2018/10/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にカインさんが現れました。
■カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場のカウンターに一人陣取って、
エールのジョッキを煽る男の姿がある。
「ああ…街道がある程度落ち着いたと思ったら、野党が増える増える。
やっぱり連中もあの化物には苦心してたのかね」
人目をはばかる事無く愚痴りながらも、ジョッキをカウンターに置き、
店主に次の酒を注文する迷惑な客である。
とは言えその内容はどうにも真に迫った様子で心なしどこか疲れ気味。
団体客だらけのせいか自分以外誰も居ないカウンターを一瞥して緩やかに息を吐き出すのだった。
■カイン > 「流石に1度の工程で6回も襲われるとな、
商隊の護衛ってのはただでさえ気を使うってのに」
難儀なもんだと文句を言いながら酒を煽りながらゆっくりと息を吐く。
首を鳴らして目を細めつつ、軽く肩を揺らせば苦笑いを浮かべ。
「ま、こうやって国乱れててくれたほうが俺たちとして流行りやすいんだがな。
そっちのことを目的にしてる連中も動きやすかろうし」
一人二人心当たりのあるものは居る。何とも大変そうだと頭の隅で考えながら酒をもう一度煽り。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にぼたんさんが現れました。
■ぼたん > 酒場のドアがそおっと外から開かれる。フードを目深に被った頭だけ覗いてきょろきょろしていると、後ろからどやどやとやってきた集団に押されて転がるように店の中へ「おっとと…っ」
■カイン > 「うん?」
愚痴りながらも静かに酒を嗜む間に聞こえてきたのは、
聞き覚えのない音である。
騒々しいそれに押されるように振り返ると見覚えのある人影がやってくるのが見え、
そして当然のように集まる好気の視線に浮かぶ苦笑い。
「久しいな、こっちだ」
そう声をかけてジョッキを掲げて見せれば、
自然と幾らか興味を失ったように人の視線が剥がれていった。
相手の反応を伺うようにゆっくりと目を細めて長め。
■ぼたん > 何とか転ぶ前に踏みとどまる。「う……」視線を感じる。目立ってしまったらしい。
ぎくりと身体が固まったところで聞きおぼえのある声が聞こえてくる。顔を上げて確認できるとほっと笑みこぼして
「うん…ひさしぶり」
視線も薄れていく。呪縛から放たれたように身体を起こして彼の方へと
「よかったよ見つかって…さがしてたンだ」
■カイン > 「俺を…?」
とりあえず知人を好奇の目から救った所で、
帰ってきた言葉は何とも意外なものだった。
驚いた様子を隠しきれずに目を数度瞬かせ。
「そりゃあまた意外というか何というか。
俺になにか用事かい?頼まれごとなら報酬次第、ってところだがな」
護衛くらいならそれほどふっかけはしないが。笑い飛ばしながら相手をじっと見据え。
■ぼたん > 驚いた様子にあはは、と笑って「ほらこないだの…」腰に付けていた巾着から何か取り出して
「にィさんのおかげでちゃんと完成したよ。ありがと」
カウンターの上、彼の前に、作った塩辛の小さな瓶詰めを置く。向こうにいる、この店の主人らしき方へちらっと視線を投げてから「よかったら貰っとくれ…食べるのは帰ってからね」
味の保証はするから、と気だるげに笑う
■カイン > 「ああ。…別に気にせんでも良かったんだがな」
この間のと云われてようやく思い当たる口約束。
少しだけ苦笑いめいた表情を浮かべながらも、
しかし差し出されたものを見ればひょいと手を伸ばし。
「しかし、折角だから頂戴しとく。あれだけ手間をかけたんだ、
不味かったら困るってなもんだ」
冗談めかして言いながら、軽く喉を鳴らして笑ってみせる。
「ま、それはそれとして折角こんな所まで来たんだ。
どうだい、一杯?」
何なら奢ると笑って付け足し。
■ぼたん > どうにも「親切な」彼の笑い方に毎度ちょっと不思議な違和感を感じるが、受け取ってもらえた事は素直に嬉しい。
「常連にも褒めてもらったから大丈夫…
いいのかい?」
誘いには、好奇心に目を輝かせる。
■カイン > 「勿論言い出したからには二言はないさ。
何が好みだい?こっちの酒には疎いかもしれんけどな」
どういうのが良いかと問いかけながら、
顎に手を当てつつにマスターの方に視線を向ける。
とりあえずはいつでも注文できる構えである。
■ぼたん > 「ありがと…」常日頃気だるげな雰囲気を纏うものとしては珍しく、弾む仕草で彼の横の椅子に腰かける。
好み、と聞かれて首を傾げて
「そうだねえ…あンま甘いやつは苦手だけど、それ以外なら」
多分何でも大丈夫、と頷く。「にィさんのおすすめがあれば、それで…」
■カイン > 「どういたしまして、という程のことでもない。
…そうか、じゃあこれかな」
少し考える仕草をした後に注文したのは赤ワイン。
程なく目の前に持ってこられたそれを、女の前に置いて返す。
あまり上物とは言えないが、それなりに香りの良い物である。
自分も注文していたグラスが届けばそれを軽く掲げ。
「それじゃあ、乾杯といこうかい?」
■ぼたん > 目の前に来たグラスに顔を近づけてじっと見つめる。ちょっと鼻を近づければふふふと笑って「きれいだし、いい匂いだね…」
グラスを掲げた彼を、真似するように自分も掲げて「うン、乾杯」少しグラスを触れ合わせた後、もう一度香りをかいでから一口。
「ん…」鼻に抜けてゆく香りに目を細める
■カイン > 「果樹酒は向こうの文化ではあまりない物だったと記憶してるからな、
口に合えば良いんだが」
材料が違えば当然酒の味も違う。グラスのなる音を心地よく聞いて、
自分にとっては慣れた酒の味を味わいながら、
緩やかに息を吐き出しながらゆっくりと目を細め。
「しかしお前さん、男のだす酒をよく飲むきになるな」
自分で声をかけておいてなんだがと肩を揺らして言い返し。
「前に一度口説いたろうに?」
あしらわれるままにしていたが、潰される等と思わないのかとからかうように笑ってのけ。
■ぼたん > 彼の言葉を肯定するように頷いて「そうだねえ…たまァにあるけど、『珍しい』ってえだけで、『美味しい』ってえのはまだ会った事ないよ」
日本酒の、米の甘さを含む風味も好きだが、果実の、ワインのそれはまた別だ。かすかな渋みと特有の酸味みたいなものと、アルコールでふわふわとした気分になりながら
「エエ?…だって店主が目の前で出してくれたじゃァないか」
何か問題があるのか、とフードの奥から見返す。
■カイン > 「なるほどな、そいつは好みの問題になっちますからどうしようもないしな」
生まれ育った場所が違えば当然そうなる。違いないと笑い飛ばし、
相手の言葉に少し喉を鳴らしてほろ酔いの相手を横目にグラスを空にすると、
ひょいと手を伸ばして相手の肩を抱き寄せてしまおうとしてのけ。
「そりゃあ勿論、悪い男に悪戯されるかもしれんだろう?」
それは問題だろうと白々しく言い放って相手を覗き込み。
■ぼたん > 「おっとと…」
肩を抱き寄せられると手にしていたグラスを思わず取り落としそうになる。「アタシまだ飲み終わってないンだから…」何をするんだとばかりに少し睨んでから、軽口にあはは、と笑って
「そンな危篤なやつ居やしないよ…周りを見りゃ、他にもっといい女が居るンだから」二口目を喉に流し込み、ふたたびうっとり。
■カイン > 「おっと、すまない」
相手がグラスを取りこぼしそうになったのを見れば、存外素直に謝ってみせる。
睨まれると少しバツが悪そうな様子で後頭をひっかき。
「それが此処に居るんだな、っと。俺はおまえさんの事を口説きたいと心底思ってるぜ?」
にんまり笑って楽しげに酒を飲む相手を眺め見る。
その様子は色んな意味で悪いタイプの男そのものではあった。
■ぼたん > 酔客の軽口には慣れている。ふふふと笑って
「にィさんのこの現場を見たら、血相変えて来る女がいるだろう?」どうなんだい、と横目で見やる。
「あァ…ウチのお店でもひとつ、置いてみようか…」3口目。
■カイン > 「さて、そんな物が入るならこんな所で一人寂しく酒のんでなんて居ないと思うんだがね」
からかうように笑って言い返しながらも、
存外気に入ってくれた様子の相手を見て緩く笑って見せる。
「それなら良い酒蔵くらいは紹介できるぞ、っと。」
そのまま相手の体を軽く支えて様子を伺いながら肩を揺らし。
■ぼたん > 「なるほど、そいつは違いないねえ…」くすくす笑い返してから、あと1/3ほどになったグラスをみつめて
「おや、ホントかい?」心底驚いて男を振り向く。「にィさん、顔広いんだねえ…」
羨望のような眼差しから、うーんとまたグラスを見つめ「そだね…まずは自分用に、ちょこっと…」
■カイン > 「長生きしてるからな、おかげで顔は広くもなるさ」
相手の驚き顔が見れたのをとりあえず良しとして、クックと喉が鳴る。
ゆっくりと頷いてから肩を揺らし。
「じゃ、今度あったら酒蔵に案内してやるよ。
今日はまあ、流石にな」
時間が時間だとちらりと外を見て言い。
■ぼたん > ふうん、と曖昧に頷いてから気だるげに笑って
「ありがと。頼むよ…そだねえ、また今度」
同じく外を伺うと、残りを数度に分けて飲み干して、ご馳走様、とカウンターの向こうへとグラスを押しやる。椅子から滑るように床に降りると、ちょっと床がふわふわしている…気がする。その感覚にふふふと笑いながら
「また会いに来るよ…」
■カイン > 「ああ、また今度。…それじゃあな?」
重ねるようにそう言って見せれば、手の内から抜けた相手の体を見て喉が鳴る。
ゆっくり頷いて返した後、軽く手を上げて挨拶に代え。
■ぼたん > 同じく手を少し上げて振り、じゃァね、と踵を返して酒場の外へと滑り出てゆく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からぼたんさんが去りました。
■カイン > 「…さて、それじゃあもう一杯」
頼むとマスターに注文をつけて少しだけ一人の時間を楽しむことにする。
暫く酒気を感じ入りながら、ふらりといつの間にか姿を消していくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアルクロゥさんが現れました。
■アルクロゥ > 貧民地区は夜遅くになってもどこからか悲鳴や罵声のようなものが響いていて、それを強い風が流し去っていく。
歪に入り組んだ大小の通りにもそれぞれに酒場帰りの酔っ払いから客引きの女、路地の片隅で座り込んで虚ろな瞳を漂わせている者などが点在している。
誰もが何かしらの獲物を求めながら、それ以外にはまるで関心を持たぬような者達ばかり。
フード付きのマントを目深に羽織り、暗い道のさらに影を渡るようにして目立たぬ足取りで男が歩いてくる。
途中で佇んでいた物乞いが何やら声をかけてくるが一瞥すらせずにその前を通り抜け、分かれ道があると一度立ち止まり道の先の様子を見比べてから選んで進み、そんな事をもう何回繰り返したか。
この男にとっての獲物は、薬の実験台の哀れな犠牲者たる娘だが、一度取り逃がしたが最後でもう見つけられそうも無い。
「わざわざこんな所まで出向いたが、やはり空振りだな。このまま手ぶらで帰るというのも癪だが、いい店でもあれば気晴らしにいっぱい飲んで帰るくらいしか無さそうだ」
それとしても、この辺りの店では迂闊に入ったら何を飲まされるか分かったものでは無い。
もう少し周辺を探しながらまともな店のある方へ向かおうと決めて再び歩き出す。