2019/08/16 のログ
■ジェイ > 珍しいという言葉に疑問符をはさむ少女。
それに、少しだけ笑ってみせた。異国の衣装である着物と唐傘。
少なくとも、その辺りを歩いている平民でないことだけは間違いない。
「――そんなものかな?まあ、気にしないで欲しい。
着物や唐傘なんて久々に見たから、だから。
――と、先に自己紹介しておこう。ジェイだ。珍しいお嬢さん。」
「気を悪くしたら悪かった」と告げるのは互いに会話に支障のない距離。
警戒、と呼べるほどのものは此方も抱いてはいない。
相手が力を持った存在なのは認識できる。
けれど、それに怯えることもなければ、牙を剥くこともない。
緩やかな仕草で、帽子を外して軽く会釈を向けて、名乗る。
今度は、相手への形容を変えた。珍しい服装ではなく――珍しい、と。
「――何、殺し合いになったら、さっさと逃げだすさ。
ただ、そうでないなら……面白い。そう思っただけだよ。」
一瞬、言葉が途切れかかる。
少女の力の影響か。意識が僅かに混濁――脳に該当する器官を調整。
環境へ適応し直す。そうしながら、軽く笑ってみせた。
逃げ出すという言葉が本気か、どうか。次いだ言葉が真意かどうか判然とさせないように。
■タマモ > 己を珍しいと思う事は、普段、そう常に出歩いている者でもない、との可能性もあるか。
可能性と言えば、偶然、すれ違いばかりだったのだろう、と言うのもある。
ふむ、ふむ、と己の考えに頷いて。
「うむ、妾もここに来て、それなりに経っておるからな。
じゃからな、ここ等で住まう者にとって、そう珍しいと言うものでもないのじゃ。
っと、ジェイか、名乗られて返さぬのも悪かろう。
妾の名はタマモ、覚えておくも忘れるも、お主次第じゃ」
ひらり、と挨拶代わりに、扇子を手にしていた手を振る。
こちらとしては、こう安全で気楽に構えられる相手であるのは、ありがたい。
時に、敵意剥き出しとか、堅っ苦しいとか、そんな面倒な相手も居るものだから。
ちなみに、珍しい云々は、そこまで気にしていない。
と、言葉を紡ぐ男に、僅かながらの変化、それを感じ取る。
この環境だ、体調を悪くしたのだろうか?と、まず考えたが…
あ、そう言えば、力を撒き散らしっ放しだった、と思い出した。
ぽむっ、と勝手に納得したように手を打つと、とん、と改めて足で地面を小突いた。
上書きするように広がる力は、元あった力を掻き消してゆく。
「いやはや、すまんすまん、力をそのままにしておった。
止めておいたからな、もう大丈夫じゃろう。
面白い相手を前にしては、不要なものじゃからな。
お互いに、面白いと感じたのは変わらない、と言う事のようじゃのぅ?」
相手が、それに順応出来る能力を持っていた、とまでは分かっていない。
ゆえに、そうしている中、少女は力を切るのであった。
面白気に笑いながら、そう伝える訳だが…あれだ、それを教えるか教えないかは、男次第だ。
■ジェイ > さて、どちらだっただろうか。
偶然すれ違うこともなかった、ということにしておこうか。
「成る程。これだけの街だ。会わないことも珍しくないし
それにだ。俺はそれほど長居を続けている訳でもないからな。
――タマモか。覚えておこう。」
名乗られる名前を、記憶領域に記録する。
帽子をかぶり直す。袖口から滴る水滴が地面に落ちる。
それと、同時だろう。とん、と少女の足が地面を叩く音。
場の力がかき消されていく――見事なものだな、と目を細める。
「此方こそすまない。気を遣わせたな。
今調整して、適応できるようにしたところだったが――この方が楽だ。」
手札を見せる相手には、此方も隠すことなく手札を見せよう。
面白げに笑う金色の目を、見返しながら
“面白い”と評する彼女の言葉に肯定の返事を返そう。
「ああ、そうだな。面白い――興味深い。
もしくは、魅力的、と言い換えてもいいかな?君の場合は。」
薄っすらと口元に笑みを浮かべながら言葉を返す。
そして、緩やかに伸ばすのは右の手。握手でも求めるように。
■タマモ > まぁ、そのどちらであろうと、変わらないだろう。
どうせ今日、こうして出会う事となったのだから。
「確かに、そうじゃろうな。
あー…なるほどのぅ、そうした理由もあったか。
そうかそうか、覚えるか、それならそれで良かろう」
肩に掛けた唐傘を、少し傾け、くるりくるりと回してみせる。
男に雫が掛からぬ程度で、軽く雨水を払うように。
「構わん、無駄に力を垂れ流すのも、あれじゃからな。
適応とな?ふむふむ…なるほど、そんな事が出来たのか。
まぁ、どうせ獲物も、暇が潰れてもう不要じゃ、良いじゃろうて」
この混ぜ合ったものが含む、何かの力なんだろう。
そう考えながら、軽く肩を竦めてみせる。
「うん?…面白いか、まぁ、そう言う見方もあるじゃろう。
魅力的、ともあるか………ふむふむ、なるほどのぅ」
男の言葉に、納得した様子で、腕を組みながら偉そうに頷いてみせた。
色々と混ざってるようだが、美的感覚は、ちゃんとしているようだ、なんて事も考えながら。
あれだ、混ざってるから、そうした感覚も凄いのかもしれないとかどうとか、ちょっと失礼な事を考えたりもしていたのだ。
と、そうしている中、男が手を差し出てくる。
その意味を察すれば、組んでいた手を解き、こちらから、ぎゅっと掴んでみせるのだ。
意味を履き違えていたら?そこはきっと、気にしない。
■ジェイ > 出会い知り合うことができた。
それ以上でも以下でもないだろう。
くるりくるりと回る唐傘。踊る水滴が落ちていくのを視線は負わない。
「それで良かろう」と告げる彼女に頷いてみせて。
「ああ。今くらいのものならばな。
何にでも適応できる訳ではないが。
確かに――獲物なら此処に捕まっているしな。」
最後の台詞だけは、少し冗談めかして笑う。
肩を竦める彼女。偉そうな仕草が、それでも様になる。
外面が整っているからか、それとも内面の力故かまではわからないが。
「ああ、面白くて興味深くて、魅力的。
少なくとも、俺にはそう見えるということだ。タマモ。」
名前を呼び返す。彼女が内面で思っていることはわからないけれども。
手を伸ばして応えてくるのはわかる。
だから、その手を握り返そう。ぎゅっ、なんて擬態語が似合いそうな少女の手を。
確りと、此方は握り返す。触れる感触は、今は人間とそう変わらない。
そうして、そのまま一歩だけ距離を詰めてみせて。
■タマモ > 相手が、同じように思っているのか。
それとも、また違う、別に何かを考えているのか。
まぁ、その辺りは、そう気にする事でもない。
頷く男を見遣りながら、そんな風に考えていた。
「とは言え、やはり、適応する事はせねばならなかった、か。
…?…おや、妾の獲物として、掛かってしまったと言ってしまうか?
そう言われてしまうと、妾としては、それとして扱うべきかと…ちと考えてしまうものじゃ」
男の言葉、最後の部分は冗談っぽいものと思えるものの、少女はくすりと笑みを浮かべる。
その笑みは、どこか意地悪そうなものに見えるかもしれないが。
状況に合わせ、こう、そんな感じに笑ってみた、みたいな。
「妾にとっては、この世界、何もかもが、興味深く見えてしまうもの。
それは、ここに来た時もそうであるし…今でも、そうであるものでな?
もちろん、妾にとって、お主もまた、興味深い」
手を握ったまま、距離を更に詰める男。
特に後退るとか、そうした事はせず、どう動くか、を確かめるように、見詰め続けていた。
■ジェイ > 他者の思考と心理の全てを読めるものなど存在しない。
仮に存在すれば、なんとつまらないものだろうか。
故に、言葉を交わし、表情を見て、思考と嗜好を巡らせるのだろう。
「あのまま立っていれば、意識が混濁するか。倒れていただろう?
こんな天気の中、それは御免こうむりたいものだ。
――と、これは、藪をつついてしまったかな。」
――微かに、交わす笑声。
彼女の意地悪な言葉に、困ったような言葉を返す。
けれども、楽し気と表現するのが似つかわしい色合いだろう。
少なくとも、彼が浮かべて、口にしたそれは。
「まるで、異世界から来たようなことを言うのだな。
ただ、この世界が興味深いというのは同意するよ。
無論、タマモ――君も興味深い存在だとも。」
相手の言葉に、頷く。
手は絡んだ侭、距離は縮んでいく。最初は一歩、もう一歩。
見詰める眼差し、触れ合う金色は逸らすことは無い。
会話に差し支えない距離から、互いに少し手を伸ばすだけで触れ合う距離まで近づいて――。
■ジェイ > 「勿論。そう受け取ってもらって構わないよ。
いや、その言い方はずるいな。口説いているんだ。」
上目遣いに見上げる金の目を、見下ろす金の目。
囁き声が吐息のように触れ合う言葉。
■タマモ > まぁ…実のところ、読む事は可能だ。
しかし、男が思う通り、それが出来る事は思ったよりもつまらないものだった。
だから今は、それを抑えているのだ。
やはり、瞳で、耳で、感じてゆく方が面白い。
「………あれに、順応しなかったら、そうなったじゃろうな。
そうなったら、後どうなるかの保証は、せんかったがのぅ。
ふふ…さてはて、どうじゃろう?」
口元に指をあて、考える仕草をしながら、そう答える。
後の言葉には、やはり冗談交じりに返して。
「うん?…む、むむむ…そうであっても、そうでなくとも、そんなものじゃろう?
どんな事であろうと、楽しめるのが一番じゃて」
僅かに空いた間、少し唸りながら、こう、誤魔化すように。
そして、締め括りは結局、いつもの答えなのだ。
男の動きに、すぅっと瞳を細める。
■ジェイ > 神如き視点を持つもの。
もし、仮にそんな存在がいれば――彼女がそうであっても。
答えも、解法もわかり切っている数式を延々と解く作業が楽しい訳もない。
少なくとも、彼はそう思考する。
「それは怖い話だ。
取って食われていたかも知れないな。
嗚呼――だが、どうやらその危機はまだ去ってはいないか。」
緩やかに、肩を竦める仕草。正確に両肩を同じ角度だけ。
一瞬閉じた目もあいまって、冗談めかした大袈裟な動作に見えるだろう。
「なるほど。まあ、そうだな。
この世界はまだまだ興味に満ちている。君の言葉は、間違いなく――正しい。
楽しさのない処には、何の得もない。」
まるで、昔の誰かの言葉を引用するように、彼女の言葉に頷く。
そのわずかな仕草さえも伝わってしまうような距離。
細める眼差しに、高さを合わせるようにそっと顔を近づけて。
■タマモ > 知る事が、分かる事が出来るからと、それを必ずやる必要はない。
それはきっと、男に近い考え方があるのだろう。
そうした意味では、こうして引き合ったのは、偶然ではなかったのかもしれないか。
「ふふ…まぁ、お主が思う程、大した事ではないやもしれん。
考え方次第では、その逆やもしれんがのぅ。
どうなるにせよ、ジェイ次第なのじゃろう、それはな?」
それが、男の言うような危険なのか、どうなのか。
それを受け取るのは、己ではなく男なのだ。
考え方の違いもあれば、そうなるのは当然だろう。
まぁ…少女としては、難しく考えるのは苦手だ。
案外、その内容は安易なものかもしれない。
「うむ、説明要らずで助かるものじゃ。
時に、己の理念に縛られ過ぎる、難しい連中も居るからのぅ。
………それにしても、なかなか収まらんものじゃ。
そろそろ、後の事も考えねば、ずっとこのままも、な?」
そんな事を言ってはいるも、きっと、後者のタイプであれば、説明を面倒臭がる事だろう。
と、見詰め合う中、ふと思い出したように、そう伝える。
まだまだ、雨も風も収まりを見せていないのが現状だ。
待つか、動くか…まずはそこから、話は始まる。
その結論がどうなるかは、まだまだ後、二人が出すものとなるだろう。
■ジェイ > それを遊戯と呼ぶものもいるだろう。
戯れと蔑むものもいるかも知れない。けれど、それでいい。
こうして、会って、触れて、会話して
意味がなくても、生まれるものはきっとあるのだから。
「そうだな。俺次第かな?
君が許してくれるのならば、という但し書きはつきそうだが。」
そんな冗談を交わしながら、風雨の中で続ける会話。
ただし、それもそろそろ刻限が近いだろう。
このまま嵐の最中での日常を紡ぐのも面白いけれども――。
そのあとどうなるか、どうするか、決めてもいい頃なのだから。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジェイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「貧民地区・娼婦街」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > チンピラやマフィアの、比較的少ない娼婦街
ここ最近急激に治安のよくなった一角である
理由は正直なところよく分ってないが、秘密裏にマフィア達を制圧してる者がいるとかいないとか…
まあ、そんな比較的安全な娼婦街を闊歩する少年がいる。一見少女にも見える幼い少年だ。人懐っこそうな笑顔を、街の人に無駄にふるまいつつ
「――いじょうなーし!」
えっへん、と胸を張る
ご案内:「貧民地区・娼婦街」からシャルティアさんが去りました。