2018/05/13 のログ
■ハーティリア > (そのままカラコロと、飴玉を転がしながら去っていき。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・歓楽街」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/さびれた通り」にエンデさんが現れました。
■エンデ > 貧民区の外れ。裏通りのさらに裏通り。
廃屋が立ち並ぶそこ。月明かりだけが頼りの道を、黒い男が歩いていた。
頭頂から顎先までを覆う、黒い仮面。指先まで偏執的に肌を露出しない服装。
ただ、胸元の白いタイと、仮面に走る十字のスリットから零れる赤い光だけが夜の中、その存在を示しているようで。
「ああ……随分と、遅くなってしまったな」
ふと、立ち止まり、そんな独り言を零す。
往診の帰り――もっとも、医院をもたない闇医者は往診以外の手段はないが。
患者である貧しい母子の子。栄養失調だったのだろう。
その子に治療を施した帰りだ。少なくとも、数日は生き永らえるだろう。
礼を言う母子に別れを告げて、歩いていれば、もうこんな時間。
こんな時間のこんな場所は人通りもほとんどない。
通りの真ん中で立ち止まって、少し月を眺めるには、ある意味ちょうどいい時間で、ちょうどいい場所だった。
■エンデ > 初夏の柔らかい風が、夜気をかき乱して流れる。
長い外套の縁が、ふわりと揺れる。
「佳い夜だな。今夜は。」
零れるのは、そんな独り言。
言葉を聞くものはいない。周囲に並ぶのは廃屋と、さびれた風景。
言葉には相応しくない景色。
そして、その言葉自体の響きも、言葉には相応しくない。
きっとそんなことを欠片も思ってはいない。
仮面の奥で奏でられる言葉は、そんな響きを伴っていた。
■エンデ > さて、と。
そんな言葉が似合いそうな様子で、ゆっくりと歩みを再開する。
「さあ、行こう。次の患者が待っている」
柔らかな声音。
それだけを残して、黒い姿はその場を後にしていった――。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/さびれた通り」からエンデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/繁華街」にカインさんが現れました。
■カイン > ざあざあと雨の降る中、一目散に散っていく人気に混じって水を蹴立てる男が、
小さな路地の軒先に身を滑り込ませる。
傘代わりに使ってぐっしょりと濡れた外套を一瞥して嫌そうな顔をしながら、
視線を先ほどまで自分のいた通りに向け。
「……おお、おお。降るわ降るわ厄介なこった。
梅雨入りはまだ早いだろうに」
たまの休みの散策の途中、偶々通りがかった所に振ってきたのがこの雨である。
普段なら様々な客の行き来する道もこうなっては雨音だけが響き渡る場所になり、
軽く服の水けを払いながら嘆息を漏らす。
■カイン > すっかり水分を吸って重くなった外套を雑巾か何かの様に絞り、
一旦水けを払いながらも広げてみればじっとりと湿った様子。
「…服を乾かす様な魔法何て言うのがあればいいんだが。
よくあんな小器用な事できるな」
実例を見たことはあるがマネはできない。
バサッと音を立てて一度外套を振ると、
絞り切れてない水気が雨の中に飛び散って消えていく。
■カイン > 「雨脚は…もう少しってところだな。
このまま完全に止んでくれるといいんだが」
そうでなくてもこのままではらちが明かない。
どうしたものかと考えながら空を見上げて肩を揺らしすと、
どんよりとした切れ目のない曇り空。
「梅雨に入ると毎日これ、は願い下げなんだがねえ」
■カイン > 「…仕方がない、まだ止んではないが走っていくとするか」
渋い顔でぼやきながら、少し乾いてきた外套を
傘代わりにしてその場を走り去っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/繁華街」からカインさんが去りました。