2019/07/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジードさんが現れました。
ジード > まれびとの道と呼ばれる街道に差し掛かって少しの場所。
如何にも怪しげな風体の旅人が大きなカバンを片手に街道を歩いていた。
時折カラン、と硬質な物が触れあうような音が手にしたカバンから誰もいない街道に響いていく。

「参った。思った以上に時間がかかる。
 いい素材は手に入ったけど俺の体力と足じゃ割に合わないかもな」

ゾスの村から山賊街道へ、山中へ分け入っての薬の材料探しの帰り道。
出たのはかなり早い時間で実際に探していた時間も大したものではない。
だが旅慣れてるとは言い難い身の上には思った以上にキツい行程だった。
音を響かせることを気にした様子もなくまだ見えぬ王都の方を見る

ジード > 「――よし。今日の夜までにはせめて帰り着かないとだな。
 食事がまともなもの取れないのが一番精神的に応える」

今のままだと保存食で確定である。
それだけは御免こうむると自分を鼓舞すると、
やはりあまり気乗りしない様子ではあったが街道を歩いていくのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からジードさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」に幻鏡の迷宮さんが現れました。
幻鏡の迷宮 > メグメール街道のある区間。
王都から無名遺跡に繋がる道に極々有り触れた花々が点々と咲いている。

花屋や薬師の店でよく見かける様々な花なのであるが、どれも重たそうに蕾を垂らし、一つたりとも花は咲いていない。

それにその花々は形状こそ違えど、どれも花弁の色は妖しい紫色であり、是を美しいと思う者もいる色合いだろうけども、毒々しく見える者が居てもおかしくない。

通常であれば薄い霧が広がり、虫の音すらしない筈なのであるが、今宵は不思議と虫は鳴き、薄霧がなく見通しも良い、何も変わらない、何も日常と変わらない筈なのに、その花々が点在している様子があまりにも不自然で……。

もご

もご、もご……。

耳を静かに澄ませば虫が奏でる音色の中に土の中を蠢く音が混じっているだろう、それに良く見れば花々は不自然に揺れて、誰か誘うようにふらり、ふらり、ゆらり、ゆらりと。

幻鏡の迷宮は誘う、日常に擬態し、獲物が迷い込むのを……待っている。

その咲き乱れる花の中に希少な本物の薬の材料となる花を交えて。

幻鏡の迷宮 > 毒々しい紫色の花々のつぼみに混じり点在する純白の花の蕾は月の光を浴びて露を生み出し、万病に怪我に古傷の痕ですら直す霊薬と為ろう、滅多に市場に出回ることの無い希少な花なのだが、その周囲を囲むようにつぼみを揺らす毒々しい色の蕾はまるでそれを守るように揺れている――実際は守るのではなく、それに釣られた人間を捕獲する為ではある、が……。

ゆらり

毒々しい紫色の花の蕾は揺れる。
その傍をもごもごと土を返し唸らせて、毒花達の根は動き回り、這い回り、また一輪土からつぼみが姿を見せる。

それをくり返すことで街道を一面の毒花の畑に変化させ、今宵は幻鏡の迷宮が生み出す迷宮は毒花の咲き乱れる中を探索して、帰路とその迷い人が望む花々を採取する事を目的として設定していた。

一歩、この区域に入り込めば迷宮の中へと迷い込む。
逆に踏み込まなければなんて事はない、妖しい花が珍しい場所で咲いている……くらいの認識で済もう。

それにだ。
1人でもその迷宮に迷い込めば毒々しい色の花達は蕾達は消えてしまう、迷宮への挑戦者だけが以降はその花を愛でることが出来るのだ……愛でられるのかもしれないが。