2017/08/16 のログ
■オズワルド > 青い鳥がきいきいと軋む其の下で紫煙を吐き出せば、漸く一心地だ。
…但し、其の静寂さも僅かな物だ。ぽつり、ぽつりの程度だった雨が、紫煙を一つ、二つと吐き出す間合いに、随分と勢いを増して。
「おいおい…爺さん達、降られて無いだろうな。」
思わず眉根を顰めると、視線を強い雨の先へと眇めた。
どの人々もそう此処から遠く無い場所に居住を構えている筈だから、問題は無いとは思う物の。
「…此れで風邪が大流行とか、勘弁してくれよ。」
なるだけ遠くに視線を投げた所で、急に勢いを増した雨の中ではそう見通す事は出来ず。
激しく地面を叩く雨音の合間で、高い声が上がっているのは、色街の娼婦達だろうか。
其の姿も時折雨の中で影法師がゆらりと動く程度で、はっきりとは確認出来ない。
■オズワルド > あくまでも、と付け足したのは誰に対する言い訳なのか。
「切れ掛けてる薬が有る。其れに、包帯の在庫も少し心許無い。
買いに出なくてはならないから、此れはついでだ。」
己の敵は己、何て言葉が有るが、此の場合も当て嵌まるのだろうか。
自身を誤魔化す様に放った言い訳は、口に出した端から馬鹿馬鹿しくなった。子供でももう少し気の利いた文句を思い付くだろう。
「…其れに、風邪の患者が増えても困る。俺は、倒れるのは御免だからな。」
其れでも口を突いて出る言い訳が、此の医師風貌の下らない所だ。
好い加減其れにも嫌気がさせば、嗚呼くそ、と誰に聞かせる訳でも無い舌打ちを盛大に打った。
「此処から一番近くに住んでるのは――…いや、此方から回った方が効率は良いか。」
そう言って出掛けて行くのは、先の患者達の帰り道だ。
一筆書きの要領で、さてどの行き方が一番無駄が無いのかと頭を巡らせて。
新しい煙草を一本、溜息と共に紫煙を一吐き――…雨の風景へと出掛けて行く。
結局皆無事に帰宅をしていて、
一足駄目にした泥だらけの靴を眺めては仏頂面を一層顰めるのは――…今から凡そ、一時間と少し後の話。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からオズワルドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/娼館街」にカインさんが現れました。
■カイン > 夜半を過ぎて深夜に足を突っ込み始めた貧民地区の歓楽街。
ともすれば今からが本番の時間帯であるというのに、
今日はどうにも人の出が悪い様子で娼婦たちの客引きの姿もまばらであった。
その只中、娼館の壁に寄りかかり近場の屋台で買ったらしい
串を片手に様子を眺めている男が一人。
「なんというか。…景気悪いな?」
その状況を評してぼそりと呟いた。先程まで用心棒の仕事をしていたのだが、
仕事にならないから今日は終わりと言われた理由が良く分る。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/娼館街」にトゥーラさんが現れました。
■トゥーラ > こんな時間に出歩きたくはないのだが雇い主の頼みなら仕方なく。
深夜に近い時間にも関わらずに貧民地区の路地を歩く、
記憶が確かならばもう少しで歓楽街に到着するはず。
場所のせいか時折に下心を持った住人に声を掛けられはする、
しかしそこは多少は覚えた護身術で対処をして。
「ようやくか。まだ覚えたとは言い難いか」
何人かの住人を物理的に追い払い、上がる悲鳴を背に路地を抜ければ広い通り。
後はどちらに行けば帰れたか…それを確かめようと左右と見回して。
■カイン > 「……おや?」
道行く人々を眺めていた所に目に入るここいらではあまり見かけぬ人影。
その正体に少し驚きながらも軽く手を上げて呼び止める。
ここらを仕事で訪れることはよくある物の、
だからこそあまりこの近辺に普段いない人間の事は大よそわかる。
訝しげな様子を隠しもせずに問いかけ。
「どうしたこんな所で。しかも遅い時間に」
■トゥーラ > さて……住人に聞くのもよいが下手をすれば騙される。
それを学んだだけに道を選ぶのはどうするかと悩み。
仕方ないので誰か真っ当そうなのに聞こうとしたところに声を掛けられる。
「私に何か用か?…カインか、今日はここで仕事なのだな」
呼び止めてきた相手にやや不機嫌と言う様に瞳を向け、
それが知った顔、家主であると判れば不機嫌な顔に笑みが浮かぶ。
「配達の帰りという所だ。雇い主に急に配達を頼まれてな。
おかげでこの時間だ」
男の問いにいる理由を告げれば自然な足取りでその隣りへと移動していき。
■カイン > 「そりゃあ災難だったな。このあたりまで、
慣れてなければやってくるのも一苦労だろうに。
このあたりはどうしても面倒事の山だからな」
慣れれば受け流し方も解るものだがそう簡単にはいかないのがこの街だ。
大げさに両手を広げて言い返しながら、
手を元に戻して残りの串焼きを口に放り出せばクックと喉を鳴らし。
「ま、最初にここに来た時に怯えているような様子はなくなったのは成長だな」
良い事だと笑いながら軽く手を打ち。
■トゥーラ > 「災難ではあるが店を任せてくれている恩もある。無下には出来んよ。
一応地図を貰っていてな、それで行きは問題はなかったのだ、
ただ帰りに問題が起きてな…。
面倒事については否定は出来んな」
散々に絡まれ、最後は実力行使だったと肩を落として答え、よく見ればわずかに服が汚れているのが見えるはず。
大げさに両手を広げるしぐさに自分は大げさではないと僅かに見上げて。
「私とていつまでもか弱くはないという事だな。
カインに武器の扱いも教わってもいる、この辺りの住人には負けんよ」
お前のお陰だと感謝をするように微笑んで見せて。
■カイン > 「何というか義理堅いな。まあ、確かにそういうのは大事だ。
商売人って程じゃないにしろ客を相手にするならな。
……このへんは地図、あまり当てにならないからな?」
作ってる人間が適当なのだから貧民地区の地図なんてあてにはならない。
体のいい子供の小銭稼ぎ程度の価値しかないのだと困った顔で言い返す。
あまり縁のない人間であれば確かに騙されるのも仕方が無かろうとは思いながらも少しだけ苦笑いが浮かび。
「いつまでも弱くいられてもそれはそれで困る。
良い傾向だと思うぜ。そうでないと張り合いも無いしな」
二っと意地悪な笑いを浮かべて言い返す。
■トゥーラ > 「こういっては何だが私は怪しいだろう?カインは正体を知ってはいるがな。
そんな者を雇う相手だ、多少の無理は聞かぬわけにはいくまい?
それは帰りに実感したぞ」
依頼主は悪気はなかったであろうが帰りに役に立つ地図ではなく。
男の困った顔で告げる内容にそうなのかと驚きを見せて。
苦笑いを浮かべる姿に騙されたと思っている様子にそうではないと睨みつけて。
「まだカインには勝てそうにはないのが残念だがな。
だが一晩程度ならば付き合えるほどに丈夫さは得たと思っているぞ」
意地悪な笑みに私も変わっているとそれを自慢するように笑って返して。
■カイン > 「その自覚が出たってのは凄い進歩だな。
なるほど確かにその通りだが、
その結論は早々自分じゃ辿り着けないだろう。
殺さない程度なら何をやっても問題ないさ」
多少の無茶ならばまかり通るのがこの地区の特徴だ。
何の問題もないだろうと笑って言いながら首を横に振る。
「そいつはいいな。それじゃ、
時間のある時にタップリと確かめさせてもらうかね」
クックと喉を鳴らし笑いながらゆっくりと目を細める。
■トゥーラ > 「人間を観察していけば自分との違い程度は判る。
違いを比べれば自分がいかに怪しいか程度は自覚できるぞ。
辿り着けた一つはカインのお陰でもあるぞ、
宿を貸してくれているおかげでじっくり観察できるのでな。
それならば安心するといい、殺しはしていない」
多少変に曲がった男達もいたが動いてはいた。
なので死んではいないと笑みを浮かべたまま告げて。
「いつまでも負けているばかりだと思うでないぞ?
その時は私の成長を見せてやろう。
それとな……料理と言うものも覚えてきた、それも確かめると良い」
目を細めて笑う男に負けんぞと瞳を細めて笑い返し。
そしてふと思い出した事、街に着て覚えだした料理も食べろと言う様に
■カイン > 「ああ、それはいい。殺してしまうと後後面倒だからな。
……何というか、その辺り真面目といえば真面目だな」
クックと笑って言い返しがてら首を横に振る。
それが相手の性分と知っているからこそ何を言わんや、という所だが。
それでも少なくとも殺してない、加減ができてる、
と言い切るあたりがやはり馴染んでいるという証左だろう。
「ああ、是非ともお目にかかりたいもんだな…っと。
料理?そりゃまた…予想外だな。だが楽しみにしておこう
そろそろ戻った方がいいな、トゥーラも戻るだろう?」
ふと空を見上げて星の巡りで時間を確認すれば問いかけ。