2020/09/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――道端に女が落ちていた。

 それはつい先ほどのこと。ここいらを通りかかったらローグらしき荒々し気な女性たちに絡まれ。一見すれば大柄でもなくどちらかと云えば華奢な体格のヒーラーは端的に云えばカツアゲにあった。
 されども、数人相手で不利は多分にあったが、中身は特攻型のゴリラである。応戦したが一人を殴り飛ばしたところで背後に潜んでいた一人に会心の一撃を食らって口惜しいかな昏倒してしまい、有り金をかっぱらわれてそのまま路地に棄てられ、今に至る。

「…………………」

 後頭部に大きなたんこぶをこさえて気絶中。不幸中の幸いは女性相手にやられたので殴られて金品を奪われる以上のことはされずに済んだということだろうか。
 しかしそれも、こんなところでいつまでも寝ていたら保証の限りではない。

 意識不明なのをいいことにかっさらわれるか、その場で襲われるかしてもおかしくはない。

 ギリギリの無事、という状態。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にソラムさんが現れました。
クレス・ローベルク > 道を歩いていたら、知り合いが倒れていた。
一応、ゆさゆさと身体を揺らしてみたが、びくともしない。

「……死んでる」

いや、死んでない。きちんと生きている。先程手首の脈を測って確認した。
詰まるところ、追い剥ぎが何かの仕業なのだろうとアタリを付ける。
まあ、この治安の悪い貧民地区で気絶していて、命があるだけ見っけもんという気もするが……衣服の乱れも無い事だし。

「んーと、どうすっかな……取り敢えず、起きるまで待つか……」

ソラム > 久方ぶりに王都に来て辺りを探索していると、

「.....クレス?」

以前酒場で会った男の姿があった。傍らには後頭部にタンコブを作り気絶している女性が。

「何やってるの....?こんなところで」

何やらかしたんだと思いながらも近づく。
最大限の警戒を辺りに張り巡らしながら、何かあれば二人を避難させるくらいの気を持って。
もっぱら、そんな機会はないと思うが。

ティアフェル >  絶賛(でもないが)気絶中のところをたまたま通りかかった知り合いがゆさゆさしてるが、完全に意識はなく、よほどクリティカルヒットしたのか目覚める気配はない。
 が、死んでない。勝手に殺すな、と耳にしていたら盛大に突っ込むところだろうが。

「~~~~~」

 目を渦巻き状にして伸びている女。目下のところ、知人が見守り役に徹してくれているので二次災害として別の暴漢に襲われる危機は去った――ことを知っているのかどうなのか、非常に安らかに昏倒していた。叩き起こす、という思考がないところが紳士的と評価したい。

 そんな現場にも一人。通りかかったのは見知らぬ少女らしい。
 ――道に落ちている女と、その傍らで見守り体勢の男性。それを見たのは知人らしいが、どう受け取るのかが正直見ものだ。

クレス・ローベルク > これが男であるならば、もう少し手荒な真似をしたかもしれないが、女性相手にはある程度の紳士さを以て対するのが男の流儀であった(但し闘技場で会う場合を除く)

そんな中、その前方から更に女性の姿が現れる。
それは、嘗て酒場で出会った知人の姿だ。

「……あ」

いかん、まさかこんな所で知り合いに出会うとは。
幸い、そこまでの悪印象を持たれてはいない筈だが、そうは言ってもこの図式があまりに不穏だ。
気絶してる女性を横に、その覚醒を待つ男性。
見る人が見れば、レイプの前準備段階と見れなくもない。

そして、この男。騙そうと思って騙す時は口が回るのに、咄嗟の時には意外と口と回らない男であった。

「――何もしてないよ!?」

それは真実ではあるが、大体の場合、何かした人間の台詞である。

ソラム > 「.....?何かやらかしたと思ったけど....違うみたいだね」

首を傾げながらそう言うとちょこんとそばに座ると、

「私もここで待つ。.....何かあったら時間稼ぎくらいは...出来るから」

クレスへそう説明すると、右腰から漆黒のハンドガンをホルスターから抜き取ると中に入っている弾丸を装填する。
その画は確実に悪いやつが来たら容赦なく射殺する。
拳銃と少女、合わなそうな画が実現して二人はどんな反応を示すのか、彼女は心の隅に少しだけ、そのことを考えていた。

ティアフェル >  女尊男卑バンザイ。第一発見者の対応はとても甘かったお蔭で、夏の宵ということも相俟ってひんやりした路地は硬い以外はまあまあ寝れた。
 ――側臥位で気絶から寝息を立てての睡眠に移行していた。

「んー……むにゃむにゃ……」

 少女が一人通りかかったのはそんな可笑しな光景の最中。
 場所が貧民地区の人通り薄なエリアである為に、誤解しか生まなそうなシチュエーションだったので亥の一番に釈明したのは間違ってないかも知れないが。

「何したの?!」

 そこで、大きな声に反応して、寝ぼけながら聞こえた声に誤解しか生まなさそうな声を出して、がば!と身を起こしようやく覚醒しました。

「え?! なに?! なに?! この絵はなに?! なにごと…?!
 クレスさん…?! と……誰?!」

 寝ぼけつつ、起きて開いた目に映った傍らの知人と――なんか、銃器を構えた少女――。
 今回、不幸なことに後頭部をどやかして気絶させたのは女性ローグどもだったので、その仲間か?!と誤解を生んでしまい。
 まさか彼女が辺りを警戒警備してくれてるとは知らず。

「きゃーっ!!」

 完全に撃たれると誤解して悲鳴を上げた。

クレス・ローベルク > 「え、ああ、うん。ありが……」

てっきり、勘違いされて銃撃の一つぐらいは飛んでくると思ってたのだが、意外と世界は平和であった。
しかし、世の中そう甘くは無かった。
男があげた声が引き金となり、第二の騒動の火蓋が切って落とされた。

「何もしてませんっ!」

何したの、と問われて反射的に気をつけの姿勢で敬語喋りしてしまった。
だが、彼女は半ば混迷の渦の中、おろおろと彼女とこちらに視線を移し、そして。
――絹を裂く様な悲鳴を上げた。

「お、落ち着け、落ち着くんだティアフェルちゃん。
大丈夫だから、ね?」

対する男は必死に彼女をなだめていた。
何せ、此処で万が一にも衛兵などが出てこようものなら、色々と面倒な事になる。というか、事によると牢屋に入る事になる。
なので、必死に宥めているのだが――必死過ぎる余り、無意識に手を握って落ち着かせようとしている事に本人さえ気づいていなかった。

ソラム > 「警護のつもりだったんだけど。なんか.....ごめん」

ハンドガンの安全レバーを上げホルスターにしまいながらそう謝罪する。
こんな時、どうすればいいのか、長い間疑似箱入り娘状態になっていた彼女にはわからなかった。
が、落ち着かせようとしてティアフェルに近づき頭に手を置こうとしたが手は銀鱗で覆われており、かなりザラザラとした感触なのだろうが、ティアフェルの反応が気になるところだった。

ティアフェル > 「そうなんだ?!」

 何もしてないと即答が返ってきたので、勢いの削げないままに返答。正直自分の発言も相手の発言も状況も寝起きでしっかり把握できていない。
 今なら無理のある嘘でも反射的に信じそうだ。

「落ち着けと云われましても寝起きにこの状況で平静を保つのは難しいんですけど!」

 いきなり銃器と少女を目の当たりにして狼狽してしまう。落ち着くよう宥められて、いつの間にか手を取られていたが、しれっと少女の銃口から盾にするかのように彼の陰に潜むという所業。
 しかし、別にその銃口はこちらに向ける意図でもなければ、襲って来たローグ連中とは無関係のようだった。

「……え、あ? あの、え……いや……?
 わ、わたしこそ、なんかごめん、なさい……? てか、あなた誰…?」

 ぽす、と軽く頭に置かれた少女の鱗に覆われた手に一瞬びく、としてしまったが害意はないのは伝わった。ようやく少し落ち着いてそのザラついた、人とは思えない手に目を瞬いて恐る恐る尋ねた。
 男性に手を握られ、少女に頭に手を置かれというちょっと良く分からない図であるが恐慌状態は少し落ち着いた。

クレス・ローベルク > 「いや、確かに嫌らしい事を一瞬でも考えたりしなかったかと嘘になるけど流石に3:7で理性が勝ったし結果は全く問題ないからというかさては君何気に俺で遮蔽確保したな今!?」

混乱の余り、不規則な言動をしつつ宥めつつ、且つ突っ込みをするという中々高度な事をしてしまったが。
とにかく、結果として落ち着いてくれた様であった。
まあ、何かうっかり手を取ってしまったが、流石にこのボディタッチ過剰状態では彼女も居心地が悪いだろうと、一旦手を離し。

「あーと、紹介するね。彼女は、ソラム。
ゾス村で知り合った情報屋さんだ。ついさっきまで、気絶した君を護衛してた。
んで、こっちの子はティアフェル。冒険者のヒーラーさんで、俺も二回ぐらいお世話になってる」

一応、二人を知っているのは自分だけなので、簡単にお互いの紹介をする事にする。
そして、取り敢えずティアフェルの方に向き直り、

「んで……実際何があったのか想像はつくけど……大丈夫だったかい?お金とか、頭の具合とか」

後者は捉えようによっては失礼な物言いではあったが、しかし実際頭をぶん殴られた後である。
ヒーラーである以上、ある程度の怪我は治せるだろうとはいえ、一応は心配しておくのだった。

ソラム > 「ティアフェル.....ね。よろしく」

クレスから説明を受け、ティアフェルが落ち着いたところで手を引く。

「私は...さっきクレスが言ってくれた通り」

そう言うと少しだけ辺りを見回し、誰も来てないかを確認すると改めて放置された瓦礫の山に座る。

ティアフェル > 「訊かれてもいないのに詳細な解説過ぎてむしろ動揺を誘うんだけど…?!
 え? うん。それが何か?」

 余りにきっちり説明されるので逆に疑ったような視線を注ぐが。壁、とそんな扱いをシラフでやってのけて、真顔でなにか問題でも?と首を傾げて反問した。
 なんなら握っていた手すら利用して引っ張って角度調整し、有事の際には盾役にすることも辞さない。……そんな意図を読まれたか、放されたが。

 そして共通の知り合いからのスムーズな紹介に。

「ソラムちゃん? 初めましてー。こちらこそよろしくね。
 ごめんね取り乱しちゃって。ティアって呼んでー」

 大分落ち着きを取り戻すと、ひらーと気さくに手を振ってにこにこ愛想を振りまき。

「お金……くっそ財布ごとごっそり……。
 ずきずきする~……」

 落ち着いてくると所持品やら体調やらの安否を問われて、財布をごそごそ探るともちろんなくなっていて、ぷくりと腫れた後頭部は痛む。
 ヒール……と力ない短詠唱を囁いて後頭部に手を当てて自力で癒し。っはーと大きくため息を吐き出した。

クレス・ローベルク > 「いや、だって俺みたいな奴が『清廉潔白です!』って言っても信用ないしさ……。っていうか、ティアってあだ名あったんだ。初耳……!」

等と言いつつ、彼女がソラムに対しにこにこ笑って愛想を振り撒くのを見て一安心。
どうやら、誤解も敵意も完全に解けた様だ、と。
しかし、残念なことに解けていない物もある。彼女の金銭的危機である。

「まあ、多分貯金とかもあるだろうけど……。
流石に今から財布を取り戻すのは無理筋だろうしなあ……」

お世話になった友人であるし、何より可愛い女の子である。此処は是非、力になりたい所。
さて、どうするか、と思い何となしにソラムを眺めていたら、ふと思いつくものがあった。

「ソラムちゃーん。ちょっと来てくれるー?お仕事の依頼なんだけど」

そう言って、瓦礫の山に座っているソラムに声をかける。
所で、瓦礫の上に座ってお尻とか痛くないのかな、などと思いつつ。

「君、この子を襲った盗賊とか調べられない?
あるいは、直ぐ報酬が貰えるヒーラーの仕事でも良いけど」

こういう時、頼りになるのは友達である。
友達の成果を友達に受け渡し、ドサマギに自分の好感度を上げる。
これぞコバンザメ商法、或いは好感度ロンダリングである。

ティアフェル > 「あ、大変遺憾ながら、それは否定できない……。
 ……あれ、云ってなかったっけ? 云ったつもりだった…。何かきっちり呼んでくれるとは思っていたけど………ティアでいーよ」

 そんなことないよ、と云っても嘘くさいだけのような気がして前半はさらっと肯定した。
 それから呼び名に関しては云ったつもり現象だった。好きに呼んでと今さらながら。

「別に全財産持ち歩いてた訳でもないから、明日っから生活に困るってこともないんだけど……あー……キッツイな……」

 所持金ごっそり持っていかれるとダメージはそれはある。元々別に富裕層でもなんでもない訳だから。頭を抱えていれば、少女に向かって掛け合ってくれている声に、うん?と顔を上げてやり取りを見やり。むしろ初見で大変お世話になったりしたのは自分の方であるが。女子に対しての優しさが半端ない彼は好感度上げに勤しんでくれた。

「………君、プライベートではいい奴でしかないよね……」

 闘技場でのプレイスタイルがアレだが、まあ仕事でやってるんである(好きではあるだろうが)。普段はいい人だよ、と噂を広めといてあげよう…と心に誓った。ありがとう、とぽむり、その肩に手を置いて。

 そして、少女の方を見たが……ふとした瞬間に姿が見えなくなっていた。
 あれ?と首を傾げたが、もしかしたら急用か何かかも知れない。戻ってきてくれたら自分からお願いをしてみてもいいかなと判断し。