んだ赤い花弁の芳香が混ざり、熱気で煮詰まっていく。
――そこそこ経験を積んできたカレス、お膳立ても自分の仕業であるが、これほどに『美味』なキスは初めてであった。
驚きを隠せないまま、ペースを握り返せず、花弁がぐずぐずに崩れるまでたっぷりと口吸いを続けてしまう。
「……はふっ……ふぅ……ふ、ふふふ……っ♥ ガルル君ったら……」
やがて唇を離せば、目の前の少年は美しい金の瞳を潤ませながら、さらにもう1枚と慈悲を乞うてくる様子。
一度冷静さを取り戻せば年季の差、カレスは余裕ぶったセリフを紡ぎ、嫌らしい目つきでじっと少年を見下ろしてみせる。
「私ももっと食べさせて上げたいですけれど……早く王都に帰りませんと、朝になってしまいますよ?
ガルル君も疲れてるでしょうし、私も早く家に帰って明日の準備をしたいですから。
………そうだ。もう少し歩けば、『王都まで半マイル』の看板にたどり着くはずです。
そこまで歩いたら、また1枚食べさせてあげましょう、ね?」
カレスは再び腰を屈めて目線の高さを寄せ、そっと少年の頬に触れて、柔らかい声で諭すように言う。
そして屈んだまま、手にしたマロウの茎をそっと己の胸の谷間に差し込んで見せる。
柔らかい双丘は汗で湿り、つるつると吸い込まれていく。まるで花瓶に生けるように、花だけが襟元から覗く状態に。
「もしそれでもまだ物足りなかったら……フフッ、どうしましょうね? 私のお店で休みますか?
食べられる花、もう少し見つかるかもしれませんし」
食べられる花、の中にカレスも入っているかどうか。それはガルルの趣味と体調次第でもあろう。
ともかく、今は互いに家路を急ぐ身。道半ばで睦み合うのは危険も伴うし、性急すぎるのも趣味ではない。
物欲しそうに佇むガルルを制し、カレスは再び台車の取手を握り、前に進もうとする。
今回はこのガルルという少年に、カレスの花が持つ「毒気」を馴染ませる程度にしとこう、という魂胆。
次に、もっと落ち着いたシチュエーションで会った時に、その悶々が爆発する所を見れるならそれもまた良し。
さながらアナフィラキシーショックめいて……。
■ガルル > はむりと、啄む相手の唇。
我慢できずに真っすぐに相手と共に赤い花弁を求める。
繋がる口腔相手の唇からこぼれる熱い吐息、そして、汗の香り、様々な匂いと味に頭はくらくらとしてくる。
口の中花弁の味がなくなってしまえば名残惜し気に相手の舌を吸い、唇を離す。
帰らなければいけないという言葉を聞くと眉尻を下げてから一度相手の腰に回した腕の力を強め、ぎゅぅと抱きしめてから、離れがたいのを我慢しつつ体を離す。
柔らかな大人の色香の香る胸元に差し込まれる花。
禁色の瞳は潤みその中に顔を埋めたい等と考えつつも、相手の言葉にコクリと頷き。
火照った体を寒風で覚ましながら共に歩く。
甘い毒気を身に沁み込ませられ、悶々としながら言葉少なく看板の所まで、そしてまた次場所までと、その内相手のお店にもついていってしまうだろうか。
それを知るのは二人と花のみであった…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からガルルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からカレスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にゼルベッダさんが現れました。
■ゼルベッダ > 服を着るのは大嫌い、何故って自分は獣であるからだ。
首輪なんてもっと嫌いだ、何故って繋がれるのはもうごめんだからだ。
ニンゲンが馬車やその足で踏み均して舗装した街道。
メグメール街道を目的もなくさ迷い歩く、いや正確には目的はあるのだが、王都なんて持っての他で近くの村なんて無理、と他者と人の姿で接する事が稀なため多少コミュニケーションをとることが苦手となりつつあるが、それでもニンゲンとの交流を求めて歩いているのだ。
もちろん、今夜はオルトロスの誇りを飲み込んで人の姿で嫌な着衣も我慢してヒトの振りして歩いているのだ。
きっと誰かが声をかけてくれるに違いなく、あわよくば馬車でも乗せてくれるかも知れず、是だけ我慢してるのだから一つくらい良い事は起きると思いたい。
「…あー……あっアー……。」
左手の二本指で喉を押さえて発声練習も欠かせない。
出会いがしらにガルルルは非常によろしくない、今はヒトなのだヒトらしくニンゲンらしい振る舞いを心掛ける、それが縁に繋がるのだとヒトの声帯で声をだすのに慣れていないガラガラ声を発し続ける。
傍目から見たらこの寒い夜に薄手の服一枚に明かり無しで街道を歩いているのだから、普通の人間じゃない、と思われるだろうに、其処まで気がつくほど頭は良くないのである。