2016/06/14 のログ
カナム > 「そっかぁ、そこまで褒められると照れちゃうなぁ。
褒め殺しなんてずるいよ?」

魔族と言われて一瞬だけ身体が反応してしまう
バレてない、バレるはずがない
眼が赤いのなんて人間だって珍しくないんだ
落ち着け僕……

「女の人はお嫁とかそれアリなの?
いや、見えないしそうじゃないと嬉しいけど…マジ?」

別に否定するわけじゃない
つきあっるとかは偶に聞く、けど結婚は…ねぇ?

「そうそう。発見したら即殺だよ!」

元気が少し出たみたいでよかった
僕はお腹を治してもらったし…会えてよかったよ

「それじゃ、またねお姉さん。
次会う時はこんな所で寝てちゃだめだよ?」

それだけ言っとく
あんな場所で寝てたら一応危ないしね

アマンダ > 「そんなに褒めたつもりはないよ? 思ったことを口にしただけさ。」
相手が反応していた所には気付かなかった。
あくまで少女は一般的なことを話していたに過ぎないから。

「どうなんだろう。 でも、向こうから言われたら断れないじゃない。
結婚しても僕の好きに暮らしていいって言われたし。
ほんとだよ、世の中にはそういうカップルもあるんだね。」
まるで他人事のようにのんびりとしている少女。

「そうだね、次はやっつけるよ。」
未だ魔力は戻らないが活力は出てきた。 ぐっと右手を握っている。

「ありがとう、カナム君。 今度は家のベットで寝るよ。」
箱から飛び降り、家の方角へと足を進める。
去り際、不意に頭の上に手を載せる。
子ども扱いするなと怒られそうなので、何か言われる前に足早に去っていく。
「また遊ぼうね。」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の裏通り」からカナムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の裏通り」からアマンダさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアビーさんが現れました。
アビー > 「…はい、どうぞ。」

ストリートチルドレンが溢れるこの場には、おおよそ似つかわしくない綺麗な姿。
肌が白い者も、黒い者も等しく薄汚れているこの場所において、天使のような白さと清潔さをもつ少女は遠目から見ても明らかに浮いている。
目の前の少女に手渡すのは、わずかばかりのクッキー。施しをしているのだろうか。大きなバスケットはほとんど空で、つい先ほどまで彼女の周りには子供たちが集まって、我も我もと手を伸ばしていた。

「はぁ…わかってはいるけれど、まるで足りませんね…。やっぱり一人でできることなんてたかが知れて…。いえ、こんなところで弱気になっていてはいけませんね。」

アビー > 「家の援助が受けられれば、もっと楽なのだけれど…」

溜息をついたあとに、最後にクッキーを渡した子供に笑って手を振る。そう。実家の援助が受けられれば、もっとたくさんの食べ物を持ってくることができるのに―。
とはいえ、当主の理解を得られるはずもない。実家から寮に送られてくる自分の小遣い―といっても友達たちのそれと比較すると桁が違うのだが本人はそれを知る由もない―をやりくりした範囲内でしか行えない、お嬢様の慈善活動は今日もすぐに終わってしまった。
ここにいる子供たちはすでに味を占めているのだろう。最初に持ってきたときは、バスケットごと奪われてしまったが、最近では待ってましたとばかりに手を出して受け取るようになった。
ふふ、とわずかに口元をつりあげて得意げに、今日も貴族の務めを果たしたといわんばかりに貧民街を歩く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクルツさんが現れました。
クルツ > 「あークソッ、ガキの使いかっての……」

一仕事終えた帰り道、仕事自体は首尾よく終えたのだがクルツの表情はとても不満気であった。
ギルドに顔を出して緊急の仕事があると言われたまでは良かったのだが、その内容は荷物運びと言伝という非常に簡単なもの。
それなりに重量と距離があったが、それだけだ。
報酬も雀の涙。
食費の足しになるかどうかといった程度で、冒険者になった時に思い描いていた理想とは程遠い。

「あーあやる気出ねぇ……。もう帰って夜まで寝て…あぁ?」

ブツブツ悪態をつきながらふと顔を上げると、こんな場所とは不釣り合いな、身なりの良い女の姿が。
あまりにもミスマッチで一瞬見間違いかと思ったがどうやら現実のようだ。

「よぉそこのネーチャン。ここは貧民街でアンタみたいなのが来るトコじゃないぜ?迷子なら送っていってやろうか」

近づきながらその見ず知らずの少女を呼び止めると、名乗りもせず不躾にそう切り出した。

アビー > 「今日は、もう帰ろうかしら。」

多くの子供たちが破れた靴や裸足で地面を歩く中、それとは対照的にブーツで小気味良い音を立てて彼らが帰る場所とは反対側へ。
気持ちは確かに、死と隣り合わせの彼らを助けたいと思っている。思っているが、皮肉にも世間知らずの彼女の行動は、その姿はこの世界のありようを縮図にしているようなものだ。

「…わたし、でしょうか?」

歩いていると出くわした目の前の相手に、周囲をキョロキョロとしてほかにそれらしい人物がいないことを確認してから返答をする。もしかしたら、この子もお腹を空かせているのだろうか。

「あぁ…今日はもう、クッキーなくって…。心配してくれるんですか?ふふ…」

クルツの格好を見ると、彼らとはどこか違うのだろうなということは察することができたがそれでも子供らしさが抜けきれない容姿に子供だと高をくくってはにかんで

クルツ > クッキーとは一体何のことを言っているのだろうか。
何だか一人で納得しているようだがこちらはさっぱり意味が分からない。
見た目の印象通りかなりズレた少女だと認識すると、こっちから声をかけてしまったのだし仕方ないと腹をくくる。

「他にいねぇだろうがよ……。あのなぁ、こんなトコでそんなぼんやりしてるとあんたみたいに身なりの良いガキは攫われてマワされて売り飛ばされちまうって分かってる?」

何でこんな人間がこんなところをうろついているのかは知らないし手助けする義理もないのだが、今言ったような危険がそこかしこに転がっているのも事実。
無関係の人間とはいえそれを見て見ぬふりを出来る程大人ではなかった。

アビー > 「ガキって…なんてお行儀の悪い…。そもそも、あなただって子供でしょう?」

どこからどう見ても、目の前の子は自分よりも幼いだろう。もし、たとえ、発育が悪かったのだとしても年上はない。

とにもかくにも、目の前の少年が自分の身を案じようとしてくれているのはなんとなくわかる。ここは、この小さな少年にナイトになってもらうのもありかもしれない。そうしたら自分はお姫様だ、などと心の中で少しだけほくそえんで。

「後半何を言っているのかちょっと理解ができませんけれど、あなたが案内してくれるというのなら、お願いしようかしら。私はアビー。アビー・キャロライナ・エフモントと申します。あなたは?」

ご丁寧に裾をつまんで、優雅にお辞儀。おおよそのものならこの世間知らずさにあきれ返るだろう。

クルツ > 「んなぁっ!?バッバカかてめぇ!」

往来で恐らくフルネームを名乗り、お辞儀までするアビーの腕を取ると半ば強引にその場を移動しながら。

「あっ、あのなぁ!アンタ本当に何も分かってねえな!こんなトコでそういう身元や家柄アピールするような真似するってのはなぁ!」

とりあえずその場に留まっているよりはマシだろう。
アビーを連れて歩きながら言葉を続ける。

「……ああもうっ、言っても分かんなそうだなぁアンタには。あー…、とりあえずオレは子供じゃねえしもう立派に一人前だからなっ。酒だって飲めるし……」

凄く厄介な人物を拾ってしまった気がする。
ともあれ乗りかかった船。
ここまできて見捨てる気もないので一応危険そうな道は避けながらとりあえず平民通りの辺りを目指して移動しつつ。

アビー > 「あら?あらあら?ちょっと――」

腕を引かれて少年に引っ張られるこの状況、まるで本の物語。そう、この出会いから二人は――いや、それだけはないか。

「まっ、て…ぜぇ、そんな、はしれ、ない…はぁ…はぁ…」

妄想に浸る間もなく走るとすぐに息を切らして、足手まといを絵に描いたような姿になって。
目の前の少年は気に入らないだろうが、少しは移動したところで呼吸を整えて。

「はぁ…もう、急に走って…。はいはい、あなたが一人前なのはわかりましたから…あなたの名前を教えてください、ね?小さなナイトさん」

恐らく、彼女としては見たままを言っただけで、悪意はないのだろう。

クルツ > 少し走っただけでもうヘタレてしまったようだ。
何もかも呆れ返るようなマイペースっぷりに頭が痛くなりそうだが、とにかく走れないというのなら仕方がない。
運んで走れる程の体力もないし、一旦足を緩めて少し話しに付き合う。

「アンタに名乗るのも何か不安なんだけどなー……。まあ呼び方も困るだろうし、クルツでいいぜ。ただのクルツなアビーのなんたらって御大層な家名もねぇし。……だからそのナイトさんってのはやめてくれよな?」

アビー > 「クルツ、さん?…いや、クルツくんかな?」

不安、という言葉は聞かなかったことにしたのだろう。名前だけを満足そうに受け取って―少しだけ、反応を面白がるように言い直しながら笑いかけて。

「ところで、私はこのあたりの子供たちに食べ物を与えに来たのだけれど、あなたはいったい何をなさっていたのです?
もっと小さい子たちのために働きに出ていたのでしょうか。
…だとすれば、反対方向に連れてきてしまって申し訳ないのですが…」

どうやら、クルツのことを彼らの同胞だと思っているらしい。