2019/02/01 のログ
■イグナス > 謝罪をして、歩き出す。さてひとまず、飲みなおす店でも探そうか――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にラファルさんが現れました。
■ラファル > 先日、子猫探しの依頼を受けた幼女は依頼人と出会い、紹介状を見せて依頼を受けた。
依頼人にお願いして、その猫の使っているものを見せてもらった―――というか、匂いを嗅いだ。
匂いを覚えたので、あとは追いかけるのみの状態の少女。
とてとて、クンクン、とてとて、クンクン。
匂いを嗅ぎつつ猫の足取りを追うのだけどまぁ、楽チン楽チン。
少女の身体能力は、子猫の動きを追うことなど問題ないというレベル。
というか今現在、追いかけて見つけたら、貧民地区にいたというところなのだ。
捕まえて逃げられても面倒くさいので、子猫を入れる小さな檻を片手に―――。
今、子猫と対峙している。
「逃がさないし、逃げられると思わないことだにゃー。」
―――にゃー。
言葉は通じてないと思われるが、なんか会話しているようにも見える。
■ラファル > 子猫VS子竜。
情け容赦なきバトルが今――――。
「ほいっ。」
始まるわけでもなく、するりと近づいてヒョイっと担ぎ上げてケージの中にコロンと入れる。
任務完了、お仕事終了。
「ふふーん」
どやぁと、ドヤ顔した幼女は、逃げ出さないようにケージの入口にちゃんと鍵をかける。
にゃー。にゃー、と鳴いている子猫を眺める。
ちゃんと布とかを敷いて痛くないようにしてあるケージ。
あとはこれを持って帰って依頼人に見せて紹介状に終了と書いてもらって持ち帰るだけだ。
よしよし、うんうん、幼女は満足げにわらう。
―――スラムの中で半裸の幼女がいれば、どうなるかは、まあお分かりのことであろう
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアルブムさんが現れました。
■アルブム > 貧民地区の路地の向こうに、ラファルよりもさらに小さな人影が姿を見せる。
遠目には少年とも少女ともつかぬその人影は、先客ラファルの方に少し目配せしただけでまた別の道に歩み入ろうとする……が。
突然きびすを返し、ラファルの方へと小走りで駆け寄ってくる。
両手に抱えるように持つは、身の丈を超す巨大な木の杖。先端に付いた鈴がジャラジャラとやかましく鳴る。
「す、すみません! そのカゴの猫さん、ちょっと見せてもらっていいですかっ!」
叫ぶように声を掛けつつ、あと5・6歩くらいの距離で靴を滑らせながら立ち止まる。
そしてラファルの持ったカゴを覗き込むが、すぐにまた顔を上げ…。
「………あ、違う。ぼくの探してる猫さんとは違ったようです。失礼しました…」
アルブムもまた、まったく別の迷い猫探しの途中なのだ。ひとつ会釈すると、少しだけ背の高い少女を見上げる。
この少年が近づくとともに、ふわりと、ほのかなサンダルウッドの香りが路地へと満ちていく。
まるで香水でも着けているような、あるいはお香の炊かれた部屋で今まで燻されていたかのような、確かな香気。
■ラファル > 「――――にゃ?」
近づいて来る気配がひとつ、特に驚異を感じさせるような物はなく。
魔法使いにしては魔法の力の流れがおかしい。
ただ、何らかの加護で身を守られているというのが幼女の竜眼には映る。
ただ、攻撃的なものでもないので、近寄らせても大丈夫という判断。
ちなみに、大きな杖はドンキとしての驚異を―――当然見出さない。
彼の身のこなしでは幼女に当てることもできないし、当ててもダメージを出すことができないのだ。
だから駆け込んでくる彼を眺め、籠の中を見せる。
「や、全然いいけど。きみ、だーれ?」
首をことんとかしげてみせる。
冒険者に見えないというのが第一印象だから、それで依頼を受けているというのも変だな、と思ったから。
■アルブム > 「……ご、ごめんなさい。突然声かけちゃって。びっくりしちゃったかな……お姉さんも、猫さんも」
苦笑いを浮かべながら、頭をぺこり。とはいえ遭遇してからすでに3回目の謝罪のセリフだけれど。
「ぼくはアルブムって言います。今日は……その、猫探しでこの辺歩いてまして。
あっちの居住区にいる子供から、また猫さんが居なくなっちゃったから探してほしいって言われて。
……実はもう3回目くらいなんですけど、いっつもぼくじゃ探せないままで。
その猫さんは毎回自分で帰ってきてるんですけど、やっぱりいなくなると心配で……あははー」
素性を聞かれれば、自身の現状も含めてペラペラとしゃべくる。その声色は変声期前の甲高い声だ。
あっちと言いつつ指をさすのは、ここより確実に治安のいい区域……つまり平民地区の方。
「お姉さんも、猫探し……ですよね? 野良猫の駆除とか……とって食べるとかじゃなくて。
……もしかして、冒険者ギルドのひと……?」
アルブムと名乗る少年も、まるでラファルを真似るように首をかしげてみせる。
■ラファル > 「んー……こっちに近づいて来るのはわかってたし、さほど?」
苦笑いを浮かべる少年に幼女はパタパタと手を右左に降って返答。
気にしてないよーと、にこやかな少女は、彼の言葉を聞くことにする。
立っているのもアレだから、と、ケージを置いてその上に座る。
鋼鉄のケージは幼女の体重ではびくともしないことが証明されました。
「ふんふん。
猫って気まぐれでいろいろな家でご飯もらったりしてるからねー。
三回目で見つけられてないって、いろいろダメだと思うなー。」
自分で帰ってきてるなら、さがす必要ないような気もする。
それを言わないのは優しさ、だろうか。
あっちーと指差された方を眺めて、平民地区の方を見る。
「そだよ、依頼を受けた猫を捕まえてこれから帰るんだ。」
質問にたいして、うん、と一つ頷いた。
そして、尻の下に敷いたケージを眺めて。
「アルブムだね、ボク、ラファルだよ!
挨拶遅れちゃった、ごめんごめん。」
てへー。と後頭部をポリポリ掻きながら、自己紹介を今返す。
■アルブム > 「い、いろいろダメ……あ、あははは……そ、そうですよねー!!」
少女がケージの上に腰掛けたので、相手を見上げる体勢から見下ろす体勢に。
露骨に己の未熟さを指摘されれば……いや、かなり前から実感しつつあった未熟さでもあるので。
苦々しく顔を歪めつつも自嘲するしかない。寒い中なのに、大粒の汗が頬を伝う。
……そして今度は、座り込む少女の上半身に目が移ると。
胸部をベルトで覆うのみという高露出の装いに、わずか少年の頬が染まる。
「ラファルさん、冒険者のラファルさん……ですね。その……冬なのにずいぶん薄着なんですね。
寒くないのですか?」
危なっかしさと際どさを醸し出す胸元に、つい目を奪われてしまう。
丸く見開いた目が、肩口から胸へ、そして腰回りへ。たまにごまかすように、尻に敷かれたネコチャンへ。
「そ、そ、そ、その……ら、ラファル、さん。
差し支えなかったらでいいのですが。猫さんを探すコツとかあったら、教えてもらえませんか?
ラファルさんはその猫さん、どうやって探し出したんです?」
やがて、そんな自分自身の戸惑いを振り切るように、質問を切り出す。
■ラファル > 「だって、そもそも戻ってきてるんだし、猫の習性のままにその子動いてるだけでしょ?」
なんで慌ててさがす必要あるのかな?と幼女はなんでそんなことしてるんだろうとばかりに問いかけるのだ。
苦々しく顔を歪める様子を見ながら、無駄なことしてるんじゃないの?と。
ケージの上で足をプラプラさせながら、少女は彼を見上げる。
「そだよー、冒険者のラファルだよー。
だって、服着たくないし、寒いのは平気だしー。」
基本的には空を飛ぶ少女、空高く飛ぶほど寒くなる。
そういうのに慣れている少女は、こういうところで寒くてもあまり気にならないのだ。
高空のほうがさむいし。
視線が定まらない相手、ニマニマ笑ってみせて、ほれほれ、と肌をさらすように見せてみたり。
胸のベルトを引っ張って先端をチラリズム。
「ん?コツ?
ボクは……匂いを嗅いで追っかけただけだけど。
普通なら、猫の習性とか、その猫が普段行く場所を押さえればいいんじゃないかな。」
人間じゃないから、方法がそもそも普通じゃない。
だから、普通の方法も合わせて返答とした。
■アルブム > 「で、でも。2日や3日家に帰ってこないと心配になるじゃないですか。実際その子は心配してましたし…」
正直なところ、今回3回目となる依頼を請けたとき、明日になれば帰ってきてるような気はしないでもなかった。
それでもこうして探してしまうのは、アルブムが押しに弱いから。
もしかすると、その猫の飼主にさえ、おちょくられているのかもしれない。
「ラファルさん、寒いの平気なんですか。ぼく、王都より寒い場所の出身ですけど、とてもそんな薄着できませんよ。
……ちょ、ちょっと、ラファルさん。引っ張っちゃだめです。取れちゃいますよ…!」
胸を隠すベルトを指で弄り、引っ張ってみせてくるラファルを目にして、あからさまに挙動不審になるアルブム。
顔は燃えるように赤くなり、手を出して止めようとするも躊躇して触れられず、それでいて視線は胸元に釘付け。
乳首がチラリと見えてしまえばさすがに目を背けてしまうが、またすぐに視線を戻してしまう。
「うう……。もう。……えっ? 匂いを嗅いで追いかけるぅ……?
ほ、ホントにそんなことできるんですか、ラファルさん? そ、それじゃまるで、犬とか狼……」
ついで暴露された、驚異の猫探し術の真相には。
さらりと言ってのける少女の口ぶりに、アルブムもしばし驚嘆の視線を向け、感嘆の言葉を漏らす。
そして……ちょっとだけ、侮辱的な喩えの言葉もつい。挑発されてキョドってたから仕方ないか?
寒村の出であるアルブムにとって、鼻の効く生き物というと心当たりがあるのはそのくらい。
■ラファル > 「んー。」
彼の言うことに関しては返答をしなかった。
心配になるというのはその人の感覚であるから、自分が口を出すようなことじゃないと思ったからである。
彼の依頼人が心配に思ったということを否定しても意味がないなと。
それなら、家から出さないようにする、とか別の方策を考えたほうがいいな、とか。
「このぐらいは全然平気だよー。
いつももっと寒いところいるし、ほらほら、見たいんでしょぅー?」
にまにまにま。
ベルトを伸ばしてワタワタしている少年が楽しいのでからかってみせる。
むしろ、にじりにじりと近寄って、少年の手を掴んでどこにさわりたいのかなー?と笑ってみせる。
むにゅ。
そして、発展途上とも言える薄くても確かに柔らかい場所に手を押し当ててみせる。
「そだよ?出来るんだからそれをするのは別におかしいことじゃないよね。
犬とか狼でも出来ることならするんだから。」
きょどる様子と、例えに怒る様子もなく。
出来ることをして何が悪いの?と胸を張る。
■アルブム > 「い、いやそのっ。猫さんの匂いを嗅ぎ分けるなんてこと、普通できっこないですから。
もしかして、ラファルさんはすごい訓練とか積んでそういうことできるようになったのかな、とか……。
……わ、わわっ! いや、み、見たいわけじゃ、ないですっ……!」
獣に喩えられたことは相手の逆鱗に触れなかったようだが、なおも平然と返してくる少女には戸惑いを覚える。
そこに、ずんずんと距離を近づけてこられては、いよいよ奥手のアルブムは焦るしか無い。
異性の身体には興味がある。見てみたい。だけど、その心構えができてない内から迫られると、距離感を掴みづらい。
スケベな視線をあとで怒られたらどうしよう、知り合ってもいないのに嫌われたらどうしよう、などと悪い考えばかりが走り…。
「………あ、う……」
手を取られ、ラファルの柔らかな胸へと指を埋めてしまう。
手指の先までタイツに覆われているが、それでも少女の体温と柔らかさは生々しく伝わってくる。
ここまでされてしまえば、丈の長いローブの裾の下で、男の子の部位もむくりと鎌首をもたげつつある。
……が。
「……う。……もしかして。ラファルさんって、人間じゃ、ない……の?」
ここまで距離を詰められて、はじめてそのことを口にした。
胸元から目を反らすべく、ラファルの顔に視線を移すと。その瞳が人間のそれよりは爬虫類に近い瞳孔を持つことに気づいた。
そしてよく見れば、髪飾りと思っていた側頭部の物体、頭から直接生えてるようにも見える。角である。
「………え、あ、う……」
混乱の極みに至り、麻痺したように身体を硬直させてしまうアルブム。ただ吐息だけが荒くなっていく。
胸に触れた手も離せぬまま、ただ少女の柔らかさを確かめるように微かに蠢く。遠慮がちに揉むような動き。
あるいはそれは、相手がただの人間であることを願う、確認の動きでもあろうか。
■ラファル > 「そだね、普通はできないね。
ボクは別に特殊な訓練は………受けてるけれど。」
母親からストライダーと、エロいこと、師匠からは忍者と、冒険者。
そういった方面で言えばエリートといっていいだろう、特殊な訓練を受けていないとは言えないことに気がついた。
まあ、イイや、特殊な訓練受けてるんだしと考えてしまうのは幼女の感性だからだろう。
「んふ?いっぱいさわさわしていいんだよ?」
そういうのに興味があるんでしょう?ね?ね?と少女は己の乳房を押し付ける。
こり、と先端が固くなっている。桜色にほんのりと色づいているその場所を教えるように手のひらを押し付けて。
「そだよ?ああ、これだけ近いと見えるんだ?」
今は人間の姿をとっている。
角なども隠しているのだけれども、彼の加護はそういうのを見通すことができるのだろう。
人間じゃないこと自体、隠すつもりもないし、見抜いたなら、肯定する。
「でも、むらむらするんでしょぅ?」
くふ、と混乱している様子の彼に、少女はするりと近寄って。
もっと強くもんでいいんだよ?目を細めて柔らかな胸を探るように撫でる動きに言葉を放つ。
甘く切ない声を、こぼしても見せて。
■アルブム > 「うん? み、見えますけど……あ、あれ? 最初話してた時は、髪飾り…じゃなくて角、付いてなかったかも?
へ、変だな……うう……」
推察どおり、アルブムを護る《かみさま》の力で至近距離の看破能力が備わったようだ。
(PL注:ほんとは描写を勘違いしていただけでした。ゆるしてくださいまし)
しかしアルブムとしては極度の緊張から直近の記憶すら曖昧になってる気がして、今や露骨にアホの子である。普段からそうだけど。
「……む、むらむら。……そ、そうかもしれません。この気持ち、『むらむら』って言うんですね……はふっ……。
息がつまりそうで、顔が熱くて、心臓がはげしくて……。
ひとの、それも女のひとの身体、むやみに触っちゃいけないのに、触っちゃってるの……なんか、苦しいです……。
……ら、ラファルさんが、手を引っ張ったんですからね。ぼ、ぼくは悪くない、ですよ……たぶん」
さわさわしてよい、と言われて快諾するほど肝が据わってるはずもない、幼い少年アルブム。
しかしながら、徐々にその指の動きは探る範囲を増していく。
こりっと膨れた乳首に触れれば、一瞬ぴくりと恐れ慄くように指を引きかけるが、すぐにまた触れ直して。
そのまま、硬さや大きさを確かめるように、さわさわと指先だけで円を描くようにいじってみる。
……オトコの胸とそんなに変わらないかも、とか一瞬脳裏で口走ったりするが、とても言葉には出せない。
「……う、うう。やっぱり、なんだかとっても悪いことをしてる気分……です。
お外なのに。少し歩けばいっぱいの人が働いてる時間なのに。こんな……うう、こんなことっ。
ラファルさんの声聞いてると、ぼく、どんどん……『むらむら』が、強くなって……」
少女の目の前でアルブムは腰を曲げ、尻を引き、胸に添えられてない方の手をぐっと自分の股間にねじ込む。
いよいよ自身の性器もせつなくなってきて、ガマンできないのだ。
しかしアルブムの常識としては、昼間に人前でここを勃起させることは恥ずべきコトなのだ。《かみさま》の入れ知恵である。
猛り始めるそこを諌めるように、少女に見られないように、懸命な仕草で隠そうとする。
■ラファル > 「さあ?君の加護に依るものじゃないかな?ボク、そういった物はよくわからないけれど。
でも、別に見破られたからって、どうってことないよ?」
ケンカを売ってくるわけでもないしと、見破って何があるか、と言われて何もなければ気にすることではないのだ。
人の姿を撮るのは溶け込みやすいから、というだけなのだし。
というか、この子大丈夫なのだろうか、加護の力は彼の記憶を改ざんしているようだ。
心も守っているのだろうか、なんて思ってしまう。
「そだねー、エッチなことしたいとか、女の子ともっと仲良くなりたいとか、そういった気持ちはむらむらって言うんだよ。
触っちゃいけないなんて、誰も決めてないよ、だって、触らないと子作りできないじゃん。
子作りしちゃいけないなんて、動物としておかしいよ?
うん、アルブムは悪くないよー。」
そもそも、触られることに抵抗はない、性的なことにも抵抗がない。
触りたいならもっと触っていいんだよ?イケナイ道に引きずり込む沼のような幼女。
ほら、ほらもっと遠慮なく、と抱きついていく始末。
すりすり、と少年の頬に頬ずりもしてしまおう。
自分の胸を触りまわる指の動きに、はぁ、と熱く濡れたと息を吐き出し。
もっと触れて、と甘く耳元で囁いた。
「ふふ、悪いことなの?じゃあ、やめよっか。」
するり、と離れる幼女。
彼が何を耐えて、どう感じているかわかっている。
わかっていて、あえて離れたのだ。
あれだけ刺激し、誘っておいて、焦らす少女は、ケージを持ち上げる。
「さて、ボクそろそろ、報告に行かなきゃ。
またね?」
ちゅ、と投げキッスをして少女は、彼に背を向けて、歩き始める。
■アルブム > 「……こ、子作り? な、何言って……っ……!」
ここまで露骨に奥手だったアルブムだが、実のところ生命誕生の神秘については知っている……ごく断片的に。
と言っても「男女のペアが必要」「精液が鍵」以外なにもわかってないに等しい。
それでも、お天道様の出ている時間には口に出すことを控えるべきトピックであることは認識していて。
そんな言葉が、そう歳の離れてないように見える少女の口から放たれれば、一層狼狽してしまうアルブム。
……もしや、この接触の延長線上に「子作り」があるのか? だとしたら越えてはいけない一線があるのでは? などと…。
「……あ、う……。ううううう……」
そんなラファルから身を引かれ、指も胸元から離れてしまうと。
冬風に吹かれて指先から急速に熱が奪われ、堪えようのない寂しさが少年の心を締め付ける。
しかし、再び触りに行くことも、それどこか引き止める言葉の1つさえも紡げず、壊れたからくり人形のように立ち尽くす。
ほろり、涙がひとしずく。それは女体にありつけない侘しさゆえか、鼻であしらわれた悔しさゆえか。
そのまま、帰り支度をするラファルを呆然と眺めていたアルブムだったが。
背を向けたところで、ようやく投げキッスの波が届いたかのように彼を打ち、麻痺を解いた。
「……ら、ラファルさんっ!
ぼ、ぼくを……ラファルさんと同じ、冒険者ギルドに連れてってくださいっ!」
半ば叫ぶように言い放つと、返答が返るよりも先に歩みだし、彼女の後ろに従おうとする。
「……え、えと、その。ぼ、ぼくももう少しみんなの役に立ちたいから。いろんな人の悩み、解決したいから。
お、おねがい、します……」
次いで言い訳のように紡がれる言葉は、語気は若干弱々しいながらも、まっすぐにラファルを見つめて。
……実のところ、半分は言ったとおりの理由で、半分は少し違う理由。それをごまかす言い訳。
アルブムは未だ、ラファルの熱が恋しいのだ。柔らかさに未練があるのだ。
だから、一緒に繁華街まで帰りたい。
もう触るわけにはいかないし、そんな度胸もないけど、せめて少しでも近くで少女の体温を感じたい。
そんな切ない思いが、ラファルを追いかけてくる。所詮は少年の足、振り切るのも容易だけれど。
■ラファル > 「んに?」
離れ始めたところで、大きな声と、駆け足。
幼女は横を向いて、後ろを確かめる。
やはりというかなんというか、自分の後についてくる少年の姿。
幼女はその様子を見て、目を瞬く。
冒険者というのは結構シビアなところもあるのだ。
彼はそれを知らないのであろう。
「んー。ま、いっか。」
付いてきたから、と言って彼が冒険者になれるかどうかはまた別の話である。
そもそも、幼女も、いちゃもんをつけられたりはよくある話なのだ。
彼の身にあるその力が、加護がかれを冒険者としてくれるかどうかは別の話だし。
来ると言うなら来てもいいけれど、保証はないものだ。
幼女は彼を振り払ったり巻くことなく、依頼人に猫を渡して、依頼の完遂の書面を貰う。
そして、冒険者ギルドへと帰っていった――――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアルブムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からラファルさんが去りました。