2018/09/27 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にボルフライさんが現れました。
■ボルフライ > 普段であれば旅人や商人のキャラバンがまれに行き交い、魔物の襲来も少ない比較的平穏なメグメールの街道。
だが今日、夕暮れ時のこのときに限ってその暴虐は行われていた。
街道のど真ん中にて横転している大型の馬車…荷物だけではなく人も運んでいたそれは見事に横倒しとなり、積んでいた荷物や破片が散乱している。
「なかなか上物だな」
手下を従えた一際大柄な男が低く冷たい声色で笑みを浮かべる。
倒れた馬車の前にはロープで縛られた男女数人…抵抗したひ弱な馬車の行者はとっくに手下が切り捨てていた。
手下どもは散乱した荷物を漁り金目の物を物色したり、捕らえた馬を大人しくさせている。
蛮族の首領たるこの男は、並べられた男女をじっくり観察し吟味の時間。
捕虜の中に一際良い召し物を身につけた、品のいい娘が声も出せないほどに怯えている。
そう、この蛮族どもはとある貴族の娘の乗る馬車を襲ったのだ。
愉快なことに、大男が娘に狙いをつけたことで共に捕らえられた侍女や召し使いどもは安心したような素振りを見せた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にクロエさんが現れました。
■クロエ > 秋の夕暮れ――赤々とした斜陽が草原を照らす中で蛮行は行われていた。
とある貴族の家紋が刻まれた馬車は、その豪奢な様相のまま横転し、役に立たないガラクタと化してる。
積み荷として用意されていた食料や貴金属の類は根こそぎ荒らされ、乗っていた者達は切り殺された御者を除いて、皆が山賊の虜囚となっていた。
「う、ぐぅ……ひ、ぅ――」
襲撃された馬車に乗り合わせた中で一番上等な衣装を纏った少女は、怯えの表情を隠せずに目の前の男を見上げる。
少女が馬車に乗る羽目になったのは、主人である貴族の命――ドレスを着て馬車に乗り、ハイブラゼールに向かえという指示の下だ。
王都を出発した馬車は合計で三つ。その内で、襲撃された馬車は一番上等な一つだけ。それ以外の二つはまんまと逃げおおせたのだ。
とどのつまり、少女が乗る馬車こそが囮であり、少女は山賊達を釘付けにする贄の様なもの。今頃主達は、無事を喜びながら目的地に向かっているはずで。
主の許可なく権を握れぬ少女は、騎士としての才能こそ有れども無力。今の少女はそこいらの村娘と変わらない。
周囲の侍女や召使の者達も、この娘が囮と理解しているが故に、助けようとする者は一人としていなかった。
■ボルフライ > 「上物……だが」
瞬間、蛮族の首領たる大男から表情が消え、より恐ろしい雰囲気を纏ったか。
目の前の女はなかなかの上物、それは間違いない…囮にしてはだが。
魔人に生まれしこの男には、女の身体に刻まれた数々の有形無形の印が透けて見えたのだ。
自分達はまんまと囮の馬車を宛がわれてしまったということだ…ご丁寧に積荷まで用意してあるように、用意周到な囮。
ボルフライにとって己をコケにされるのが最も許しがたい行い…たとえボルフライを狙ったものではないとしても、受けた恨みはしっかり返してやらねばなるまい。
「おい、こいつらを斬れ…俺はコイツで遊ばせてもらう」
ともあれ、今はこの憤った思いを発散せねばなるまい。
全てを知っているであろう侍女やら召し使いやらどもを奴隷にするのはヤメだ。
手下どもをけしかけ、容赦無く首を跳ねるよう冷酷な指示が飛び、しばし連中のけたたましい悲鳴が響き、やがて静かになったことだろう。
ボルフライはたった一人の生存者となった、既に奴隷同然の女の衣服を下着もろとも容赦無く破り捨てることにした。
さぞ使い込まれた肉体が曝け出されることになるだろうと。
■クロエ > どうやら眼前の男は、少女の存在が囮であったことに気づいた様子。
同時に少女の体に刻まれた無数の責めの痕跡すらも――しかし、それに気づく少女ではない。
カタカタと震えながら男を見上げ、縮こまっている様子は世間知らずの貴族の娘そのものと言えるだろう。
昔の自分であれば、男に剣を向けただろう。しかし今の自分が、屈強な男を前にして歯向かうなど出来るはずがない。
一度へし折られた心は、どう取り繕っても完全に治る事はないのだ。
「あ、あの、ボクはっ、その……えっと……」
言葉を紡げど、何を言っていいのかわからない。完全な恐慌状態だ。
その間に、周囲の召使達は男の手下によって首を落とされ、心臓を貫かれ、死んでいく。
貴族からすれば彼らも、使い捨ての下僕に過ぎなかったのだろう。これっぽっちも、良心の呵責など感じているはずがない。
やがて阿鼻叫喚の中に一人残された少女は、男の手元で服をちぎり飛ばされる。
露になるのは、淫紋と隷属の刻印が艶めかしく浮かぶ下腹に成長途中の細やかな胸、無毛の秘所にほっそりとした四肢だ。
刻印に込められた様々な呪いも、変質させられた少女の魂も――体だけでなく、それ以外のものすら、男の前に晒されてしまう事だろう。