2021/08/18 のログ
タマモ > 王都マグメール、貧民地区のある裏通り。
人気も疎らなその場所で、少女は寛いでいた。
寛いでいる、とは言っても、目立つような場所ではなく。
目に付き難い、物陰に隠れてである。

「ふむ…考えてみれば、誰も来ねば、こうしている意味はないんじゃがのぅ」

そんな呟きを漏らし、軽く腕組みして考え込む。
今日は散歩でなく、こうして隠れて待機し、やって来た誰かにでも悪戯してやろう。
それが、少女の目標だった。
まぁ、悪戯とは言うが、今回は気分的に、不意打ちでもして弄んで、なんて禄でもない考えだ。
…が、不意打ちとは、誰かが居てこそ意味がある。
誰も来なければ、ただ居るだけで、それで終わりなのだ。

ともあれ、そう決めたからには待つ。
だが、あれだ、誰も来なかった時の事も考えよう、そんな感じに。

タマモ > 物陰の中、軽く空を見上げる。
…うん、場所が場所だ、周囲の建物で阻まれていた。
視線を通りに向けてみる、今のところ、来るような感覚は感じられない。

「おぉぅ…これは、誰も来ないぱたーん、じゃろうか?」

はふん、軽く溜息を一つ。
周囲に体を当てないように、ぐ、ぐっ、と軽く体を曲げたり伸ばしたり、解して。
何かしら、感じる場所に向かう、との手もある訳だが。
それは何だか、負けた気がするので却下。
となれば、どうするのか?

………まぁ、適当に時間を決めて、が一番か。
適当な箱やら何やらに、よいせ、と腰掛ける。

タマモ > のんびりと待つ、ひたすら待つ。
…が、不意に、ぽつぽつと音が耳に届く。

「うん…?」

改めて、通りに視線を向ける。
どうやら、雨が降っているようだ。

「………あー…これは…」

これは、ますます可能性が低くなるか。
だがしかし、己の居る場所は無事。
だって、横からも上からも気付けないような、物陰なんだもの。
それはともあれ、雨が降り出して、この場所を通るとか…あるかどうか。
とは言え、帰ると決めた時間まで、後少し。
そこまでは、粘ってみようと考えて。

タマモ > 場所に状況、まぁ、そんなものだろう。
待ちはしていたものの、目の前の通り、そこを通る者は現れず。
ふむ、と軽く頷けば、よいせ、と立ち上がる。

「仕方無い、今日はここまでじゃ。
とりあえず…次に期待、じゃろうかのぅ?」

ゆっくりとした足取りで、少し通りへと歩み。
とん、地面を軽く蹴れば、その姿は一瞬で消える。
正しくは跳躍、少女の姿は宙を舞い、ふわり、と屋根へと。
そのまま、とん、とん、と屋根を蹴り、闇夜の中へと姿を消すのであった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にクル・コービンさんが現れました。
クル・コービン > 学院の授業が終わった後貧民街にある教会へと奉仕活動をしに歩いていて。

「暑いですね……」

夏のさなかに修道服では汗もかこうというもの。シスターたるもの顔に出してはいけないのだろうけれど。ついぼやいてしまう未熟者であった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からクル・コービンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴァルガンさんが現れました。
ヴァルガン > 「……ちっ、シケてんな。クソが」

最近割の良い依頼を受けられなかった事もあって、今のヴァルガンは金欠。
革袋の中身も取り敢えずの宿代くらいしかない。とても女遊びなど、出来る余裕はない。

「……っつてもなー。あんま派手にやると目つけられるしなぁ。どーすっかなあ、マジで」

女を買わなければ身を焼く様な性欲に襲われる。
しかし、買う金は無い。
ならば、と女の安い貧民街に足を運ぶが、どうにもお財布事情と合わない。
そこいらの連中を襲って追いはぎでもするかなあ、なんて物騒な事を考えながら男は夜の貧民窟を彷徨い歩く。

ヴァルガン > 街の衛兵程度に負けるつもりはない。
何だったら、騎士くらいでも余裕で相手になる。
しかし、ヴァルガンは小物だった。
小物であるのに、身に余る力と性欲を宿してしまった。
それ故に、苦しんでいるのだが…。

「死体が残るのはなあ。出来れば金目のものだけ…って感じにしたいんだけどなあ。
何なら女でも良いんだけど……そう上手くいくわけもねぇか…」

腰に下げた使い古しの長剣をぷらぷらと揺らしながら、それでも何かしらの獲物はいないかと野犬の様に彷徨い歩く。

ヴァルガン > 男はやがて、貧民窟の奥へと消えていく……
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からヴァルガンさんが去りました。