2017/12/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカインさんが現れました。
■カイン > 真昼間だというのにまるで市場のような活気に満ちる貧民地区の一角。
娼館や露店の立ち並ぶ一角の路地裏の壁に寄りかかり娼館の前を行き交う人々と、
その人々への呼び込みを行う娼婦たちの様子を眺めている男の姿。
「年の瀬だってのにみんな頑張るねぇ。いや、だからこその相手選びかもしれないが」
呆れたように欠伸をかみ殺して声を漏らしてまた一人娼婦に連れられ娼館に入っていく人影を見て肩を竦める。
その騒々しさに惹かれたように起きた面倒事を、用心棒としていなす事数度。
ようやく人心地ついたと、露店で買って来た飲み物片手に護衛対象である女たちの様子を伺えば
働いた会はあったのか残った女性たちも最早片手で数えるほど。
後は待つだけかとのんびり構えるのだった。
■カイン > 手持無沙汰な状態をどれだけ続け事か。
護衛対象の一人が武装した怪しげな男に絡まれているという、
ようやく及びのかかりそうな騒動が起きたのを目にし腰の剣を軽く鳴らす。
こちらの出番があるかどうかはさておいて、溜まった鬱憤を晴らす位はできそうだ。
「……ようやく俺の出番か。
少しくらい騒動が起きてくれないと無駄飯ぐらいの誹りは免れんからな、
文句の一つも言われない程度には働くとするか」
先程までとはまた違う喧騒に満ち始めた通りへと身を翻すと、
程なく路地から見える範囲からも用心棒の男の姿は消え失せた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > この日となれば、うらびれたこの酒場も、若干賑わいを増している。
貧民地区でよく利用する酒場。
少年はそこのカウンター席に座っていた。
昨日まで受けていた依頼のお陰で懐が潤っているのもあるが
何しろ今日は特別な日。
少し注文も豪華だ。
飲み物は果実のジュース。酒は…まぁ、最近たくさん飲んだので。
乾杯する相手もいないが。
「ふー…」
注文が並べば、少しは周囲も華やぐ。
早速薄切り肉を食みつつ、ひと心地。
■ブレイド > 王都に来てからはまだまだ時間は浅い。
だが、いろいろあった。
ありすぎた。
去りゆく年の後半は、波乱に満ちすぎているきらいがある。
冒険者なら当然かも知れないが、わりと冒険関係ないところで。
「ったく、もうちょっと落ち着きゃいいんだけどな…」
ジュースを一口。何気なく飲んでいるが
これだっていつものエールよりは割高なやつなのだ。
■ブレイド > ソラやエウロペに言われた通り、野菜もしっかり注文してる。
むしろ、サラダに野菜たっぷりのポトフと、やや多めなくらい。
味付けだって濃い目ではあるが。
シャクシャクとサラダを貪りつつ、時間が過ぎていくのを感じていた。
日があければ…ここいら一帯もにわかに騒がしくなるだろう。
何しろ、そういう日だ。
「オレはどうするかな…」
騒いでどうこうするにも、一人では盛り上がりに欠けるどころか虚しい。
■ブレイド > かと言って、人混みで羽目を外せば
もしものことも考えられる。
さすがに年明け早々、奴隷商人のもとで過ごす気はない。
まぁ、おとなしくしているのが一番か。
ちょっと贅沢めの食事ではあるが。飲み物以外はあまりいつもと変わらない。
ほんの少し具が豪華になったくらいだ。
「ふー…」
■ブレイド > こんなところで一人でちょっと贅沢…
など、まるで社交性が欠如しているようで
いや、実際そうなのだが。
そうだとしても、少し思うところくらいはあるというか。
「難しいな」
食事を続けつつ、むむむと考え込んでしまう。
■ブレイド > ポトフをすすり、野菜とともに少し大きめのソーセージをいただく。
ささやかな贅沢ではあるが、こういう些細ないつもと違う感じがむしろ特別感を感じる。
これはこれでそれなりに幸せではある。
美味い。暖かい。
「ま、そんな構える必要もねぇか…」
冒険者隙なし。特別な日など、あっという間にすぎて日常に戻る。
と言うか、そういう特別な日こそ冒険者に依頼が集まるわけで。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」にフィーアさんが現れました。
■フィーア > (酒場の扉を開け、恐る恐る、中を伺ってから、足を踏み出す。フードを目深く被った少女。)
■ブレイド > まぁ、日が日ゆえにこの時間から客が来ることもあるだろう。
別段気にすることなく食事を続ける。
空いた扉から寒風が吹き込んでくるが、こちらはフード付きマントを基本的には外さないし
温かな食事も食べている最中だ。影響はあまりない。
■フィーア > 「え、っと……えっと……」
ちょこまか、ちょこまか、と危ない足取りで、空いている席を探しているのか。
周りに視線をきょろきょろ、と振ってはどうしよう、どうしよう、と右往左往しており。
その足はじょじょに少年のいる方に無意識に向かっていて。
■ブレイド > 無論気づかない。
別に入ってきた客の一人ひとりに意識を向けるほど暇人でもない。
振り向くこと無く食事を続けている。
やや聞こえる声が頼りなくか細い。
こんなところになんでいるんだと言いたくなるような。
「(ま、知ったこっちゃねーけど)」
サラダを口に運び、ジュースを一口。
結構贅沢をした(つもり)なのだが、そろそろ皿も空だ。
■フィーア > 「あ、あの……」
か細く声をかけて。
その相手は少年で。声も震えており、フードに隠れた顔も見えずうつむいたまま。何かを問いかけている様子で。
■ブレイド > 「ん?なんか用かよ」
声をかけられれば、一旦食事をやめてそちらに顔を向ける。
背の低い、少女?だろうか。
声が小さくてよく聞き取れない。
こちらに向かって話しかけているようだが…
見覚えは……まったくない。
声にも聞き覚えはない。
冒険者として有名でもない自分にわざわざ声をかけてくるとは一体何のようなのか。
一見幼くみえる姿や声…仮にも貧民地区なのだ。少女が一人、夜に、こんなうらびれたところに。
危険極まりないはずなのだが……。
■フィーア > 「……あ、相席、いいでしょう、か……」
フードを目深く被ったまま、顔は見えず。
語りかける声も小さいまま、ふるふる、と震える指先で少年のいる席の隣の空いている椅子を指さす。
周りを見回せばちらほら、と空いている椅子はあるのだが、そこには屈強な男たちがいるのが目に見えて。
何故こんな少女がこんな所にいるのかはさておき。
声をかけられた理由はなんとなく察しもつこうかと言う状況ではあった。
■ブレイド > 「相席っつーか、カウンターなんだけどよ…」
別に隣りに座るぶんにはかまわない。
勝手にすればいいと言わんばかりに。
「ま、実際はこんなとこ座ってねぇで
家なり宿なりにとっとと行ったほうがいいだろうけどよ」
普段も危険ではあるのだが、年をまたぐこの日。
酒の勢いで、気が大きくなるものも多いだろう。
こういう祭りの日っていうのは、あまり良くない輩も増える。
■フィーア > 「……家とか、宿とか、その……なくて……」
ぼそ、ぼそ、と呟きながら承諾を得られたことに安堵して。
ほふ、と息を抜いてから、隣の椅子に腰かけて。
「お金も、その……あまり、ない……ですから」
要するに安いご飯を探してたどり着いたのがここなわけだった。
が、お察しの通り、少女一人がふらふらするには危険に過ぎる場所なのは事実。
そのことを理解しているのか、してないのかは、目深く被ったフードの下の表情がわからない故にわからず。
■ブレイド > 「………」
はー、と大きくため息。
王都についたばかりの時は同じような状況ではあったが
こちらは男。変なのに目をつけられるようなことはなかった。
だが、少女となればそういうわけにも行かないだろう。
全く……
「何だそりゃ、そんで…どーするつもりだったんだよ」
深くかぶったフードの奥から少女を見る。
目つきはよろしくない。
■フィーア > 「……ど、どーする、って……どう……?」
どうしよう、と言う感じであわあわする様はもはや滑稽で。
何も考えてないのがまるわかりで。
そうすると、お腹をぐー……と鳴ってしまい、うつむき。
「……おなかすいて、て……考えて、なかった、です」
■ブレイド > 「そーだよ。オレに物乞いして、んで、どーすんだよ」
食事代、宿代、一晩分くらいならこの少女に恵むことは簡単だ。
とはいえ、それだけだ。
明日になればまた同じことの繰り返し。
そうなれば、いずれロクデナシの食い物。
明日か、明後日か…それは遠い日ではないだろう。この様子では。
「親父、とりあえずポトフ。こいつに」
■フィーア > 「も、物乞いはしな、いです……一食分ぐらいなら……」
手元から取り出した巾着には確かに一食分。
最も安く粗末なものを頼めば終わる程度のそれ。
到底、一晩を越えるには足りないもので。
「えっと……その、あの……も、物乞いしてるわけ、では……」
声が震え、若干涙ぐんだ声が混じり始め。
■ブレイド > 「うるせー、んじゃー奢りだ。
てか、そうじゃねぇならなんで声なんてかけんだよ、オレに」
店主が持ってきたポトフが少女の前に置かれる。
まぁ、そのつもりもなく食事が目的だというなら
まっさきに話しかけるべきは店主だ。
だが、少女は自分に話しかけてきた。
その上で、あのような話だ。そう思われても無理からぬこと。
■フィーア > 「せ、席に座っていいか、聞いた、だけ、で……」
あう、あう、と呻いて俯き。
置かれたポトフにこくん、と喉を鳴らしてしまい。
「……宿とか家とかって言ったの、そっち、なの、に」
小さくぼそり、と呟いて、それに答えただけなのに、私悪かったのかな、とうなだれたまま。
奢りと言われはしたものの、手をつけるか迷っている様子で。
■ブレイド > 「あー、悪かったよ
だがよ、隣に来て飯食って、あてもねーで、どーすんだよ
んな身の上話なんざな、聞くやつが聞いたら格好の餌ですって自分で言ってるようなもんだぜ?
てか、王都に来たの、割と最近だろ?
オレは冒険者になるためってのがありはしたがよ…稼ぐあてがねーなら…
つーか、冷めるだろ。食えよ」
まぁ、たしかにそうなのだが、結局少女がしている話は
『美味しい餌がここにある』と吹聴しているようなものだ。知ってか知らずかは置いといて。
自覚がないなら余計に危険だろう。
■フィーア > 「……最近、と言うか、今日、と言うか……ぁ、頂きます……」
ポトフを食え、と言われ、おずおず、と手を付け始め。
もくもく、と食べながら温かさに頬を緩めながら。
「……餌、です、か……。……確かに色んな人に、追いかけ、られは、しました、けど……」
小さな口にポトフを運びながら怪訝そうに首を傾げ。
■ブレイド > 「……追っかけられたのに、見ず知らずのオレに話しかけたのかよ…
命知らずにも程があるぜ…」
全く危機感がない様子にやや呆れ気味。
なお、少年がこの少女が最近王都に来たと言ったのは
むろん、この状況で誰の所有物というわけでもなく、なおかつ生きていたから。
見たところ器量は悪くない、年若い少女。
三日も無事であれば上等。という考えからだ。
「まぁいいや、これも縁だ。今日はオレが宿代くらいは出してやる
稼げるアテとかはあんのかよ?」
この様子では望みはうすそうだが。
■フィーア > 「……そう、ですか……?」
小さく首をかしげて、目深く被ったフードも揺れて。
呆れられたのはわかったのか、小さく縮こまり。
顔は見えないが、小柄なわりに男好みな体躯をしているのは体形のわかりにくい服装の上からでもわかる。
「……ちょっと、した魔術、程度なら……」
縮こまったまま、申し訳なさそうに呟き。
ポトフをもきゅもきゅ、と食べ続けている。
■ブレイド > 「そーだよ。オレがまたてめーを追っかけまわすようなやつだったらどーすんだ
親父、パンもだ」
店主に頼めば少女の前にはパンも置かれる。
体つきを見れば、商売女と思われてもおかしくなかっただろうに
魔術で何とかなるにしたって、逃げ続けていれば腹も減るだろう。
「んじゃー、とりあえず冒険者登録して、即金で知ってる魔術でなんとかなりそーな仕事でも探せばいいんじゃねーかな」
住むにしても、帰るにしても、食べるに困る状況はよろしくない。
■フィーア > 「……また、逃げる、だけで……?」
首をかしげて直して。一体いつまで続くと言うのか鼬ごっこ。
パンも置かれ、いいのかな、と思ってしまいながら。
食べないとまたせっつかれるだろうからもきゅもきゅ、と食べ始め。
体を売れば相当に稼げそうな体躯ではあるのは事実。
「……冒険者……登録ですか……。……そうです、ね。そうします……」
こくん、と頷いて。
■ブレイド > 「その場は逃げれても、ずっと逃げ続けれるわけでもねぇだろ。
現にてめーは腹減ったからここに来たんだろうしよ」
こんどは言うまでもなくパンをかじっているようで頷いてみせる。
「ま、安宿で良ければ教えるし
今日のところの宿代くらいは出すから、考えときな。
冒険者保証でツケが効く宿もあるかもしんねーし」
■フィーア > 「……はぃ……ぁ、えっと……その、あの……」
フードを目深く被ったまま、少年の方を向いて。
微かに覗いた瞳は澄んだ空のように青くて。
「……お名前、伺っても……」
そういえば、お世話になる人の名前を聞いていなかったと言わんばかりに。
■ブレイド > 「んぇ?名前…?オレはブレイド。
ただの駆け出し冒険者だな
まー余計なお世話かもしんねーけどよ…オレだって、今日話した相手が
死体で見つかるとか、奴隷市で見るとか…そういうのイヤだからよ
ついいらねぇことまで言っちまった。わりぃな」
こちらの皿はすでに空。
カウンターに硬貨を置きつつ、少女の問いに答える。
■フィーア > 「……私は……」
一度言いよどんでから。
「……私は四番目(フィーア)って呼ばれて、ました」
そう告げた時の表情はフードで見えず。
余計なお世話だなんていうけれど根はやさしいのだな、と理解して。
「ありがとう、ございます……」
色んな意味で意図はしてなかったけれど、良い人でよかった、と。
心底安堵して、小さく微笑んで。
■ブレイド > 「ふーん、フィーアか。
てめーがなんでこんな状態でこんなとこうろついてんのかわかんねーけど
ま、頑張れよ。そうしなきゃいけねぇ理由でもあんだろ、聞きはしねぇけどな
っと、食い終わったらさっさと行くぜ?
この季節ってのはよ…宿屋の部屋とかあんま空いてねーんだ」
なぜ空いてないか。それはもちろんヤるために部屋を借りるやつが多いからだ。
少女だけ宿において立ち去る自分の姿は、おそらくはものすごく希有に映るだろうなと思いつつ
礼を言う少女に『そんなんいらねー』と言わんばかりにひらひらと手を振り立ち上がる。