2015/10/14 のログ
■イルミ > 「……イルミ、です」
自分から進んで服従の意思を示しにいくような気分にはなれなくとも、彼女の言うことには逆らわない。その程度の心づもりだった、はずなのだが、
「よろしく、お願いします……」
不安だけれど、これからきっと楽しいことがある。そんな予感がして、にっこりと笑みを浮かべてしまっていた。
■「梟」 > 「――おかしな女よなぁ」
呆れたように「梟」は呟く。
娼館は厳しい場所だ。女たちは肉体的、精神的に身をすり減らし、多くが3年以内に死ぬ。
しかし――この少女は、意外とここに馴染むかもしれない。
何となく、そんな予感がする。
「行くぞ、イルミ」
これは掘り出し物だ。
せいぜい丁寧に扱うよう、娼館の主人に言い含めておこう。
『梟』はそんな事を思いながら、娼館の扉をくぐるのだった。
■イルミ > 「はい……」
鎖を引かれるでもなく、全裸に首輪だけというあまりにも倒錯的な姿のまま、彼女について歩く。何故こうも彼女に惹かれるのか、ずっとわからないでいたが、娼館の中へ一歩踏み込む前、なんとなく察することができた。
サキュバスにしろインキュバスにしろ、淫魔がもっとも恐れるのは性的な欲求不満でもなければ飢えて死ぬことでもない。なんの刺激もない「退屈」だ。彼女と一緒にいれば、苦しいことはあっても退屈することはない。自分は無意識のうちに、そう察したのだ。
今の自分なら男性への恐怖心すら楽しめる。その確信で、口の端がつり上がった。
ご案内:「貧民地区:娼館裏」からイルミさんが去りました。
ご案内:「貧民地区:娼館裏」から「梟」さんが去りました。
ご案内:「貧民地区:奴隷牢屋」にマルテさんが現れました。
■マルテ > ――意識が覚醒した。
まだ揺らいでいる意識の中で、無意識に身動ぎしようとする。
すると、鈍い金属の音が背後から響き、手首は動かず、今居る場所から動こうとすると首輪を後ろから引かれ、息苦しさに動きを止めてしまった。
(――ぁ……れ……?)
朦朧とする意識が漸く整ってくると、視界に広がるのはどこかの建物の中、鉄格子、そして荒れ果てた路地のような道。
此処はどこだろう、思考をするが昨晩の記憶が曖昧であり、どれだけ眠っていたのかも定かではない。
周囲は暗く、灯りも殆ど無いのだろう。
光は届かず、薄暗く、視界もはっきりと見えているわけではない。
何がどうなっているのか混乱しながら、昨晩の記憶を掘り起こそうとする。
(……そういえば昨日、野盗に襲われて……あれ、えっと……だから、此処は?)
野盗のアジトまで連れ去られてしまったのだろうか、そんな事も考えたが周囲にそれらしい影は見つからない。
もっとも暗いので見落とした可能性はあったのだが、何より野盗のアジトというには、外は随分立派に街であるように見える。――薄汚れている雰囲気から、裕福な場所とは思えないが。
何より昨日の流れであれば生きているより死んでいる方が自然な気がする。
ではこの状態は一体何なのか。
■マルテ > 手首は堅い手錠のような物で固定され、動かす事が出来ない。
下手にその場から動こうとすれば、何か鎖のような音と共に首が引かれてそれ以上前には動けない。
唯一両脚は動くようだが、今の位置では立ち上がっても首輪を引っ張られて転んでしまう事だろう。
なにより、一番戸惑ったのは。
「さ、さむ……えっ…!」
上体が裸だった。胸元の傷と背中を傷を晒している事もそうだが、その意図せず発育の良い胸をも表に晒し、前屈みに倒れていた影響が長い金髪が僅かに肌を隠してはいるが、それだけだった。
記憶にあるのは、昨晩の凌辱される際に上半身の衣服を引き裂かれたという事――。
羞恥に頬を染めかけるが、それどころではない事に気付く。
誰も居ないのではここから動く事もままならない、状況さえ確認出来ない。
今のまま時間を浪費したいとは到底思える筈も無く、困惑したように周囲に視線を向けた。
もっとも、こんな姿では人が居たとしてもとても話しかけられるものではないのだが。
(どうしよう……ハンマーも見当たらないし…。)
厄介なのは、自分の力を引き出す為のハンマーが目に触れる場所に無い事。
勿論、あったところで吸血鬼かそれに近しい者が居なければ効力など発揮できないのだが、唯一自衛の為になる装備がないというのは不安を煽る。
もしかすると昨日の野盗に奪われてしまったかもしれない。そうだとしたら、マルテは本当に何の役にも立たなくなってしまう。
どうにかしないと、そう思って手錠だけでもどうにか外せないかと両腕を無為に動かし、暴れさせるのだった。勿論、空しく鎖が擦れる音が響くだけで終わってしまったのだが。
ご案内:「貧民地区:奴隷牢屋」にフィンさんが現れました。
■フィン > こんな場所もあると言う訳か。興味深いな。
(偶々に覗いた奴隷市から道を外れて入り込んだ一角。
興味を持つように見回しながら歩み続ければいつの間にかたどり着くのは牢屋が並ぶ一角)
ここで奴隷を保管するわけか。不用心にも…おや?
(近くの牢屋を覗けば生気のない目で反応のない奴隷の姿
隣を見ても似たような状況に違うのかとみるが……
少し先から聞こえる金属音と声に視線を向けてそちらへと歩み)
元気なお嬢さんだね。何をしているんだ?
(近づき牢屋を覗きこめば暴れる少女の姿。他とは違う様子につい訪ねて)
■マルテ > 暫く手錠を動かしてみたが無駄だと分かり、項垂れる。
奴隷としての価値はない事は見ても明白な筈だが、首輪を付けているのが影響しているのだろう。
――はぐれ奴隷。
主人や持ち主たる奴隷商人が不明の場合、奴隷市場に引き渡されると一度拘束されるという。
脱走奴隷の可能性もあるから、らしいのだが詳しい事はマルテは知らない。
奴隷市場によって捕まっている可能性があるのだとしたらそういう理由だと思うが、本当にそうだという確証はどこにもない。
「う、う……首輪、もう、効力無いから、なぁ…。」
一度『処分』された奴隷の首輪の効力は消える。そして持ち主の情報も消滅する。
今回はそれが仇となった。つまり主人不明の状態、もし奴隷市場によって再度捕まっているのだとすれば今は価値の再確認か、主人の捜索のどちらかだろう。
憂鬱な思考を覚えながら溜息を零すと――不意に正面から声が聞こえた。
慌てて顔を挙げようとするが、上体に衣服が無い以上激しく動く事も出来ないので、どちらかというと上目遣いのような姿勢になるだろうか。
「あ、え…と……。」
何をしているのか、そんな問い。
そういえば、まともに人間に話しかけられるのは二度目だろうか。
しかし残念なことにマルテは他人と話す能力が欠如している、というより未熟。
なので何をしているのかと問われてもどう答えればいいのかわからず、口ごもって視線を返すにとどまってしまった。
――相手からは背後から光がある為、はっきりと少女の姿が見えるだろうか。
金髪が前に垂れて僅かに状態を隠しているが、どう見ても上体は裸体で、胸元には心臓を貫かれたような刺し傷の痕跡がある事。
濁った緑色の瞳の上、瞼には縦に刃物で切り裂かれたかのような痕が残っている事が。
■フィン > (明かりを受け中をよく見れば髪で隠れてこそいるが上半身が裸の少女の姿。
問いかけに口ごもる様子に首をかしげるように見て)
その姿を見るに奴隷闘士であっているか?
中々に勇ましい傷が多いようだな。
しかし話しにくいな。
(胸元や瞼に見える傷に勝手にそんな納得をして頷き
上目使いの少女の姿と牢が邪魔とみれば無造作に錠前を握り金属の割れる音ともに引き千切る9
これで話しやすい。もう一度聞く
金属音がしたが暴れて何をしていた?
(牢を開け無造作に入り込めば膝をつき視線を合わせるようにして)
■マルテ > 話す能力を多少でも鍛える機会があればこうはならなかっただろうが。
奴隷少女は基本的に役立たずとされてまともに会話する機会もなかった。
その為こうも上手く喋れないので、苦労する事も多かったのだが。
「い、いえ……私はその。微妙に違う、ような…。」
奴隷闘士であればこうも容易く捕まる事も無かっただろうに。
もっとも現れた男性らしき人物はそんな経緯は知らないだろうから、説明するのが難しいと思い、頭を悩ませる。
(吸血鬼ハンター、だなんて言っても通じないよね……。)
そんな、困惑した思考を浮かべてる中で。
ふと信じられない出来事が起きて唖然とした表情のまま。
無造作に入り込み膝をつく男性と、彼が入ってきた牢の扉を見て状況の理解に時間が掛かり。
「………えっ?」
漸く状況を理解する。
素手で、鉄格子の鍵を引きちぎった。
「ひっ……私は、別に、何も……そ、それより、あなたこそ、一体…?!」
驚く。というより、危険性に焦りと怯えを浮かべる。
吸血鬼と対峙した事があるのだから、この程度見慣れてはいるのだが、相手は見た目だけで言えばただの人間の男性だ。
その彼が握力だけで扉を破壊する――信じられない物を見て、理解して、毀れたのは小さなか細い悲鳴だった。
何をしていたのか、再度問われれば怯えたように何もしていないと、そう答えた上で何者かと問いかけようとしたが言葉が回らない。
■フィン > 違うか。先ほどの奴隷市では見なかった。
ならばそうだと思ったのだがな。
すると調教での傷か。
(微妙に違うと聞き奴隷とはわかるがどう違うのかが解らずに見下ろし。
表情が変わり、急に覚えた様子に何かと考えるが)
そうか。人間ではこういうことは無理か。
ならば答えは簡単だろう。人間ではない、それだけだ。
(持ったままだった鎖を捨て手を動かせば人ではないものへと変化したそれを見せ)
よく見てばうまそうだな。
(怯えを見せる少女を上から下へとみれば傷を気にすることなくそう口にすれば異形に変化した手を伸ばし捕まえようとする)
■マルテ > 「え、えと……間違いでもないけど、正解とも言い辛いというか……。」
明確な死の危険を感じたのはこれで三度目だろうか。
とにかく変に機嫌を損ねるような事を言ってはならない、生き長らえたのに再び死ぬわけにはいかない。
そう考えつつも逃げる事の出来ないこの身、だからどうすれば上手く逃れられるか、そういう方向にばかり思考が流れてしまい――。
「え…………な…!」
怯えは本格的に今日燈へと変わる。
手が、人ではない何かへと変化している。
(なに、それは。)
人ではない、腕ではない。
異形。異形の手だった。
暗闇のせいでどのような形をしているのかはっきりと見えないが、その形は人の其れでは無い事だけははっきりとわかる。
「ひ――…!?」
『美味そう』。
その言葉の意味する事は、考えずともわかる。
喰われる――そう直感した。
彼は人ではない、怪物だ。怪物という事は人の肉を喰らう事もあるだろう――つまり、そういう事なのだと察した。
慌てて逃れようと身を引く。反射神経が僅かに残っていたが、両腕と首輪に繋がれているせいで動きが鈍く、慌てて逃れようなどとしたものだから、
「きゃっ!?」
バランスを崩して、異形の手を持つ男に背を向ける形で俯せに倒れ込んでしまった。
両腕は後ろ手で拘束されてしまっているから、手を使う事はできない。
あちこちが破けて太腿が見え隠れするズボンの姿と、背中に大きな傷跡を持つ姿を無防備に彼の前に晒す形となってしまった。
■フィン > ややこしいな。はっきりと言え
(まさかここが価値の低い奴隷置き場など思いもよらず。
はっきりとしない少女の言葉に少しばかりイラつきを覚え)
答え合わせは魔族という事だ
見た事はないか?
(自分が特殊な分類に入るなど考えもせず
むしろ言葉足らずに告げた一言で更に怯えてしまった姿を見る。
捕まえようとしてから逃れようとした少女が背を向けて倒れ込んだのを見れば)
手間をかけさせないか。いい奴隷だ。
(太腿が見え隠れするズボンと傷のある背中を見下ろせば…
人のままの手をズボンにかけ一気に引き落とし、異形の指を秘所へと触れさせ擦り上げようとする)
■マルテ > 「私は……その、奴隷というよりは、実験体だから…。」
何の実験体かと言われればそれも答えるだろうが、それは相手の存在が何者かなど知らなければ成立する話。
――腕が異形となった彼に怯え、目を見開く。
魔族は見たことが無いわけじゃないが、こうも接近された事などなかったから、当然のように焦るのだ。
「い、嫌、来ないで…!」
ハンマーがあれば戦う事も出来たかもしれない、僅かだけでも。
しかし今は捕まり、抵抗の出来ない状態にある。
これでは戦うどころか逃げる事だって不可能だ。
そんな追い詰められた状態で無防備に背を晒してしまうが、男はむしろそれを良しと思ったらしい。
「ゃ……っ?!え…な、何をして……っ。」
ズボンを引き下げられ、下着を男の前に晒す事になる。
異形の指が下着を擦りあげれば背筋に鳥肌を立たせるも、そのまま喰われると思っていたマルテには想定外の事象であった。
何故喰らうのにそんなところを触るのだ、と。
腕から逃れるように身を捩るが、這い蹲った姿では逃げるような動きにさえ成り得ない。
■フィン > 実験?不死の実験か?
(胸や背中の傷を見れば重傷と言えるであろう痕に見え
異形とかした手を目の当たりにして目を見開く姿に笑みが浮かぶ。来ないでという声を無視するよう近づけば下着越しに愛撫をするように擦り上げて)
することなどは一つだろう。
奴隷なら知っているはずだ。このままするのも悪くないな
(身を捩る抵抗など気にも止めずに異形の指は下着を引き千切り愛撫を続け、濡れていないままで突き入れるのも悪くはないかと考え)
これも邪魔だな。
(少女の両腕と首輪の拘束も力ずくで外してしまい)