2017/05/24 のログ
■ヴェロニカ > テーブルの隅に置かれた象牙からくりぬいたダイスを見つめながら、手持無沙汰になって小さくため息を吐く。
傍を歩いていたバニーガールが気を利かせて何か持ってくるか訊いてくると、
鷹揚に手を振って断ろうとしてから、傍にメイドがいないため葉巻を持ってくるように告げた。
「……まぁ、奴隷でも魔法を仕込めば使いこなせるかしらね」
単にもう少し面白くなると考えていたアテが外れただけで、思わぬ収穫であったことに間違いはない。
テーブルに無秩序に広げられたカードを見やって独り言ちる。
「火種だけいくらあっても、案外燃えないものよね…ああ、もういいわ、ご苦労様」
そうつまらなさそうに呟くと、顧客を送ってきたメイドが戻ってくる。
そして、バニーガールが葉巻を切らしていることを支配人と共に謝罪してくるのを、
特に気にした風もなく答えると、メイドが差し出す葉巻を受け取って火をつける。
そして席を立ち、葉巻の煙を燻らせながら、メイドを連れ立ってカジノを出て行った。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からヴェロニカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にマリカさんが現れました。
■マリカ > あきれるくらい治安の悪い貧民地区の一角、そこらじゅうにたき火をしながら酒を飲んでいる
グループがたむろしている。そんな中を歩きながら、これまたろくでもない宿に帰っているのは一人の少女
てには色刷りのきれいなチラシがある。
少女はずっとそれを見ながら歩いていた。
きれいに刷り上げられた絵は船と青い海。
初めて街に出てからやりたいことができた。
船旅をしてみたいのである。
■マリカ > 「結構するなぁ」
船内をイメージした酒場で食事をしたとき、ふとチラシが目に入った。かなり高いのは
漁船などではなく、それなりの大きさの遊覧船だからだろう。近海の島によって戻ってくるだけの数日のクルーズだが
今のマリカにはなかなか手が届く金額ではない。
「かといって定職に就くわけにもいかないし」
さすがに本来の目的を投げ捨てるほど分別がないわけではなく、悩まし気に呻く、割のいいバイトか
一攫千金の冒険などあればいいのだけれど、そうそうそんな話が転がっているわけもなく