2017/04/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にカインさんが現れました。
カイン > 夜の街道といえば無法の代名詞のような場所である。
夕刻を過ぎて宵の口と言った時間帯であれば街へ急ぐ人もちらほら見えるも、
とっぷりと日の暮れた後となれば文字通り無人の野となる。そんな有様の中、
のんびりと王都へと道をゆく旅装の男の姿があった。


「遅くなっちまったな。そう急ぐような話ではないが、いかにも出そう、なのが困りものだ」

暴徒かはたまた幽霊化。人ならざる身がいうと冗談にしか聞こえないような言葉を漏らしながら、
何気なく周囲を見回せば見えるのは吹き抜ける風に揺れる草木のみの代わり映えのしない風景。

カイン > 「――ここまで徹底的に似たような景色ばかりだと、
 逆にその手合が何でもいいから出てくれたほうが退屈が紛らうか」

そのほうがいっそ退屈はすまい。破滅的なのか刹那的なのか、
己の身の危険など対して頓着した様子もない言葉をしたり顔で述べる。
天上を照らす月の輝きと星の輝は随分と見事な明るさではあるが、
それはそれとしてずっと見ているとどれだけ綺麗なものでも飽きる物は飽きるのだ。

「一人身の傭兵家業はこの辺面倒だな、集団ならもう少し足も暇つぶしも用立てやすいんだろうが」

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレナ=ミリイさんが現れました。
カイン > 「酒の一つも持ってきていれば多少は時間つぶしになったかもしれないがなぁ。
 今度から酒樽の一つでも遠出のときには持っていくとするか。馬を買うよりは安上がりだな」

何ともおかしな比較を平然と口に出しながら、顎に手を当てがてら歩を進める。
強めの風が吹き抜けて頭から帽子を奪い去ってしまおうとするのを指で押さえ込んで防ぎ、
腰の水袋に手をやれば中身は空だった。普段入れているぶどう酒もそれなりに長い移動の潤いとしては少々足りない。

「無限に酒が湧いてくる水袋でもあればいいんだがな」

もしあれば一体どれだけの値打ちがするのか考えることも嫌になる品物について口に出しながら首を鳴らして水袋から手を離す。

レナ=ミリイ > 街道から少しそれた、森と草原との境目の場所に灯る焚火の明かり。
そのそばで、切り株に腰を下ろして焚火の明かりに照らされる小柄な姿。
直前まで狩りを行っていたのだろう、脇にはシカのような動物が横たわり。

その膝の上には身長ほどもあろうかという大きさのボウガンを置いて、焚火の明かりと月の光を頼りに入念に整備していて。

「そろそろ部品買わないと、もう持たないかな」

夜のとばりに包まれながらぼそりと呟く。
愛用の武器とは言え、部品買い替えの費用を考えれば憂鬱そうにため息をつき。

カイン > 水袋から顔を上げた所で篝火を見つけたのは本当に偶然だった。
普段であれば離れた場所で野営をしているのであれば特に近づきもしないのだが、
今日ばかりは誰とも合わず終いとあってか興が乗った様子で近づいていく。
そうすれば見えて来るのは立派な獲物を仕留めたばかりの狩人の野営風景といった光景その主が女性とあれば、
尚の事興味を惹かれぬはずもなく気軽い様子で声を上げ。

「よお、こんな所で野営とはまた精が出るな。
 街に帰りそこねたクチかい?」

特に警戒する素振りもなくゆっくりと篝火の照らし出す範囲の中に身を進めて見せる。
その割に油断なく相手を観察するよう視線を走らせ。

レナ=ミリイ > 壊れかけの部品に応急修理を行い。
他に調子の悪い場所はないか目を走らせていたところに声をかけられると顔を上げて相手に視線を向け。
手は自然と腰のナイフの柄に伸びて軽く握る。
深夜に歩く旅人は少ないとはいえ、それゆえに野宿に便乗しようと声をかけられることは少なくない。
が、その相手が友好的である保証などどこにもないのだ。

「それもある……でもどうせ街に行っても止まるお金なんてない」

低い声で相手の様子をうかがいながら返事を返し。

カイン > 「随分と剣呑だな。まだ何も持ってないぞ。
 まあ――俺はそれなり以上に金は持ってるからな、追い剥ぎするには格好の相手かも知れんが」

まだ、といい起きながら両手を上げて見せれば挑発するように相手をじっと見つめる様子はどこか楽しげですらある。
だがカネがないと言われれば仕留めたらしい立派な獲物を一瞥し。

「そいつを持ち込む所に持ち込めば宿代くらいにはなりそうだがなあ。
 こんな夜の街道を歩いている俺も奇特さでは人のことを言えない自覚はあるがね」

クツクツと喉を鳴らしながらも相手に近づいて、そのまま相手が一足で刃を突き立てられそうな間合いで足を止め。

レナ=ミリイ > 「………どうせ、ろくなとこでは買い取ってもらえない」

獲物を見ての相手の言葉にぼそりと聞こえるかどうか、といった声量でつぶやき。
再度相手の目をちらりと見ればゆっくりとナイフから手を放し。
そっと自身の特徴を隠すようにフードを深くかぶり直し。

「それで?何か用?」

膝の上に置いてあるボウガンを愛でるようにそっとなでながら。
夜の街道からそれてまで話しかけてきた理由を問いかけて。