2018/07/16 のログ
■ケラノス > 「……あー王都戻ったら美味いモンでも食いてぇな…。」
呟きながらとうとうダラダラと歩いていた足を止めてしまう。別に疲れた訳ではない。
そんなヤワではない…単に王都に今日中に無理して戻る事も無いだろうと思っただけで。
周囲を見渡せば、いい感じに腰掛けられそうな岩場があったのでそちらに方向転換。
担いでいた赤い太刀を脇に立て掛けてから腰を下ろす。道中は本当に平和だ。
(つまらん戦場だったからな…ちと刺激に飢えてるのかもしれねぇ)
別に、刺激を過度に求めるタチでもないが、こうも退屈な仕事や帰り道だとそれくらいは欲しくもなる。
また、戦場で偶に”苦手”とする魔王と呼ばれる連中と遭遇する事もあるが、正直刺激的にはそちらの方が面白い。
ぼんやりと色違いの双眸で上を見上げれば、木々の間から星空が覗いている…下界が騒がしくとも空模様は変わらんもので。
「…夜明けまでまだまだ、か。やっぱ野宿でもいいか」
■ケラノス > 「……退屈だ…。」
やっぱりさっさと王都に戻って美味いメシや酒にでもありつくのが正解だったかもしれない。
岩場に腰を下ろしつつ、だらしなく背中を預けたまま緩く目を閉じる。
周囲の音や気配に異常があればすぐに分かるし、無防備なようでスキの無い自然体。
(――ま、いいか。気楽に気儘にが俺らしいっちゃらしいし)
目を閉じたままボンヤリとしていれば、やがて寝息も聞こえてくるだろうか。
傍らに武器を置いているとはいえ、とても高位の魔族とは思えぬ無防備さで――
■ケラノス > そして、そのまま朝方未明まで爆睡をこく無防備と余裕っぷりだったとか何とか。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からケラノスさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にリータさんが現れました。
■リータ > 数日間滞在した王都から神聖都市へと帰る道。
本格的に暑くなってきた気候は馬を疲弊させるので、休ませる時間が多い。
生神女と修道女もまた同様に、涼を求めていた。
馬車を降り、街道沿いの川へと近付くと靴を脱ぐ。
司祭服の裾を両手で摘まみ、少女は穏やかな川の水へと両足を浸けた。
その様子を見ていた修道女2人も裸足になり、足を浸けてみるのだが、
少女に比べて随分はしゃいでおり、聖職者の娯楽が少ない生活を表している様だった。
少女はそんな彼女達を見て、笑う。
「そんなに走っては服が濡れてしまいますよ。」
『はい』と一応返事はするのだが、修道女達は無邪気に遊んでいる。
同じ年頃ではあるが、生まれた時から教会で育った生神女とは違う彼女達の感覚は一般人と大差ない。
それが微笑ましくて、それ以上忠告するでもなく。
少女は戯れる彼女達に背を向け、上流方向に歩いてみる。
苔の生えた医師が滑るので、ゆっくりとした歩調で。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にルシアンさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルシアンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にルシアンさんが現れました。
■ルシアン > 少女が向かう川の上流。
さらさらと穏やかな流れの側、木々が生い茂り天然の屋根となり強い日差しを遮るような河辺の岩の上。
流れに向けて竿を出し、のんびりと釣りに興じる青年の姿が一つ。
背後から見れば、じぃっと川面を見つめている…ように見えるのだろうけど。
「…………………すー……」
時折うつらうつらと舟をこぐ。まあ、数匹釣れているとはいえいまいち釣果も芳しくなく、
暑い中に涼しげな風に頬を撫でられていればこうもなろう。
それでも、やや遠い意識の中、誰かしらが此方へ来るようだという事は察して。
だからどうするという事も無い。ただ、この辺の魚が逃げないように騒がないで欲しいとか、
足元が滑りやすいから転んだりしなければいいけど、なんて頭の片隅で思う程度である。
■リータ > いつまでも休憩してはいられない。
少し体温を冷ましたら出発するため、少女もそう遠くへは行かない。
―――だからふと、立ち止まる。
足下から視線を上げると、やや離れた距離に誰かの背があった。
「……他に休憩中の方がいらっしゃるみたいですね。」
邪魔するほど無粋ではなく、それ以上は近付かず。
その場で司祭服の裾を結び、摘まみ上げなくとも濡れないようにしておく。
視線を周囲に巡らせれば、清らかな流れに小さな魚影が見えた。
■ルシアン > 誰かの気配がしても、此方へ来ないのであればそのままで。
少しの後に竿にアタリが来れば、途端に意識ははっきりとする。
うまい事タイミングを合わせ、一気に引き上げれば…銀色の鱗の大ぶりな魚が、勢いよく水面から釣りあげられる。
「ふふーん…こりゃいい。晩飯は決まりだな、っと。……んー…」
糸をたぐりよせ、まだイキの良いその魚に満足げに目を細める。
近くに置いた魚籠の中に入れてもまだぱちゃぱちゃ跳ねるのを、蓋を閉じて確保しつつ。
眠気も飛んだのか、気持ちよさそうに一つ背伸びをして。ふとその時に目が人影をとらえる。
川遊びに来た子供だろうか。何処かで見たような服を着ている気もするが、まだいまいち目が覚め切っていない。
だけど…。
「…おーい。あんまりそっちに行きすぎない方がいい。其処ら辺、急に水が深くなってたりするから」
忠告を一つ。この辺りによく通っているから、川の様子もだいたいは分かるのだけど。
さて、この声が少女へ届くのかどうか。
■リータ > 長居も出来ず、戻ろうか――と思っていたところであった。
突然声をかけられ、振り返る。
こちらは寝ぼけているわけではないのだが、やはり少し距離があることで相手の顔はよく分からない。
お互い、そう深入りした話をしなかったという関係性もあるのだろう。
「ご忠告有難う御座います。」
声だけでは返事が届くか分からず、ささやかな微笑みを重ねた一礼で示す。
浅い所を歩き、同じ場所を辿って戻ろうとしている己より、
はしゃいでいる修道女の方が危険だろうと思った生神女は、
続いて下流で飛沫を上げながら走り回っている2人に声をかけ。
「深い場所があるそうですから、もう上がりましょう。
水遊びでしたら帰ってから用意しますから。」
修道女に声は届いたらしい。
2人は立ち止まり、ぺこぺことお辞儀をしている。
■ルシアン > 一応、此方の声は届いたようだ。
そもそも水の中で派手に遊ぶような子でも無かったようだが、お節介だろうかとも思いつつ。
感謝の言葉だろうか。風に乗ってうっすら届くその言葉に軽く手を上げて返答をして。
あちらも水から上がる様子。
此方も、必要な分の魚は釣れた。帰って焼けば子供たちも喜ぶだろう。
もう一度軽く伸びをして、折角だと冷たい川の水でぱしゃぱしゃと顔を洗い。
気持ちも入れ替えた所で、魚籠を抱えてゆっくりその場を後にしていく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルシアンさんが去りました。