2020/04/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジュンさんが現れました。
ジュン > 「さぁて、と」
貧民地区に一人の青年が現れる

「今日は、どうしようか」
とはいえ何か目的があったわけでもなく
辺りをぶらついてはただ適当に歩き回っているようだ

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクレハ・ミズホさんが現れました。
クレハ・ミズホ > クレハは適当に歩いていた。
目的は、いい男を探しているのだ。

クレハはとにかく孕み続けなければいけない呪いを持っている。
一族のためであるし、そういやなわけではないが、いい種がよいと思っている。
普段は闘技場で、自分より強く、見た目も普通以上の相手から種をもらったり、金持ちという経済的強者から売春という方法で種をもらったりしている。

しかし、たまには別のアプローチもしたいのである。
なので、時々こうして街を歩いて男をあさっていた。

「ふむ、いい男ですね」

体格はよい。見た目も悪くない。雄として強そうな匂いがする。しかもあまり不潔ではない。貧民地区にしてはかなりあたりだろう。そう思い声をかけた。

「そこのお兄さん、ボクを買いませんか?」

ジュン > 「ううん?」
唐突に声をかけられればそちらに振り返る

「ふむ、ほうほう…」
女を買う、普段であればこちらから声をかけることが多いが声をかけられることも珍しくはない
そうなれば声をかけてきた女を吟味し

「うん、いいねぜひとも買わせてもらうよ、いくらかな?それと場所は…そこで大丈夫かな?」
と目についた近くの宿を示し

クレハ・ミズホ > 「種をもらえればどこでも構わないですよ。値段は、これくらいでどうです?」

そう言って提示した金額は相場通り、ぐらいのものだ。
欲しいのは種だけだが、あまり乱暴にされるのも嫌なので、相場位の値段を告げる。
あまり安くしすぎると、見下してきて乱暴にする人もいるらしい。
まあ、基本的に相手は選ぶので、そう言ったことにあったことはないが。

「お兄さんカッコイイですからね。ふふ、楽しみです」

ジュン > 「ふんふん、そのくらいなら大丈夫、ふふありがとうそれじゃあ行こうか」
値段の交渉もまとまれば近くの宿へと向かい
サクサクと部屋を取ってしまえば連れて入り

「しかし、種が欲しいなんて珍しいね、俺としては歓迎だけど
それなら、早速しちゃう?」
個室のちょっと大きめのベッドくらいしかない部屋でベッドに腰かけながらそう尋ねる

クレハ・ミズホ > 「そうですね、ボクのおまんこに、お兄さんの種をいっぱいお恵みください」

部屋に入ってから剣と荷物、そして肩鎧を外す。
そうして向かいに立っておねだりする。
クレハの体は引き締まっているが出るところは出る、といった女性的な体だ。
さぞかし下のしまりもよさそうである。

脱がせてもいいし、そのままずらして挿入するのも容易そうだ。

ジュン > 「おー、そこまで言われちゃったら頑張らないわけにはいかないな」
自身も服を脱いでいき少し引き締まった体と大きめの肉棒を露出させれば
襲い掛かるような勢いでクレハをベッドに押し倒す

「実をいうと見た目から結構いいなって思ってたんだよね、だから早速入れちゃうね」
舌をずらせばすでに勃起している肉棒を
ずんっずぶぶっと挿入していく

クレハ・ミズホ > 「あ、おっきいいいい♡♡」

経験豊富そうだが、おまんこはきれいなピンク色で、キッチリ縦スジがきれいなおまんこだった。
膣は慣れているようで柔らかく、しかし鍛えているのかギューギューと締め付ける。
そうしてずぶずぶと入っていくのを、ただただ感じ、悶えるクレハ。
そうして一番奥に入れば、軽くいったのか、ギューッと力強く締め付けた。

ジュン > 「へへっ気に入ってくれたかな?」
締め付けの強い初物のようなおまんこに
ぐいぐいずぶずぶ何とか押し進めて

「でも、チンポだけじゃなくて種の方もすごいから、期待してて、おうっ」
奥に到達しぐりぐりと肉棒を押し付けていれば強い締め付けが襲い
そこでぴゅるっと先走りを零す
そしてそれが奥へと注がれれば媚薬のように感度を高めさせつつ
ずぶっずぷっとゆっくり抽挿を開始していく

クレハ・ミズホ > 「子袋があついですぅう♡♡」

媚薬ザーメンを注がれれば、子宮がキュンキュンと疼き、排卵が始まる。
はやく受精したいといわんばかりに膣を占め、同時に腰を振り始める。
かなり慣れており、気持ちよくなるとともに、おチンポ様も十分楽しませる腰振りだ。

「はやくっ♡ はやくたねをくださいぃ♡♡」

二三回往復しただけで、絶頂しそうになりながら、早くくれとねだる。

ジュン > 「そんな焦らないで♥こんな吃吃おまんこじゃすぐ射精ちゃうからさ♥」
自身の腰に合わせ腰を振られれば
言葉通りすぐさま肉棒が震え、ぷくりと膨らみ大きさを増す

「と、やばっ♥これじゃ本当にもう、射精るっ♥」
とどちゅっ♥ずんっ♥と肉棒が膨らんでから何度か突いたところで
ぶびゅっ♥びゅるるるっ♥と精液を膣内へと注いでいく
そしてその精液の中、精子がすでに排卵しているにもかかわらず
子宮を刺激しさらに排卵を誘発させ
そのまますでにある受精卵にも群がっていく

クレハ・ミズホ > 「おっ、このチンポと種っ♡ つよすぎっ♡ 孕むっ♡ いっぱいはらむぅ♡♡」

一つの卵じゃ足りない欲張りザーメンに刺激されて、二つ、三つと排卵を始める。
受精卵はすべてぼこぼこにいじめられ、どんどん受精をしていく。
さて、いくつの子供が生まれてしまうだろうか。

見込んだつよつよな種をもらえて嬉しそうに、アクメ顔でほほ笑んだ。

ジュン > 「へへ、ね?言った通り凄いでしょ?
それに、まだまだやれるけど、どうする?」
射精が治まりつつも硬いままの肉棒が
どくんっどくんっと膣内で脈動し存在感を放っている

クレハ・ミズホ > 「お、おねがいひまひゅぅ♡♡」

今ですら三つ子を孕まされているのに、さらに出されたらもっと孕まされちゃうのに、
口から出た言葉はおねだりだった。
そして体も、壊されるとわかっているのに、膣はぎちぎちとおチンポ様を締めて、絶対に抜かせない、そんな意志を感じるだろう。

そうして何回も出されれば、多産児を孕むことになるだろう。
全てかわいらしい狐娘である。

ジュン > 「ふふ、それじゃあ一杯赤ちゃん作ろうね♥」
おねだりされれば膣内の肉棒が更に大きさを増し…

その後互いに望む限り射精を繰り返し孕ませることとなるだろう

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジュンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からクレハ・ミズホさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエリシュさんが現れました。
エリシュ > 「はっ、はっ、はっ、はぁっ!!」

 とたとたと響く足音。
 鴉の羽のコートという独特な格好をした少女が、貧民地区特有の入り組んだ町並みを走っていた。
 全力疾走に等しい動き方をしており、両手両足をせわしなく振っていた。
 道端に生えている樹木の後ろに回りこむと、荒い息を整えながら様子を伺う。

「来て………ないよね?」

 それは数分前のことだ。治療を終えて家を出た途端にごろつきに囲まれたのだ。医者は金を持っているという理屈であろうが、彼女は治療でこちらからは金を求めない人種なのだ、逆さに振っても出てくるはずがない。
 こうしたトラブルは、つきものだった。逃げ足だけには自信があった。男たちを撒くのも、そう難しくはなかった。
 木の陰から様子を伺い、誰も来ていないことを確認。ほっと胸を撫で下ろして、その場に座り込む。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にゾーイさんが現れました。
ゾーイ > 「うん、来てない来てない。いやー、キミ足速いね。飛脚みたいだったよ!」

ほんの僅かな気配と共に、少女の真後ろから響く鈴を転がしたような声。
それを発したのは、黒猫のようなミレー族の少女だった。

「ま、ボクもキミを狙ってる泥棒なんだけどね」

エリシュ > 「はぁーよかったよかった………あ、ありがとうございます」

 反射的に返事をしてしまったが、はて、なぜ声がするのだろう。
 思い切って振り返ってみると、ミレー族の特徴を隠そうともしていない己と大差ない背丈の少女がいるではないか。

「あ、あわわわ……………! 許してくださいお金は本当に持ってないんです!!」

 己の足についてきたのか待ち伏せたのか、いずれにせよ少女に戦う気などなく、ぺこぺこ頭を下げ始める。

ゾーイ > 「気にしない気にしなーい。別に見てただけだし?」

見てただけ、ということは、つまり追従していたということで。
この黒猫はゴロツキよりもずっと速いということになる。

「お金なんて要らないよ、キミが何の道具も使わずに、金も取らずに病を癒す奇跡の医者だってことは調査済みだもん。
 ボクが欲しいのは、その奇跡をもたらす呪文。お金なんかよりもずっと価値があるモノ!」

ニコニコと笑いながら、歩みを進め、距離を詰めてくる。

エリシュ > 「うぅ………」

 まずい。この少女は相当に足が速い。おそらく己よりも遥かに速い。逃げられないだろう。
 少女は口元を緩めながらにじり寄ってくる相手を前に、樹木を盾代わりに身を隠そうとした。木が細すぎて半分ほど出ているが。

「知ってるんですか………どうして。
 え゛。そ、それはですね、特殊技能だから! えーっと、あなたが病気ならもちろんやりますとも!」

 病気ならばと強調しながら、盾越しにしゃーっと猫のような威嚇をする。

ゾーイ > 「そう身構えないでよ、キミのことは尊敬してるんだから。
 できればボクも、傷つけたくはないんだよ」

両手を広げて、武器を持っていないことをアピールする。
思いっきり背後に短剣の収まった鞘があるが。

「キミさぁ、何も考えないで無償で治療してたの?
 噂になるに決まってるじゃない、そんなの」

タダで治療してくれる医者なんてそうはいない。
ましてや道具を使わないともなれば、口止めをしてでもいない限り、噂は風のように王都を巡るだろう。
尤も、この黒猫は裏社会の住人。
情報屋のコネクションも幾つもある、口止めしていたとしても常人よりも耳はずっと良い。

「ま、そう易々とは譲ってくれないよねー。じゃあさ、まずボクが病気かどうか調べて見てよ?
 どうにも身体がだるいんだよねぇ、最近。特に何の病気かわからないけど」

エリシュ > 「そうですか。それはよかったです」

 瞬時にころっと信じ込むくらいには彼女は善人であった。
 ほっと胸を撫で下ろす。

「当たり前のことをしてるだけなんですが……まずかったですか」

 少女は、それが当たり前だったので、不思議そうな顔をしている。
 相手が裏社会に精通しているのであれば、こちらは精通どころか足を踏み入れてすらいない。せいぜいチンピラに追いかけられる程度である。
 診断してと言われると、うーんと唸った。

「わかりました。少し触りますね」

 診断方法はいろいろあるが、少女の場合もっとも手っ取り早いのが相手に触れることである。
 手を伸ばして、まずは頬、そこから首筋に手を動かしていこうとする。ふむふむと頷きながら、本当に病にかかっているのかを“感じ取る”。

ゾーイ > 「ははぁ。この国にもキミみたいな人間がいるんだねー」

悪徳と退廃が蔓延る王都の、僅かな良心。
それが形となったような彼女を見て、黒猫は夜に咲く花を思い描いた。
欲しくなったかもしれない。
呪文じゃなく、この医者そのものが。

「別に止めはしないよ?
 ただし、さっきみたいな連中はどんどん増えるだろうね。
 キミを拐って、無理矢理に治療させようとする輩も出てくるかも」

ボディーガードとか、付けないの?
本心からの忠告で、彼女はそう進言する。

「…………」

一応、警戒はしておく。
いつでも臨戦態勢に入れるようにしながら、白魚のような指を受け入れる。

結論から言えば、黒猫に病と呼べるようなものはない。
ただ、寒暖差や劣悪な環境に晒されることからのストレス、血流の悪化による筋肉痛や凝りなど、所々に『悪い物』は感じ取れるか。
病から療法を導き出す西洋の医術ではどうしようもない。
だが、『症状』そのものに対処する東洋の医学に似たエリシュの療法であれば、治療は可能だろう。

エリシュ > 「そうなっても……治療できるなら、治療させてくれるなら、構わないかなあって……」

 逃げ足は速いほうだが、目の前のミレー族の少女のように上手はいくらでもいる。
 それでも構わないと言い切った。

「うーん…………肺も綺麗、心臓も音が均等、むむむ……
 筋肉? 疲労?」

 目を閉じて、首筋から肩、かと思えば頬と、ぺたぺたと触る。
 腫瘍が巣食ってるでもなく、肺を悪くしているでもなく、関節が痛んでいるでもない。健康体であるが、強いて言うならば疲労感、筋肉の疲れだろうか。
 目を開けると、真剣な顔になる。

「いいですか、治療しますけど、ぜっっっっったいに動かないでくださいね。
 いいですね!!」

 動くなと強調。頷こうが頷くまいが、治療を決行する。病があるなら治さなくてはならぬ。まず病があるかを見てほしいというところはすっぽり抜けている。
 どうするのか。簡単だ。顔を寄せて、口付けするのだ。叶ったのならば、舌を絡めて唾液を啜る濃密な口付けへと進行させんと。

ゾーイ > 「ちょっと待って、おかしくない? 何でキミ、『まだ生きてるの』?」

あまりに人が良すぎる、危機感も無さすぎる。
この国でそんな考えは、殺してくれと言っているようなものだ。
武芸に秀でているなら別だが、先ほどの様子を見るに、そのような雰囲気もない。
黒猫の見立てだと、10回は殺されててもおかしくない。そう感じた。

「疲労かー。そりゃ激務と言えば激務だもんね、盗賊稼業も。
 うん? 動かないで、って……んんんっ!?」

唐突な口付けを受けて、目を丸くする。
舌まで絡めてくる濃厚なキスに、尻尾がピンと逆立つ。
だが、緊張はやがて弛緩し、見開かれた目は閉じられ、甘く濃密な接吻に、とろんとしてきた。
何だか、体が楽になっていく、ような。

エリシュ >  彼女が生きている理由は、隠しもったもう一つの能力にあることが理由であろう。
 死ねないのだ。死ねないから、殺された振りをして何度逃げ出してこれたことか。

「んっ、んん………」

 キスには成功した。あとは吸い出すだけ。
 吸血鬼よろしく、相手の頭を抱くようにして舌を絡め、唾液を啜る。
 病が、どんどんとせりあがってくる。おいで、おいで、新しい宿主をやろう。そうして、病の元凶は、彼女の細い体に吸い込まれた。
 舌を抜き、赤らんだ顔で相手に語る。

「治療終了。楽になった?」

 言うなり、少女の鼻からつーっと血が伝った。
 あ、いけない。さっと懐から布を取り出して押さえる動きの鮮やかなこと。

ゾーイ > 「ん、ちゅ……はむ……れ、ぅ……」

心身共に疲労が癒されていく。
まるで10時間ぐらいは寝たような爽快感が骨の髄まで満ちていく。
いや、これは違う。
与える力ではなく、奪う力だ。
魔力の流れは感じ取れなかったが、それは確信できた。

「ぷ、はぁ……はぁっ、ふぅ……名前も知らない相手に、そこまでするの?
 ふふ、でもすっごく楽になったよ、ありがとう。でも、お金は要らないんだよね?
 だから代わりに……恩を仇で返すね」

それは、文字通り一瞬の動きだった。
常人にはパチン、と鞘に短剣が再び収まった音だけが聞こえる程の。
それ程の速度で、黒猫は医者の少女の頸動脈にナイフで斬りかかっていた。

「悪いけど、試させて貰うよ。
 ボクの見立てだと死なない筈だけど……死んだらごめんね」

直撃を受ければ、常人ならば数秒で失血死するような致命傷を、与えようとする。

エリシュ > 「はい。それくらいしかできない………え?」

 疲労か、病だったのか、いずれにせよ吸い取れたのだ、よかったとしよう。
 反動で鼻血が出たが、それを押さえる手つきは熟練のそれ。迷わずさっと止血に入る。
 相手の言葉に頷いて、疑問符を浮かべたまま首をかしげて。

「ぐっ………ッ!?」

 首筋を掻ききられる。信用していた相手からの暴挙に、対応もできず血管をやられる。血が噴水のように噴出し、血溜まりの中にどおと倒れこんで。

「………」

 あっという間に出血が収まる。致死量であろう大量の血溜まりのなかで、むくりと起き上がった。

「痛いじゃないですか……」

 青い顔で不機嫌そうに言った。
 烏羽のコートは血を弾いていた。

ゾーイ > 「ごめんね。でも、試すにはこれしかなかったから。
 キミの危機感の無さ、お人好しさ。
 今、奪われたボクの悪いモノ。キミの鼻から出た血。
 ……あり得ない。何かの間違いとしか思えない。けれど、これは現実なんだね。
 キミは不死身で、他人から病を奪える。そう考えないと、辻褄が合わなかったから」

その目は、とても悲しそうだった。
今にも泣き出しそうな程に。

「どうして? 『病気なのはキミの方』なのに。
 どうしてそんなに、他人に尽くせるの?」

エリシュ >  コートにしろ、ブーツにしろ、血がかかってもすぐに払えるか、付着しないようになっている。
 それはこうして殺されることも想定してのこと。
 悲しそうな相手とは裏腹に、少女は不思議そうな顔をしていた。

「正解です。それがボクにできる数少ないことです。
 ………どうしてって」

 聞かれることも多々あった質問だ。
 どうして治すのと。

「神様はボクを死なないように命を与えてくれました。
 それはきっと、誰かを治すためだから。
 だからボクは、人を治す為に生きたいと思ってるんです」

 飾りげのない言葉で、口元に微かな笑みを乗せて言う。

ゾーイ > 「違う。それは神の祝福なんかじゃない。呪詛だよ。
 『不治の病』なんて比べ物にならない程の、『不死の病』」

彼女は死なないのではなく、死ねない。
黒猫はそう考えていた。
この先、周囲の人間が全て死に絶え、この国が滅び、また新たな国が興ろうとも。

「そして、ボクが何て言おうと……神を呪ったりしないんだよね、キミは。
 バカだよ、本当に。このバカ医者。
 ……だからボクも、バカになるね」

彼女の前へと近づいて、跪いてその手を取る。
抵抗がなければ、そのまま手の甲に口付けしよう。

「ボクはゾーイ・ナインライヴス。誇り高きミレーの末裔。
 ボクの信義と、我が神アイオーンに誓う。
 ボクの生命が尽きるまで、ボクはキミを陰から助け続けると」

それはシーフの姿とは思えない、まるで騎士のような所作だった。

「『ボクにできるのはこれぐらいしかない』んだよ。キミと一緒でね。
 そうしないと気が済まないんだ、頭じゃなくて心がそう叫んでる。キミもそうなんでしょ?」

エリシュ > 「かもしれません。でもいいんです。
 それがボクの人生なんですから」

 外見以上の年齢を重ねている少女は、言い切った。
 終わりがいつ来るのかもわからない人生は、しかし己の人生なのだからと言い切った。
 バカ呼ばわりされた。でも構うものかと微笑んでいた。
 相手が膝を折り、手を取ろうとしてくるのでされるに任せた。

「……………」

 それは誓約であった。己の名を名乗り、そして誓いを立てる。
 まるで女王陛下から剣を授かる騎士のように。
 女王役は、その仕草を黙って受け入れていた。

「………うんっ」

 そして女王は、花が咲くような笑みを浮かべて、相手の手にさらにもう片方の手を重ねたのだった。

ゾーイ > 「闇の中に居てこそ、見えるモノも聞こえる音もある。
 キミに不埒な真似をする輩が減るように、尽力するね」

医者は、裏社会における味方を得た。
襲ってくる悪漢が一人も居なくなるようなことはないだろうが、それでも数は減るだろう。
その生き方には賛否あるだろう。
しかしこれは間違いなく、彼女の人徳が得たものだ。

「協力が必要になったら、貧民地区の9番街にある廃屋に向かって。
 そこがボクの塒だから」

黒猫もまた、己よりも貧しい者には与え、己を貫く者には敬意を表する美学を持っていた。
そして、名前は既に情報として得ているが、やはり形式として、こう尋ねるのであった。

「じゃあさ……名前、聞かせて貰えるかな?」

エリシュ > 「ボクは………このへん、というか宿屋も取ってないというか………!」

 野宿している。
 とはいえず曖昧にぼやかした物言いをするしかなかったとか。

「エリシュ。ただのエリシュです」

 名前を聞かれれば楽しそうにそう名乗ったとか。

ゾーイ > 「ああ、それならボクには筒抜けだから。
 そこら辺、縄張りだし。いつでも大丈夫だよ」
 じゃあ、また会おうね。絶対だよ!」

滅多に口にしない再開の誓いを紡ぎつつ、彼女は立ち去るのであった。

「……これも、オマエの仕業なのか? 偽りの創造主。
 もしそうだったら、絶対に許さないよ。必ず暴いてやる……オマエの低劣さと、傲慢さを」

そして、エリシュが聞こえない程の距離まで歩くと、天を睨み、ヤルダバオートへの呪詛を吐き捨てるのであった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエリシュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からゾーイさんが去りました。