2019/04/27 のログ
カイン > 「衣装をどうにかするだけでは限界もあるしな。
 寒いぶんは酒でなんとかごまかせるんだが暑いのはそうもいかない」

世の中自由自在に温度を操って自分の過ごしやすい環境を作り出す輩などもいると聞く。
残念ながらそんな小器用な真似は自分自身には到底できそうにないのだが。
その代わりにと渡されたエールを手に取り軽く煽れば体の冷えていく感覚に人心地つき、
酒場の中を見回すと遅くまで飲んで潰れている者、一人で静かに飲むものなど客の様子は様々。
時折新しい客も訪れる様子に皆元気な物だと肩を揺らす。

カイン > 「…ん。酒もそろそろ潮時かね」

ふと気が付けば随分と夜が更けた気配がする。
人波よりも随分と頑丈な体を持っている自負はあるが、
かといってほかの全ての部分が人間以上かといえばそんなこともない。
悪酔いしない程度に終わらせようかと緩く息を吐いて考えながら、
立ち上がってその場を後にしていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 貧民地区にある酒場。限りなく平民地区に近い此処では色々な客が訪れる。
繁盛しているのかそこそこ広く、席数もある為、夜が更けてもその賑わいは衰えない。
一般的な市民からみるからに悪人面の輩、はたまた素性を隠して何食わぬ顔をしている偉い人。
そんな沢山の人の中に紛れて、女も居た。
カウンター席の一番端を陣取り、頬杖をついて黒ビールを傾ける、そんな女のいつもの姿。
誰かを待っている訳でもなく、何かをしようとしている訳でもない、女のプライベートタイム。

「…――~~♪…~~~♪」

小さな小さなハミングが女の口から発せられている。
なにやら上機嫌な女。なにか良い事でもあったのだろうか。

「…すぐ寝ちゃうんだもの…楽だったわ…クク…」

明日の朝とある邸宅で、その主の死体が発見され大騒ぎになるだろう。
女の日常から察するに、寝たのは標的、楽だったのは仕事だ。

フラニエータ > 周囲の客はそれぞれの会話を楽しんでいる。その為店の中は結構賑やかだ。
女は黒ビールを一口飲むと、指に付着したグラスの水滴をちろりと舐める。
巻きスカートの隙間から白い足を覗かせつつ、足を組みかえるのも忘れない。
もはやそれが当たり前となっている扇情的な仕草は、プライベートの時間でも惜しみなく繰り広げられていた。

時折他の客の視線がそんな女に向けられる。
女はもっと見ろ、いや見るのが当たり前だと言わんばかりに妖艶な笑顔を振り撒き、秋波を送るのだ。
鴨が釣られれば食えばいい。味が好みなら飼えばいい、と。

「…ごめんなさいな、今、人待ちなの…またの機会に……ね?」

釣られた鴨はどうやら、美しくもなく肥えてもいなかった様だ。女は笑顔でやんわりと嘘を吐く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグライドさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフラニエータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にフラニエータさんが現れました。
グライド > 「―――――おう、そうか人待ちかい。 ソイツは残念だぜ。」

(――隣で、そんな声が響くだろう。
がしゃりと、金属鎧の重々しい音がするのに、先んじて声を掛けた輩が僅かに引いた。
もし、女が振り向くならば、其処には口元に弧を描いた男が一人、佇んで居るだろう。
如何にも、此方は此方で仕事帰りと言う様相だ。)

「――――……よう、一杯でもと思ったが、酒よりも良い女が居やがる。」

(何処か冗句めいた調子で、そんな事を呟けば。
席には座らぬまま、女の座る席の直ぐ傍、壁へと背を預けて佇もう。
がしゃりと、背に背負った巨大な盾が、音を立てた)。