2018/05/16 のログ
シチュー > 「じゃあー、今から強くなって!今からお金持ちになってよ!
僕も応援するからさ!
――ふぁ……、その……、うううう……。そんなのって……。
でもありうるんだよね……。――ふふ。ブレイド」

笑って言う彼に、無茶振りもいいところかもしれないけれど、瞳に星瞬かせながらひとり盛り上がっていたり。
相手から聞かされた、現実にありうるミレー族の悲惨な行末に握った手を震わせる。一歩違った自分の運命だったかもしれないと、悲しそうに、やりきれなさそうに。
あくまでふつー、と照れた風である彼の名前を優しげに告げると。ぴと……。なんとなく、彼の脇腹に身体をくっつけた。

「おぉぉ……!ホンモノ!やっぱり冒険者なんだ!
ブレイドが悪い人をばきばきって倒しちゃうとこ、いつか見てみたい!こう、フードとマントがはためいてさあ……!」

彼の腰のホルダーを見せてもらうと再びキラキラと瞬く瞳。
自分じゃろくに使えないけれど、空いた手でナイフ握る仕草で彼が格闘してる様子を示してみせて。

「そろそろ、……見えてきたね、平民区」

等と戯れて歩いていると、いつのまにか抜け出しつつある貧民区。どこか名残惜し気に彼の手に触れながら。

ブレイド > 「そうなるように、鋭意努力中だ。
オレだって、そうなれるならそうなりてーしな。
ミレー族もだけど…オレの友達とか知ってるやつがそういう目にあわねー程度には、なりてぇな。
ん?なんだよ、くすぐってぇな」

心からそう思う。
少なくとも、自分の知っている範囲の友人は守れるだけの財力や力があればいいなと。
辛い目にあわないようになればと。
体を寄せる感触に少しくすぐったさを感じる。だけど、離れたりせずシチューのしたいようにさせておく。
先程の気恥ずかしさも相まって、少し頬が赤い。

「お前な、お前がそういうところ見るってのは、お前が悪いやつに襲われてるってことだろ?
オレはそんなのはゴメンだっての。安全な道歩けよ?これからはな」

熱っぽく語るシチューの頭をぽんっと叩いて。
まぁ、ヒーローとか言ってるのだから、そういう姿に憧れるものなのだろうなとは思うが。

「ん、そうだな。お前の家…つーか、屋敷はどっちだ?」

名残惜しげなシチューの手をしっかり握って。

シチュー > 「それでこそ、僕らのヒーロー!
僕のヒーロー、かなー。なんて!あはっ!
――ううん。なんとなくー。気にしないでー」

この目の前歩く彼を自分のヒーロー!と明るい声音を弾ませる。そうすることで、彼に祝福を与えるように。
彼から、薄暗い貧民区からの脱出という導きを与えられたように。ぴったんこ、と肩口を触れたり、黒い尻尾で腕をナデナデしたり。特に意味はなくて、例えるなら猫同士が親しげにそうするような感覚。

「あは、そっかー。そうだね。気をつけるよ。なるべく!
……とりあえず、そういうブレイドのかっこいいところも見てみたいし、ブレイドのこと、これからも色々知りたいな。あと、僕のことも知ってほしい。
……せっかく友達になれたんだもん!
――お屋敷は向こうだね。少し歩くけど……、ついてきてくれる?きてくれる?」

頭を触れられるのはすきだから、どこか嬉しそうに瞳を細めた。ヒーロー像を彼に重ね合わせつつも、彼と親しくなりたい気持ちを伝え。ここでお別れかなと寂しがる手付きをしっかりと握ってくれるから、ぱちぱち睫毛を弾ませた後に驚いたような、そしてとっても嬉しそうな顔で屋敷のある方角を示した。

ブレイド > 「ヒーローって柄じゃねーけどな。
こんな目つきのわりーヒーローがいるかよ。
ん、そか、ならいいけどよ…ふわふわしてんなー、尻尾。
しっぽ触りたいってやつが多い気持ち、ちょっとわかるかもな」

自分の目を指差す。金色の瞳だが、目つきはまるで悪人のように悪いだろう。
ケケケと人が悪そうに笑い、触れる少女の方や尻尾の感触を感じる。
他人の尻尾に触れるという機会はあまりなかったような。

「たのむぜ?全部終わったとに見つけっちまったら後味悪いじゃすまねーんだからよ。
オレの安眠のために気をつけてくれよな。
ま、かっこいいとこはともかく…友達ってんなら、たまに話すのもいいかもな。遊びに行ってもいいぜ?」

ここで別れてもいいのだが、平民地区から追われてきたのであればここも安全ではない。
やはり家まで送っていくというのがスジだろう。

「おう、まーた変なやつに絡まれて逆戻りじゃ話になんねーからな。
屋敷までついてかせてもらうぜ?迷惑じゃなきゃ、だけどな」

シチュー > 「そかな?ちゃんと物を見る目だよ、正しく見えるように、じっと見てる目。
ふふー。僕の自慢の黒尻尾さ。ブレイドのこといっぱいもふもふしちゃうよー!」

いかにもな正義なんて、きっと暗雲たちこめる王都じゃどこかで消えてしまうだろうから。その金色ほどの鋭さが必要なんじゃないかとばかり彼の目付きへそうこぼす。
梳られたサラサラな尻尾を柔く巻き付けては戯れて。

「うんうんっ!遊びにきて!またお話しよ?
ブレイドのすきな食べ物とか、ブレイドの初恋のお話とか!
――わあああ!やったー!
じゃあじゃあ、僕のお屋敷まで一緒だね!お屋敷まで着てくれたら、お礼に夕ごはんはどうかな?僕のメイド仲間の事も紹介したいし!」

花咲く笑顔で浮かれると、繋がった手先をすりすり、頬で擦り寄せて。今度はうきうきと一歩先立って屋敷のほうへと歩き出し。夕暮れの平民区を背景にしてあれこれと楽しげに雑談を弾ませるのだった。

夕ご飯へのお誘いに相手が頷けば、メイド達の使う食堂にて彼をもてなし、同じくミレー族のメイドや人族のメイドへ「彼は今日できた、僕の友達ー!」と紹介する。
彼が遠慮するのなら、お屋敷の戸口にたって彼を見送る。
どちらにせよ、別れ際は「今日はありがと!またね!」と大きく笑顔で手を振るもので――

ブレイド > 「そういうもんかね?ま、期待されてんならもうちょっと頑張ってみるけどよ
ヒーローらしくさ。
黒尻尾はお揃いだな。でもやっぱ他人の尻尾の方がふかふかしてて触り心地がいいような…」

まっすぐ見つめられると弱い。まぁ、かっこ悪いところを見せない程度に努力しようという気にもなる。
誰かのヒーローになれるのなら、まぁ、あまり悪い気はしないのだから。
シチューの尻尾と戯れながら、貧民地区を抜けていく。

「そうだな。えーと、屋敷ってのはオレが入っても大丈夫なもんなんだろーな?
って、好きな食べ物はいいとして、初恋だぁ…!?こっ恥ずかしいな、そういうのは…
ま、夕飯はまだだったし…せっかくだからごちそうになる。
あんま豪華にしなくていいからな?気後れしちまう」

無邪気に喜ぶシチューを連れて屋敷へと向かう。まるで本当に猫のようにじゃれてくるなと笑いつつも。
メイドたちに紹介されると気恥ずかしいが、ここのメイドたちが幸せそうに仕えているのを見れば、こちらも笑顔で。
別れ際にはシチューに手を振り返し、もう危ないめにあわないようにと願うばかり――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシチューさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にフィズル・バークラバーさんが現れました。
フィズル・バークラバー > 夜も更けた貧民地区
そこを歩く、非常に派手な風貌の男
一見すると貴族のようだが私腹を肥やしている風には見えず、少々不機嫌な様子

「退屈だ」

ぽつりと、賑わい始めた貧民地区の通りでぼやく

「退屈だ、退屈だ。退屈だぁぁあぁぁぁあぁぁ!!」

突然叫びをあげ、ふぅ、と息を吐いて
周りから妙なものを見る目で見られるが気にせず肩を落とす
というのもここ最近、心躍る勝負が全くできていない
また勝負の結果から得られる戦利品。金であったり、イイ女であったり…もまたなく
これなら、ハイブラゼールにいたほうがマシだったか…?などと思いながら
懐から金貨を一枚取り出し

「仕方ない。一人で遊ぶか」

親から教えられた一人遊びを始める
ぴん、と金貨を指で跳ね上げ、自分の手で受け

「表か」

2歩、通りを進む。
力を加減すれば、表裏など彼にとっては自由なのだがそれはせず
表が出れば2歩、裏が出れば1歩下がって
それを繰り返していれば人目を引き始めるが、元来目を引く格好の彼は気にせず
ただ退屈を紛らわすため、ぴん、ぴん、と金貨を跳ね上げさせ続ける

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にラヴゥチンさんが現れました。
ラヴゥチン > 今日もたくさんの信者が集まって話を聞いてくれた。中には炊き出しを求めに来ていただけの人も話を聞くのに熱中してくれていたそれがとてもうれしくて、背の高いシスター服の女性は瓶底眼鏡でもわかるほどにやにやしていた。
この調子で信者を増やすために自主的に貧民街を散歩してごろつきやらをボコボコにして話を聞かせて興味を持ってもらったり、そうでなければこの辺りで悪さできない様にきっちりお灸をすえていた。
勿論、困っている人がいれば救いの手を差し伸べることも忘れない。
さて、今日はどんな出会いがあるだろうとわくわくしながらシスター服でうろつく。闇に溶けるような黒は路地裏から出てきたりするとたまに悲鳴をあげられたりしたが、結構頻繁に起こるので7回目ぐらいから慣れてきた。

ぴんっぴんっと何かをはじくような音が聞こえてくる。音のする方へ行ってみるとコインを指ではじいて歩いたり戻ったりしている人を発見した。

「あれは………」

なんとなく自分にも覚えがある。道に迷ったりしたときに神の意思を扇ぐためにコインで右左どちらに進むか決めたりしたのだ。
きっとあの人がやっていることも似たようなことなのだろう。という事は……同じ宗教家かなにかだろうか?
そうでなくても何かそういった神に似た信念を信じているような人なのかもしれない。

「えっと、驚かないでくださいね。こんばんは」

背後から声をかけるのだからとりあえず一度前置きしたうえで話しかける。

フィズル・バークラバー > シスターが近づく間にも何度か前進、後退を繰り返しつつ
そんな相手に話しかけるなら少しざわ、と周りからざわめき

「あ、くそ。裏か…」

男に近づけば丁度一歩下がり、次にコインを投げるための準備をしているところだろうか
そんなところに声をかけられれば、僅かに体を揺らして振り向き

「ん?なんだアンタ。……シスター?」

前置きをしたからか、驚いた様子はなく挑発的な釣り目を相手に向ける
正面から見れば、貴族というには服装は常軌を逸して派手であるため疑わしく
ただそういった格好から金銭自体は持っている…つまりここの住民ではないということはわかるでしょうか

「なんだい。神様へのお祈りはしてるぜ。生憎と寄付はしてないがな」

なんて軽口を叩きながらに、と男臭く笑って

ラヴゥチン > 自分と随分対照的なカラフルな服を着ているななんて少し思いながら神様という言葉ににこやかに反応する。
周りの人の目も気にせず嬉しそうに両手を合わせて祈りのポーズをとる。

「やはり常日頃から神に感謝するような職業についてらっしゃる方なんですね」

近づいてみて自分と同じ、もしくはそれ以上の身長があるとわかって少し驚いた。男性だからこれぐらいは当たり前なのかもしれないが貧民地区という事もあり栄養が行き届いている人が少なく、背の小さい発育不良な人が多いからである。衣服やそういったところからこの人はただものではないんだなと感じ取った。

「寄付はいりませんよ。あ、申し遅れました。私の名前はシスター。シスターラヴゥチンです。よろしくおねがいします」

自己紹介を済ませながらにこりと微笑む。この辺りでは見かけない人つまりまだ教会には少なくとも来たことない人である。そういう人が信者になってくれるととてもうれしいのだ。

フィズル・バークラバー > 男の目に入ったのも、自分と対照的な…黒いシスター服の女
自分が冗談交じりにお祈りはしてる、と告げるといきなり祈り始めるので

「……、おいおい、マジの奴か。ここらにいる奴は『そういうの』を使って騙そうとするやつばっかりなんだがな
あー、俺は別に神父とかそんなんじゃねーよ?」

こちらも驚いた。
何せこの貧民地区では金を稼ごうとする奴らが毎夜神を語り、怪しげな薬を売りつけたりしているのだ
しかし、目の前で捧げられた祈りは、素人の男の目から見ても真摯、かつ慣れたもの
そんな祈りができるのは本職だけだろう
神に感謝することがあるのも本当だが、職業については否定してから…

「おう。あー、敬うとか苦手だからよ。ラヴゥチンって呼んでいいのか?
…俺ぁフィズル。フィズル・バークラバーだ」

名乗られたからにはギャンブラーとして名乗り返さねばなるまい、と名前を名乗り、に、とまた笑う
貴族に詳しいのなら、悪徳と言われる貴族が多いこの国で、賭博を主とし、権力を放棄しかかっている変わり者の貴族だと頭に浮かばせることもできるだろう

ラヴゥチン > 「はい、大丈夫ですよ。神父様でしたらきちんとした服を身につけていると思っていましたので……きっと運に身を任せるそんな職業をしてらっしゃる方なのではないでしょうか?」

姿勢を戻し目線を合わせながらにこやかに微笑む。当たっているかどうかはわからないがきっとそうだろうと思っていた。
貧民街でたまに見るサイコロを使った遊びでお金をかけているのを見たことがある。それで日々生活している人もいると聞き及んだ。そういう人は毎日毎日熱心に祈りを捧げていたりするのだ。なので、きっとこの人も似たようなことで生きているのではないだろうかと思った。

「バークラバー……バークラバーえぇっとどこかでそんな名前を見たような……子どもの頃に何の脈絡もなく建てられた教会を立ててくれたのがそんな名前だったような?」

気の性かな気のせいだろうということにした。
きっと偶然同じ苗字だったのだろうと思い込んだ。

フィズル・バークラバー > 「…そりゃそうか。こんな神父じゃ祈りも捧げられねぇわな
…おぉ、アンタ、すげぇな。まあその通りなんだが
そうだ。運とか駆け引きとか、そういうので飯食ってる奴だよ。敬虔さとは程遠いが、一応神には感謝してるぜ?」

相手の予想通り、日々を賭けでいき、賭けをしない日は勝った分で食う
貴族でありながらそういった行き当たりばったりの生活をしているのがこの男だ。
自分の素性を…確信は無さそうとはいえ、当てた相手を素直にほめ

「あー………。立ち話もなんだ。そこで座るか」

その話には覚えがあった。そういえば死んだ親父が気に入ったシスターに教会を送ってやったとか自慢してたような。まあ、それとは限らん、と頭から追いやり
しかし素性を当てた相手に…どちらにせよこの後の展開は変わらないのだが、興味が湧いたようで
酒場近くに設置されている…本来なら外で呑めるようにと作られた椅子に導くだろう

「で、座ったところで早速だが。退屈なんで、何か勝負しないか?」

シスターがそのまま座ってくれるなら、わくわく、と子供のような表情で
そんな唐突な、困ることを言ってしまうか
ランダム指名(自分以外) > ラヴゥチン
ラヴゥチン > 「あたりましたか?これも神様のお導きですね」

にこにこしながら自慢げに胸を張る。シスター服の上からでもわかるほど大きな膨らみが少し揺れた気がした。
どこかに座るかと誘われればもちろんと二つ返事でokを出す。元々業務自体は終わっている。無理やり宗教のお話をするよりもこの人にどんな神の加護が今まであったのか聞いた方が楽しそうであると思ったのである。

「勝負ですか?勝負……なんの勝負でしょうか?あ、もしかしてあれですか?今日の稼ぎを私でですか?申し訳ないんですがしがないシスターなんです。サイフはありますがほんの少しだけなんです」

申し訳なさそうに頭を下げる。必要最低限の生活を送れればいいと教会側に直談判して『減給』してもらったのだ。
わくわくしている表情を曇らせてしまうかもしれないと非常に困った顔になる。

フィズル・バークラバー > 「シスターってのはこれだから。…しっかしいい体してんな」

これだから、とは言いつつも彼もまた信念を持つ相手は嫌いではない。むしろ好ましい
故に声色は風貌とは合わず柔らかく、席まで案内して
しかしそれはそれ。シスターらしからぬ肉体には男らしくごくりと唾を飲んで
そうして席へと導けば、神の加護の話などではなく勝負の話をするのがこの男であるのだが

「違う違う。いや、金を賭けることもあるが、俺が本来したいのはそういうのじゃねぇ
…金よりも大事な、信念、自分の時間、力。そういうのを賭けたモンだ。だから関係ねぇよ
ああ、だが。シスターだしな。神様に叱られるんならやめておくぞ?」

シスターが金を賭けるとは思ってねぇよなんて付け加えながら訂正を
続けて

「ぐだぐだ言ったが、簡単に言うならあれだ。子供がよくやる、勝ったら言うこと聞けよ、って奴だよ」

熱くなりすぎてしまったため、わかりにくかったかと付け加えて

ラヴゥチン > 「あ、やっぱり男の人はそういうところ見ちゃうんですね……わかっているんですが」

はにかむ様に笑いながら一応褒められたのだから、一応ありがとうございますとお礼を言った。
男の人に興味を持ってもらえてお話を聞いてもらえるのはいいのだが体の方ばかりを見ていて文字通りお話にならない人が多いのだ。

「ふむふむ。お金をかけないんですね。他の物をかける……いえ、逆にお金をかけるのであれば本当に遠慮するところでした。自分の能力を誰かのために役立てると考えれば構わないですよ?」

笑顔を曇らせる事はないことが分かり少しほっとした。
あとはどんな勝負をして、どんなものを賭けるかである。

「言うことをきくというのを賭けるんですか?それとももっと何か別の物をかけますか?」

一応詳しく聞いておかなければならない。場合によっては自分の体質の事も話しておかなければならないからである。

フィズル・バークラバー > 「まあ見るな。シスターなんて清純の象徴がそんなモン掲げてたらよ」

肩をすくめながら、見てはいたものの、虜にされた、というほどではなく
ただ単に女性としていい体してるな、と…それもそれで失礼なのだが。

「へぇ。寛容なんだな。なら、勝負だ。そうとなりゃ、しっかり条件を決めねぇとな」

にこにこ笑顔を崩さず、また遊ぶ準備をする子供のように体を揺すり始めて
だが表情とは別に彼にとって勝負とは…相手で言うところの、教会での祈りである
神聖であり、不可侵であり、約束を違えることは許されない。
ギャンブルという性質上、イカサマはありえるが、それも彼は使われるまでは使わず、このシスターがそういった手管を使うとは考えておらず

「まあ例として、だな。別にそんな重いモンじゃなくてもいい。一日荷物運びしろー、とか
ああ、例えばあの屋台の肉を奢れ、とかな。これは何でもいいぜ。唐突で困らせちまったからな。そっちが決めてくれ
それに対して、俺は…できるだけその要求に等価値になるように俺の要求を提示する。どうだ?」

いかん、熱くなりすぎた、と反省し。乗ってきてくれるなら、詫びの意味も込めて相手が好きなものを先に要求してくれ、と

ラヴゥチン > 「好きでぶら下げているわけじゃないんですけれどね……あ、でもシスターだからって清純とは限らないですよ?戦場に出て敵の攻撃受け止めながら愛を説くシスターもいるんですから」

自分の事なのだが他人事のように話す。自分はどっちかといえばパッション溢れるシスターでありたいと思っている表れでもある。
そんなことよりもかけるものを決めなければと頭をひねる。相手は子どもの様な反応でニコニコしているが目というか雰囲気は真剣そのものであることが伝わってくる。
自分もきちんとそれに当たらなくてはならないだろうと気を引き締める。

「本当に何でもいいんですか?なんでも……なんでも……」

あまり無茶苦茶な要求をすると同じだけ無茶苦茶な要求をされてしまう気がする。しかし、教会に来る賭け事で生きている人がスリルが楽しんだと言っているのを耳にしたことがある。ある程度ひやひやしてもらわなければならないはずだ。
それこそ自分の大切にしているものを賭けるレベルの方が相手は喜んでくれるだろうか?例えば教会からもらった加護満載の鎧。あれと釣り合うものと言えば……

「あ、じゃあ、新しい教会ください」

ぽんと閃いたような顔でにこやかに宣言した。

フィズル・バークラバー > 「あァ、戦乙女とか呼ばれたりするな。すげぇよな、そういうの。俺ぁ戦いなんてからっきしだからなあ…」

男にとっては勝負の時に祈る以外、教会に行くことなど無く。しかし祈りというのがどういったものかは知っている
そんなものを戦いながら説くというのだから世界は広い
その相手が目の前にいるとは知る由もないが。流石に彼と言えど、体を見ただけで戦場に出ているかどうかはわからない様子
だが、自分の心情を察して気を引き締めるように表情が変わった相手に、更に興奮を感じて

「ああ。じっくり考えな。」

相手が考えている時間もまたいいものだ。自分が屑であることを自覚している彼には
そんな彼に付き合ってくれる相手が悩んでくれている、ということもまた嬉しく
酒場の店主に睨まれれば懐から2枚ほど金貨を渡して黙れ、とジェスチャー
相手が存分に要求を考えられるようにして。
まあ、多少寛容とはいえシスターだ。精々が信徒になれ、とか教会に来る恵まれないガキの相手だろうな、と予想していたが

「っ!?ぶ、ふ…っ!」

予想外のどでかい要求に吹き出す。ただ、怒ったわけではなく。むしろ逆だ

「ぷ、く…は、は!ははははは!!、こりゃ驚いた。すまん、まだラヴゥチン、お前のこと侮ってた!」

破顔し、ばんばん、と椅子を叩く。心底嬉しそうに。腹を抱えながら
そうしてしばらく、息を吐いていたが

「く、く…。ふー…よし、わかった。これからやる…まあ、単純な勝負にするか。にラヴゥチンが勝ったら
……神に誓って、ラヴゥチンに教会を作る。どこでも好きな場所に、好きな内装で、な。そのための資金はお前に一切迷惑がかからずに調達することも誓おう」

息を整えれば、こく、と頷いて。眼に光を讃えながら約束する
だが、と続け

「しかし、教会か。場所にもよるが結構な額だな。それが釣り合うとすれば…ここは同じ額の物品を賭けるんだが、それはしない。シスターだしな
その代わり…そうだな。」

うん、と男の方も要求が決まったようで

「教義でもし禁止されてなければ、だが。一晩、その体を俺に抱かせろ。その価値があると俺は思った。
アンタは、俺の視線に気づいたが、恥じらいがちょいと薄かった。…ってぇことは、何度かそういうこともヤってんじゃないか、と予想したが、どうだ?
ああ、繰り返すが強制じゃねぇぞ。嫌なら他を考えるからよ」

ラヴゥチン > じっくりと考えて出した結論がこれである。自分の全財産はたけば教会の1つぐらいは建てられる。仮にフィズルが全財産をくれと言われても後悔がないものを報酬に選んだつもりである。
その結果、フィズルを思い切り楽しませることはできているらしい。
どんな形であれ人の嬉しそうな顔を見るのはラヴゥチンにとっても本望である。

流石に大きすぎましたか?

その言葉をいうべきか迷ったがどうやら大丈夫のようだ。神に誓うレベルで自分が勝負に勝ったら教会を立ててくれることを約束してくれた。
では、今度はこちらがあちらの誠意もとい考えに触れる番である。

「ふむ……残念ながら少し外れです。恥じらいが少なかったのは何人もの人に見られて慣れてしまっていたからです。しかし……」

赤くなりながら声を潜めながら周りに誰もいないことを確認して、フィズルに顔を近づける。
近づいてきた顔は眼鏡越しからでもぎりぎりまで言うべきか言わざるべきか迷っているようであった。

「何人か経験があります。そして、それでわかったこととして……私は特異体質でして怪我ぐらいは一瞬で治るんです。それが処女膜にも有効だという事がわかりました」

自分に処女膜があるという事、そして精神的には乙女ではあるが処女の喪失を終わらせていることを伝えた。
教義の中ではもちろんみだりに姦淫を貪ってはいけないといったものはあるが……

「装飾品までつけていただけるのでしたらこちらももっと、あなたに歩み寄る必要がありますね……大丈夫ですよ。戒律破ります。あなたが勝ったら私は破門を恐れず、戒律を破ります」

じっと見つめて宣言する。きっとこれだけしてようやく対等だと思える。考えてみれば教会は土地、教会、装飾品と色んなものをかけさせてしまったのだ。

「私の身体にそんなにも価値をみいだしていただいてありがとうございます」

少し顔を赤らめながら深く礼をした。

フィズル・バークラバー > じっくりと考えても、普通は浮かばないような選択肢
会ったばかりの相手に、約束を破るかもしれない相手に大きな要求を…自分の体を差し出してくれる相手
そんな相手に、賭け事に全てを賭ける彼が、誠意を見せないはずはなく
なぜならこの状況ですでに、彼女は賭けをしているようなものなのだから

「俺のカンもまだまだだな。おう。約束するぜ。バークラバーの名に賭けて、ってな。
…ぉ、っと…?」

要求の交換は成った。と思ったが、急に顔を近づけてくるのだから少し驚きつつも話をしっかりと聞いて
聞きながら、相手の言葉にどこか後ろ暗いようなそんな雰囲気を感じ
少し怒ったような雰囲気に変わっていく
こちらもまた小声で。不必要な騒ぎを起こさないように

「あのなァ。無理する賭けは賭けじゃねぇんだが、それはまあラヴゥチンの覚悟と受け取るとして。
それ以上に、別に処女とか、誰かにもう抱かれたとか気にしねぇから。むしろこんな国で何にもなしで保ってる方が不気味だぜ。
『俺』が、『ラヴゥチン』を抱きたいと思った。だから賭けの対象にその体をもらう。それだけだ。なんも気にするこたぁねぇよ」

それ以前に勝つかわからんしな、と付け加えつつ
何せ勝負はここからなのだ。抱きたいとは思っているがそれが叶うかはそれこそ神のみぞ知る、であろう

「ああ、それと、俺にとっては価値ありすぎだからな、その体。さっきから抑えるの大変なんだぜ?教会じゃ安いくらいだ」

緊張をほぐすためなのかそんなことも付け加えつつ、顔を赤らめる相手に笑い掛けて。顔上げてくれ、なんて言いつつ



「じゃ、早速勝負の方法だが…。そうだな、これにするか。さっきまで遊んでたし」

取り出したのは出会うきっかけにもなった、単純なゴルド金貨。表に昔の王の顔。裏に価値が彫られたものだ

「そこら辺のよっぱらい捕まえて、これを上に投げさせる。表ならラヴゥチンの勝ち。裏なら俺の勝ち。どうだ?
……単純な勝負に、デカイかけ金。ぞくぞくしないか?」

先ほどの気障ったらしいセリフもどこへやら。また子供のように勝負方法を提示して
異論がないか、再度の確認を取るだろうか

ラヴゥチン > 「あ、あははは。そうですか、そうですね。ありがとうございます。とりあえず、それを聞けて安心しました。では、そうですね。1日。明日はオフですから24時間ほど私はあなたと共にいることにしましょう。負けたら神に誓って……あ、いえ、この場合は神様にはいわないほうがよさあそうですね」

顔をあげて別の形で歩み寄ることにした。どちらにしても足腰立たなくなっちゃうかもしれませんしと赤くなりながらも、さらに冗談を付け加える。
どちらにしても何にしてもこれからなのだ。これから決まるのである。

「はい、コインで構いませんよ……ぞくぞくはよくわかりませんが私、少し興奮しているかもしれません……あ、でももっと単純にしましょう。私があなたの手の上にコインを乗せます。あなたは裏表を確認せずコインをはじく。それでいいと思いますよ。あと信じないわけではありませんが一応、私の財布のコインを使いますね」

フィズルの事を決して舐めているわけではなく、前提としてコインの裏表をどうにかこうにかある程度操れるのだろうとしっかりと考えたうえでのルールを更に加えていた。
サイフから1枚のゴルド金貨を取り出す。裏と表をフィズルにもしっかりと確認してもらう。

「気分を悪くさせてしまったらごめんなさい。でも……私もそれだけ真剣に取り組もうとおもいましたので……全力でやって負けたなら抱かれてもいいかなって思えますから」

先ほどとは違いぺこっと小さく頭を下げてから準備はいいですかとコインを手に取る。

フィズル・バークラバー > 「一晩つったのに24時間か。これはまた、勝ったらまた男としてがんばらねぇとな?
…ああ、秘密にしとけ。誰にだって神様にバレないようにしたいことぐらいあるさ。
ま、俺が負けたらどこに建てるかと、どんな内装がいいか決めてくれ。全部調達してやる」

冗談と本気を混ぜ合わせながら、はは、と笑って
和やかになったところでしっかりと勝負に集中する

「そりゃあいい。ラヴゥチン、どんな賭けでも、それを楽しむんだぜ。それがぞくぞくするコツだ
ああ。構わねえ。当然の疑いだ。まあ俺ぁ使われるまではイカサマはしない主義だがな」

条件を承諾し、相手の財布から出てきた金貨を確認する
魔術などはさっぱりだが鋭敏な彼の手は、その金貨に直接的なイカサマは当然仕込まれていないことを感覚として理解する

「いや、嬉しいぜ。ラヴゥチン。急にふっかけたのに真剣になってくれてな
……俺も、負けりゃ結構な額、カジノかその辺りで勝たなきゃならんが、だからこそ、面白い。全力だ」

ああ、と頷き。また雰囲気が変わる
彼の持つすべての意思がコインを裏へと落ちるように力を注ぐ。それは目に見えそうになるほどはっきりと
もちろん、実際にはなんの効力もない。結局は運次第だ

答えた後、ゆっくりと目を閉じ、裏表がわからないように再びラヴゥチンにコインを置いてもらう
これでもし、彼が表裏を操れるとしてもどちらが表かわからないため、勝負は公平だろう

「……いくぜ」

と、頷いてコインを手に取り、上に放り投げる
それは放物線を描き……

フィズル・バークラバー > 運命が味方したのは…[判定]
≪1:表≫ラヴゥチン
≪2:裏≫フィズル
[1d2→2=2]
フィズル・バークラバー > 「―――――しゃっ!」

薄暗い貧民地区に小さく、男の声が上がった

ラヴゥチン > 「ふふ。捕らぬ狸の皮算用というのはすると負けてしまうらしいのですが、どうせなら海の見える所に作りたいですね」

なごやかな雰囲気になる。色々なものが大きく変わる大勝負の前なのに心はどこか穏やかだ。それでいて心のどこかでは油断なく張り詰めていて今なら色んな事が感覚的に分かりそうな気がしてくる。

コインが投げられ上を見る。うっかり鍛え上げられた動体視力で結果が分かりそうになってしまったので目をそらす。
こういうものは二人同時に見た方が良いに決まっている。
上空でコインが回っていることを感じ取りながら落ちてくるのを待つ。

「……えっと、よろしくおねがいしますね」

赤くなりながら頬をかく。裏という結果を見て残念と思いながらも潔く負けを認める。
時計を懐から取り出し、時間を確認する。今の時間から24時間は自分はフィズルさんのものである。
ぺこっと礼をしながら、どうしましょうかと声をかける。

フィズル・バークラバー > 「っ、と…。…ごほん。皮算用、になっちまったな。…ああ、よろしく。これから丁度1日、体貰うぞ」

もし彼が目を開けていれば動体視力の問題は彼にもあり、目を逸らしていただろう
そうして、キーン、という音共に結果が決まった後。声を上げたことを少し恥ずかしそうにしつつ

「とりあえず、真剣勝負の後は腹が減るもんだ。頭も疲れるしな。
飯、食いに行こうぜ。そのあと、たくさんその体、可愛がるからよ。」

はー、と彼もまた緊張していたのか力を抜いて
にか、と笑い…遠慮なく手を取ろうとするだろうか
そうした後、まずは彼の行きつけの店へと案内し、その後どうなったかは、彼らだけが知っていることだろうか

ラヴゥチン > 「は、はい、よろしくおねがいします。えぇ……なんだか改めて言われるとすごく恥ずかしいですね。身体というか時間というか……疲れたら賭け、ゲームなんかにもまたお付き合いしますよ」

シスター服の状態で一度大きく伸びをする。身体と緊張を同時に解していく。
そういえばお腹が減ってきた。そろそろ何か食べたいような気がする。

「あ、いいですね。そうだ。宿とか決まっていますか?よければうちも使ってください。朝ごはんぐらいなら用意できますから……あとえっとぇえ……よ、よろしくおねがいします」

改めてかわいがると言われると意識してしまう。
手を取られて少し驚いたが手をつなぎたいのであればそれにこたえるべきだろう。ぎゅっと壊れない程度の力で握り返す。

どうなったかは彼らだけが知るだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からラヴゥチンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフィズル・バークラバーさんが去りました。