2017/07/19 のログ
ジード > 「あらま、残念。それじゃあとりあえず置いておこうかな?
 気が向いたらまた来てくれたら取り置いておくよ、今後共ご贔屓に」

何が気に入らなかったのか残念ながら受取拒否されてしまった瓶。
笑顔で女性の後姿を見送ってはいたのだけれど何が悪かったのだろう?
本気でそう考えるようにじっと瓶の中身を眺める。
製造風景を見せてしまったのが一番の失敗なのだけどそれに気がつくほど男は吸血鬼の機微に思い至れる質ではなかった。

「吸血鬼とは一口に言っても色々なタイプが居るんだねえ」

妙な感心を口に出して客の姿を探すよう路地を見回す。
正に閑古鳥というのが相応しい有様なのは相変わらず。

ジード > 「今日はそろそろ店じまいすべきかな否か。人が通れば呼び込もうって気にもなるんだけど」

深夜の上に今は国を挙げてのお祭りの真っ最中。
好き好んでこんな路地裏まで足を運ぶ人間はまず居ない。
肩を杖で叩いて自分の横で一回転させて地面に突き立てる。

「よそに営業に行くのも考えたほうがいいかなあ。
 お金に困ってるわけじゃないけど使用期限のある薬が腐っていくのは悲しいよね」

今日陳列した時から全く代わり映えしない棚の様子を見て思わず天を仰いでしまう。

ジード > 「今日はそろそろ店じまいにしよう。えーと…よし、誰もいないね」

大げさとも取れる振り付けで路地の左右を覗き込んで人の通りがないことを確認して杖を持ち上げる。
いつの間にか露天の下に記されていた魔法陣が淡く輝いたかと思えば輝きの後に残ったのは大きめの旅行かばんが一つ。
杖とかばんを両手にもって歩き出す男の姿もやがて陽炎のように由来で消えていった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からジードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にルーフェンさんが現れました。
ルーフェン > 崩れた教会、かつての鐘楼も既に外壁が崩れ掛かっており、ここまで昇ってくる者もいない
貧民地区を一望できる場所で、地上に比べると風の通りも良い…王都に宿を取る前はよくこの場所で寝ていたものである
安宿をとるようになってからはあまり脚も向かなくなったが、久々に隠れ家ではないが、様子を見に行こうとすれば、
拐かされている女の姿……絡み合う男女の様子をちらり、と壊れた窓から覗き込み、忌々しげに舌打ちすると、
教会の中からでなく、周囲を確認してから、崩れた外壁をひょいひょい、と軽々と昇っていった

鐘楼にまで上がってしまえば、自分以外には鳥くらいしか訪れるものがないのか、以前と変わらず
自分が枕代わりに並べた石煉瓦がそのまま、並んでいて吹く風も心地よいから、ころん、と以前と同じように
煉瓦を枕代わりに寝転んだ

天井には無数の鳩が身を寄せ合っていて不気味にも見えるがそれも以前と変わらず
ばさばさ、と時折、羽を鳴らすようにするから羽毛がふわふわと落ちてきたりする
鼻先へと飛来した羽毛に擽られくしゅん、とくしゃみが溢れてずい、とムズムズする鼻を拭う
治安は悪いがあまり人の気配もなく遠く繁華街の活気の音が聞こえてくる以外は静かな場所であった

ルーフェン > そのまま、誰に起こされることもなくスーッと寝息を立て始める……――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からルーフェンさんが去りました。