2017/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」にフォークさんが現れました。
フォーク > 「なにぃ、俺が酔っ払ってるって?」

久しぶりに酒場でぐだを巻く男・フォークだった。
馴染みの飲み仲間を前に、腕まくりをして語るは先日メグメールの森で蜂に追われた日の話。

「蜂ぶんぶんに追われて森ん中かけずりまわってたらよ、急に道がひらけて大きい湖に出たんだ。
 俺ぁありがてぇってんで湖に飛び込み蜂をやりすごしたんだが……。いたんだよ。
 湖の底に、巨大な竜みてぇな生物がいたんだ。そりゃもうでっけえのでっかくねえのって、でけえんだよ」

この男、酔うと与太話をしだすのが悪い癖。飲み仲間はまたいつものだ、と笑いながら酒場を出て行く。

「ちぇ、マジなんだけどな」

十数杯目のエールを喉に流し込みながら、男はテーブルに臥した。

フォーク > 「むにゃ……すげぇ、まるで夢みたいだ……」

テーブルに突っ伏したまま男は眠ってしまったようだ。
寝言の中でもかなり悲しい部類の寝言を漏らしている。
酒に少し弱くなっているのは、久しぶりに酒場で飲んだからか、はたまた加齢によるものか。
かくして、王都の夜は更けていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からフォークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/広場」にカインさんが現れました。
カイン > 町の中央部でもあれば街路の明かりが煌々と照らして居る王都といえど、
貧民地区となればその明かりの恩恵が行き渡る事は難しい。
それが打ち捨てられたうら寂しい広場となれば尚の事。そんな空虚とすら言える空間の真中、
外套を身にまとった男が一人静かに立って周囲を見回し、

「――さて、ここはどの辺りだ…?」

開口一言何とも締まらない言を漏らした。
明確に武装した、所謂カタギに見えない男が言うのだから尚の事である。
周囲を魔法と思しき光で照らし出しながら古い地図らしきものを見て、
再度周囲を見回すもそこに記された街路とは似ても似つかぬ光景に思わず困り顔で頬を引っかき。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/広場」にノアさんが現れました。
カイン > 「地図が古すぎたのかも知れんなあ。
 この街のことだ、どうせ増改築を繰り返してわけのわからん事になってるんだろうし」

次に訪れた時は前に訪れたときとは街路が様変わりしていた、などという経験は一度二度ではないのだろう。
諦観のこもった言葉と共に古びた地図を丸めて外套の中に突っ込めば、
外套が一瞬うごめいたかと思えばどこへとも知れず地図が消えて失せる。
地図によると商店街だったはずの場所が、がらんどうの広場になっている事に一抹の無常を感じ無いこともない。

「そして今や此処の主人はこいつらだけ、か」

光に惹かれてやってきたのだろう数匹の猫が、こちらをジッと眺めているのに気がついて
どこからともなく干し肉を取り出せばそれを放り投げてやる。猫達の取り合う声を聞きながら楽しげに笑い、
手を横に振るえば明かりが揺らめいて男の周囲を中心に照らし出すように動き。

ノア > 「 ♪ ───── 」

緩やかな鼻唄と、 石畳を打つヒールの硬質な音が近付く。馴染みの店で早くから引っ掛けていた女は既に、 随分と上機嫌。次の店への近道に、 広場を突っ切ろうとしていた。すると..

( ゎ..... 誰か居る、 )

こんな寂れた広場にも、 先客の姿。其れが外套纏って武装した、 長身の人物ともなれば.. 明らかに警戒し、 避けるように回り込もうとするも

「 ............... 」

ふと、 茂みから飛び出した数匹の猫が横切り。猫達は女の目の前を駆け 意外にも、 怪しげな先客の方向へ群がった。すると微かに、 愉しげな笑い声も聞こえてきて

( 悪人じゃない、 っぽい.. )

其の光景に くすりと小さく肩揺らし、 無意識に脚は止まっていた。

カイン > 「猫くらいに欲望に素直に生きられればそれはそれで楽なんだろうが――
 そういう訳にはいかないのが魔族、もとい人間の辛い所だな」

食い扶持くらいは稼がねばならないのだから是非もなし。肩を竦めて漏らした所で、
人の気配を感じ訝しげに視線を動かす。通り掛かる人間が居たという驚き半分、
道を聞けるかもしれないという期待がその更に半分。残りは多少物騒な内容だったが。

「うん…?何だいお嬢さん、アンタも迷子か何かかい?」

明かりを動かし見えた相手の姿に途端上機嫌になるのは男の悲しい性と言わばその部類だろう。
興味の色を視線に強く宿して楽しげに問いかけ。

ノア > ( 何か喋ってる.. )

女の視線の先には、 何かに群がる猫達を見詰め 一人呟く男性の姿。其の内容までは聞き取れないけれど、 女の目には 猫とお喋りしているように映り.. 近寄りがたい外見と、 其の光景とのギャップを眺めていると

「 .........っ、 」

灯りを向けられ漸く、 不躾に視線を向けていた事に気付く。今更な警戒から、 ぴくっと肩を竦めるも..

「 ぇ..... いや、 迷子じゃないけど.. 」

掛けられた言葉も其の声色も、 そして此方に向けられた笑顔も.. 思いの外、 柔らかいもので。ひっそりと安堵の吐息漏らしつつ、 猫を驚かせぬよう緩やかに数歩 歩み寄り

「 アンタも、 って事は.. 迷子なの ? 」

だいぶ警戒の解けた表情で、 くすりと笑みを溢しながら訊ねた。

カイン > 「残念ながら、な。情けない話だがこちらに来ることが殆ど無いお陰で、
 このあたりがよく判ってないのが実情でなあ。前に来たのはさてどれくらい前だったか」

それも微妙に思い出せない。顎に手を当てて考えながらも、
肩を竦めて言葉には悪びれる様子もなく言い返し。

「なんだったら道案内してくれると助かるんだがね、お嬢さん?
 何タダとはいわんさ。駄賃くらいは出すし、
 なんだったら一晩相手でもしてくれるならしっかり払うさね」

後半は明らかに冗談とわかる位に笑い飛ばしながらも、
セクハラじみた台詞を臆面もなく言い放つ。助兵衛差を隠すつもりはあまりなさそうだ。

ノア > 「 だからって、 こんな所で猫とお喋りしてても道は教えてくれないわよ ? 」

迷子と聞けば、 第一印象に更なるギャップが加わって。こつこつと 貴方の側まで歩み寄り、 もしゃもしゃと勝ち取った餌に夢中の猫を見詰めた。どうせ暇だし、 この付近ならば道案内くらい出来そうだと.. 視線を斜め上へ、 貴方を見上げ頷いて

「 いいよ、 何処まで行きたいの ? 」

行き先を訊ねると、 付け足された後半部分に くすりと吹き出し。見た目には歳も近いように見える貴方の、 随分と年寄り臭い言い回しに肩を揺らした。

「 なんか.. 若いのにオッサンみたい、 ふふ。それにしても、 自分から誘うなんて随分自身あんのねー 」

カイン > 「何、猫に化ける何かくらいはこの街のことだ。居ないほうがおかしいだろうさ」

こともなげに言い放って見せながら自分の行いを正当化しながら、
未だに取り合いを続ける猫を横目に見ながら喉を鳴らす。
仕方がないと肩を竦めて言い返しながらも相手を見下ろせば、
快諾してくれた相手に頷いてから行き先を頭に浮かべ。

「とりあえずこの先にあるだろう大通りまでかね、
 そこまで行けば平民地区へ戻るのは難しくないだろうが…おう?
 何だ、そんなに若くみえるかね?ソレこそ人の何倍かは生きてる自身はあるがね。
 年寄りくさい、と言われたら反論はしきれないかもしれないが」

仕方がないと言わんばかりに笑い飛ばしてから腰に手を当て。

「何、男というのはいくつになっても見栄を張りたがる生き物でな。
 自信の有無とは別にこう言わなきゃならんのさ。ま、自信があるかないかでいえばあるが」

そうして返しの言葉は随分とふてぶてしい物。いけしゃあしゃあと言い放つ。

ノア > 大通りまでと聞き、 先導すべく斜め前を歩き出す。当然、 斜め後ろを歩く人物が魔族だなんて.. 露とも知らずに。

「 "猫に化ける何か" って.. そういうのはきっと、 こんな所に居ないって。居たとしても多分、 ひっそり忍び込んでる的な。態々人前に出て来たりする訳 ── 」

貴方の言葉を笑い飛ばす女。人ならざる者の気配や魔力を感じ取る能力も無ければ、 何処か遠い存在だと思っているから.. くすりと吹き出しつつ、 其の考えを否定しようとするも...

「 ─── は ? も.. 冗談やめてー 」

"人の何倍かは生きている" なんて言葉に、 一瞬歩調が乱れた。ほんの少し動揺を見せたものの、 冗談だと結論付けて

「 そ、 やっぱ自信あるんだ.. ? そんなの聞いたら気になっちゃう..... ふふ、 なんてね。道案内もして一晩の相手までするなんて、 何だか悔しいから遠慮しとく。あ、 お駄賃は忘れないでね♡ 」

カイン > 「いいや、そんなことはないぞ?路地や通りは一つ横にそれれば別世界、
 なんてこともそれほど珍しい話ではないしな。この王都でもよく見かけるぜ?例えば魔族、とかな」

この話自体は事実ではある。男も含めてよく見かけるのだから、
そういう物になっているのは此処最近の話ではあるまい。
言葉の軽さと裏腹に言っていることは人によっては随分とホラーな内容だろうが。

「俺は嘘は言わんよ、まあ全部言うことは稀だがね。
 冗談くらいは言うかも知れんが」

楽しげに笑ってどちらとも取れる返答をしながら明かりを動かして女の足元を照らし出せば、
動揺を見せる相手に思わず喉を鳴らして楽しげに後ろ姿を見やり。

「おや、そいつは残念。せっかくいい女とお近づきになれるかと思ったんだがな――
 抜け目ないねえ、勿論わかっているとも。そういえば名前は何ていうんだ?俺はカイン。しが無い傭兵さね」

心底がっかりした様子を隠しもせずに言い返しながらもすぐに切り返す辺り、
めげない性分なのだろう。軽い調子で問を重ね。

ノア > 「 確かに..... この辺なんか特に、 物騒だったりするけど... もっ、 脅かしたりしないで ! 怖い話ばっかするなら置いてっちゃうから.. 」

人気の無い夜道を二人、 歩いていれば.. 斜め後ろから聞こえてくる話が、 やけに怖い話に聞こえて。愉しんでいるような声が続くと、 顔だけチラ と振り返り.. つんと唇尖らせた。

「 道案内してくれる側の提案ならまだしも、 される側の提案にしちゃムシが良すぎるでしょっ......... ん.. カインね、 あたしノア。便利屋してるの、 贔屓にしてね♡ 」

生意気な琥珀色の視線をチラ と貴方へ向けてから、 再び前に向き直り。自己紹介には自己紹介をと、 名乗り返して.. 職業は当然ながら、 表向きのものを口にした。

カイン > 「ハッハッハ、悪い悪いそんないい反応してくれるとは思わなかった。
 なんだ、あまり魔族とかは見たことがないのかい?ま、俺らみたいな商売でもなければそれが普通だろうがな」

それこそ男にしえみればそういったものと闘うのがお仕事だ。
だからこそ慣れてるという言い訳も立つが女はそうも行くまいと思い返して肩を竦めながらも、
すねた様子に悪かったと言い返しつつも両手を上げて降参を示し。

「それだけ魅力的だから口説かれた、ってとっても良いんじゃないかね。
 寧ろ案内の代わりにそういうのを要求されたらそれはそれでいいのかい?」

 からかうように問いかけながら少し足を早めて相手の顔を横から覗き込み。

ノア > 「 見たことないわよっ..... た、 多分。勿論、 居るんだろうけど.. なんてゆーか、 あたしみたいな女には... 実感ないな。」

笑われてしまえば、 何だか自信がなくなって。ないと思っているだけで、 本当は会った事があるのかもしれないと.. 急に語尾が弱まった。しかしながら降参ポーズには満足げに、 ふんと生意気な笑みを浮かべて返し。

「 ん、 何よ.. そんな風に褒めたって、 安くしないんだからね。って、 確かに......... それはそれで、 割に合わないけど.. 」

不意に横から覗き込まれ、 ぱちりと目を瞬いた。案外顔が近かったから、 思わず視線逸らしつつ..

「 てゆーか、 近いっ。見た目は悪くないのに中身がエロジジィみたいー 」

不意打ちに恥ずかしくなってしまった悔しさからか、 極めて失礼な暴言をぶっ放した。