2019/10/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 夏と秋の境目が曖昧だった日々も落ち着きを見せ、次第次第と冷涼になる頃。
小さな人外の姿は、貧民地区の一角にあった。
日が高い内とはいえ、入り組んだ路地にはそこかしこに人の目の届かぬ場所があり、少年の一人歩きには適していないだろうというのに。
この界隈に足を運んでいたのは、縁のある孤児院へ品物の付け届けをしたから。
食料品やら燃料やらの重量物なら業者に任せただろうが、今回は例外。
「祭の形は様々じゃろうが、己を悪鬼化生の類と変じ、災いから逃れるというのはのぅ。
彼岸の者と関わらぬに越したことはないという着想じゃろうが、何処まで効果があるものやら。」
様々な人や物が集まる王都には、同様に方々からの文化も流入する。
秋の終わりが近付き夜が長くなる時期を、闇の時節の到来と、それに服う者共が跋扈する頃合と目した何処かの土着信仰。
故に、己が此岸の者ではないと偽る為の仮面が要るとか。
差し入れたのは、その材料となる布やら飾りやら。
彼らの考える魍魎の類ではないけれど、十分以上に普通ではない妖仙がその手助けをする不条理に、小さくシニカルな笑いが漏れた。
■ホウセン > 用事が済んで手ぶらとなれば、身も軽いし気も軽い。
賑わいのある中心部へ帰る途中、立ち止まって一服するのに躊躇はない。
老朽化の形跡が其処彼処に認められる空き家の軒下で、袂から馴染みの煙管入れを取り出す。
慣れた手付きで煙草を詰め、柔らかそうな唇でちょいと咥え。
煙管入れと交替で燐寸箱を引っ張り出し、無駄のない挙動で着火。
着火剤の影響で火が燃え盛り、一度勢いが減じ、その後の安定した燃え具合の時を見計らって煙草に火を移す。
役目を終えた燐寸は、細い腕を一振りして火を消し、手品じみた手首の返しに合わせて此処ではない何処かへ放逐する。
「彼奴らの考えでは、魍魎の類は幽世に属すると考えておるのやも知れぬが、そうとも限らぬしな。
現世にて生ずる人外とて掃いて捨てるほどおるのじゃから、気休めにしかなるまいて。」
寸足らずな薄っぺらい身体つきで、見目相応の高い声。
されど、肺腑に吸い込んだ紫煙を吐き出した後の一言という二律背反。
化生の齎す害から逃れる為の儀式としての有用性には否定的だが、祭事そのものは否定しないのも二律背反。
それは、人の”願い”の形であるが故に。
大人の男二人が如何にか正面を向いたまま擦れ違える程度の細い路地で、今一度、斜め上に向けて煙を吐き出した。
■ホウセン > 妖仙自身の持つ花の蜜のような香りに、紫煙に由来する焦げた仄かな刺激臭が混じる。
依存症という訳はないが、幾度も繰り返してきた習慣をなぞって一区切りついた心地。
一服も程々に、袖の中に手を引っ込めて、肩で風を切る風情――なのだろうが、子供子供した体躯であっては見栄えはすまい。
精々、大人の真似をして格好を付けていると目されるのが関の山だろう。
「事のついでじゃから、市でも覗いておくとするかのぅ。
何ぞ、小童共の慰労に使えるものがあるやも知れぬしな。」
その台詞を、小童が口にしている違和感は酷い。
ともあれ、細い路地を抜けた先、角を一つ折れる事に、通りの広さは拡大する。
斯様な蛇行を片手の指を全て用いて数えるだけ重ねると、目的地たるエリアに。
平民地区よりも雑多な文物が溢れているものの、その分活気があるように見えなくもない。
その活気が健全なものに限らぬだろうというのは、たまため目に入った、窃盗に失敗して店主に打ち据えられている子供の姿から察して余りある。
■ホウセン > 「ま、ゆるりとするか。」
そんな言の葉を零し、人ごみに紛れて――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルナルさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルナルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここはマグメール、貧民地区。
入り組んだ路地裏で、それは起こっていた。
背後から、姿無き足音、逃げていたら、その先から現れる白い何か。
被害にあった誰もが、そう口を揃えていた。
まぁ、被害がどうこう言っているが、特に何かあった訳ではない。
被害者の共通点は…今のところ、無し。
そして、新たな犠牲者が、また一人。
最初は、何らかの理由で、人通り少ない路地を歩く。
近道にしているのか、普段から通っているのか、それとも…他に何かあるか。
そうして、しばらく歩いていると、不意に聞こえてくるのだ、背後からついてくる足音が。
足を止めると、その足音は止まる。
振り返ってみると、足音の主は見えない。
なのに、再び進み出すと、足音が再び聞こえるように。
………まぁ、うん、別に怪奇現象とか、そんなのではない。
その犯人は、その上、屋根の上から様子を伺っていた。
「大漁大漁、今日は良い日じゃな…!」
くすくすと、そこで笑いながら、様子を見下ろしている少女。
その姿は、普段の黒を主体とした着物姿でなく、白を主体としたもので。
足音は、その者が立てていた足音を、少しずらし遅らせて後ろから聞こえるようにしているだけだった。
さて、後は適当な場所で飛び降り、驚かせれば良し。
あわよくば、それが面白そうな相手だったら…以下略、な考えを。
そう、少女の、いつも通りの悪戯であった。
■タマモ > 少女の視線が、進む先、それを予想する、入り組んだ路地に向けられる。
どこで驚かせるのが、一番安全且つ都合が良さそうか。
下手な場所で驚かせ、変な場所に逃げさせてはいけない。
逃げた先が、ある意味より危険な場所とか、事故が起こり易いとか、それは避けねばならない。
目的は、あくまでも驚かせる事なのだ。
………怪我とかされたら、後味悪いし。
己が襲うのは別として…え、ダメ?
「さて、もう一つ二つ先、あそこに向かえば頃合か。
ささっと、準備をせねばのぅ」
そんな呟きと共に、ごそり、袖から、着物と同じ白っぽいお面を取り出す。
表情の無い女の顔、それを象ったもの、それを被る。
「今度は、どう驚かそうか…
一気に行くか、じわりと行くか…それを考えるだけでも、楽しみと言うものじゃ」
とん、とん、と屋根伝いに移動。
予想した先の通路の上、そこへと移り渡る。
さぁ、後は降りる時、それを見計らうだけだ。
■タマモ > そう言えば、と、ふと耳にした話を思い出した。
「同じ、この地でない者達が、現れておる、じゃったか?
まったく、口外しないよう気を付けておるのに、余計な事をする者達が多いものじゃ」
はふん、軽く溜息を一つ。
ティルヒアでの、ある男とのやりとりを思い出す。
それと、式の一人である者の言葉も。
「曝け出す事ではないな、むしろ、隠す方が普通じゃろうに。
そのせいで、妾まで変に疑われるのは、真っ平ご免じゃ」
中の者は、外の者を、分けては考えない。
ゆえに、己は関係せずとも、関係付けられる可能性が高い。
その危険性を危惧し、己はそれを隠すのだ。
まぁ、その逆、己が変な事をして、と言うのもあるが。
と、その思考を止める。
狙いを定めていた相手が、目的の位置まで来たからだ。
ぐ、ぐ、と体を曲げたり伸ばしたりして、軽く解す。
「では、今日はここらで終わりとしておこうか。
最後のお楽しみは、さてはて、どうなるかのぅ?」
とん、屋根を軽く蹴る音が、もう一つ。
気が付けば、少女の姿は消えていた。
向かう先は、もちろん…
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイルミさんが現れました。
■イルミ > 「はぁ、はあっ、はぁっ……」
貧民街の路地裏、薄暗い道を、小さなテントのような黒ずくめがちょこまかと走っている。その息は荒く、しかしそれは全力疾走による息切れではない。その頬の赤らみも、久々の運動が堪えたからではなくて、
「はぁ、はぁ……油断しちゃった……なんで、娼館なんかに近寄っちゃったんだろ……」
その『性』のにおいは、長らく男に抱かれていないサキュバスには毒だった。まるでごちそうを前にして空腹を思い出すように、身体は収まることなく熱くなっていく。とにかく、このままではいけない。なんとか家に帰らないと……。
■イルミ > 「………~~ッ!!ダメ、もう、我慢できないっ……」
壁にもたれかかって、そのままずり落ちるように尻餅をつく。真っ赤になった顔を左右に振って、ひとまず、人の気配がなさそうなのを確認すると、
「……はぁっ、ぁ、ぁっ……ん、んん……ん……」
服の下に手を突っ込んで、強引に秘所に指を届けて、うんざりするほどぐっしょり濡れたそこを自ら弄り始める。なんて浅ましいんだろう、と自己嫌悪に陥りながら、しかし、男を発情させる魅了の魔術が、四方八方にでたらめに放射され続ける。自分の欲望も魔力もコントロールできていない、落ちこぼれの淫魔であることの証明だ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にゴッツさんが現れました。
■ゴッツ > いつもの荷運びの仕事帰り。
貧民地区の更に端にある家に帰ろうとしていたところ。
何故か急に、自分の身体が熱くなり始める。
酒も飲んでいないのに、頭がぼう、としはじめ。気づけば大きく太い足が勝手に動き。
家とは違う方向に向かってしまう。
そこに居たのは苦しそうに息を吐く女の姿。
導かれるようにふらふらとその姿に近づこうとし、声をかける。
「お、おい。大丈夫か。なんか、あったのか。…って…何、して…」
性根が優しい彼は、魅了の影響を受けてはいるものの、何とか普通に声をかけ、相手の肩に大きな手を置こうと。
ただ、その体からは汗と…溜まっている雄の性の匂いを感じさせて。
近づけば当然、少女が何をしているかがわかってしまい。ごくりと生唾を飲む音が男から聞こえる。
薄いリネンのズボンは、魅了によって今まで男が感じたことがないほど盛り上がり、雄を主張してしまう。
■イルミ > 「はぁっ、はぁ、ぁっ……んっ、んぅうぅ……」
テクニックも何もあったものではない、痒いからかきむしっているような、『むずむず』を取り払おうとしているかのような自慰行為。
それがものすごく気持ちいい。頭が真っ白になりそうになる。なのに、満たされない。やはり男に抱かれないことには、子宮を精で満たさないことには、この波は収まらない。どうすれば……と、夢中になっていたサキュバスは、目の前まで来ていた彼に全く気づいていなくて、
「あっ……!あ、ぁあっ……あの、えと……」
どうしよう。こんなところを見られてしまった。恥ずかしい。どう言い訳しよう。と、常識的な思考が走ったのは一瞬だけのこと。現れた彼が身も知らぬ『男性』であることに気づくと、瞳はトロンととろけて、
「……おね、がい、します……」
何を、とまでは言わないし、言えない。マントを下ろすと、童顔に見合わないむっちりした体があらわになり、ますます魅了の魔力は彼に浴びせられていく。