2018/10/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 路地裏」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の中でも一層治安の悪い路地裏の片隅。
ちょうど平民地区と貧民地区とを繋ぐ裏道に当たる路地に怪しげな露天が構えられていた。
とはいっても場所が悪いのか訪れる人影もほとんどなく店の様相は閑古鳥。
繁盛していないのは一目瞭然。

「さて。普段なら訳アリが結構通りかかるんだがなあ。こっそり娼館に出かける連中、とか」

はて、と声を上げながら騒々しい繁華街のある方角に目を向ける。
そういった手合いを当て込んでの商売場所であるが本日は当てが外れたらしい。

ジード > 「当て込むにしてもちと急ぎすぎたかね。
 通るにしてももうちょっと後の時間かもしれない」

見上げてみれば建物の陰から見える日の高さは凡そ天頂に届こうかという所。
お忍びで繁華街に遊びに行くには少々早い時間帯だろう。
貧民地区の人間にとっては時間などどの時間でも、
稼ぎのターゲットが変わる程度の違いしかないので忘れかけることもあるが、
平民地区や富裕地区は時間で人の流れが違うという当たり前の事を思い返しがてら、
手元の瓶の封を切って一口飲む。口いっぱいに広がる強い甘味に思わず吹き出しかけるのを堪えてむせ込み。

「――甘くするのに砂糖ぶちこめばいいってもんじゃないんだな、うん」

凝縮した砂糖そのものの味に飲めたものじゃないと小さくぼやく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 路地裏」にイリーナさんが現れました。
イリーナ > 「はぁい、まいどどーも。」

貧民地区にもクエストを受注する酒場がいくつかは、ある。
女にとっていくつかあるうちの一つの拠点から出てくる足取りは、軽い。

「まぁまぁかな」
使った経費と報酬を脳内で天秤にかけながら路地裏をのんびりとした足取りでいく。
治安の悪さは織り込み済み、足取りとは裏腹に気を張りつつ歩みを進めれば……。

「あら、珍しい。」

露天、である。
こんな人通りのない裏道だからか、いやに目に付いた。

「あんがい、こういう店にこそとはいうけれど……はてさて」

掘り出し物はあるだろうか。
興味と期待を半々づつ、咽こんでいる店主を眺めながら横から声をかけようか。

「ポーション、みせてもらえます?」

ジード > 「おや。いらっしゃい、お嬢さん。
 何か入り用かい?ポーション、そっちの方なら自信があるよ」

のんびりとした時間を過ごすうちに聞こえてきたのは新しい足音。
軽やかなそれになんとなしに視線を向けると見知らぬ女性の姿が見て取れる。
意外なことに自分の店の前で足を止めたかと思えば、
コレまた意外な注文を受ければ笑いながら商品を広げてみせた。
並ぶのは治癒から解毒、はたまた媚薬や避妊具と行った夜のお供までありとあらゆるポーション類の数々。

「どういう薬がほしいとリクエストを貰えるなら、
 特注で作ることもできるよ。まあ、最もその場合はちょっとお値段はるかもしれないけど」

それは覚悟してもらいたいと緩く笑いながらどこか楽しげに相手をみやり。

イリーナ > 「ほほぉ、自信があると」

身体を屈めながら並べられる商品に視線を送っていく。
冒険者向けの露天ならば、基本にして頂点とも言っていい薬、ポーション。
ポーションにケチるものは、命を落とすことになるのだ……とは誰かの格言だったか。

ともかく、並べられた商品には意外そうに眉が寄る。
膝を揃えてしゃがめば、手入れの行き届いた細い指を解毒ポーションに伸ばし。

「手にとって、見ても?」

許可を得られるのならば、丁寧に一つ一つ順番にポーションを品定めしていくことだろう。

「随分と丁寧な仕事するんですねー?」

品質は、いい。 慎重にポーションを彼の前へと戻しながら。
下がっていた視線が、上目遣いのような感じで店主へと向けられるか。
少し考え込むように、人差し指が唇を軽く叩く、とん、とんと。

ジード > 「もちろん、コレで今まで行きてきたようなものだからね。
 それこそ長い間さ、自信の一つもつこうってものでね。
 どうぞ、勿論品定めはしっかりしてくれよ」

上機嫌にそう笑って言い返してみせると、
しっかりと値踏みをしてみせる様子に少し感心した様子を見せる。

「薬の調合ばっかりは、手を抜いたら下手すると死人が出るからね。
 そこは本当に手を抜けないさ。気に入ってもらえたら何より――ん?どうかしたかい」

そのまま上目遣いの様子にキョトンとした表情で目を瞬かせ。

イリーナ > 「なるほど。 経験に裏づけされた自信と」

じっくりとした品定めを終えれば、一言。

「お値段は?」

大事なことを聞き忘れていたとばかりに問いかけながら、返ってくる言葉に小さく頷き。

「ん、ん? いえね。 今日の儲けと次のお仕事の経費とー。って考えちゃって。
 あと、店主さんのちょっとした怪しさも」

場所には似遣わしくない品揃えに疑問に思った、と言い放ちながら両手で頬を支えながら店主へ向ける赤い眼を細めて。

ジード > 「勿論、そうでなければ提供するのはプロとしての尊厳が傷つくってなもんさ」

にんまり笑って言い返しながらも、相手の言葉を聞けばすっと目を細め。

「そうだね、じゃあ治癒薬ならこんな所でどうかな」

そういって立てた指は相場よりは少し高めの値段である。
とはいえ、男が言っている通りのものであればむしろ安い買い物だろうが。

「そいつはいいっこなしだよお嬢さん、こんな場所だからな。
 聞き出したいならもうちょっと…そうだね、酒でも飲める場所でなんてのはどうだい?」

ある意味貧民地区の暗黙の了解とされているようなことを口に出し、
人差し指を立てて軽く揺らしながら冗談めかして告げる。

イリーナ > 「言いますねー」

だが、その言葉が許されるほどに品質には納得している。

「ふーむ……」
値段を聞けば、品質の割には安いが。
とん、とん。と唇の端をを再び細い指先が軽く叩き。

「治癒2本に解毒1本」
とりあえず、次の依頼用とばかりに注文を告げ。

「お試しで何かもう1本とかいうサービスはー……あー。
 悪くないですね。 とはいっても、私はこれで今日の儲けは飛びますけれど?」

 暗黙の了解にはわかっている、とばかりに小さく笑い。
 続いたお誘いには自分のお財布事情を明かそうか。
 
 とりあえず、先にお会計とばかりに硬貨をつまみ、差し出そう。

ジード > 「誰にだって譲れないものの一つや二つ、あるだろう?
 俺にとってはこれがそれだってだけさ」

ハッハッハと笑い飛ばして言い返しながらも、
相手の言葉に少し考える仕草をしてみせる。
中々に上手な物言いに少し考える仕草を見せながらも笑い。

「じゃあ、そうだね。酒に付き合ってくれるならまけてもいいよ?
 支払いは今度でもいいし。そのかわりに口説かれても文句は言わないことってのはどうだい?」

どことなく楽しげに笑って言い返すのは、下心を隠す気もないセリフである。
それでも夜のお相手に付き合うならば、などと云わない辺りは半分以上戯れなのかもしれないが。
相手の反応を楽しむように、口の端を持ち上げて見やり。

イリーナ > 「この仕事ぶりだったら、その言葉に異論はないですよ」

先に済ませるのはお会計。
それで、こちらは空財布とばかりに両手を広げようか。
続いた相手の言葉には、開いた両手が「それ」とばかりに楽しげに指を差し。

「交渉成立と、商売上手ねお兄さん?」
それでも、最初に提示された金額を硬貨で支払うのは……。

「でもあいにく、商人さんにはなるべく貸しはつくりたくないの。
 それも、怪しさが満点なら、ね?」

 ふふ、なんて楽しげに息を吐きながらポーションを受け取り腰を上げれば。

「ということで、口説かれるかどうかは貴方の実力次第ですよ、と。
 一旦置いてくるから、集合はどこのお店かしら?」

ジード > 「そう言ってもらえるなら商人としては嬉しい限りさ。
 …おや、意外と律儀…いや、冒険者としてはある意味当然か」

キョトンとした表情で居言い返しながらも、
「後腐れのない契約」という分かりやすい理由に楽しげに笑う。
納得した様子を見せながらゆっくりと笑って頬杖を付き。

「これはまた、一本取られたのはこっちの方だね。
 全く、こんなに清く正しく商売してるって言うのにね?」

全くもって説得力のないことを言い放ちながら首を横に振って笑って見せる。

「じゃあ、そうだね。この先の繁華街の中にある店でどうだい?」

値段の割には旨い酒をだすことで有名な店名を挙げて人差し指をピッと立てるのだった。

イリーナ > 「えぇ、えぇ。 こんなお仕事してるんですから……小銭を惜しんでられません」

当然という言葉に頷きながら代金と引き換えにポーションを受け取ろう。
確認もせずにポーチに入れるのは、品定めが終わっているからか
もしくはこの怪しい商人の腕を信用してのことなのか。

「えぇ。 お陰で今日の出会いがあったということね」

お店の名前を聞けば「あぁ、あそこ」と小さなうなずきを。

「いいお店よね、酔いつぶれても……隣が安宿ですもの」
では、後ほど。 とばかりに楽しげに小さく手を振りながら定宿へと戻ることだろう。

場所は決まっているが、時間は決まってはいなかった。
ゆっくりと、湯浴みをして汗と汚れを落としてから彼の指定したお店へと向かったことだろう。

ジード > 「小銭の代わりに命を落としちゃ笑い話にもならないからね。
 なるほど、確かにしっかりと冒険者の理屈だ」

そう云われては文句も言えない。
あっさり引き下がって、しかし素直に荷物を受け取る女の様子に緩やかに笑い。

「こんな街だと特に一期一会はよくある話なんだけどね。
 今後ともぜひご贔屓にしてくれると嬉しいよ」

笑顔で売り込みをかけて見せながら、相槌を打って言い返し。

「ああ、それじゃあまた。――違いないね」

隣が安宿なのが良いという言葉に軽く吹き出して笑いながら立ち上がる。
今日はこれで店じまいと、用意を進めてやがて路地から消えていく事になる。
果たしてその後どのような顛末があったのかは二人のみの知る所となるだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 路地裏」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 路地裏」からジードさんが去りました。