2019/01/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリタさんが現れました。
リタ > ここは貧民区に存在するバー、名前はマスカレード。カウンター席は6、テーブル席は1という、大層こぢんまりとした店だ。
料理の味はそこそこ、酒の質もそこそこ、お勧めはジャーマンポテト、ポテトサラダと一般大衆向け。

店の扉が開き、一人の客が出て行った。店の中から少々棘のある「ありがとうございました」の声が響く。
今しがた出ていった客は通称お尻触りおじさん(店員命名)。
呼び名からしてもうどんな人物か解るのだが…一応説明しておくと、来る度に店員の尻を触るセクハラ親父。
そのまんまである。
本日も散々触られたのであろう、店員は少々疲れた顔。

「神様…お尻触ってこないお客さんが欲しいです。」

雨は降っていないが、夜空に稲光が走った。
神様もこんなものを強請られるとは思っていなかったのだろう。

リタ > 店員は誰も居なくなった店内、そのカウンター席にゆっくりと腰を下ろした。

「んしょ…そろそろ閉めよっかな。…明日も来るだろうなぁお尻触りセクハラおじさん…」

なんか増えた。悪意が増した。
カウンターに両肘を突き、頬を両手で支える店員。
その顔を思い浮かべたのか、店員の眉間に皺が寄る。――数秒の間。

お尻触りおじさんはきちんと代金も払うし皿も割らない、騒ぐ事も無いし悪酔いもしない。
おまけに話をしてみれば面白く、おじさんの人の良さが良く解る。

唯一点を除いては真に喜ばしいお客様であるのだ。

「…明日はどうやって防いでやろう…フォーク…ううん…いっその事…」

眉間の皺はそのままに悪い顔でにやりと笑う。何か妙案を思いついた様子だ。
実の所、もはや尻を触るか防ぐかのゲーム、そんな感覚になっている事に気付いていない店員。

明日もまたこの店で、激しい攻防戦が繰り広げられるのだろう。
ちなみに見学はお断りである。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは王都内、貧民地区。
いつものように、少女は屋根伝いに移動をしていた。
とん、とん、とん、と移動をしては、軽く下へと視線を向ける。
この移動方法の長所は、下手に目立たない、面倒事が起こり難い。
そして、移動に関してほぼ迷う事がない事だろう。
上から眺められる事で、何かあれば見付ける事も容易い、と言うのもあるか。

「………まぁ、結局のところ、何もなければ何もないままじゃがな?」

そんなツッコミを自らに行いつつ、少女は移動を続けていた。
少女の目的は…相変わらず、ない。
まぁ、面白いものとか、店とか、ちょっかい掛けれる誰かとか見付かれば良いな程度だろう。

タマモ > 「ふむ…」

貧民地区でも、少し高めの建物。
その屋根の上で、一度足を止める。

「むむむ…仕方ないと言えば、仕方無いものじゃがのぅ」

妙な時間に目が覚め、そんな時間の散歩。
眺める通りに、そうそう人の姿の見えない。
はふん、軽く溜息をつく。
そろそろ、今日のところは撤収するかどうか、考えて。

タマモ > 結局のところ、時間を考えれば無理っぽい。
そう結論が出れば、ぐーっと軽く伸び。
とん、と屋根を再び蹴れば、その姿はどこかへと消えていき。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 夜の貧民地区、その路地裏――。ひんやりとした空気と月明かりの中で、男のぼやく声が、響いた。

「ありゃあ、——こりゃ、こっちは間違いだったかねェ。」

大きな大きな男が、ぽりぽりと頭をかいて路地の出口にたたずんでいた。
遠くでは、喧騒。
今宵の大騒ぎはどうやら、王都にて死霊術の軍団を使い、大暴動を起こそうとした大魔術師がいた――という触れ込み。
当然のように事前に察知されたらば、冒険者やら騎士団にぼこぼこにされて、
今は這う這うの体で逃げ回っているんだとか、なんだとか。
捕まえれば懸賞金が出る――酒場で聞いた与太話を片手にお祭り参加で探し回ってみたものの、だ。

「やれ、まあ、そーうまくいくもんでもねェわな。」

ふんす、と息を吐いて軽く肩を落とした。
さあて、こうなったらば仕方ない、飲みなおすかと路地を出たところで――

「んあ、おう、…悪い、だいじょうぶか。」

どすん、出頭に何かにぶつかった。大体こういうやつではじかれるのは、相手の方。
はんぶん反射的に言葉を出して。